ラポールとは?信頼を構築する5つのスキルを公開!
- 人と打ち解けるのが苦手…
- 営業先のお客さんと信頼関係を築きたい!
- ラポールスキルって具体的にどうやって使ったらいいの?
日常生活はもちろん、ビジネスシーンにおいても相手との信頼関係はとても大切ですよね。
信頼関係があることで良好な人間関係を築くことができます。
さらにビジネスにおいては仕事を進めやすくなったり営業の成果に繋がったりとたくさんのメリットがありますね。
この記事では信頼関係の構築を意味するラポールについて解説していきます。
ラポールのメリットやラポール構築のためのスキルもお伝えしますので、信頼関係を構築する方法を知りたいと思っている方はぜひ参考にしてくださいね。
ラポールを構築できれば、あなたのコミュニケーション能力は格段に上がりますよ。
営業マンは知っておきたい「ラポール」の意味とは?
ラポールとはフランス語で「架け橋」という意味を持つことから、お互いの心を通じ合わせて信頼関係を築くことを意味します。
ラポール構築やラポール形成といった表現をされることが多いですね。
ラポールを構築することで相互理解が深まり、よりよい関係性を築くことができます。
円滑なコミュニケーションにはラポールのスキルを磨くことが大切なのですね。
ビジネスシーンにおいても取引先や顧客、会社の上司や同僚・部下といったさまざまな人に活用できるのでラポールの重要性は高いのですよ。
ラポールを構築するメリットや成果は?
ラポールを築くメリットは、双方に心の壁がなくなるのでお互いの言っていることを素直に聞きあえることです。
お互いの言っていることを素直に聞きあえることで信頼感や安心感を得ることができるのですね。
その結果、人間関係を良好に保つことができるのです。
信頼できる人の話には説得力が出ますし、相手も安心して自分の気持ちを伝えることができるので本心を引き出しやすくなりますよね。
だからこそラポールの構築はビジネスでも大いに活用できるのですよ。
営業で信頼される5つのラポールスキルとは?
営業において取引先やお客さんと信頼関係を築くことはとても大切です。
人と人との付き合いなので「信頼できる人と取引きしたい」「信頼できる人から商品やサービスを買いたい」と思うのは当然ですよね。
ビジネスシーンにおいて、ラポールの構築は仕事の成果にも繋がります。
ここでは、営業において信頼されるためのラポールスキルを5つ紹介します。
スキル1.バックトラッキング
バックトラッキングとはオウム返しのことです。
相手が言ったことに対して、同じ言葉を自らの会話に盛り込み話を進めていくやり方ですね。
バックトラッキングをすることで相手は自分の話をきちんと聞いてもらっていると感じ、安心感をもちます。
バックトラッキングの方法には「事実を繰り返す」「相手の感情を繰り返す」「相手が話した内容を要約する」という3つの方法があります。
とくに「相手の感情を繰り返す」バックトラッキングは、共感してもらえていると相手が感じるので効果的ですよ。
ただし、相手の感情とズレてしまわないよう注意しましょう。
繰り返した言葉が相手の感情とズレていると、相手は分かってもらえていないと感じて逆効果になりますよ。
バックトラッキングがうまくいくと相手に気持ちよく必要なことを話してもらえるので、営業においては強みになりますね。
スキル2.キャリブレーション
キャリブレーションとは、言葉以外の部分をよく見ることで相手の気持ちを把握する方法です。
具体的には相手のしぐさや表情、呼吸の仕方や話し方、さらには手や足の組み方などを見るのですね。
たとえば、口では「大丈夫」と言っていても、表情や声から大丈夫ではないことがわかる時ってありますよね。
その場合、優しい言葉をかけてあげるなど相手に寄り添う対応をすることでラポールが構築されていきます。
営業においても同様です。相手が納得していない顔をしているのにそのまま取引を進めては満足のいく結果にはなりませんよね。
相手が納得していないならどの部分に納得がいっていないのかを探ったり、もう1度大切な部分を説明するなど別のアプローチが必要になります。
キャリブレーションは、普段から相手のことをよく見ておくのがポイントです。相手が発するわずかなサインを見逃さないようにしましょう。
スキル3.ペーシング
相手の話すペースや声のトーンなどに合わせるのがペーシングです。
ペーシングを行うことで相手は無意識に自分と似ていると感じ始め、心を開きやすくなります。
つまり相手との距離感が縮まり、親しみを持ってもらうことができるのですね。
たとえば相手が早口で嬉しそうに身振り手振りをつけて話しているなら、自分も早めのスピードで話し身振り手振りを交えてリアクションをとるようにしましょう。
すると相手は好感を抱いて、より話をしてくれるようになります。
逆に相手がゆっくりと話しているなら、自分も相手と同じゆっくりのペースで話すことで安心感へと繋がります。
ペーシングをうまく行えば、相手は心地よさを感じ、コミュニケーションが円滑になりますよ。
スキル4.ミラーリング
相手の仕草を真似して鏡のように合わせていくミラーリングもラポールスキルのひとつです。
具体的には、相手の仕草/姿勢/手足の位置/呼吸などを合わせていきます。
ミラーリングは、動作を合わせることで気持ちを通じ合わせることができるという心理学の考え方からきているのですよ。
人は自分と類似性を持った人に対して好感を抱きます。
なので、ミラーリングを行うことで無意識の内に相手に親近感を持ってもらうことができるのですね。
ミラーリングのコツは、顔・頭・表情を鏡のように合わせることに加えて、あごの位置を真似ることです。
あごの位置を合わせることで自然なミラーリングができますよ。
ただし、ミラーリングをやりすぎると相手にバレて不快に思われるケースもあります。
そのため真似するときは同時にやるのではなく、少しテンポをずらして自然に行うといいですよ。
スキル5.マッチング
会話のテンポがずれた人とは話が盛り上がらないと感じることはありませんか?
