オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの違いとは?例文でわかりやすく解説
- もっとスムーズに会話を楽しみたい・・・
- 大事な商談の時にうまく話せなくて成約できなかった・・・
そんなふうに落ち込んだ経験はありませんか?
うまく会話ができないと、人と会話をすることに苦手意識を持ってしまうこともあります。
ですが、2種類の質問の仕方を意識し、実践すれば苦手意識を克服できるのです。
それが「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」です。
この記事では、2つの質問形式について、例文を交えてわかりやすく説明しています。
ここで紹介しているオープンクエスチョンと、クローズドクエスチョンを意識して会話をすれば、会話がはずんで楽しく有意義な時間をつくれるようになりますよ。
ぜひ、この記事を参考にまずは身近な人との会話から試してみてください。
「オープンクエスチョン(オープンクエッション)」と「クローズドクエスチョン(クローズドクエッション)」とは?
「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」とは質問の種類のことです。
質問は大きく分けてこの2つの種類に分けることができます。
オープンクエスチョンは、「私にはどんな服が似合うと思う?」というような、相手が自由に答えられる制限がない質問のことです。
オープンクエスチョンとは反対に、クローズドクエスチョンは「この服とこっちの服だったらどっちが似合うと思う?」と、回答範囲が狭く二者択一や三者択一で答えられる質問のことをいいます。
会話をスムーズに進めるためには、この2つの質問形式を織り交ぜながら質問することが大切だといわれています。
使い分けのコツとしては、クローズドクエスチョンで会話のきっかけをつかみ、次にオープンクエスチョンで会話の内容を深掘りし、最後にクローズドクエスチョンで締めくくる。という流れを意識して会話をすることです。
このように、2つの質問の種類を使い分けることができれば、うまくコミュニケーションをとることができるようになりますよ。
では、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンにはどんな特徴があるのでしょうか?
ここからは例文でさらにわかりやすく解説していきますので、参考にしてみてください。
なお、本記事では「クエッション」と「クエスチョン」は同義語であることから、「クエスチョン」を用いて解説いたします。
【例文で解説】オープンクエスチョンの特徴について
質問にはオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの2種類あることが分かりましたね。
では、この2種類の質問には具体的にどういった違いがあるのでしょうか?
それぞれの特徴をみてみると違いが分かりやすいですよ。
まずは、オープンクエスチョンの特徴から解説していきますね。
オープンクエスチョンの特徴
相手のことをもっと詳しく知りたい時や、会話を広げていきたい時に使うのがオープンクエスチョンです。
制限がなく相手が自由に答えられる質問のことでしたね。
回答に制限がないため、相手に思ったことを自由に発言してもらえるのですが、良くも悪くも想定外の回答が返ってくることがあります。
しかし、そういった場合でもオープンクエスチョンでその真意をさらに質問できるので、会話の幅が広がります。
このようなことから、会話の幅が広がることで相手の情報を多く引き出せるのがオープンクエスチョンの特徴と言えるでしょう。
一方で、自由に答えられるということは、相手が回答をするときに時間がかかることもあるということです。
特に、初対面でオープンクエスチョンを使いすぎると、「なんて答えたらいいのかな?」「なんて言ってもらいたいのかな?」と相手に余計な疑問を持たせてしまい、心理的な負担をかけることもあるので気をつけましょう。
オープンクエスチョンの具体例
オープンクエスチョンの特徴が分かったところで、次に、具体例をみていきましょう。
- 「あなたの目標はなんですか?」
- 「好きな動物はなんですか?」
