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森谷俊之

LibRu代表取締役

個人・小規模事業者向けのマーケティング・ブランディングのコンサルタント/セールスコピーライター

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ドアインザフェイスとは?心理学的な意味や効果について解説

  • 仕事でもっと契約を取れないかな?
  • この仕事、あとちょっとだけ待ってほしいな
  • 頼みごとをしてもよく断られるのはなんでだろう

仕事や日常生活においてこんな悩みはありませんか?

交渉をしていて相手から自分の希望する返事をもらえない場合には、交渉方法をうまく活用できていない可能性があります。

実は、交渉にはちょっとしたコツがあります。

この記事では「ドアインザフェイス」という交渉テクニックについて解説しています。

仕事や日常生活での活用例も交えて分かりやすく紹介していますので、交渉テクニックを上げたい人はぜひご覧ください。

「ドアインザフェイス」を活用してうまく交渉することで、自分の思い通りに物事を進めることができますよ。

目次

ドアインザフェイスの心理学的な意味とは?

「ドアインザフェイス」とは「譲歩的依頼法」とも呼ばれる交渉テクニックのひとつです。

“shut the door in the face”(門前払いする)という英語から来た用語で、営業マンが断られる前提で窓から顔を出し、取引を持ちかける様子が由来となっています。

ドアインザフェイスは、本命の提案を受けてもらうために先に受け入れてもらえないであろう大きな提案をして、次に本命である小さな提案をする交渉術です。

大きな提案を断ることで相手は罪悪感を抱き、小さな提案を受け入れやすくなるのですね。

また、人は他人に借りを作ったままでは心が落ち着かず、なにかお返しをしたくなる返報性の心理にも基づいています。

相手が持つ罪悪感と、次こそは提案に応えなければいけないという返報性の心理を使った交渉テクニックがドアインザフェイスなのです。

交渉がうまくいかないと悩んでいる方は、もしかするとコミュニケーションコストが高すぎることが交渉を有利に進められない原因になっているかもしれませんね。

ぜひこちらの記事でコミュニケーションコストについても確認してみてください。

営業以外にも!ドアインザフェイスの効果がある例を紹介

仕事だけではなく日常生活でも自分の要求を通すために誰かにお願いをすることはありますよね。

そんな時、ドアインザフェイスを使った交渉は効果的です。

実際にどのようにドアインザフェイスを使うのか、具体例を見てみましょう。

【職場】納期を変更したいとき

仕事でどうしても締め切りに間に合わないときや、他の仕事が立て込んで納期に間に合わないときにドアインザフェイスで期日を延ばすことができます。

たとえば、1日でもいいので期日を延ばしてほしい時の交渉例を見てみましょう。

あなた「すみません。納期を1週間延ばしてもらえませんか?」 
相手「そんなには待てないね。」
あなた「では、3日いただけないでしょうか?」
相手「うーん、3日は厳しいな。」
あなた「では、あと1日だけ待っていただけないでしょうか?」
相手「1日だけなら」

本命の提案は1日でも納期を伸ばすことなので、交渉は成功です。

ドアインザフェイスを使えば、納期や締め切りの延長交渉もできますね。

ただし、使いすぎには注意しましょう。あまりに使いすぎると、締め切りの守れない自己管理のできない人だと思われてしまいます。

会社での評価も下がるうえに、ドアインザフェイスを使っての締め切り交渉の効果も薄れます。

使うタイミングや回数には気をつけてくださいね。

【恋愛】デートに誘いたいとき

恋愛でもドアインザフェイスを使うことができます。

気になる異性と仲良くなるためにドアインザフェイスを使って連絡先を聞く方法を見てみましょう。

あなた「今度2人でデートしない?」
相手「うーん、2人はちょっと…」
あなた「じゃあ仲いい子たちみんなでご飯行かない?」
相手「えーっと、予定がまだ 分からないんだよねー」
あなた「それじゃあ、また連絡するから連絡先教えてよ。」
相手「いいよ」

相手は、最初にデートという大きな提案を断っているので罪悪感を感じ、連絡先という小さな提案を受け入れてくれました。

連絡先を知るという目的は達成できましたね。

大きな提案を提示してから本命の小さな提案を要求することで、相手は「これくらいならいいかな」という気持ちになり、交渉がうまくいくのですよ。

【日常生活】お小遣いアップを交渉したいとき

お小遣いをあげて欲しい時、いきなり「もっとお小遣いが欲しい!」と言っても成功しないですよね。

この場合も、ドアインザフェイスが効果的です

お小遣いを3,000円あげて欲しい時の交渉例を見てみましょう。

あなた「お小遣い1万円上げて!」
相手「無理に決まってるでしょ。」
あなた「えー、じゃあ5千円は?」
相手「そんなにアップできないよ。」
あなた「3千円でいいからお願い!」
相手「まあ、そのくらいならいいかな」

