運営者プロフィール

森谷俊之

LibRu代表取締役

個人・小規模事業者向けのマーケティング・ブランディングのコンサルタント/セールスコピーライター

経営者の3つの課題「お金がない、時間がない、人材がない」は、シンプルな仕組みで解決できます。集客から販売までを自動化して、ビジネスを成長させていくための仕組み構築を支援します。

記事カテゴリー

人気記事

ファイブフォース(5F)分析とは?業界別の事例を交えて徹底解説!

  • ファイブフォース分析ってなに?
  • ファイブフォース分析にメリットはあるの?
  • ファイブフォース分析はどういう時に役に立つのか知りたい!

ファイブフォース(5F)分析は、新製品開発や新事業を立ち上げるときなどに使うビジネスワークのひとつです。

しかし、ファイブフォースという言葉は聞いたことがあっても、具体的に何を指すのかよくわからないと悩んだ経験はありませんか?

この記事では、ファイブフォース分析を業界別の事例を交えてわかりやすく解説しています。

ファイブフォース分析を正しく理解すれば、業界全体の状況が把握できます。

業界における自社の立ち位置や、自社を取り巻く脅威などを洗い出せるので、新規参入や新製品を開発する際、収益性を検討するのに役立ちますよ。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

ファイブフォース分析とは?

ファイブフォース(5F)分析とは、競合他社や顧客などの外部環境分析のうちの事業分析のひとつです。

フォースとは日本語で「脅威」という意味で、自社を取り巻く環境を5つの脅威から分析していきます。

このファイブフォース分析は、アメリカの経営学者マイケル・ポーターが提唱したフレームワークで、下記の3つの脅威と2つの交渉力から業界全体の構造を把握し自社の収益性を考察します。

  • 新規参入の脅威
  • 代替品の脅威
  • 売り手の交渉力
  • 買い手の交渉力
  • 既存業者同士の競争

簡単に言うと、「それぞれの要因の力関係が強いと収益性は低く、弱ければ収益性は高く魅力的」ということがわかるのです。

また、この5つの競争要因から、自社にどのような脅威があるのかを洗い出します。

それをもとに競合に対してとるべき対策を明確にできるので、事業戦略を立てるうえで欠かせない分析です。

ファイブフォース分析の目的とは?