- 「この商品をみてどんな印象をお持ちですか?」
このように、回答が制限されておらず、自由な回答を促す質問になっています。
相手の好みや感想など、多くの情報を聞き出せれば会話が広がるきっかけになりますね。
また、1つの質問を掘り下げたいときにも有効です。
例えば、上の例で挙げた「あなたの目標は何ですか」という質問に対しては5W1Hを意識して会話を進めていくといいでしょう。
- 「あなたの目標はなんですか?」
- 「なぜそれを目標にしているのですか?」
- 「いつからその目標を掲げていますか?」
- 「どうすればその目標が達成できると思いますか?」
というように、5W1H(いつ・どこで・だれが・なにを・なぜ・どのように)を使った質問で会話が続いていることが分かります。
この5W1Hを使った質問もオープンクエスチョンの一つで、思考を整理し、確認する必要があるコーチングでもよく使われる方法です。
オープンクエスチョンは、大きな枠で回答を限定することで、考えを深掘りできる質問でもあるということですね。
【例文で解説】クローズドクエスチョンの特徴について
オープンクエスチョンの特徴が分かったところで、次にクローズドクエスチョンの特徴について解説していきます。
クローズドクエスチョンは、オープンクエスチョンに対してクローズドという名称の通り逆の特徴を持っています。
それでは、クローズドクエスチョンの「特徴」と「具体例」を説明していきましょう。
クローズドクエスチョンの特徴
前章でも述べている通り「回答範囲が狭く二者択一や三者択一で答えられる質問」で、相手が回答しやすいのがクローズドクエスチョンの特徴です。
「A or B」「A or B or C」「Yes or No」と回答を限定する質問の仕方です。
クローズドクエスチョンは、選択肢が明確に限定されているため、回答者は考え込むことがなく素早く答えることができます。
また、相手の決断を促せたり、考えや事実を明確にできるという特徴があります。
そのため、営業のセールストークや相手の行動を思うように促したいときには、クローズドクエスチョンで質問をすると効果的ですね。
ただし、クローズドクエスチョンをやりすぎると、相手が尋問を受けているような気持ちになるので注意が必要です。
クローズドクエスチョンの具体例
次に、クローズドクエスチョンの特徴をふまえて具体例をみていきましょう。
- 「猫と犬どっちが好き?」→「猫が好きです」
- 「あなたの目標は〇〇ということですか?」→「はい、そうです」
- 「この商品にご不明点はありますか?」→「いいえ、ありません」
少しイメージができたでしょうか?
上記の例のように、クローズドクエスチョンは「〇〇です」「はい」「いいえ」など、回答が限定されている質問であることが分かりますね。
もう少し具体的に、コーチングの場面でクローズドクエスチョンを使った例を紹介します。
コーチングは基本的に、オープンクエスチョンで質問をすることが多いです。
ですが、オープンクエスチョンで相手が回答に困ってしまった場合は、クローズドクエスチョンで質問を投げかけるのも一つの手です。
- 「あなたの目標はなんですか?」→「私の目標は◯◯です」
- 「なぜそれを目標にしているのですか?」→「・・・」
- 「では、その目標を決めるきっかけとなったのは◯◯があったからですか?」→「そうですね」
1~2番目の質問まではオープンクエスチョンで、3番目の質問からクローズドクエスチョンに変えています。
2番目の質問で回答者が言葉に詰まったので、3番目の質問をクローズドクエスチョンに変えることで回答者が答えやすいように誘導しているのです。
質問の回答が決まっているため、質問者は会話を止めることなく自分の欲しい回答を確実に聞くことができます。
また、回答者にとっては、端的に回答することができるため答えやすい質問であるといえますよね。
このように、クローズドクエスチョンは質問者が会話の主導権を握ることができ、相手の行動を促せる特徴があります。
「オープン」「クローズ」2つの質問形式のメリット・デメリットを表で比較
「オープンクエスチョン」は相手に自由に答えてもらう質問、「クローズドクエスチョン」は選択肢を限定して答えてもらう質問だとお伝えしてきました。
では、それぞれのメリットとデメリットにはどんなものがあるのでしょうか?
