フックになるコピーとは?心をグッと引き寄せるキャッチコピー例
- フックになるようなキャッチコピーを作りたい
- もっと多くの人に、商品やサービスを知ってもらいたい
- SNSや広告で使えるコピーは?
どんなにいい商品やサービスがあっても、多くの人にその魅力を知ってもらい、広めていくのは難しいですよね。
今は街でもネットでも情報があふれているため、ただ商品やサービスの魅力を伝えるだけではターゲットにまで届きません。
そこで必要になってくるのがフックになるキャッチコピーです。
フックになるようなキャッチコピーがあれば、お客様にあなたの商品やサービスを目に留めてもらうことができるのです。
この記事では、そもそもフックとは何かや、フックになるキャッチコピーのその要素を5つのポイントに分けて紹介しています。
思わず目にとまるようなキャッチコピーは、ターゲットの心のフックになり商品のページへの誘導や商品購入など、アクションにつながりますよ。
有名企業のキャッチコピー例もあわせて紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ビジネス・営業・マーケティング用語の「フック」の意味とは?
ビジネスやマーケティングでフックとは、「こちらを見てもらうための工夫」という意味で使われています。
つまり人の興味を惹き、心に引っかかって気になってしまう仕掛けのことです。
例えば無料サンプルがその一例です。
フックとして無料のサンプル品を配ることで、お客様がその商品を試す機会を与え、商品に興味を持ってもらう仕掛けを作っていますよね。
営業マンがビジネスとは関係のないプライベートな話で、営業相手との間に和やかな空気感を築くことも、フックの1つです。
企業や商品のキャッチコピーもお客様の興味を惹き、商品の魅力を知ってもらうための重要なフックですよ。
このようにフックはさまざまな場所で人の興味を惹き、商品やサービスに対する関心や興味を高めるための仕掛けとして使われています。
効果的なフックがあれば、購買につながる集客の間口を大きく広げることができますよ。
なぜマーケティングでは「フック」が必要なのか?
フックは人の注意を引き、商品やサービスに対する関心を高めるために必要な第一歩です。
ほとんどのお客様は、あなたの売りたい商品やサービスを、見たことも聞いたこともないでしょう。
ですから商品を購入してもらうためには、まずその商品の魅力を知ってもらうこと、興味を持ってもらうことが大切です。
しかし、最近は街の中や、スマートフォンの画面上で、広告を見ない日はありません。
そのため、人は必要以上に広告に対する防御態勢をとり、情報を流し見るようになってしまいます。
そのような中で商品やサービスを売り込むために重要な役割を果たすのが、フックです。
うまくフックを活用してお客様の目を留めてもらえれば、そこからさらに商品やサービスの魅力を伝えることができ、購買行動につなげていくための入口を作ることができますよ。
【ビジネス・マーケティング】フックになるキャッチコピーとは?
どのようなキャッチコピーがお客様の興味を惹き、フックとして効果を発揮するのでしょうか。
フックとしてのキャッチコピーは、最初に顧客の心をグッとつかむため、魅力的で記憶に残る言葉や表現で、その商品の魅力を伝えることが大切です。
そしてただ興味を持ってもらうだけでなく、購買行動につなげるという次の行動を促すための要素が含まれています。
ここではそのキャッチコピーのフックとなる要素を、5つお伝えしていきますね。
キャッチコピーの考え方や書き方のコツについては、こちらの記事で詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
フック要素①行動する理由が明確
フックになるキャッチコピーには、お客様が行動するに値する、明確な理由が表現されています。
現代は良い情報だけでなく悪い情報もあふれているため、人は無意識に「騙されたくない」という思いをもって情報を精査しています。
ですからキャッチコピーではまず、「この情報は正しい情報だ」という安心感を与えることが重要です。
例えば「口コミ評価4.8!」や「3年連続〇〇ランキング1位!」のように、その価値を裏付する評価が記載されていれば、「みんながいいと評価したものなら、きっと自分にもいい効果があるのだろう」とその情報を信頼できますよね。
このように商品やサービスの魅力を具体的にわかりやすいかたちで表現すると、そのキャッチコピーには説得力が生まれます。
そしてそれは、お客様が他の商品でなくこの商品を買うという理由を明確にし、お客様の購買行動につながっていきますよ。