ファイブフォース分析の目的は、業界内において自社のサービスや商品にどんな優位性があるのかを把握することです。

ほかの企業と比べてどんな点において優位に立てるのか、つまり自社の強みを知ることができるというわけですね。

自社の強みを把握しておけば、競合がひしめく中でも効率よく収益を上げるための経営戦略を取れるようになります。

また自社の事業に対して影響を与える外部環境の分析を徹底すれば、今後の自社に起こるかもしれない脅威を予測し対策を練ることも可能になるでしょう。

状況に応じては、今後新規参入できるか、もしくは撤退をすべきなのか、かけるべきコストはどこかといった具体的な判断をすることにもつながります。

ファイブフォース分析が重要視される理由

事業を展開していくうえで、独占市場でない限り、現状を維持するだけでは企業として生き残れません。

そのため、事業の拡大や見直し、新しい事業に参入を検討する必要もあるでしょう。その際に市場を正しく理解し指標を設定するのにファイブフォース分析は重要です。

ファイブフォース分析は、5つの脅威を分析することで業界の現状を整理します。

そのため他社との競合の中で、自社の強みを発見することができ、事業の拡大や新規参入、新ブランド立ち上げや新商品開発、事業撤退の判断材料にもなります。

またファイブフォース分析は業界全体の動向についても把握できるので、自社の立ち位置を明らかにするのにも有効です。

立ち位置が明確になれば、収益性や優位性において障害となるものは何かという今後の課題も知ることができるでしょう。

将来的に自社を取り巻く脅威を把握し、それに備えるための準備や経営戦略を考えるのに重要なのです。

ファイブフォース分析「5つの競争要因」

先ほどもお伝えしましたが、ファイブフォース分析の5つの競争要因は以下の通りです。

  1. 新規参入の脅威
  2. 代替品の脅威
  3. 売り手の交渉力
  4. 買い手の交渉力
  5. 既存業者同士の競争

どの要因も一企業ではコントロールが不可能な脅威ですが、事業の成果に直接関係するため事業戦略においてはどの項目の分析も欠かせません。

この5つの競争要因を分析して、自社がどのような戦略を取ればいいのかを考えていきましょう。

①新規参入の脅威

新規参入の脅威は、業界に新しい競合他社が参入することで競争が激しくなるリスクのことです。

新規参入者や企業が登場することで、今ある需要を奪い合う競争が激しくなるため、利益は少なくなってしまうでしょう。

その一方で、新規参入のしづらい業界は、収益性を確保しやすい業界であると考えられます。

ですから市場で長く売上を上げ続けるには、新規参入しにくい状況を作ることが大切です。

分析では市場規模や新規参入企業の技術力などを調査して、自社にどのような影響を及ぼすのかを把握する必要があります。

そのうえで高い障壁となる対策を考え、後発の企業の入る隙間をなくしていくのです。

また、コロナ禍においては家電製品で有名なシャープが、不織布マスク事業にいち早く参入したように、一見何も関係のない異業種でも脅威になり得ます。

このように異業種でも参入がしやすい業界の場合も、将来的に参入されるリスクが高まり、競争が激しくなることが予想されるでしょう。

そのため、世の中の変化やトレンドにも着目して分析をおこなうことが大事です。

②代替品の脅威

代替品の脅威は、既存の商品やサービスが同様のニーズを満たしている他の製品によって代替えされてしまう脅威のことです。

低コストで代替え品に乗り換えることができるようなら、自社にとって脅威は大きいといえますね。

例としては、「万年筆がボールペンになった」「紙の本が電子書籍になった」などがあげられます。

このように代替品に市場が奪われてしまうと、既存製品の利益は下がる一方です。

ですから利益を保つためには、企業が持つデザインや利便性を高めるなどの戦略を考えて、差別化できないかを検討する必要があります。

また世の中のトレンドや大きな流れをおさえておくと、変わりゆく市場をいち早く把握でき、早急な対応がとれるようになるでしょう。

③売り手の交渉力

ファイブフォース分析における売り手とは、商品やサービスを提供するための材料をの仕入れ先の企業のことです。

仕入れ価格は状況によって変動しますが、販売価格はなかなか変えることができません。

そのため、仕入れ先の交渉力が強くなると利益が少なくなってしまう可能性があります。

特に、売り手の業界が寡占状態である場合その傾向が強いです。

また、天候に左右されやすい農産物などの生鮮品をほかの企業から仕入れている場合も同じことが言えるでしょう。

このような状況を回避するためには、自社で部品や野菜などを生産できる環境を整え、仕入れ価格をコントロールできるような対策が必要となってきます。

④買い手の交渉力

買い手の交渉を分かりやすく言うと、家電量販店で冷蔵庫や洗濯機など、値段の大きい家電を購入するときに値引き交渉をしますよね。これも買い手の交渉力の一例です。

