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森谷俊之

LibRu代表取締役

個人・小規模事業者向けのマーケティング・ブランディングのコンサルタント/セールスコピーライター

経営者の3つの課題「お金がない、時間がない、人材がない」は、シンプルな仕組みで解決できます。集客から販売までを自動化して、ビジネスを成長させていくための仕組み構築を支援します。

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起業セミナーは怪しい?共通する4つの特徴と見分け方

  • 起業セミナーって全部が怪しいの?
  • 怪しいセミナーの見分け方を知りたい!
  • 強引に契約させられたらときの対処法は?

起業セミナーのなかには紹介料で成り立っている組織があったり、高額なセミナーに申し込みさせられることもあるため、悪質なものかそうでないかを見極められるかがとても大切です。

この記事では、怪しいセミナーの共通点や見分け方を紹介しています

セミナーの見分け方を知ることで、不安が解消されて行動しやすくなりますよ。

目次

参加したら洗脳される?起業セミナーの本来の目的とは

最初に結論を言っておくと、起業セミナーは全てが怪しいわけではありません。

というのも、起業セミナーは次のような目的で開催されることがあります。

  • 起業家向けコンサルティングやサポートサービスを有料提供したいから
  • エンジェル投資家が優良な起業家を見つけ出したいから
  • 税理士や会計士が新規顧客を見つけたいから
  • 行政や自治体が起業家を増やしたいから
  • コワーキングスペースやレンタルスペースが場所提供をしたいから

このように全ての起業セミナーが、洗脳やお金を騙し取ることを目的としているわけではありません。

そして、あなたが参加しようとしているセミナーに対して怪しいと感じてしまうのは、セミナーの多くがフロントエンド・バックエンド戦略というマーケティング手法を用いているからです。

この戦略の詳しい内容は別記事で紹介していますが、かんたんに言い換えると、無料や低価格のセミナーを実施して集客し、その顧客リストに対して有料の商品を売ることで利益を出す方法です。

これはセミナーに限らず、さまざまなビジネスで応用されています。

たとえば、マクドナルドなどでも100円マックという魅力的な商品で集客して、ポテトフライやドリンクで利益を出すような価格設定になっていますよね。

このフロントエンド・バックエンド戦略自体は違法ではありませんが、一部の違法なセミナーではバックエンド商品として詐欺的に高額な商品が用意されていることもあります。

もしこれから怪しいと感じているセミナーに参加するなら、この記事で紹介している怪しいセミナーの特徴や見分け方についてしっかりと目を通しておきましょう。

【大前提】怪しい起業セミナーだと感じたら情報収集は必須

まず大前提として、起業セミナーへの参加申し込みをする際はすぐに決めず、できるだけ多くの情報収集を行ってください。

たとえば検索で調べてみると、セミナーの雰囲気や内容の他に、場合によっては被害に遭ったといった口コミが見つかるケースもありますよ。

なぜしっかりとリサーチした上で参加すべきなのかというと、怪しいセミナーに参加することは次のような危険性があるからです。

怪しいセミナーの危険性

  • お金をだまし取られる
  • 大切な時間を無駄にする
  • 良好な人間関係を失う
  • 身の危険を感じる

こんな起業・経営者セミナーは怪しい!4つの特徴

怪しい起業セミナーには似通ったところを覚えておけば、安心して参加できる起業セミナーなのか、怪しいのかが判別しやすくなりますよ。

検討している起業セミナーがこれらに当てはまるかどうか、チェックしてください。

これらを見たとき、「どこの集まりでもあるんじゃない?」と考えられますよね。

どういったところがポイントになってくるのか、詳しく見てみましょう

特徴①主催側の経歴に嘘や誇張がある

起業をする上では、実績がある人や経験豊富な人から学びたいのは当然ですよね。

なので主催者側も講師の経歴や会社の実績を記載して、アピールしているセミナーが多くあります。

しかし、記載してある実績や経歴が嘘や誇張だったりするケースもあるのです。

信頼できそうな経歴が書いてあったとしても簡単に信用せず「本当かな?」と疑って、記載内容を検索してみてください。

書かれている内容を鵜呑みにせず、リサーチをして自分自身で判断することが大切です。

よくある経歴詐称の例(※すべての方が該当するわけではありません。)

