リストマーケティングとは?メリット・デメリットとやり方を解説
- リストマーケティングってなに?
- 個人事業主でもリストマーケティングはできる?
- リストマーケティングでコスパよく稼ぎたい!
ビジネスでものを売る際、さまざまな宣伝方法があります。
お金を払ってCMを作成し、テレビやインターネットなどのメディアで流したり、チラシを作って配ったり、莫大な広告費や人件費、そして労力がかかりますよね。
それらのコストや業務負担を抑え、より効率的に売上アップを目指せる方法が、リストマーケティングです。
この記事では、リストマーケティングとは何なのか、またリストマーケティングを活用するメリット・デメリットを紹介しています。
また記事の後半では実践版として、リストマーケティングのやり方や、リストマーケティングで稼ぐコツをわかりやすく解説しています。
ぜひ最後まで、この記事をご覧ください。
リストマーケティングとは?
リストマーケティングとは、顧客リストを活用したマーケティングのことです。
たとえばお店で買い物をしたとき、「いま会員登録をすれば、クーポンがお渡しできます」と会員登録を勧められた経験はありませんか。
そして会員登録をすると、後日キャンペーンや新商品の案内が送られてきたりしますよね。
会員登録を促すキャンペーンは、身近なリストマーケティングの一例です。
お店が会員になってくれた顧客をリスト化して、セールス活動を行っているのです。
このような顧客リストを活用したリストマーケティングは、BtoCビジネスだけでなく、BtoBビジネスでも活用できます。
また、法人に限らず個人事業主の方など、ビジネスの形態を問わず取り入れられる方法です。
これからビジネスを成功させたいマーケティング初心者の方でも、比較的取り組みやすいマーケティング手法でしょう。
リストマーケティングの4つのメリット
リストマーケティングは身近なマーケティング手法で、多くの企業や個人事業主が活用しています。
ここからは、リストマーケティングを活用するメリットを紹介します。
メリット①マーケティングコストを抑えられる
新しいキャンペーンの告知を、不特定多数の人に向けてCMをうったりチラシを作成したりすれば、莫大な費用がかかりますよね。
ですがリストマーケティングを活用すれば、マーケティングにかかるコストを抑えられます。
リストマーケティングでは、確度の高い顧客へ絞ってキャンペーンの告知をおこなえるからです。
特にメールを活用したマーケティングは、費用対効果が高くコスト削減が期待できますよ。
たとえば会員リストからターゲットを絞り、メールでキャンペーンのご案内を送れば、メールの文面を考えて送付する少しの人件費で済みます。
メールの開封率などからキャンペーンの効果検証をおこなうのも容易ですし、市場調査のためにアンケートを依頼する際にも、顧客のアドレスリストがあればスムーズでしょう。
このようにリストマーケティングは、マーケティングにかかるさまざまなコストを抑え、効率的に売上アップを目指すことができる手法ですよ。
メリット②業務の効率化につながる
リストマーケティングとは、商品が売れる仕組みを作ることでもあり、一度売れる仕組みを作ってしまえば、業務の効率化を図ることができます。
たとえば会員に対するメルマガ配信のシステムがあれば、顧客のアドレスリストに対してキャンペーンの告知や新商品の情報を手間なくまとめて発信することができますよね。
また顧客の状況に合わせてメールを自動配信できるステップメールのシステムを使えば、資料請求をいただいた顧客にお礼のメールを送り、数日後に関連資料を送付するなどの一連の流れを自動化できます。
このようにリストマーケティングとは、顧客に対する営業活動を自動化していくことです。
一度この仕組みさえ作ってしまえば、業務の効率化につながりますよ。
メリット③LTV(顧客生涯価値)の向上につながる
LTVとは、顧客が初めて商品を購入した日から、最後に商品を購入するまでに自社にもたらしてくれた利益の総額のことです。
つまり簡単に言うと、常連客やより利益をもたらしてくれる顧客が増えれば、LTVは向上し、安定した売上を確保することができます。
