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森谷俊之

LibRu代表取締役

個人・小規模事業者向けのマーケティング・ブランディングのコンサルタント/セールスコピーライター

経営者の3つの課題「お金がない、時間がない、人材がない」は、シンプルな仕組みで解決できます。集客から販売までを自動化して、ビジネスを成長させていくための仕組み構築を支援します。

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ビジネスにおけるキャッシュポイントとは?見つけ方や増やし方

  • キャッシュポイントとは?
  • キャッシュポイントを見つけて収益を増やす方法は?
  • 起業でキャッシュポイントを見つける意味とは?

キャッシュポイントとは、お金が入ってくる機会のことです。

簡単な例ですが、会社員で1社に勤めているならキャッシュポイントは1つ(給与)、会社員で1社に勤めつつ副業をしているならキャッシュポイントは2つ(給与・雑所得)となります。

会社も同じでメインの収入源以外にも収益を得られるポイントを持っていれば、経営の安定やビジネスの成長が期待できるでしょう。

この記事では、ビジネスにおけるキャッシュポイントについてまとめています。

キャッシュポイントを増やす方法も紹介しているので、「これからビジネスを成長させたい」「起業を検討中」という方はぜひ、参考にしてください。

目次

キャッシュポイントとは?意味をわかりやすく解説

キャッシュポイントとは、「ビジネスにおいて収益を生み出す機会」のことです。

たとえばスーパーで考えると下記などが、キャッシュポイントとしてあげられます。

  • 商品の販売
  • 購入商品の配送サービス
  • ネットスーパー

キャッシュポイントは多ければ多いほど、収益を得る機会が増えていきます。

利益が出るまでを描くビジネスモデルの構築において、キャッシュポイントは欠かせない視点です。

ビジネスモデルの作り方については、こちらの記事で詳しくお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。

「キャッシュポイント」と「マネタイズ」の違い

キャッシュポイントの意味は「ビジネスにおいて収益を生み出す機会」でしたね。

マネタイズは「収益化」という意味で、技術や知識などを用いて「キャッシュポイントを作り出すこと」です。

ただし、このマネタイズという言葉をよく使用するWEB業界では、「無料サービスを使って利益を得る」といった意味で使われるケースもあります。

たとえばSNSのアカウントを収益化することや、無料アプリで広告を表示させて収入を得たりすることを、「マネタイズする」とも言いますよ。

キャッシュポイントは「ビジネスの一環」、マネタイズは「そのビジネスで収益を得るための仕組み作り」という違いを理解しておきましょう。

3つの視点で考えるキャッシュポイントの見つけ方

ここからはキャッシュポイントを見つけるための、3つの視点を紹介していきます。

多くのキャッシュポイントを見つけてマネタイズできれば、より多くの収益を上げることにつながっていきますよ。

それでは詳しくみていきましょう。

視点①市場調査から顧客ニーズを把握する

顧客の悩みやニーズは、キャッシュポイントを見つけるための良いヒントになります。

顧客が抱える悩みの解決策を商品にしたり、顧客のニーズに応えた上で付加価値をつけてサービスを提供したりすれば、キャッシュポイントを増やすことができますよね。

キャッシュポイントを探す際には、こちらが売りたい商品を考えるのではなく、顧客が欲しがっている商品を探すのがコツです。

市場調査を行い、顧客のニーズをしっかりと分析しましょう。ニーズはウォンツと違い、簡単なアンケートでは把握しづらいものです。

だからこそ真のニーズを把握し、その悩みや欲求を解決できれば、それは新たなキャッシュポイントになり得ますよ。

こちらの記事でニーズとウォンツの違いについて詳しくまとめています。

視点②競合分析をして差別化ポイントを見つける

競合他社と自社の違いを見つけることも、キャッシュポイントを見つけるための大切なヒントです。

競合にはない付加価値をつけてサービスを提供したり、優位性のある商品を提供すれば、それは新たなキャッシュポイントになり得ますよね。

たとえばヤマト運輸は、宅配便や引っ越しだけでなく、独自に精密機器を配送する技術を持っています。

そして今ではその技術を活かして、故障した家電製品の引き取りから修理引き渡しまでを一括して行うサービスを行っているのです。

これは競合他社にはできない、ヤマト運輸ならではのサービスですよね。

このように、他社にない自社独自の強みを見つけることは、新たなキャッシュポイントを見つけることにつながっていきます。

また完全に差別化された独自の商品やサービスには、価格競争を避けられるというメリットもありますよ。

競合や自社の分析についてはさまざまな方法がありますが、3C分析4P分析SWOTなどのフレームワークがオススメです。ぜひ参考にしてくださいね。

視点③顧客データを分析して自社の強みを見つける

顧客データを分析して自社の強みを知ることは、新たなキャッシュポイントを見つけることにつながっていきます。

たとえばワークマンは機能性が高く価格が安い、作業服専門店です。少し前までは工事現場で働く人たちをターゲットに商品を販売していました。

ですが今は、この「機能性が高く価格が安い」という強みを活かし、スポーツやアウトドア市場で人気を博していますよね。

このように自社の強みを知ることは、新たなキャッシュポイントを見つける手掛かりになります。

ですからまずは今いる顧客が、商品の何が良くて何を購入しているのかなど、顧客の購買パターンを分析し、自社の強みを分析しましょう。

自社の強みを見つける考え方としては、USPの考え方がわかりやすいですよ。あわせてご覧ください。

キャッシュポイントを複数持つべき理由とは?