  • 有名大学出身・海外●●大学出身(中退やそもそも入学していないケースもある)
  • 数ヶ月でSNSフォロワー●●万人(自動ツールやアカウント買いで作られている可能性がある)
  • 月商●●万円を▲▲月で達成(最高月収だけを見せて、実態よりも大きく見せているケースがある)

特徴②「人生の成功者になれる」と精神論ばかりを主張する

「人生を変えることができる」「成功者はこう言っている」など精神論だけを語るセミナーには要注意です。

怪しい起業セミナーでは精神論だけを語り、「努力が足りないから起業ができない」などと上手くはぐらかしているケースがあります。

起業についてのセミナーの場合、多少の精神論が出てくるケースはあります。

しかし役立つ起業セミナーでは精神論以外にも、起業までの道のりや法人の設立の方法、資金調達など、具体性があり学びのある情報を提供してくれますよ。

怪しいセミナーなのかを判断するときは、セミナーに参加して得られることにも注目しましょう。

特徴③やたらと成功体験をアピールしてくる

  • 高級ホテルの写真や海外旅行の写真をSNSでアップする
  • 高級ブランド品で身を固める
  • 高級車を見せびらかす

怪しいセミナーでは、上記のようなアピールがよくみられます。

過度なお金持ちアピール以外にも、経歴にどん底からのストーリーをやたらとアピールしてくるのも要注意です。

たとえば「ホームレスから年収1億円」「借金地獄から3ヶ月で脱出、現在は高級ホテル暮らしで仕事をしています」などですね。

若者に「今はお金がないけれど、いつか自分もこうなりたい!」という夢を見させるため、共感を呼び起こすために過剰な演出をしている可能性がありますよ。

実際には、高級車に乗っていることをアピールしていても一日だけレンタルしていることもありますし、海外旅行の写真もいくらでも合成することは可能ですね。

繰り返しになってしまいますが、書いてあることが全て真実とは限りません。演出の可能性もあるので注意しましょう。

特徴④「絶対」「確実」などの誇大広告をだしている

「絶対に儲かる」「確実に業績が上向きになる」などの言葉がでてきたら、用心してください。

普通の言葉のように思いますが、市場環境も変化するなかで「確実に」とは誰もいえないのです。

さらに効果を断定する文言は「景品表示法」の誇大広告に当たり違法になります。

セミナーや案内で「確実」「絶対」という言葉を使うのも、怪しい起業セミナーの特徴のひとつです。

怪しいセミナーかを見分ける4つの方法

参加を検討しているセミナーが怪しいかをチェックできれば、起業セミナー対する不安が減りますよね。

怪しい起業セミナーかを事前に見分けるポイントは4つあります。

ここでは4つのポイントを詳しく見てみましょう

見分け方①料金が高額すぎないか起業セミナーの相場を調べる

「参加料が少し高いかな?」と少しでも違和感を感じたら、相場を調べてください。

セミナー料金は著名な方の場合は10,000円ほど取ることもありますが、一般的に1時間から2時間で3,000~5,000円が相場です。

ただしセミナーの内容やターゲット、開催場所などによって価格は変わるので、過去の開催履歴や似ているセミナーを参考に相場をリサーチしましょう。

起業セミナーのなかには、初回無料でも後々高額になってくるケースも考えられます。

口コミやSNSなどで、後になって料金が高額になってこないかという点も確認をしてくださいね。

講師の実績や起業セミナーの内容、口コミなど、しっかりとリサーチして参加料金が妥当な金額なのかを判断しましょう。

見分け方②主催者の経歴や実績をしっかりとチェックする

主催者の経歴や実績も嘘のことが書かれていることがあると前述しましたが、書かれている経歴、会社、実績に嘘の表示がないか確認をしてください。