このように、買い手とは自社の商品やサービスを購入してくれる企業や個人などの顧客のことです。

大きな購買力を持つチェーン店などの大きな企業が顧客となる場合、交渉力は強くなるため利益を上げることが難しくなります。

また、最近では誰でもインターネットで価格情報を知ることができるため、個人であっても買い手の交渉力は強くなっていると言えるでしょう。

買い手の交渉力が強いと値下げを要求されたり、高い品質を求められたりして自社の利益が低くなる可能性があります。

ですから、顧客のもつ情報量を把握しつつ、商品やサービスに対する値段の妥当性を主張する必要があるのです。

加えて、業界の規模や競合他社の状況を把握することによって、自社製品の価格設定を見直す判断材料になるでしょう。

⑤既存業者同士の競争

どんな業界であっても、競合がいる限り競争が生まれ、その数が多いほど収益性が下がってしまいます。

競合企業に勝つためには、それらの企業を分析し、経営状況や商品、サービスの特徴などから、自社に与える影響を予測することが大事です。

そのうえで競合企業よりも優位に立てるよう差別化を図り、自社の収益が上がるよう戦略を考える必要があります。

しかし、既存企業の脅威が大きい場合には差別化を図るのが難しくなるため、価格戦争も激しくなってしまい、利益を生みにくくなってしまうでしょう。

そのため、他社との競争に勝てない場合には事業撤退もひとつの選択肢になります。

【業界別に事例を解説!】有名企業のファイブフォース分析

ここまでファイブフォース分析がどういうものかを解説しましたが、実際に企業のファイブフォース分析の分析を見るとわかりやすいですよ。

今回はこの3つの有名企業を、業界別に事例を解説していきたいと思います。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

【自動車業界】トヨタの事例

トヨタといえば圧倒的な人気から日本を代表する自動車メーカーになりますよね。

現在では自動車を持つ人が減っている傾向にあるようですが、このことが5つの要因とどう関係しているのでしょうか?

自動車業界から世界的に有名なトヨタの事例についてみていきましょう。

①新規参入の脅威

電気自動車の分野に特化しているアメリカのテスラなど、新しい技術を持った自動車メーカーの脅威は高くなります。

また、今後は自動運転の市場が伸びてくると予想されるので、地図情報や位置情報の技術を有するグーグルなども脅威となり得るでしょう。

しかし、トヨタは圧倒的な人気があり生産と販売規模を誇っています。

そのブランド力はまだ衰える気配はなく、新規参入の脅威はそれほど高くないと考えらますね。

②代替品の脅威

代替え手段の少ない地方ではまだまだ車社会のところが多く、代替品の脅威は弱くなります。

その一方、都心など公共交通機関が充実している地域では、税金や駐車場などの維持費がかかる自動車をわざわざ所有したいと思う人は少ないですよね。

また、今後は自動運転化が進み、運転する楽しみがなくなるなど個人が車を所有するメリットがなくなる可能性が大いにあります。

ですので、代替品の脅威は強いと思われますが、地方の状況からみるとまだ高い需要があるため、弱いと考えることもできます。

③売り手の交渉力

トヨタの場合、売り手は主に自動車部品を製造する企業となります。

自動車業界国内トップのトヨタは、世界的にも通用する規模の企業です。

ですからトヨタに部品を卸したい企業は日本のみならず世界中にたくさんあります。

ですからたとえトヨタ側の言い値でも、買ってもらえれば売り手にとっても大きな利益源となっていることでしょう。

このような理由から、売り手の交渉力は弱いと考えられます。

④買い手の交渉力

ホンダや日産、マツダといった競合が国内に多いために顧客が値引き交渉しやすく、買い手の交渉力は強いと考えられます。

しかし、ランドクルーザーなどのSUV車は国内だけでなく海外でも根強い人気があり、購入する人が多い傾向にあります。

ですから、車種によってはあえて値引して売る必要はなく、買い手の脅威は強くないといえるでしょう。

⑤既存業者同士の競争

トヨタにとってライバルとなるのは日産やホンダなどの国内競合の他にも、フォルクスワーゲンやBMWといったドイツの自動車メーカーをはじめとする海外のメーカーです。

自動車メーカーでは、競争企業が多く自動車を製造する部品にはあまり大きな違いもなく、業界内での差別化要因もあまりないことが考えられます。

そのため、既存の脅威は強いといえるでしょう。

自動車業界の分析ポイント

自動車業界はすでに競合が多く、新規参入もしやすくなってきています。

今回事例で紹介したトヨタは自動車業界においては絶大な人気を得ていますが、近年では自動車を所有する必要がなく、所有している人が減っている傾向にあり少なからずその影響を受けています。