口コミを信じてしまう心理学や行動を促すことが大切になるキャンペーンのキャッチコピーの作り方については以下の記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
フック要素②他とは違う点がはっきりしている
キャッチコピーを作るときは、他社との差別化を意識しましょう。
同じような商品を扱っていると、どうしても商品の特徴が似てしまい、キャッチコピーも同じようなメッセージになりがちですよね。
お客様は、他社の商品やサービスと並べてどちらがいいのか比較して購入します。
ですから周囲の競合店のキャッチコピーをリサーチして、それとは違う切り口でキャッチコピーを作れば、それだけで自社商品が目立ち、フックになります。
また他社にはない自社ならではの特徴をアピールするキャッチコピーを作れば、お客様がその商品を選びやすくなりますね。
ユニークで印象的なキャッチコピーがあれば、他社の製品に埋もれることなく、それだけで購入のきっかけにつなげることもできるのです。
フック要素③解決策の提示
お客様が抱く欲求や不安を解消するキャッチコピーは、お客様が共感を抱きます。
人は自分に関係があると思ったことにだけに目を留め、そうではないと判断すればすぐに目をそらし、忘れてしまいます。
ですから、まずは「自分に関係がありそうな情報だ」と思ってもらうことが大切です。
そしてその情報が自分自身の悩みと重なれば共感し、その悩みが解決できるということを知れば、次の行動につながっていくでしょう。
例えば「つらい花粉を完全ガード!」というキャッチコピーは、花粉症に悩むお客様の共感を誘い、この商品を使えばつらい鼻水や目のかゆみを軽減できるという解決策をアピールできますよね。
このようにお客様が抱く欲求や不安を解消するキャッチコピーは、共感を得ることができるため、商品やサービスに対する魅力をお客様の心に強くアピールできるフックになりますよ。
フック要素④小学生でも理解できる言葉
フックになるキャッチコピーは、小学生でも理解できるような、シンプルでわかりやすい言葉で表現されています。
どんなに魅力的な情報であっても、その内容がうまく伝わらなければ興味を持ってもらうことはできませんよね。
例えば「鉄分7mg配合!」と書かれていても、7mgがどのくらいの量なのか、それにどんなメリットがあるのかはわかりづらいですよね。
また「この商品には成人が1日に必要な鉄分量7mgが配合されています」では情報が多く、読む気がうせてしまうでしょう。
ですが「1日に必要な鉄分が、コレ1本で!」と書かれてあれば、1日1本これを飲めば必要な鉄分を摂取できるということが、一瞬でわかります。
このようにフックになるキャッチコピーは、誰が見ても一瞬で理解できる、わかりやすさとシンプルさが重要です。
短くわかりやすい言葉で魅力を伝え、お客様の興味を引き付けることで、記憶に残るキャッチコピーを作ることができますよ。
フック要素⑤感情を揺さぶる
お客様の感情を揺さぶるようなキャッチコピーは、お客様の心にグッと刺さり、印象や記憶に残りやすいという効果があります。
というのも、人の行動は感情に左右されることが多いからです。
客観的に素晴らしい情報よりも、自分が「いい!」と思ったそのトキメキや、「それそれ!」と共感したそのときの感情の方が印象が強く、記憶にも残ります。
キャッチコピーでは、売り手目線でその商品の魅力を伝えるよりも、お客様目線でその商品をどう感じるのかを伝える方が効果的です。
またその感情を直接そのまま言葉にするというのもいいでしょう。
例えば「天然、鰹だしのラーメン」より、「お出汁の香りがほっこりするラーメン」というように、そのラーメンを食べたらお客様がどんな気持ちになるのかをそのままキャッチコピーにのせると、そのイメージが心に届きやすいですよね。
このように、フックとなるキャッチコピーはお客様の目線に立ち、感情を意識することが大切です。
お客様の心を揺さぶるキャッチコピーは印象に強く残り、気になって仕方がなくなってしまうフックとして効果を発揮しますよ。
強い印象を残せるインパクトのある言葉はこちらの記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧くださいね。
【食品業界】有名企業のフックになるキャッチコピー事例
ここからは実際に食品業界で使われている、有名企業のキャッチコピー実例を紹介していきます。
キャッチコピーの作り方や要点について理解したつもりでも、いいアイデアは一朝一夕では思い浮かびません。
そんなときは一度頭をリセットして、プロが作った素晴らしいキャッチコピーを見てみましょう。