たとえ多くの著作を出しているからといっても安心はできません。

なぜなら今や電子書籍の出版は誰でも簡単にできるからです。

また、「起業コンサルタント」などの肩書が書いてあったとしても、肩書は自分で勝手に言えるものですね。

著作や肩書きなどの情報をそのまま信用しないようにしましょう

初めての起業セミナー参加で不安な方は市や自治体、金融機関が開催している起業セミナーなど信頼がおけるセミナーへの参加をおすすめします。

開催する会社の信用度・信頼度・安全性を確認した上で申し込みを検討してくださいね。

見分け方③セミナーで得られる内容をチェックする

怪しいかどうか見分ける方法として、セミナーで得られることが具体的に書いているかどうかをみてください。

たとえば「1日5分やるだけで100万円稼げる方法」や「主婦が2か月で月収100万円!」などの謳い文句には、どんな方法でといった具体性がありません。

それに対して、「起業で使えるSNS集客方法」「ブログ集客を成功させる簡単SEO対策」などは、セミナーで得られる内容が具体的に書いてありますね。

悪質なパターンでは参加したセミナーでは具体的な話をせず、「詳しい内容は特別なセミナーに申し込むと教える」と言って、さらに高額なセミナーを申し込まされることもあります

起業セミナーへ申込みをする際には、相手が具体性のあることを言っているかを見極めて、立ち止まって考えるようにしてください。

見分け方④参加者の口コミをチェックする

起業セミナーの安全性を見極める際には、参加者の口コミを確認しましょう。

何度も開催しているセミナーならSNSやブログなど、口コミがある可能性はとても高いです。

そして口コミをチェックするとき、注意すべきことは高評価な口コミばかりが並んでいないかということです。

たとえば、「●●セミナー 口コミ」とGoogleで検索した場合、上位に表示されているブログ記事がすべて高評価しかない場合はこれは意図的に作られていることもあります。

低評価の口コミコンテンツに対して削除依頼を出し、無理やり高評価な口コミコンテンツを表示させようとしている場合があるからです。

なので口コミを見る時は、なぜその口コミがあるのかまでしっかりと考えて、あくまでも第三者の意見として評価するようにしてくださいね。

【後悔】怪しい起業セミナーやオンラインサロンに参加した失敗実例を紹介

近年スマートフォンの普及により、SNSの広告から企業HPの案内を簡単に見られるようになりました。

またセミナーへも、すぐに申し込みができたり、手軽に連絡が取れるようになってきましたね。

一方で、その気軽さを利用して高額な起業セミナーに契約させられたり、ローンを組んで契約させられるなどの被害が増えています。

ここでは、独立行政法人国民生活センターが掲載している怪しい起業セミナーやオンラインサロンに参加された方の実例をご紹介します。(※1)

(※1)独立行政法人国民生活センター 新たな“もうけ話トラブル”に注意-オンラインサロンで稼ぐ!?

実例①怪しいインスタ起業家にも注意!SNSのDMからオンラインサロンへ入会

SNSで「稼ぎ方を教えます」とDM(ダイレクトメッセージ)が届き、無料通話アプリで相手に連絡した。

そこで「ブログでアフィリエイト収入が得られる」「ビジネススキルを情報商材で提供するのでオンラインサロンで勉強できる」等と勧められ、約30万円でオンラインサロンへ入会することにした。

契約書はウェブ会議のやり取りで作成して交付された。

実際にブログを始めたが、「オンラインサロンの人が○万円稼げました」などと偽りの発信を指示されるようになり、また、内容も稼げるものではないことがわかった。

解約して返金してほしい。

(2021年1月受付 30歳代 男性)

