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森谷俊之

LibRu代表取締役

個人・小規模事業者向けのマーケティング・ブランディングのコンサルタント/セールスコピーライター

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地域のブランディング戦略事例!成功例や失敗例を公開!

人口流出や少子高齢化、財政悪化など、地方自治体が抱える問題は山積みと言われています。

そこで近年は、地域の魅力を発信してまちおこしをする、いわゆる「地域ブランディング」に取り組む自治体が増えています。地域ブランディングに成功して、今まで抱えていた悩みを解決した自治体も多くあります。

地域ブランディングで成功するためには、より多くの成功例と失敗例を知ることが重要です。

とは言え、経験を積むために何度も失敗していたら、自治体は立ち行かなくなってしまいますよね。

そこで、本日はこれまで日本全国の自治体で行われてきた地域ブランディングの事例を集めてみました。

これを読めば、地域ブランディングの成功の鍵が見えてくるはずです。

目次

地域ブランディングの定義とは?

地域ブランディングとは、地域独自の食文化や風習などを魅力として発信し、ブランド化することです。

ただし単に認知してもらうというよりも、消費者側に他とは明らかに違うと区別され、購買意欲を高める工夫や仕組みを作ることが大切になります。

また広義的には、地域ブランディングによってその地域に住む人が地元に愛着を持つようになり、生活満足度を高めるという目的も含まれています。

もちろんブランディングは地域や大企業など大きな物事だけでなく、個人中小企業にとっても重要な考え方です。

ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

なぜ地域ブランディングが必要なのか?

地域の魅力が地域外の消費者に伝わることで観光客が増えると、働き口が増えて都会に進学、就職した若者のUターンやIターンが可能になります。

そうすれば地域は活性化し、住民の生活水準も向上していきますよね。

地域の過疎化が進み、海外の安価な商品が輸入されている中で地域が生き残っていくには、他の地域との差別化が必要になります。

特に日本は大学や企業が、東京や大阪などの都会に一極集中していますよね。

そのため、地方在住の若い世代が地元に残って進学や就職がしたくても、やむなく都会へと流出しているのが現状と言えるでしょう。

また、農作物は東南アジアなどから安価に輸入されるようになっています。地場の特産品が売れにくくなっていることも、地域が過疎化する一因と言われています。

このような状況を打破するためには、地域の魅力を世間にアピール・広報することが大切です。

地域ブランド戦略が成功した8つの事例

全国の各自治体で行われている地域ブランド戦略は、必ず成功するわけではありません。

地域ブランディングに成功した自治体には、成功する理由がありました。ここでは、地域ブランド戦略が成功した事例をご紹介していきます。

  1. 特産品ブランド化の成功例「鹿児島県三島村」
  2. アートツーリズムを意識した「直島」
  3. 農業をブランドに「京野菜」
  4. コラボしやすいまちづくり「宮崎県日南市」
  5. B級グルメの代名詞に「富士宮やきそば」
  6. 観光を蘇らせた「静岡県熱海市」
  7. ゆるキャラの成功例「くまモン」
  8. 伝統産業を世界へ「岡山ジーンズ」

事例①特産品ブランド化の成功例「鹿児島県三島村」

鹿児島県薩摩半島の南端から約40kmの場所にあり、硫黄島・竹島・黒島の3つの島からなるのが三島村です。

離島の人口減少はどこも問題視されていますが、竹島も深刻な状況で約70人まで落ち込んでいました。

その竹島を活性化させるために白羽の矢が立ったのが、村の特産品である『大名筍』です。

当時、『大名筍』は村ではあまりにも当たり前に食べられていたため、長い間特別な食材とは認識されていませんでした。ですが、えぐみが少なくてアク抜きの必要がないことや毎日食べても飽きのこない味は、三島村の特産品としてブランド化できると気付いたのです。

東京で広報イベントを積極的に行ったことで、テレビ番組や新聞で取り上げられるようになると『大名筍』や三島村の知名度はどんどんと上がっていきました。

2015年には『大名筍』の完売状態が続くようになり、「大名筍を買うなら、三島村」「三島村には美味しい筍がある」と、三島村の知名度が上がった結果といえるでしょう。

現在は都市部への販売ルートの構築と、生産量の増加を目指して引き続き取り組みを行っています。

事例②アートツーリズムを意識した「直島」

瀬戸内海にある香川県直島は、アートの島と呼ばれています。

地域ブランディング取り組みの切っ掛けとなったのは、通信教育や出版の事業を行っているベネッセです。社長の福武總一郎氏が、人間の本当の幸せとは何なのかを考える場所として直島を選びました。