そしてリストマーケティングは、LTVの向上に欠かせません。
なぜなら顧客に長年商品を愛用してもらうためには、良い商品を作るだけではなく、定期的に顧客とコミュニケーションを図り、良好な関係を築く必要があるからです。
ですが、顧客一人ひとりとコミュニケーションをとるのはどうしても時間や負担がかかってしまいますが、リストマーケティングを活用すれば簡単ですよね。
たとえば、一度商品を購入してくれた顧客リストに対して関連商品をPRしたり、長年取り引きがある顧客リストを使ってゴールド会員特典を作ることもできるでしょう。
このような理由からリストマーケティングは、LTV向上という効果が期待できるというわけです。
リストマーケティングを活用して、顧客とコミュニケーションをとる仕組みがあれば、より効率的にLTVを向上させることにつながりますよ。
詳しいLTVの伸ばし方は、成功事例も交えてこちらの記事で紹介していますので、あわせてご覧くださいね。
メリット④マーケティング戦略が立てやすくなる
リストマーケティングで行った施策は、効果の検証がしやすいのが特徴です。
リストマーケティングは、リストにある顧客に対してマーケティングを行っているため、その顧客がどの施策に反応して商品を購入したのか、どの商品が売れたのかなどのデータが得やすくなっています。
これがもし、CM広告を出しつつ雑誌にも広告を出し、イベントでチラシを配るなど、不特定多数の人に対して複数の施策をおこなっていた場合はどうでしょうか。
どのお客様がどの広告をきっかけに来店されたのかはわかりづらいですよね。
一方、リストマーケティングは、メルマガからなのか、資料請求からなのかなど、流入経路がわかりやすく、施策に対する効果検証がやりやすいでしょう。
リストマーケティングを活用すれば、施策、検証、改善までのPDCAのサイクルを回しやすく、より効果的な戦略を立てることができますよ。
リストマーケティングの3つのデメリット
これまでお伝えしてきたように、良いことづくめのリストマーケティングですが、実はデメリットも存在します。
実際にビジネスにリストマーケティングを活用する際は、しっかりとデメリットも把握して、対策を考えておきたいですよね。
ここからは、リストマーケティングを活用する際の代表的な3つのデメリットを紹介していきます。
デメリット①仕組みを構築するまで時間がかかる
リストマーケティングは一度仕組みができてしまえば業務負担を抑え、効率的にセールス活動をおこなうことができるのですが、その仕組みを構築するのはひと手間です。
たとえば顧客リストを収集するためにアンケートを実施したり、サンプル品を配って顧客の個人情報を集めようとすると、どうしてもコストと時間がかかりますよね。
また、ステップメールのシステムを作ったり、会員向けのインスタ運用したり、集客の仕組みづくりにも、やはり手間と時間がかかるでしょう。
また一度仕組みを作ってしまえば終わりということはありません。
マーケティングの効果検証や戦略は立てやすくなるものの、その後もPDCAサイクルを回し続ける必要があるとお伝えしましたね。
効果的に多くの成果を上げられる反面、仕組みの構築とメンテナンスには手間暇がかかるのがデメリットでしょう。
デメリット②宣伝や売り込みばかりだと逆効果になる
せっかく顧客リストを収集して、顧客にアプローチする手段を確保したとしても、顧客に対して宣伝や売り込みばかりをしてしまうと、顧客にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
たとえばメルマガで毎週興味のないキャンペーンの案内が送られてきたら、購読をやめたいと思ってしまう人もいますよね。
顧客へのアプローチは一方的な内容ではなく、顧客にとってメリットやニーズを満たす内容であることが大切です。
顧客ニーズは、そもそも顧客自身ですら自覚がないという場合もあります。
だからこそ顧客の真のニーズを満たす内容を提供できれば、顧客との関係を深めることができます。
そのためには、売りたい商品をただ宣伝して売り込みをかけるのではなく、顧客の問題や課題を正しく把握することが大切です。