最初に1万円を要求されているので、相手は3千円が安く見えて交渉に応じます。

いきなり希望の金額を言うよりだんだん金額を下げていく方が、相手のハードルも下がり要求を受け入れやすくなるのですよ。

【注意】ドアインザフェイスで押さえておくべき4つのポイント

ドアインザフェイスはとても便利な交渉術ですが、どんな場合でも成功するとは限りません。

ドアインザフェイスの使い方や使う相手を間違えると効果が出ないこともあります。

ドアインザフェイスを正しく使いこなすためにはポイントを押さえることが大切です。

次はドアインザフェイスを使うときに押さえておくべき4つのポイントを紹介します。

ポイント①信頼関係を構築してから活用する

ドアインザフェイスを効果的に使うには、相手との関係性が重要です。

たとえば初めて会った人に「10万円貸して」と言われても不信感を抱き、ドアインザフェイスを使ってもお金を貸す人はいませんよね。

なぜドアインザフェイスの効果がないのかというと、初めて会った人との間には信頼関係がないからです。

特に親しくない人の要求は断っても罪悪感を感じにくく、代わりに何かしなければという返報性の心理も働きません。

そのためドアインザフェイスを効果的に使いたいなら、交渉相手と良い信頼関係を築きましょう。

信頼している人の頼み事は断りづらく、断った場合も罪悪感をもちますよね。

あとで何か埋め合わせをしなければ、という気持ちも出てきます。

ドアインザフェイスは信頼関係を築いてから使うと効果的ですよ。

特にビジネスでは信頼関係が交渉場面でとても重要な役割を果たします。交渉スキルを高めたい人は、ぜひラポール(信頼関係)についてこちらの記事も参考にしてみてください。

ポイント②最初の要求は常識の範囲内でおこなう

最初の大きな要求は常識や相場の範囲内で行わなければいけません。

大きい要求だからといって相手に無理難題を押し付けるのではなく、相手に「ちょっと難しいかな?」と思わせるラインを見極めましょう。

たとえば、1,000円で売りたいと思っている商品に対して、大きな要求だからと最初に10万円で提示するのはあまりにも相場からかけ離れていますよね。

相手は無茶なことを言うあなたに不信感を抱き、それ以上話しを聞いてくれない可能性も出てきます。

大きい要求から掲示することがドアインザフェイスの基本ですが、非常識な要求や相場を大きく外れた要求は相手を不快にさせます。

不信感や不快感を抱かれては交渉をうまく進めることはできません。

ドアインザフェイスを使う時は、最初の大きな要求は常識の範囲内にしましょう

ポイント③交渉期間をあけない

ドアインザフェイスを使う時は、相手が要求を断ってしまった罪悪感を持っているうちに次の交渉を提案しましょう。

人は時間が経つと罪悪感が薄れてしまいます。

大きな要求を断られた1週間後に小さな要求をしても、相手には大きな要求を断ってしまった罪悪感はすでにありません。

これでは返報性の心理は成り立ちませんね。

相手が「次も断ってしまったら申し訳ない」と感じているうちに次の要求を提案するのが成功のコツですよ。

ポイント④同じ相手に繰り返し使うのはNG

同じ相手に短期間で何度もドアインザフェイスを使うことも避けましょう。

1度うまくいったからと言って何度も同じテクニックを使ってしまうと、相手に気づかれてしまいます。

ドアインザフェイスは心理テクニックなので、人によってはコントロールされていると感じ不信感を抱かれる可能性があります。

同じ相手に繰り返しドアインザフェイスを使うと、信用を失うことになりかねないので注意しましょうね。

「ドアインザフェイス」と「フットインザドア」の違いとは?

ドアインザフェイスは大きな要求からだんだんとハードルを下げて本来の要求を受け入れやすくする手法です。

対して、フットインザドアは簡単な要求からだんだんとハードルを上げて高い要求を受け入れやすくする手法です。フットインザドアは「段階的要請法」とも言われますね。

人は自分の行動や態度などを一貫したものにしたいと考えます。この心理を「一貫性の法則」と言います。

フットインザドアはこの一貫性の法則に基づいて、1つのことを承諾したら次も受け入れなければならないと相手に思わせるのですね。

簡単な要求であれば相手も承諾しやすくなるので、最初の要求は「このくらいなら簡単だし、いいかな?」と思わせることが大切ですよ。

フットインザドアは小さな要求から相手に提案していくので、お互いの信頼関係が築けていなくても使えます。なので、飛び込み営業や新規のお客様に提案する時に有効な交渉テクニックですよ。

反対にドアインザフェイスは信頼関係がないと成立しません。

ドアインザフェイスとフットインザドアは真逆の交渉テクニックなので、相手を見極めて使い分けしましょう。

まとめ

交渉テクニックのひとつ「ドアインザフェイス」についてみてきました。

最後に、この記事のポイントを簡単にまとめます。

  • ドアインザフェイスは大きな要求を断る罪悪感から本命の小さな要求を通す交渉テクニック
  • ドアインザフェイスは仕事や日常生活などいろいろなシーンで使える
  • 相手との間に信頼関係が築けているとドアインザフェイスは効果的
  • 初めの大きな要求はハードルを上げすぎると信用を無くす
  • 相手が罪悪感をもっているうちに本命の要求をする
  • 簡単な要求から大きな要求をしていくフットインザドアという交渉テクニックもある
  • ドアインザフェイスもフットインザドアも交渉を有利に運べるテクニックです。
  • 交渉の相手や状況に合わせてうまく交渉テクニックを活用することで、より効果を発揮します。

この記事を参考にあなたの交渉テクニックをアップさせましょう。

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