そこで、直島に美術館が融合したホテルの建設や、サイトスペシフィック・ワークが作られました。サイトスペシフィック・ワークとは、その土地の環境や生活空間、歴史的や文化的な側面を織り込んだ作品作りのことです。

このような活動が元となり、直島だけではなく香川県も積極的に地域ブランディングとしてアートを推奨するようになりました。

2010年からは瀬戸内国際芸術祭が開催され、国内だけではなく海外からも多くの観光客が直島や瀬戸内海の島々を訪れるようになっています。効果は大きく、平成4年には3万人ほどだった観光客が、平成25年は66万人にまで増えています。

事例③農業をブランドに「京野菜」

特産品(主に野菜)による地域ブランディングは多くの自治体が行っていますが、現状は厳しく成功例は数えるほどでしかありません。

成功例の代表ともいえるのが、「京野菜」です。京野菜は、地方自治体によるブランド野菜・伝統野菜の先駆けというべき存在です。

京野菜は輸入物との掛け合わせがされていません。全国的に販売されている野菜と同じ品種であっても、京野菜は独特な風味や形を持つものが多いです。また盆地であるため昼夜の寒暖差が激しく、肥沃な土地や良質な水も、独特な京野菜が作られる理由のひとつです。

しかし、このような背景がありながらも、実は京野菜は一時期衰退の一途を辿っていました。これに危機感を持った京都府と京都市が、京野菜をブランド化して販売の推進を行って現在に至ります。

京都府内のある農家では、京都府農林水産部が京の伝統野菜と定義している指定野菜の栽培しています。

ブランド化した1年目の売上は約3,800万円でしたが、20年後には約12億4,400万円の売上を得ています。

事例④コラボしやすいまちづくり「宮崎県日南市」

宮崎県日南市の地域ブランディングの取り組みは、独自のものとなっています。

2013年に当時九州最年少の33歳で市長となった崎田恭平氏は、公約の1つだったマーケティング部門の民間人登用を実現しました。その時に抜擢されたのが、田鹿倫基氏です。

田鹿氏はリクルートやアドウェイズ上海法人を経て、マーケティング専門官に就任しました。そして、広告業に携わった経験を活かし、「創客創人(そうきゃくそうじん)」というコンセプトの元でこれまで様々な企業とのコラボを実現しています。

スマホアプリの『bokete』と連携した『日南市でbokete』では、日南市をテーマにした写真でボケる企画を実施しました。企画には賛否両論がありましたが、結果的には1ヶ月で4,500件もの投稿が集まり、世間から大きく注目されました。

またクラウドファンディングで調達した資金で、日南市の特産品である『飫肥杉』を広める活動をしています。例えば飫肥杉の小物をニューヨークのギフトショーに出展し、世界に日南市や飫肥杉、国産杉の良さをアピールしました。

このような他とは違うオリジナルの地域ブランディングをおこなったことで、企業や他の自治体から、日南市はコラボや協業がしやすいというイメージを持ってもらうことに成功しています。

結果、多くの企画が持ち込まれるようになり、各地で日南市をアピールすることができているのです。

事例⑤B級グルメの代名詞に「富士宮やきそば」

富士宮焼きそばは一般的な焼きそばとは異なり、固めの蒸し面をラードを絞った肉カスとキャベツを入れて焼き、いわしの粉を振りかけたものです。

とても特徴的ですが富士宮市民は幼い時から当たり前に食べていたため、これが町の特産品になるとは思っておらず、長い間市民のみが愛する味として親しまれていました。

しかし2000年に富士宮焼きそばを全国区にするべく、富士宮焼きそば学会が発足します。

ミッション麺ポッシブル、やきそばG麺などオヤジギャグ満載のキャッチコピーを作り、まちおこし活動を始めました。

そして、2006年と2007年の2年連続で全国B級グルメの大賞を決める『B-1グランプリ』にてゴールドグランプリを受賞。これを機にマスコミが多数取材を行い、富士宮焼きそばは、一気に全国へと知られていきました。