  • 収益が増え、経営が安定する
  • 競合に負けない競争力が身につく
  • 顧客のロイヤルティが向上する
  • 経営がうまくいかないときも、リスクが分散される

今の時代、魚屋さんが魚だけ売って収益を得るというような、1つの事業だけで身を立てている企業は少ないですよね。

魚を仕入れて売る傍ら、お寿司屋さんを経営していたり、魚を使ったお惣菜やお弁当を売っていたりする魚屋さんも多く見かけます。

キャッシュポイントを増やすことは、収益を増やし、経営を安定させることにつながります

また複数のサービスを展開することは、それ自体が自社の強みになりますし、顧客が喜ぶサービスや商品が増えれば、顧客ロイヤリティの向上にもつながりますよね。

また万が一何か1つの事業が不調でも、他の事業での収益が経営を助けてくれることでしょう。

このようにキャッシュポイントを複数もつことには多くのメリットがあり、ビジネスを成長、拡大させることにつながりますよ。

収益アップにつながるキャッシュポイントの増やし方5つ

キャッシュポイントの増やし方はさまざまありますが、まずあなたのビジネスにあった方法を探していくことが大切です。

もし今すでにビジネスを成功させていて、資金や人材が豊富な場合は、新たな事業を始めるのもひとつの方法です。

ですがもし、これから事業を拡大させていく場合など、資金や人材が限られている場合は、今ある商品やサービスからキャッシュポイントを見出していくのがオススメですよ。

ここからは、収益アップにつながるキャッシュポイントの増やし方を5つ紹介しますので、まずはぜひ、あなたのビジネスにあった方法を探してみてくださいね。

増やし方①新たな製品やサービスを開発する

新たな商品やサービスを開発すれば、キャッシュポイントを増やすことができます。

例えば、まったく新しい事業にチャレンジして新しい製品を販売する方法があります。

この方法には多額の資金が必要にはなりますが、その分この先大きくビジネスが広がっていく可能性がありますよね。

またもっと身近なところから、新たな製品やサービスを販売するという方法もあります。

今販売している商品のメンテナンスや保障サービスを有料で提案するなど、関連商品を新たなサービスとして販売すれば客単価の向上も期待できます。

このようにさまざまな方法で新しい製品やサービスを提案できれば、顧客1人に対するキャッシュポイントを増やせるでしょう。

増やし方②新しい市場や顧客層を開拓する

自社の商品やサービスが未開拓の市場を見つけてアプローチしていけば客層が広がるため、キャッシュポイントを増やせます。

先ほどのワークマンが良い例です。

もともとは工事現場で働く人をターゲットに商品を販売していましたが、今ではスポーツやアウトドアの市場へアプローチが成功し、客層を広げていますよね。

特にニッチな市場は、必ずしも大企業がシェアを占めているわけではありません。

トレンドを把握して、新たな市場を見つけることができれば、キャッシュポイントが増える可能性がありますよ。

増やし方③ほかの企業や組織と連携する

ほかの企業や組織と連携すれば、新たなキャッシュポイントが生まれます。最近は企業同士のコラボ商品というものもよく出ていますよね。

企業同士の強みをかけ合わせれば、新たな商品やサービスを生み出せるでしょう。

他の企業や組織と連携すれば、その相手先の顧客に対しても宣伝ができたり、話題性が生まれたり、相乗効果的にキャッシュポイントが生まれていきますよ。

増やし方④今ある商品やサービスの価値を見直す

今ある商品やサービスを改善したり、付加価値をつけて、キャッシュポイントを増やすという方法もあります。

その際は、顧客の悩みを解決する商品を提案するとよいでしょう。

たとえば調味料であれば、商品の量が多くて使い切れないという人向けにミニボトルを発売したり、その人の使い方にあわせてスプレータイプやプッシュタイプの容器が選べたり、さまざまな顧客に目を向け、どんな商品を欲しがっているのか把握することが大切です。