プロのキャッチコピーのアイデアが、あなたのキャッチコピーづくりにもヒントを与えてくれますよ。
『お水がいらない』キンレイ
これは具・麺・スープが1つになっていて簡単に作ることができる、その手軽さをアピールした冷凍ラーメンのキャッチコピーです。
冷凍ラーメンの中には、麺と出汁の原液だけが入っていて、水の分量を量る必要があるものなど、手間がかかるものもありますよね。
ですが、このキャッチコピーはその手間がなく、簡単に美味しいラーメンが作れることが一瞬で伝わります。
お客様にとってのメリットが明確で、思わず商品を手に取ってみたくなるキャッチコピーですね。
『出来ました。80%カロリーカット』キユーピーライト
カロリーを80%カットしたキユーピーマヨネーズのキャッチコピーです。
それまでのマヨネーズは、50%のカロリーハーフしか存在しませんでした。
それを大幅に超える80%カットをしたマヨネーズという特別感や驚きを「出来ました。」という言葉で感情に訴え、印象的に伝えています。
また「マヨネーズは大好きだけど、カロリーが気になる」と悩む人へ解決策を提示しています。
『一目で義理とわかるチョコ』有楽製菓(ブラックサンダー)
バレンタインデーのチョコレートといえば、デパートや専門店のチョコレートを思い浮かべますよね。
ですが、ブラックサンダーはこのキャッチコピーによって、スーパーで安く手軽に買えるチョコでありながら、「義理チョコといえばブラックサンダー」という地位を築きました。
お値段的に本命チョコにはなれないその弱みを強みに変え、その面白さがフックになるユニークなキャッチコピーです。
思わず目を引く面白いキャッチコピーについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
【製薬・化粧品業界】有名企業のフックになるキャッチコピー事例
つぎは製薬・化粧品業界から、有名企業のキャッチコピーを紹介します。
普段目にするCMや広告からも、あなたのキャッチコピーづくりのヒントを得ることができますよ。
- 『ファイト・一発!』大正製薬(リポビタンD)
- 『つらい胃痛・もたれに まっすぐ効く!』第一三共ヘルスケア(ガスター10)
- 『あなたは眉で、もっと小顔になれるのに』INTEGRATE
- 『大人肌の ニキビ予防も、これひとつ。』uno(ウーノーアクネケアパーフェクトジェル)
美容・健康のキャッチコピーの作り方については、こちらの記事で詳しく紹介しているので、参考にしてくださいね。
『ファイト・一発!』大正製薬(リポビタンD)
1977年の初代CMから40年以上も使用され続けている、有名な栄養ドリンクのキャッチコピーです。
シンプルですが、CMの効果も相まって、これを聞いただけで飲めば力がみなぎってくるようなイメージがわきますよね。
疲れているけれどココ1番頑張らなければならない人の味方として、響きやすい言葉が使われています。
『つらい胃痛・もたれに まっすぐ効く!』第一三共ヘルスケア(ガスター10)
胃腸薬のキャッチコピーです。
胃腸の不良といっても人によって症状はさまざまです。
ですがこのキャッチコピーは、どのような症状のお客様に必要な薬なのかがお客様目線で表現されています。
胃の調子が悪くつらいときに、どれが1番効くのかたくさんの種類の胃腸薬の中から選ぶのは大変ですが、このキャッチコピーと同じ症状であれば迷いなく選ぶことができますね。
『あなたは眉で、もっと小顔になれるのに』INTEGRATE
パレットタイプのアイブロウのキャッチコピーです。
「小顔になりたい」と悩む女性に、眉毛と鼻筋に濃淡をつけることで立体感が出て小顔効果があるという、悩みの解決策をシンプルに提示しています。
また悩みの解決策を提示するだけでなく、「本当はもっと小顔になれる」という自分への期待感を煽るメッセージが込められていますね。
『大人肌の ニキビ予防も、これひとつ。』uno(ウーノーアクネケアパーフェクトジェル)
男性用のジェルクリームのキャッチコピーです。
「大人肌」とターゲットを大人に絞ることで、ニキビ肌に悩む大人の男性からの共感を得ています。
またニキビ肌の解決策を提示しているだけでなく、「これひとつで悩みが解決する」というお客様にとっての嬉しいメリットも伝えて、興味関心を高めていますね。
【不動産・建設業界】有名企業のフックになるキャッチコピー事例
つづいては不動産・建設業界の有名企業のキャッチコピーです。
普段からよく買い物する日用品と違い、不動産は一生に一度の買い物になったり、建設業界にはあまりなじみがないという方も多いですよね。
ですがこのキャッチコピーを見れば、一瞬でその企業がどんな仕事をしているのかをイメージできますよ。