表を用いて比較してみましょう。
メリット | デメリット | |
オープンクエスチョン | ・会話がつづきやすい ・相手が自由に答えられる ・情報を引き出しやすい | ・相手が返答に困る ・会話がどこに進むかわからない ・信頼関係がないと回答の質が変わる |
クローズドクエスチョン | ・相手が返答しやすい ・早く回答がもらえる ・会話の流れをコントロールできる | ・会話がつづきにくい ・相手が尋問されているような気分になる ・回答に自由がない |
表で比較してみると、オープンクエスチョンは会話がつづきやすいけど相手が返答に困るということが見て取れます。
一方、クローズドクエスチョンは会話がつづきにくいけど相手が返答しやすいということが分かります。
このように、「オープン」と「クローズ」の質問形式は、名称通り反対の特徴を持っていますよね。
そのため、どちらか一方で会話を進めるよりも、双方を織り交ぜバランスがとれた自然な会話で目的を達成できるのです。
それぞれのメリットとデメリットを理解して上手に会話に取り入れ、使い分けていきましょう。
「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」使い分けのコツ!
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンには、それぞれメリットとデメリットがあることを紹介してきました。
では、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンをどんな場面で使い分けていけば良いコミュニケーションが取れるようになるのでしょうか?
これから、それぞれの質問形式が有効に使える場面を紹介していきます。
オープンクエスチョンが有効な場面
まずは、オープンクエスチョンが有効な場面について説明していきましょう。
- コーチングやヒアリングの時
- もっと詳細な情報が欲しい時
- いろんな意見や思いを聞きたい時
オープンクエスチョンはこのように、会話を深掘りしたい時や、多くの情報が欲しいときに有効です。
相手が自由に回答できるオープンクエスチョンは、相手の考えや思いを聞くことができるので、より密なコミュニケーションがとれるようになるでしょう。
また、相手が回答してくれた内容に「どうして?」「もう少し詳しく教えて?」とさらに質問を重ねていくことで、「話を聞いてくれている」「興味を持ってくれている」と感じてもらうことができます。
これが信頼関係の構築にもつながり、結果的により多くの情報を得ることができるのです。
オープンクエスチョンでは会話の主導権を相手に渡すことになります。
会話が広がるようオープンクエスチョンを適切に使い、相手への理解を深められるようになりましょう。
クローズドクエスチョンが有効な場面
次に、クローズドクエスチョンが有効な場面をみていきましょう。
- 初対面の人と話す時
- 相手の意思や決定事項を確認したい時
- クロージングなど相手に望むゴールが明確な時
クローズドクエスチョンには、相手が回答しやすいという特徴がありましたね。
したがって、初対面の人と話す時や会話のとっかかりなどに最適な質問形式であるといえます。
特に初対面の場合は、お互いに緊張して会話のきっかけに迷うこともありますよね。
そんな時に、クローズドクエスチョンから会話を始めれば会話がテンポよく進み、緊張をほぐすことができるのです。
ビジネスにおいても、ミーティングなどの日程を決める際に、選択肢を限定しておけば意見をまとめやすく調整もしやすくなります。
このようにクローズドクエスチョンは自分が会話の主導権を持つときに有効なのです。
まとめ
最後に、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンについて大事なポイントをまとめます。
- オープンクエスチョンは、相手が自由に答えられる制限がない質問
- クローズドクエスチョンは、回答範囲が狭く二者択一や三者択一で答えられる質問
- オープンクエスチョンは、詳細な情報が欲しい時や話を深掘りしたい時に有効
- クローズドクエスチョンは、初対面の人と話す時や相手の意思や決定事項を確認したい時に有効
- どちらか一方を使いすぎると、相手に心理的負担がかかることもあるので注意
あなたが質問を上手にできれば、相手も会話が楽しくなり、気まずい空気が流れることも少なくなるでしょう。
大事な商談の場面でも必要な情報を聞き出し、目標としているゴールまで相手を導くことも可能です。
この記事の内容を参考に、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを意識して、スムーズな会話を楽しんでみてくださいね。