富士宮焼きそばの知名度の向上とともに、6年間の経済波及効果は217億円という結果も出て、B級グルメの地域ブランド化成功の代名詞となっています。

事例⑥観光を蘇らせた「静岡県熱海市」

熱海市はかつては東洋のナポリと呼ばれ、多くの観光客が押し寄せていました。

しかし、バブル崩壊後は観光客が年々減少。人口が減少し、町には空き店舗が目立つようになりました。

そこで、熱海市を中心に取り組んだのが観光プロモーション事業です。

時代の流れとともに、温泉地を訪れる客層は団体客メインから個人客にシフトしています。その中で、特に若い女性客にターゲットを向け、熱海の様々な魅力をアピールする作戦を開始しました。

また、アンケート調査によって熱海に住む人々が熱海に対してネガティブな感情を持っていることが判明します。その部分をクリアすべく、地域の人に向けた熱海の魅力再発見プロジェクトを行いました。

こうして知られざる熱海の魅力や良さを改めて知った住民がSNSなどを通じて、熱海の情報を発信するようになります。

住民の草の根的な活動が功を奏し、2011年にはピークの半分程度の246万人まで落ち込んだ観光客が2017年には310万人まで回復し、『熱海の奇跡』と呼ばれています。

事例⑦ゆるキャラの成功例「くまモン」

熊本と言えば、以前までは阿蘇山や熊本城がよく挙がる名前でした。しかし今は、『くまモン』ではないでしょうか。

くまモンは九州新幹線の全線開通に伴って誕生しました。通過駅であった熊本にも多くの観光客に立ち寄ってもらうため、熊本県庁のチームくまモンが中心となり作られたキャラクターです。

2011年のゆるキャラグランプリで優勝したことで知名度は一気に全国区となりましたが、実はその前から緻密な計画が実行されていました。

それは、くまモンが熊本を代表するキャラクターとして大々的に熊本アピールをしない、ということ。

くまモンが熊本県をアピールするために作られたキャラクターというイメージではなく、多くの人に親しまれ愛されるキャラクターとして注目されることを目指したのです。そのために、自治体の広報の場以外にも積極的に出演して知名度を上げていきました。

そして、知名度の上昇と共に、熊本県のキャラクターであることを紐づけしていったのです。

2020年のくまモンの関連商品の売上高は、前年比4.8%増の1579億円に達しています。くまモン以降、ゆるキャラを誕生させる自治体が増え、くまモンはゆるキャラによる地域ブランディングの成功例とされています。

事例⑧伝統産業を世界へ「岡山ジーンズ」

岡山県児島は日本製ジーンズの発祥地です。

児島では古くから綿花栽培が盛んで学生服を製作する会社が数多くありましたが、戦後に合成繊維が主流になると学生服生産が苦境に立たされました。

しかし、時を同じくして米兵の穿いていたジーンズに憧れを持つ人が増え、中古店ではジーンズの人気が高まります。そこで、学生服を作っていた会社がジーンズも手掛けるようになりました。

岡山ジーンズの大きな特徴は、『ジャパンブルー』と称される独自の色合いにあります。海を挟んだ徳島県伝統の藍染や、隣の広島県の絣(かすり)と呼ばれる織物の技法を用いて作られる特殊な染めは、海外のジーンズ愛好家にも広く知られています。