顧客のニーズやウォンツから真のニーズを正しく理解してアプローチすれば、マイナスの印象をもたれることはなくなるでしょう。
マーケティング用語のニーズとウォンツの違いについてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
デメリット③顧客情報の漏洩リスクがある
リストマーケティングは個人情報を収集することからスタートしますよね。
ですから当然、個人情報漏洩のリスクは高まります。
近年、個人情報漏洩問題が急速に増えている理由は、リストマーケティングの普及も原因の1つでしょう。
たとえば、顧客リストを保存した端末を紛失したり、顧客リストの入ったファイルの添付先を誤送信してしまったり、不正アクセスにより個人情報が盗まれてしまったりするなどです。
顧客の個人情報を集めるということは、こういった情報漏洩のリスクを伴います。
そして個人情報の漏洩は、その会社の信用問題に大きくかかわるのです。
ですからリストマーケティングのために個人情報を収集する際は、しっかりとした情報保護の仕組みづくりとセキュリティ対策を行い、リスクヘッジをおこなっていくことが重要ですよ。
【簡単4ステップ】リストマーケティングのやり方をわかりやすく解説
それでは、リストマーケティングのやり方を解説します。
リストマーケティングのやり方はシンプルで、今から解説する4つのステップをふめば、簡単にリストマーケティングを始めることができますよ。
各ステップごとに、より高い成果を上げるコツも紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ステップ①顧客リストを収集する
顧客リストを収集するためには、無料体験やサンプル提供、メルマガ登録などがおすすめです。
顧客リストを収集するときのポイントは、目的に合わせてターゲットを絞り、質の高い見込み客を獲得することです。
たとえば無料体験をおこなう場合は、「〇〇な方必見!」「△△な方にオススメ!」などとあらかじめフィルターをかけておくと、より自社の商品を購入してくれそうな質の高い見込み客を集めることができますよ。
無料体験やサンプルなどの無料オファーの作り方は、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
ステップ②顧客を育成する
顧客リストを収集出来たら、次はその顧客を育成していきます。
顧客の育成とは、顧客との信頼関係を築いていくことです。
たとえば、メルマガやステップメール、SNSやLINEの公式アカウントなどを活用して、顧客とコミュニケーションを図りましょう。
顧客へのアプローチ内容は、その顧客が潜在顧客なのか顕在顧客なのか、それとも見込み客なのかなど、それぞれの状況にあわせて発信することが大切です。
ここからは、顧客タイプ別の育成方法を紹介しますね。
マーケティング用語の潜在顧客と顕在顧客の違いについてはこちらの記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。
見込み顧客の場合
見込み顧客とは、商品やサービスに興味を持ってはいるものの、まだ実際には購入したことがない、売れる見込みのある顧客のことです。
このような見込み顧客は、他社の製品と迷っていたり、興味はあるけど購入は今じゃないと思っています。
ですから自社独自の強みや商品のウリなどUSPを宣伝して、顧客の購入の背中を押すことが大切です。
マーケティング用語のUSPについてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧くださいね。
既存顧客の場合
既存顧客とは、実際に商品やサービスを購入したことのある顧客です。
既存顧客の場合は、購入した商品の使い方を提案したり、新サービスや既存顧客向けのイベント情報を発信したりしましょう。
顧客満足度が高まると、次なる購入につながり、これが繰り返されることでLTVが向上していくでしょう。
休眠顧客・失注顧客の場合
休眠顧客とは、一度商品を買ってから次の購入がない顧客のことで、失注顧客とは、購入の手前で購入を諦めた顧客のことです。