そのため、自動車そのものの価値も変化し、既存メーカにとっては厳しい市場になってきているといえるでしょう。

一方で、素晴らしいアイディアと高い技術があれば自動車市場に参入することができますので、新規で参入するにはうってつけの市場といえるでしょう。

【コンビニ業界】セブンイレブンの事例

次に、コンビニ業界でのファイブフォース分析をみていきましょう。

コンビニといえばセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの3社が有名ですよね。

私たちが日常的に使っているコンビニのファイブフォース分析はどのようになっているのでしょうか。

セブンイレブンの事例で解説していきますね。

①新規参入の脅威

コンビニ業界は寡占状態にあるため、新規参入する企業の脅威は低くなります。

地域や立地によって商品のラインナップを変えたり、コンビニ独自のプライベートブランドを扱ったりしているため、新規参入では商品面で劣りやすくなってしまうでしょう。

さらに、すでに立地のいい場所は大手3社が確保しているために新規参入ではいい場所を確保しづらかったりします。

そのため、新規参入のハードルはとても高いといえるでしょう。

しかし、セブンイレブンに限って言えば、比較的少ない予算で開業できるため、この一部分だけ切り取ると、新規参入の脅威は高いともいえます。

②代替品の脅威

セブンイレブンに限らずコンビニの代替品の脅威は高くないと考えられます。

コンビニの代替品は主にスーパーマーケットやドラッグストアです。

しかし、セブンイレブンをはじめとするコンビニの多くは、立ち寄りやすい立地であったり、24時間営業していたり、サービスが豊富だったりと、スーパーマーケットやドラッグストアと差別化をはかっています。

具体的に言うとATMやコピー機があるなど、一日のうちいつでも複数の用事をコンビニだけで済ますことができるのです。

その機能を代替するのはなかなか難しいといえるでしょう。

③売り手の交渉力

コンビニの売り手は飲料メーカーや食品メーカーです。

セブンイレブンでは「セブンプレミアム」というプライベートブランドを幅広い商品で展開しています。自社で製造することにより製造価格を把握し、コスト管理を徹底しています。

そのため仕入れ値の交渉においても安い値段の代替え品を用意することができるので、メーカーの言い値で買うこともないでしょう。

このように売り手の交渉力が弱く収益性が高い良い環境といえます。

④買い手の交渉力

セブンイレブンの買い手は一般の個人客です。

その個人客は、代替品であるスーパーマーケットやドラッグストアなどを自由に選ぶことができます。そういった点から見ると、買い手の交渉力は弱いとはいいがたいです。

しかしコンビニ商品の豊富さや立ち寄りやすい立地、24時間営業といった利便性を考えると、代替はなかなか難しいと考えられます。

また、セブンイレブンではどの店舗に行っても同じ価格ということや、ブランドに対する信頼感からお客さんが値引き交渉をすることはありません。

そのため、買い手の交渉力は弱く、コンビニにとってはいい環境といえるでしょう。

⑤既存業者同士の競争

コンビニ業界はセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの3社が市場の90%を占めていてほぼ寡占状態にあります。
特にセブンイレブンは、業界シェア一位で国内の店舗数も最多となっています。

しかし、コンビニ業界は飽和状態となっており、店舗の数メートル先に競合企業のコンビニがあったり、目と鼻の先にオーナーの違うセブンイレブンがあったりというのも珍しくありません。
それほど業界内の競争は激しく、ローソン、ファミリーマートをはじめとするほかの企業とは違う戦略を考えなければいけません。

そのため、既存の企業との競合の力関係は強いと言えるでしょう。

コンビニ業界の分析ポイント

コンビニ業界は大手3社が市場の90%を占めていてほぼ寡占状態にあるため、競争がとても激しいです。

ですが、大手3社は多くの商品をプライベートブランドを展開しています。自社で製造することにより、仕入れ値の交渉においてもその製造コストを熟知していたり、メーカーの商品よりも安い値段の代替品を用意できたりと交渉を有利に運べます。

さらに、買い手であるコンビニを利用する人たちは、コンビニの手軽さや商品の豊富さから値引き交渉することもまずありません。

そのため買い手や売り手の交渉力、代替品の脅威は低いと考えられます。

このような理由から、コンビニ業界は大手3社に限ってはいい環境といえるでしょう。

【アパレル業界】ユニクロの事例

ユニクロといえば幅広い年代に人気のブランドです。

ファストファッション業界は気になりますよね?