自分がテンポよく話しているのに、相手がゆっくりとしたテンポで返してきたら会話にストレスを感じ、話を続けにくくなりますよね。
逆に同じテンポで会話を進められる人とは気が合うと感じ、心を開きやすくなります。
このように会話のテンポや声の大きさ、トーンなど耳から聞こえる情報をもとに相手に合わせていくことをマッチングと言います。
特に、マッチングは電話対応の場面で有効ですよ。
電話対応は視覚からの情報がないため、声のボリュームを合わせたり、同じテンポで話したりすることで相手から信頼感を得やすくなります。
相手がどのような話し方をしているのかに意識を向けて合わせていきましょう。
ラポールスキルの使い方を例文で紹介!
ここまでラポールスキルについて説明しましたが、実際のビジネスシーンでどのように使ったらいいのか分からないという方もいますよね。
次は具体例をもとにラポールを構築する方法をわかりやすく解説していきます。
ビジネスでラポールスキルを使いたいと思っている方はぜひ参考にしてくださいね。
例1.ビジネスで利用するバックトラッキングの例
バックトラッキングは相手の言ったことをそのまま繰り返すので、相手に肯定感を与えることができます。
バックトラッキングの具体例は以下のようなものですね。
相手:「新しく始めた事業がうまくいきそうなんだ。」
あなた:「新規事業がうまくいきそうなんですね!」
相手が言った言葉を使って会話し【事実を繰り返す】バックトラッキングを行っています。
もう1つバックトラッキングの例を見てみましょう。
相手:「この前出した広告について困ってるんだよね。あまり効果が出ていないみたいで、、、どこを改善したらいいのか話しているんだけど具体的な案も出てなくて。思ったようにいっていないのが現状だよ。」
あなた:「広告の成果がでなくてお困りなんですね。」
【相手の感情を繰り返す】【相手が話した内容を要約する】バックトラッキングの例ですね。
相手の感情に共感したり、話していることの要約ができれば「この人は私のことをきちんと理解してくれている」と相手に思ってもらえます。
理解してくれているという安心感があることで相手は心の内を話してくれるようになり、ラポール構築に繋がりますよ。
例2.ビジネスで利用するペーシングの例
お客さま:ゆっくりと丁寧に話をする
あなた:お客さまの話すペースに合わせてゆっくりと話をする
ペーシングは相手に合わせることが大切です。
まずは、話し方を合わせましょう。 ゆっくり話す人にはゆっくり、早く話す人には早口で話す大きな声の人には大きな声で、小声の人には小声で話す
そして、相手の感情をよく見ましょう。
相手が今うれしいのか、悲しいのか、怒っているのかなどを読み取り、自分の気持ちも合わせてください。
そうすることで、相手から「自分の気持ちを分かってくれる」という信頼を得ることができ会話をリードできます。
上級テクニックになりますが、呼吸を合わせることも大切です。
よく、“息ぴったり”って言いますよね。それは無意識レベルでペーシングされているからなんですよ。
相手の肩やお腹の動きを観察し、同じタイミングで呼吸してみましょう。
ペーシングすることで相手の感情を知ることができ、会話の主導権を握ることができますよ。
例3.ビジネスで利用するミラーリングの例
ミラーリングの具体例をみてみましょう。
お客さま:姿勢よく正面を向いて座って話をしている
あなた:同じく姿勢よく正面を向いて話す
お客さま:前かがみで資料に目を落とす
あなた:同じく前かがみになり資料に目を落とす
このように鏡のように相手に合わせて動作を真似します。
営業にしても接客にしても親近感のわく相手だと最後まで話を聞こうという気持ちになりますよね。
ミラーリングは無意識の内に相手に親近感を抱いてもらえるのでとても効果的なのです。
そのほかにもミラーリングの対象として、以下のような項目が挙げられます。
- 頭はまっすぐか、前後左右のどこかに傾いていないか
- 背筋は伸びているか、体は傾いていないか
- 手の位置はどこか、足は組んだり開いたりしていないか
- 呼吸は浅いか、深いか
また、相手の動きだけではなく気持ちに同調することも大切です。
相手が笑っていれば一緒に笑う、悲しい気持ちならば一緒に悲しむといったことですね。