引用元:独立行政法人 国民生活センター

実例②オンラインサロンから高額セミナーへの勧誘

コロナ禍で無職になり、以前登録したオンラインサロン経営に関するメールマガジンを読み、マル秘動画を見るために会員登録をした。

マル秘動画は大した内容ではなかったが、動画内でWEB会議を使った数千円のセミナーで詳しい話をすると紹介があり申し込んだ。

そのセミナーで、オンラインサロン経営についての高額なセミナーの勧誘を受けた。借金があり支払いができないと言って断ったが、「この値段は今だけ」「今以外だと30万円あがる」と強く言われ、勧誘も長時間続いて根負けし、クレジットカードで約80万円を決済して契約した。

契約書面は交付されず、やめたいと思ったが、事業者から送られてきたデータを見たら、クーリング・オフできないと書いてあった。返金は無理だろうか。

(2020年10月受付 50歳代 女性)

引用元:独立行政法人 国民生活センター

実例③主催者の情報を調べずにオンラインサロンに参加

SNSの広告を見て事業者に連絡を取ったところ、「不動産投資等でもうける方法を教える」と、約25万円の資産形成オンラインサロンを無料通話アプリで勧誘された。

毎月2万円の分割払いで契約したが、説明と違い会員を増やせば紹介料が入るなどのような内容だとわかり、支払いを中止したところ、未納料約10万円を請求された。

契約時、クーリング・オフ等が記載の書面等を受け取っておらず、事業者の住所や電話番号等はわからない。契約を解除して返金を求めたい。

(2021年3月受付 20歳代 男性)

引用元:独立行政法人 国民生活センター

【対処法】起業セミナーで詐欺にあってしまったら?

人は冷静に判断したつもりでも、不安な場面になるといつもと違う判断をしてしまうことがありますね。

手口も巧妙になっているため一瞬では見抜けず、少しずつ話が契約する方向になっていることもあります。

ここでは万が一に備えて、騙されたときはどのように対応すべきなのかみていきましょう

騙されたと気づいても泣き寝入りせず、ぜひ各機関に相談してくださいね。

対処法①消費生活センター(国民生活センター)に相談する

消費生活センターは地方公共団体が設置する行政機関で、「誰もがアクセスしやすい相談窓口」として開設されたものです。

商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情や問合せなど、消費者からの相談を専門の相談員が受け付けていますよ。

「自分が契約してしまったのは詐欺なのか」「詐欺の場合どうしたらいいのか」不安な場合は、一度相談窓口に電話をしてみましょう。

対処法②クーリングオフ制度を使う

クーリングオフ制度は、消費者が訪問販売などの特定の取引で商品やサービスを契約した後に「契約をやめたい」と思ったら、一定期間であれば理由を問わず契約の解除ができる制度です。

ただしセミナー契約の場合、クーリングオフできないケースもあるので注意してください。

自分のセミナー契約がクーリングオフ可能なのか迷ったときは、先ほど紹介した消費生活センターへ相談しましょう。

クーリングオフには期限もあるため、早めの相談をおすすめします。

対処法③弁護士へ相談する

契約書も交わしていない上に、クーリングオフ制度の期間も過ぎてしまった場合でも、そのままにしないでください。

セミナートラブルを専門にしている弁護士もいますし、法務省が公的機関として設けている「法テラス」(日本司法支援センター)もあります。

法テラスは国民の身近な法律トラブルの相談窓口として全国にあり、経済的な理由で弁護士を依頼するのが難しい人にも法律の支援をすることを理念にしています。

「弁護士費用も出せない」「もう前のことだから無理」とあきらめず、一度相談してみてくださいね。

まとめ

怪しい起業セミナーの共通するポイントや見分け方について紹介してきました。

これまでのことをまとめてみましょう。

  • 起業セミナーというだけでは怪しくはない
  • 怪しいセミナーは「絶対」という言葉を使い、成功体験をアピールする特徴がある
  • 起業セミナーを開催している企業や講師の経歴や実績、名前や口コミなどを検索して確認する
  • 被害にあったら、窓口にできるだけ早く相談する

怪しいセミナーを見分けるポイントを知り、事前に危険を回避することは可能です。

今回お伝えしたことを参考に、起業のために確実な一歩を踏み出していきましょう。

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