それでは最後に、アパレル業界では有名なユニクロの事例をみていきましょう。

①新規参入の脅威

ユニクロにおける新規参入の脅威は、ZOZOTOWNやAmazonなどのインターネットのアパレル通販会社になります。

ユニクロまでの規模になるには時間とコストがかかることが考えられます。

ですので、新規参入の脅威はそれほど強くないといえるでしょう。

②代替品の脅威

ユニクロの代替品の脅威は、月額制アパレルサービスや衣装のレンタルサービスなどです。

近年、このような新しいサービスが進出した背景に、「ミニマリスト」といってなるべく物を持たずに暮らす人が増えているという現状があります。

そのような人たちは、洋服においても必要最低限のアイテムだけを持ち、質のいいものを長く着用したいと量より質を選ぶ人が多いです。そのため、品質重視のアパレルメーカーが代替品の脅威として今後出てくる可能性があるでしょう。

③売り手の交渉力

ユニクロにおける売り手は生地を卸す企業になります。

卸業者やデザイナーからすると、ユニクロは店舗数が多く販売数も多いため、大きな利益源になっています。

そのため、売り手の脅威は弱いと考えられるでしょう。

④買い手の交渉力

低価格なのに高品質なことやシンプルなデザインといったユニクロの特徴は、国内の他のブランドにも共通しています。

したがって買い手はユニクロにこだわらなくても、より低価格で高品質なおしゃれな服を自由に選ぶことができます。

そのため、買い手の脅威は強いと考えられますね。

しかし、それでも高い人気を誇っていて売上を伸ばしていることから、ユニクロには優れた経営戦略があるといえるでしょう。

⑤既存業者同士の競争

低価格で高品質はもちろんのこと、近年ではシンプルなデザインが好まれる傾向にあります。

そのため、しまむらや無印良品といったブランドの脅威は強いと考えられるでしょう。最近では「ワークマン女子」という言葉がトレンドになったワークマンの台頭もあり、業界内の競争は一層激しくなっています。

また、現在では以前ほどの人気はありませんが、GAPやZARAなどの海外ファストファッションブランドもユニクロの競合といえます。

アパレル業界の分析ポイント

国内のアパレル業界では、ユニクロやしまむらといった企業が、規模が大きく圧倒的な壁となっています。
競争力の高さから、新規参入や代替品、売り手の脅威は弱いでしょう。

しかし、低価格であったりシンプルなデザインが他社と被ってしまうので既存や買い手の脅威は強いと考えられます。

さらに、今後は通販事業がどんどん伸びてくることが予想されますので、ZOZOTOWNやAmazonなどの多くの顧客データを持っている企業が市場でどのように戦っていくかも業界のあり方を左右しそうですね。