顧客のニーズから、新たなキャッシュポイントを見つけることができますし、顧客満足度も向上しますよね。

顧客の声を十分に聴き、顧客の声に応える商品やサービスを提供しましょう。

ユーザー目線の意味についてはこちらの記事で紹介していますので、あわせてご覧くださいね。

増やし方⑤顧客のLTV(顧客生涯価値)を向上させる

LTVとは、顧客が初めて商品を買った日から、最後に購入した日までにもらしてくれた利益の総額です。

つまりLTVが向上するということは、リピート購入が増えるということであり、キャッシュポイントが増えることなのです。

リピート購入を増やすためには、会員限定特典やお友達紹介キャンペーンなど、常連さんが喜ぶ施策を行うことが大切です。

また、購入後のアフターフォローも忘れてはいけません。

LTVが向上すれば、リピート率や購入頻度が増えるため、自然とキャッシュポイントも増えていきますよ。

LTVの伸ばし方についてはこちらの記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。

【成功事例】キャッシュポイントの設定が秀逸な実例3選

成功している企業は、多くのキャッシュポイントを持っています。そしてそのキャッシュポイント同士が相乗効果を生み出すことで、高い収益を上げていますよ。

ここからはキャッシュポイントの設定が秀逸な、3つの成功事例を紹介していきますね。

企業①Amazon

  • Kindleやファイヤースティックなどの自社製品の販売
  • ECサイトAmazon.comによる他社製品の販売手数料
  • Prime Video、Amazon Music Primeなどのプライム会員プログラム
  • Amazonギフト券など、自社製品をお得に購入できる金券
  • 企業向けクラウドサービスであるAWS(Amazon Web Service)
  • ECサイトAmazon.comで表示される広告サービス

Amazonは顧客満足度を非常に重視しており、顧客重視のサイクルを回す中で、上記のように多くのキャッシュポイントを持っています。

そのサイクルを具体的に言うと、Amazonはショッピングサイトを運営する中で、「地球上でもっとも豊富な品ぞろえ」を目指していて、その品揃えの良さから、顧客満足度を向上させています。

これを実現させるためには、Amazonから商品を買う消費者だけでなくAmazonで商品を売る販売者の満足度も重要です。

まず消費者の満足度を向上させることで、リピート購入や新たな顧客を増やします。

消費者が増えればAmazonで商品を売りたい新たな販売者が増えますよね。

このように、市場を広げることによって、新たな販売者を増やすという戦略をとっているのです。

品揃えが多くなるため、消費者のロイヤルティもさらに向上しますよね。

Amazonは顧客満足度重視のサイクルを回す中で、多数のキャッシュポイントから収益を上げていますよ。

企業②Apple

  • iPhoneやiMacなど、メインの製品販売
  • 充電アダプタなどのアクセサリ製品、AirPodsやAirTagなどの関連製品
  • Apple Careなど修理/保障サービス
  • Apple TV+ やApple Musicなど、製品に関連したサブスクサービス
  • Apple Storeギフトカードなど、自社製品をお得に購入できる金券
  • iCloudなどのデータ保存サービス
  • Apple Payなどの決済サービス

AppleといえばiPhoneですよね。

ですがiPhoneの売上はApple全体の売上の半分ほどで、もう半分はその他の製品やアクセサリ商品、関連サービスによって構成されています。

たとえばiPhoneを購入した人の多くは、iCloudサービスや修理保証サービスなどに毎月お金を支払っている人が多いですよね。

このような関連サービスの売上は、Apple全体の2割をしめているとされています。

このようにAppleは、製品やサービスを軸に多方面にキャッシュポイントを持ち、年々成長しつづけているのです。

商品③フォートナイト(Epic Games)

  • スキンやエモートなど、ゲーム内でオリジナリティが出せるコスチュームの販売
  • バトルパスで購入できる限定品の販売
  • ゲーム内でコミュニケーションがとれるギフト

フォートナイトのキャッシュポイントで注目したいのが、プレイヤーの心をうまくくすぐり、課金に対する新たな価値観を生み出している点です。

フォートナイトとは基本的に無料でプレイできる、世界中で人気のオンラインゲームです。

今までゲームの課金の目的はさまざまですが、簡潔に言うなら「ゲームを効率よく進めるため」が主流でした。

しかしフォートナイトは、課金しないと強くなれなかったり、ゲームの進行が遅くなったりということはありません。

課金することで変わるのは、見た目です。

「自分の好きなキャラクターでプレイしたい」「世界中の人と純粋にゲームの上手さで勝負したい」など、自由度の高いゲームに対する価値観をみたすことで、フォートナイトはキャッシュポイントを増やしています。

プレイヤーがゲームに求めているものや、価値観をしっかりと押さえ、キャッシュポイントを増やしている例といえるでしょう。

まとめ

ここまでビジネスにおけるキャッシュポイントをまとめてきましたが、最後にこの記事の要点をまとめます。

  • キャッシュポイントとは、収益が発生する機会のこと
  • キャッシュポイントを見つけるためには、市場や競合分析、顧客データの分析を行い、複数の視点を持つことが大切
  • キャッシュポイントが増えれば、競争力が身に付き顧客ロイヤリティが向上する
  • キャッシュポイントを増やすときは、自分のビジネスにあった方法を選ぶことが重要

ビジネスを成功させるためには収益を確保し経営を安定させることが大切です。

ですからキャッシュポイントを増やし、お金が入ってくる機会を多く持ちましょう。

この記事や添付の記事など、複数の情報を参考に、キャッシュポイントを増やすヒントをたくさん見つけてくださいね。

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