つまりどちらも、一度は商品に興味を持つきっかけがあったにもかかわらず、何らかの理由で購入に至っていない顧客というわけです。
このような休眠顧客・失注顧客に対しては、購入に至らないその理由を分析し、値段がネックになっているなら低価格の商品を提案するなど、その原因を取り除く提案が効果的ですよ。
ステップ③商品やサービスの販売を行う
顧客へのアピールを続け、顧客との信頼関係がきずけてきたら、次は商品やサービスの販売です。
成果を上げるためには、確度の高い顧客へ重点的にアプローチしていきましょう。
メルマガであれば、開封率を分析することで、だんだんとその顧客の購買意欲が判断できるようになりますよ。
そして販売をおこなう際のポイントは、最初は安価で気軽に試せるようなフロントエンド商品を提案し、後から本当に買ってもらいたいバックエンド商品を提案することです。
この方法であれば、顧客が購入を決断をするハードルを下げ、より多くの販売を獲得することができますよ。
フロントエンド商品とバックエンド商品の違いや考え方は、成功事例も含めてこちらの記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧くださいね。
ステップ④継続的にアプローチする
顧客への販売が成功してもしなくても、顧客へのアフターフォローはつづけましょう。
なぜなら何もアプローチをしなければ、例え商品を購入したとしても、使い切らずにその商品の存在を忘れてしまう可能性があるからです。
思い出してもらうには、購入のお礼とともに関連商品のクーポンを送ったり、ちょうど購入した商品を使い切る頃に、リピート購入のお知らせしたりするのが効果的ですよ。
顧客に対して丁寧なアフターフォローを続ければ、顧客満足度が向上し、顧客ロイヤルティを向上させることにつながるでしょう。
リストマーケティングで稼ぐ方法!成果を出すためのポイントとは?
- 新規顧客を獲得するためのアプローチだけでなく、既存顧客のLTV向上のためのアプローチを大事にする
- 顧客のタイプやランクにあわせて発信の内容を変える
- PDCAのサイクルを回して、顧客リストを定期的に更新する
リストマーケティングで成果を上げるためには、一人ひとりの顧客とのつながりを深め、自社商品の愛用者を増やしていくことが重要です。
なぜなら新規顧客獲得のための施策をうつよりも、既存顧客の育成により愛用者にアピールした方が売上につながる確率が高くなる上、コストパフォーマンスがいいからです。
そして愛用者を増やすためには、既存顧客に対して個別に好みにあわせた情報を発信するなど、顧客満足度を高める施策も必要でしょう。
たとえば、新商品の情報が送られてくるよりも、自分が前回購入した商品の使い方や豆知識などの情報が送られてくる方が、顧客に「自分にとって有益な情報をくれる企業だ」という印象を持たれやすいですよね。
しかし顧客の状況や興味はどんどん移り変わります。
そのため、顧客がいつ何をきっかけにどのような商品を購入したのかなどを分析し、PDCAサイクルを回した上で、顧客リストも定期的に更新する必要があるでしょう。
このように顧客に合わせたアプローチができれば、顧客満足度が高まり、愛用者が増えれば、売上アップにつながっていきますよ。
まとめ
ここまでリストマーケティングについてまとめてきました。最後にこの記事の要点をまとめます。
- リストマーケティングとは、顧客リストを活用して売れる仕組みを作っていくこと
- リストマーケティングを活用すれば、コストと業務負担を抑えて、効率的に売上を上げることができる
- 個人情報漏洩のリスクなどのデメリットに対してはあらかじめ対策を考えておくことが重要
- リストマーケティングは4つのステップで簡単におこなうことができる
- リストマーケティングで稼ぐには、それぞれの顧客にあわせた丁寧なアプローチで愛用者を増やすことが重要
リストマーケティングは、負担を抑えて成果を出せる、非常にコストパフォーマンスのいいマーケティング手法です。
成果を出すには、常に効果を検証して内容を見直していくことが重要ですよ。
リストマーケティングを始めるとき、リストマーケティングの効果を検証するとき、またこの記事を参考にしてくださいね。