相手の気持ちに寄り添った対応ができれば信頼感を得られますよ。
ラポールの構築で注意するべきコツ6つ
ラポールがうまく構築できると人間関係がスムーズにいくことが分かりましたね。
しかし、正しくラポール構築を行わなければせっかくラポールスキルを使っても逆効果になる可能性があります。
ラポール構築で相手と良好な関係を築くためにはラポール構築の際の注意点をしっかり理解しておくことが大切です。
次はラポールを構築する際のコツについて見ていきましょう。
コツ1.相手に興味を持つ
ラポールを構築する前提として、相手に興味を持って尊重することが大切です。
というのも、相手に興味を持つことでより深く相手を観察することができるのですね。
たとえば、自分が話をしている時に興味なさそうに聞かれたら、悲しい気持ちになってそれ以上話したいと思いませんよね。
これでは信頼関係を築くことが難しくなってしまいます。
どんなにラポールスキルを使っていても、相手への興味や尊重がなければラポールは構築できません。
ラポールは構築には「相手のことを知りたい」というスタンスが重要ですよ。
コツ2.不自然なコミュニケーションを避ける
ミラーリングをする際に、相手を不快にするようなおおげさな真似は避けましょう。
真似していると相手に気づかれると不信感を抱かれてしまいます。
自分の動きを真似する人が目の前にいたら、誰だって違和感を感じますよね。
ミラーリングはさり気なくすることがポイントです。
相手と少しタイミングをずらすなど、不自然にならないように気をつけましょう。
コツ3.相手を否定しない
ラポールの最終目標は無意識での信頼関係の構築です。そのため相手を否定してはいけません。
自分のことを否定されるとその人に対して少し壁が出来てしまいますよね。壁がある状態ではラポールを構築するのは難しくなります。
しっかりとラポールを築くためにはまず、for you(相手のため)を意識しましょう。
自分のことばかり優先する人のことは信用できませんよね。意識すべきは相手のことです。
そして、for you(相手のため)の次はin you(一体化)を目指しましょう。
相手と自分が一体化できれば大きな安心感が生まれ、深い段階でのラポール構築ができますよ。
コツ4.最初に本題を持ちださない
ラポールの構築をする際はいきなり本題から入る会話は避けましょう。
会ってすぐに本題に入ると唐突で事務的な印象を受けますよね。
まずは当たり障りのないことや相手の興味のあることなどを話して会話の雰囲気を作ることが大切です。
相手との距離が縮まったところで本題に入る方が相手の警戒心が薄れ、ラポールが築きやすくなりますよ。
本題に入る前にはしっかり会話の雰囲気を作っておきましょう。
コツ5.価値観となるキーワードを意識する
相手の価値観を知ることもラポール構築には必要です。
なぜなら、相手が大切にしていることを知ると、会話の中で話すべきポイントが分かりやすくなるからです。
たとえば、相手が家族を大切にしているのなら、家族のことを気にかけてくれる人には好感を持ちますよね。
また、価値観を知ることは相手の機嫌を損ねるNGワードを避けることにも繋がります。
普段の会話からある程度推測したり、自分の大切にしているものを話してから、さり気なく相手に話を振ったりして価値観となるキーワードを探っていきましょう。
コツ6.VAKを意識する
人は五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を通して情報を得たり対処しています。
その中で視覚(Visual)/聴覚(Auditory)/触覚・味覚・嗅覚の3つを合わせた身体感覚(Kinesthetic)の3つのことを頭文字をとってVAK(ヴイ・エイ・ケイ)と言います。
VAKのどの機能が優位に働くかは、人によってさまざまです。
なので、会話の中で相手がどのタイプなのか見極めてアプローチしていくことが大切なんですよ。
VAKがそれぞれどのような特徴を持つのか詳しく見ていきましょう。
・視覚(Visual)タイプ
視覚(Visual)タイプは目で見たことを重視するタイプです。
早口で考えているイメージをジェスチャーで伝える傾向があり、見る/イメージする/ビジョン/見通しなど視覚に関するワードを好んで使っていますね。