不動産・塗装業の集客できるキャッチコピーの作り方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
『地図に残る仕事。』大成建設
大成建設のコーポレートメッセージです。
大成建設と聞いても、何をしている会社なのかをパッとイメージできる人は少ないですよね。
ですがこの「地図に残る仕事」というキャッチコピーを見れば、深く考えずとも企業理念やどんなことをやっている会社なのかイメージすることができます。
誰にでもわかるような言葉を使い、その企業を知らない人にも伝わりやすい言葉でキャッチコピーが作られていますね。
共感を呼ぶブランドのキャッチコピーの作り方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
『不動産会社もお客様の声で選ぶ時代』東急リバブル
不動産会社選びに迷っているお客様に向けて、他の人がどうやって不動産会社を選んでいるのか新しい時代の家の買い方として提案しているキャッチコピーです。
また東急リバブルが多くのお客様から選ばれているということを伝え、大きな買い物だから失敗したくないという気持ちをフックにしています。
お客様評価を軸に他社との差別化を図り、不動産会社選びに悩んでいるお客様への解決策を提示していますね。
【旅行・娯楽】有名企業のフックになるキャッチコピー事例
最後は、旅行・娯楽業界の有名企業のキャッチコピーです。
旅行や娯楽は特に幅広い年齢の方が利用するため、特に誰にでも伝わりやすい言葉が使われています。
またつい行きたくなってしまうような感情を揺さぶるような表現が使われていますので、ぜひ参考にしてください。
『プール冷えてます』としまえん
としまえんのプールはユニークなキャッチコピーで、他のプールとの差別化を図りました。
「ビール冷えてます」をもじったような面白さがフックになっていて、印象的ですね。
また、夏になると思わず食べたくなる「冷やし中華はじめました」のように、夏の暑い日に冷たいプールに入りたくなるシズル感もうまく表現されています。
さらに小学生にもわかるようなシンプルな言葉で、誰でもイメージしやすいキャッチコピーですね。
『そうだ 京都、いこう』JR東海
ふらっと「そうだ 京都、行こう」と気軽に行けることが伝わるキャッチコピーとなっています。
また、厳かなイメージのある京都は、沖縄や北海道のようにリゾートの名所として思い浮かぶ場所ではありません。
ですから「そうだ」というキャッチコピーとともに、ひとりひとりの京都のイメージを思い出させ、その感情を代弁することで人をハッとさせます。
気軽に行ける場所とアピールしつつ、趣も感じさせる印象的なキャッチコピーですね。
『聞いて驚くな。実家は意外とやることないぞ。』Netflix
これはお正月などの帰省で暇を持て余している人に、ネットフリックスへの契約を促すキャッチコピーです。
実家に帰っても特にやることがなく暇を持て余すであろうことを、「聞いて驚くな。」という印象的なフレーズとともに伝え、お客様に気づきを与えていますよね。
そしてお客様が契約という行動を起こす理由を、明確に示しています。
『わたし、みたす、21時間温泉滞在。』星野リゾート(界タビ20s)
一般的な旅行では、昼間は周辺の観光地を巡り、夜になったら旅館でくつろぐというイメージがありますよね。
しかしこのキャッチコピーからは星野リゾートに泊まること自体がステータスであり、それだけで旅の目的として十分ですよということが伝わってきます。
他の観光地を巡らずとも21時間温泉に滞在して心が満たされるというのがよくわかるキャッチコピーですね。
他の旅行とは目的が違うという差別化を打ち出し、フックにしているキャッチコピーです。
まとめ
お客様に売りたい商品やサービスに興味を持ってもらう仕掛けとなるのがフックです。
キャッチコピーにおけるフックになる要素をまとめます。
- お客様に選んでもらう理由が明確になっている
- 他の商品にはない特徴をアピールするなど、差別化を図っている
- 共感を示し、お客様が抱える不安や悩みをの解決策を提示している
- お客様の目線でわかりやすく伝えている
- 感情に訴えかけている
普段よく目にするキャッチコピーにも、フックとなる要素が含まれているはずです。
フックになるキャッチコピーがあれば、伝えたい情報が他の情報に埋もれることなくお客様の目に留まり、その後の購買行動を促すことができますよ。
キャッチコピーの基本的な考え方や書き方のコツは、こちらの記事で実例を踏まえて詳細にまとめていますので、キャッチコピー作りの際は参考にしてくださいね。