岡山ジーンズはシャネルやディオールなどの高級ブランドにも使用されて、高い評価を受けており、岡山県児島は『ジーンズの聖地』と呼ばれています。

伝統産業が現代と融合して成功した例と言えるでしょう。

原因はコレ!地域ブランディングの失敗例

地域ブランディングを成功させるには、成功例だけではなく失敗例も知っておくことが大切です。

失敗例と似た内容を回避できれば、失敗する確率を減らすことができますよね。ここでは、地域ブランディングの失敗例を紹介していきます。

失敗例①成功例を真似しただけの戦略

地域ブランディングに成功した自治体があると、他の自治体が視察に訪れて同じような手法で事業を行おうとします。

しかし、それは別の自治体も同じで、何かがヒットするとみなで同じことをやってしまいがちです。

そうすると、結果的には競合が増え、自治体同士の潰し合いとなってしまうことも少なくありません。

一方で、競合の中から生き残っていく地域には独自の戦略や魅力があります。その地域の「特別」は、言葉通りに特別なものとは限りません。

普段何気なく接している当たり前の中に、他の地域にはない「何か」を見つけ出すことが成功に繋がります。

失敗例②補助金や助成金ありきの戦略

人口減少により十分な税収が見込めない自治体の場合、地域ブランディング事業を行う時に足りない資金を補助金で補うことがあります。

しかし、地域ブランディングで必要なのは一時的なお金ではなく、お金を継続的に回す仕組みの構築です。

特に自治体では、予算を獲得するための事業計画を立てることが重視される傾向にあります。それゆえに、事業が継続して利益を生み続けることが軽視されがちです。

最初から補助金や助成金に頼って事業は、結果が出ないうちに資金が底をつく可能性があります。

失敗例③地域の協力や理解が足りなかったケース

地域ブランディングでは、その地域に住む人の協力や理解が不可欠になります。

地域ブランディングに成功している自治体は住民が事業に対して理解力があり、協力しているケースが多いからです。

反対に、住民が事業の内容をよく知らなかったり、内容などに不満を抱えている場合は失敗しやすいと言えます。

事業への理解や協力は単に町の雰囲気を良くするだけではなく、SNSなどを通じて多くの人への広報を買って出てくれることにも繋がります。

失敗例④一過性のブームで終わってしまったケース

地域のブランド化は一朝一夕にしてできることではありません。

一時期のブームで町が活性化しても、それを継続できないと意味がなくなってしまいます。

例えば、様々な広報やイベントが功を奏して、その土地を初めて訪れる観光客が増えたとしましょう。しかし、それが1回きりであればブームとして終わってしまいます。

継続させるにはリピーターになってもらう必要があり、そこを含めた戦略を練るのが重要と言えるでしょう。

成功例からみる地域ブランディング4つのポイント

地域ブランディングは失敗する自治体も多く、必ず成功するとは言えません。その中で成功している自治体には、どのような違いがあるのでしょうか。

ここでは、成功例からみる地域ブランディングのポイントを紹介します。

コツ①差別化を図れる地域の魅力を発見する

差別化というと、とても特別なもののように感じてしまいます。

しかし、その土地でしか獲れない幻の農作物のような希少価値の高いものだけが、地域ブランド化で成功するわけではありません。

そこに長く住み、自分達にとっては何の目新しさもない食べ物やイベントであっても、消費者には新しく感じることが多々あります。

地域ならではの魅力を深く探るためには、恐れずに意見を発することができる雰囲気作りが必要です。どんな小さい意見も漏らさず、ホワイトボードなどに書き出し、その場にいる全員に視覚化されることが大切です。

差別化を図るためには、3C分析SWOT分析などマーケティング戦略の基本手法を用いることがおすすめです。

ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

コツ②コンセプトを明確にする

観光客や消費者の数を増やすためには、年齢・性別を問わず老若男女に受け入れられるコンセプトを持つことが大事、と考えていると失敗しやすくなります。

これでは「誰に何を提供するのか」が不明瞭となり、結果的にどの世代にも響かない曖昧な内容になってしまうからです。

それよりも、若い女性や小さな子どものいる家庭など、ターゲットとなる層を絞った上でコンセプトを作ることが大切です。

コツ③3Rを重視する

3RとはRelevance(繋がり)、Relationship(結びつき)、Reputation(評判)の頭文字をとった言葉です。

地域ブランディングの構築を考える中心となる行政と、該当地域に住む住民、そして地域ブランディングのターゲットとなる消費者の3者の関係が適切であることが大切です。

コツ④体験を提供する

ブランド化を目指す商品をいくらSNSなどでアピールしても、消費者にはその価値がなかなか届きません。

実際に見て、触って、食べて、体験してもらうことが何よりも宣伝になります。ブランド化を目指す商品を体験してもらえる場所を作ることが必要です。

また、地域ブランディングの対象となるのは名産品などの「物」だけではありません。

地域独自のイベントや文化なども対象となり、体験を提供することが町の活性化に繋がります。

地域だけではない!誇れるまちへ都市ブランディングの事例

日本の主要な都市では、観光や産業などの競争相手が国外になるケースが多いです。競争相手がより熾烈となるだけではなく、宣伝や広報の仕方も地域ブランディングとは同じとはいきません。