ファイブフォース分析をうまく進めるコツと注意点

ファイブフォース分析は業界の競争要因を分析するための手法のひとつになります。

新製品開発や新事業を立ち上げるときなどに役立ちます。

そんなファイブフォース分析をうまく進めるコツと注意点についてみていきましょう。

客観的に分析する

ファイブフォース分析は、自社が属する特定の業界に絞って分析をおこなうために、視点が主観的になりやすく客観的な分析をするのが難しくなりがちです。

自社の置かれている状況を、できるだけ客観的に把握するよう心がけましょう。

そのためには、客観的データをできるだけ収集することが大切になります。

分析単位を明確にする

競合企業の競合商品の数など、分析する対象になる企業の情報をできるだけ明確にすることが大切です。

業界の規模や競合数によって、なにを分析対象にするかを見極めなければなりません。

分析に入る前にリサーチする範囲を決め、分析単位をどう設定するかを明確にすることによって分析結果も変わってくるでしょう。

分析から施策立案につなげる

ファイブフォース分析をおこなうことによって、自社が属している業界や今後新規参入が予測される業界の脅威を把握できます。

分析をおこなったことで満足するのではなく、他のフレームワークなども活用してさらに分析していきましょう。

そうすることで自社のポジションを明確にし、今後の戦略を打ち出すことにつなげていくことができます。

ファイブフォース分析と併用したいマーケティングのフレームワーク

それでは最後に、ファイブフォース分析と併用したいマーケティングのフレームワークについてみていきたいと思います。

ファイブフォース分析と併用すれば、自社の外部環境や内部環境をより詳しく分析することができます。

今後の経営戦略を考えやすくなりますので、参考にしてみてくださいね。

3つ視点から外部環境を分析する「3C分析」

マーケティング戦略において、外部環境分析は欠かせません。

3C分析は、外部環境をミクロ視点でマーケティング環境を分析します。

  • Customer(市場・顧客)
  • Competitor(競合)
  • Company(自社)

3C分析はこの3つの頭文字を取ったもので、自社ではコントロールできない外部環境を「顧客・市場」「競合」「自社」の順番でそれぞれの立場からどういう戦略をとれば事業を成功に導けるのかを分析します。

ファイブフォース分析で事業の方向性を探り、3C分析で市場規模や顧客のニーズなどを見定めマーケティング戦略を決定するという流れです。

自社と外部環境を分析することによって、自社の強みや弱みを把握できるので今後のマーケティング戦略に生かすための最も効率的なフレームワークといえるでしょう。

こちらの記事でも3C分析をおこなうコツや事例など詳しく解説しているので参考にしてくださいね。

自社の状況を内外的に分析する「SWOT分析」

SWOT(スウォット)分析とは、企業や事業の現状を分析するときなどに使うフレームワークです。

SWOTとは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの頭文字を取ったものです。

4つの要素は、企業や事業におけるビジネス環境の内部要因と外部要因に分けられます。

ビジネスにおいてマーケティング戦略や事業計画を立てるためには、まず自社の商品、サービスと、競合の状況と両方を把握しておくことが大事です。

そのために、内部環境で自社の商品やサービスを、外部環境で競合や市場をそれぞれ機会と脅威に分けて分析をおこない、自社の今後の戦略や課題を明確にしていきます。

SWOT分析の他にも環境分析がおこなえるフレームワークに、ファイブフォース分析や3C分析などがあるのですが、これらの分析方法はマーケティング戦略に精通している企業向けのビジネスフレームワークになり、難易度は高くなります。

その点、SWOT分析はシンプルなので取り組みやすい方法だといえるでしょう。

SWOT分析のやり方やポイントはこちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ

最後に、今回解説したファイブフォース分析について簡単にまとめます。

  • ファイブフォース(5F)分析は、新製品開発や新事業を立ち上げるときなどに使うビジネスワークのひとつ
  • ファイブフォース分析では、競合他社について把握し自社の競争要因を明らかにできる
  • ファイブフォース分析は将来的に自社を取り巻く脅威を把握し、それに備えるための準備や経営戦略を考えるのに重要

今後のマーケティング戦略を打ち出すのにもファイブフォース分析は重要です。
ファイブフォース分析をすることによって、自社のポジションを把握し収益をあげたり、参入や撤退の判断をしたりと、事業におけるさまざまな指標となるからです。

最初は思うように分析ができないかもしれませんが、分析を繰り返していくうちに企業に必要な情報を収集することができ、今後の戦略を立てられるようになります。

ここで紹介した分析のコツや注意点も参考にして、ファイブフォース分析を活用してみてくださいね。

目次