視覚(Visual)タイプは視覚からの情報をもとに考える傾向にあるので、視覚に訴えるのが有効です。
文字や説明だけよりも、写真やグラフなど目で見て分かるものを活用することで相手に伝わりやすくなりますよ。
・聴覚(Auditory)タイプ
聴覚(Auditory)タイプは耳で聞いたことに重きを置くタイプです。
論理的、理論的に話す傾向があり、うんちくが好きです。また、言葉を大切にするので、独り言が多くなりがちな点も特徴にあげられますね。
聴覚(Auditory)タイプは耳から聞いた情報を擬音語や感嘆を表す言葉で言い換えることも得意です。
なので、擬音語や感嘆を表す言葉など音を使って話すことでより相手に伝わりやすくなります。
ただ会話自体も音の情報ですよね。なので、耳からの情報をもとに考える聴覚(Auditory)タイプは、普通に会話しても伝わりやすい人が多いですよ。
・身体感覚(Kinesthetic)タイプ
話すスピードがゆっくりで、体の感覚に合わせた言葉で話すのが身体感覚(Kinesthetic)タイプです。
体で感じながら話すので会話のスピードはゆっくりです。「心が熱くなる」「胸に刺さる」など、体の感覚にまつわる表現をよく使いますね。
身体感覚(Kinesthetic)タイプは、ゆったりとした居心地の良いコミュニケーションを求めるので、ひとつずつ順序だてて会話することがポイントです。
また、実際に触ってもらったり体験してもらうと情報が伝わりやすくなるので効果的ですよ。
ラポールの構築が成功した後にやるべき「リーディング」
ラポールが構築できたら次にやることは「リーディング」です。
リーディングとは相手を注目させたい方向に導くことです。質問や提案を行うことで相手との会話をリードし、自分の望む目的へと繋げていくのですね。
リーディングは日常生活やビジネスシーンなどさまざまなところで使えますが、ビジネスシーンにおいては特に重要となります。
なぜなら、ビジネスには商品やサービスを購入してもらったり、契約をしてもらうという目的があるからです。
目的へ向けてリーディングしていくことで、成果に繋がるというわけですね。
また、リーディングは部下へのコーチングにも使えます。
目標達成に向けて部下のやる気を引き出したい、部下の抱えているトラブルを解決したいといったケースはよくありますよね。
そんな時に会話を通して部下を導いていくわけです。
リーディングがうまくいけば、自分が先導してより良好な関係性を築けますよ。
ただし、信頼関係が築けていないと相手は提案を受け入れにくく、リーディングもうまくいきません。
なので、リーディングは必ずラポールを築いてから行うようにしましょう。
ラポールが崩れたときの対応とは?
ラポールは1度構築したら終わりではありません。時には崩れてしまうこともあります。
たとえばラポールを構築した時の状況と今の状況が変わっていれば、今の状況に合わせてコミュニケーションを取る必要がありますよね。
また、相手の考えが変わることだってあります。
1度崩れてしまったラポールを再構築するには、自分の行いを振り返ることが重要です。
相手とのコミュニケーションの取り方は適切だったか、認識のズレが生じていなかったか、しっかりと見直しましょう。
そして、認識がズレてしまった段階まで戻ってください。
相手との認識をすり合わせていくことで再びラポールを構築することができますよ。
まとめ
ラポールを構築できればコミュニケーションスキルが格段に上がることが分かりましたね。
最後にこの記事で説明した内容を簡単にまとめます。
- ラポールとはお互い心を通じ合わせて信頼関係を築くこと
- ラポールの構築によってコミュニケーションが円滑になる 相手に興味を持って、否定しないことがラポール構築のコツ ラポールを構築したらリーディングによって相手を導くことができる
- ラポールが崩壊しても再構築できる
バックトラッキング/キャリブレーション/ペーシング/ミラーリング/マッチングなどラポール構築のためのスキルはたくさんあります。
まずは自分のやりやすいものから行っていくといいですよ。
ラポール構築の基本は相手を尊重することです。相手への思いやりを忘れずにラポールの構築を行ってみてくださいね。