ここでは、選ばれる都市であるために行われている取り組みを調べてみました。

憧れの都市を目指して「東京」

東京都では東京ブランドの確立を目指し、2015年に有識者や民間の事業者などによる『東京のブランディング戦略会議』を設置しています。

東京は歌舞伎や能などの伝統文化、アニメやオタクといったポップカルチャーなどが世界から注目を集めています。

一方で、観光地としての魅力はこれまで積極的に発信されていませんでした。

東京の訪日観光客は2014年には1,300万人を越えていますが、フランスの8,000万人には遠く及びません。

このようなことから、東京都ではインバウンドの取り組みを強化し、東京の魅力を世界の旅行者に知ってもらう活動を行っています。

また、世界で最も住みやすい都市ランキング(2021年)で、東京は5位となっています。5つの項目(医療・安全性・文化/環境・教育・インフラ)を元に、世界の140都市を対象に評価されたものですが、こちらもあまり知られていないのが現状です。

東京ブランドの確立とは、観光客だけが対象ではありません。東京に住む人々が東京の魅力や素晴らしさに改めて気付き、世界の人達と共有することを目指しています。

世界から住みやすさが評価された「大阪」

大阪は昔から商人の町として知られており、関西国際空港と阪神港という二大国際インフラが整備されています。

また、鉄道や公共交通、ガス、電気などではすでに大規模なインフラが敷かれています。

しかしそれに留まらず、最新のテクノロジーやトレンドを取り入れ、積極的に新たな価値観を見出い出しています。

このような取り組みが評価され、大阪は住みよい町として世界に知られるようになってきました。世界で最も住みやすい都市ランキング(2021年)では、東京を抜いて大阪が2位となっています。

大阪は安全性と医療で東京と共にトップ評価を受けたものの、インフラでは東京を上回る評価がされました。

大阪では『大阪都市魅力創造戦略』を推進し、世界水準の都市ブランドの確立を目指しています。

魅力度を上げた「広島」


広島は地域の特性を生かした様々な活動により、地域ブランドの確立や地域全体のイメージアップを図っています。

具体的には、首都圏での情報発信拠点『TAU』の活用や、瀬戸内海を始めとした水際の活用。文化やスポーツ、芸術に親しむ環境を充実させることなどです。

広島ブランドの価値向上のために取り組んだことの1つに、「ひろしまの見られたい姿(案)」があります。これは、県内外の人に広島がどのように見られたら評価や評判が上がるのかを明確にするものです。

広島の魅力をより多くの人に伝えるためには行政だけが行動するのではなく、県民や企業、団体の人と意識を共有することが大切だと考えています。

こうした取り組みの成果として、広島県は他の県と比べて魅力度ランキング(地域ブランド調査)の順位が躍進しています。

2009年の調査では27位でしたが、2020年には18位と大きく上がっています。

地域ブランドが抱える課題とは?

地域ブランドは、小規模・零細な個人事業主や生産者を抱えることが多く、企業のように品質維持や生産量が管理徹底できない面があります。

消費者は以前購入したものより品質が劣れば、2度と買いません。

そのため、品質水準の向上や信頼性の確保は早急で重要な課題と言われています。

さらに安定した供給を続けることができるのか、選ばれ続けるブランドとして全国に根付くことができるのか、地域ブランドには継続性も求められているのです。

地域ブランディングにおすすめの書籍

引用元:Amazon

地域ブランディングの成功には、地域ブランディングを行う明確な理由と目的、そして先を見据えた展望がとても重要です。

失敗も含めた解決までのストーリーがしっかりしているほど、成功しやすくなると言われています。

そこでおすすめなのが『ストーリーブランド戦略』というビジネス書籍です。

本の内容は、パイレーツ・オブ・カリビアンのチケットが世界中で売れた理由を紐解くことで、それをビジネスにも応用できるというもの。

実際にアメリカでは、ストーリー・ブランド・フレームワークと呼ばれるこの手法を取り入れている企業が毎年3000社にも及び、あのアップル社のスティーブ・ジョブズも導入していたと言われています。

ブランディングについてさらに学びたい方は、こちらにおすすめ書籍をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

地域ブランディングの成功に重要なポイントをまとめました。

  • 成功例の真似ではなく地域の独自性を探る
  • ターゲットを絞る
  • 行政と住民と消費者の関係が適切である
  • 実際に体験できる場所の提供

地域ブランディングは中心に行うのが行政だけでは絶対に成功しません。

なぜなら、地域ブランディングは消費者だけではなく、そこに住む人々との繋がりが何より必要だからです。住民の声に耳を傾け、一緒に地域を盛り上げていくことが大切ですね。

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