ビジネスをオンライン化するメリット・デメリットとは?
- ビジネスのオンライン化とは?
- オンライン化とデジタル化の違いは?
- ビジネスをオンライン化するメリットとデメリットが知りたい
近年、さまざまな分野においてオンライン化が加速しています。
企業のリモートワーク、学校のeラーニングシステム、行政手続きの電子申請などオンライン化を身近に感じている人は多いですよね。
そもそもビジネスのオンライン化とは一体どのようなことなのでしょうか。
オンライン化とデジタル化は何が違うのか、よくわからない方もいるでしょう。
そこで今回は、ビジネスのオンライン化について詳しく調べてみました。
目的からみる「ビジネスのオンライン化」とは?
オンラインには、スマホやPCなどの端末がインターネットにつながっているという意味があります。
そのため、ビジネスのオンライン化とは、業務に関することをインターネットを通じて行える状態にすることを指しますよ。
ビジネスをオンライン化する主な目的は、次の2点になります。
それぞれを詳しく見てみましょう。
ビジネスのオンライン化のひとつであるオンラインスクールの作り方については、こちらの記事を参考にしてください。
目的①働き方の改善
オンライン化のひとつ目の目的は、時間や場所の自由度が上がることによる働き方の改善です。
これまでのビジネスは、人と直接会うことを前提に行われていました。
商談は取引先の人と対面する必要があり、社内ミーティングなら会議室に社員が集まらなければいけません。
しかし、ビデオ通話を使えば、人と直接会わなくても商談やミーティングを行うことができます。
商談やミーティングのためにわざわざ遠方まで出かける必要がなくなります。
自宅や外出先であってもインターネット環境さえあれば、アクセスして仕事ができる環境が得られますよね。
また、紙で管理していた書類をインターネット上で作成したり保管したりできるので、業務の共有や擦り合わせに割く時間が短縮されます。
オンライン化によって、「出社して働く」という概念が変わることで、出勤時間や移動時間を効率的に使えるようになりました。
目的②新たな価値を生み出すこと
オンライン化の2つめの目的は、新しい価値観の創造です。
オンラインレッスンやオンライン旅行などは、「実体験に勝るものはない」と考える人もいますね。
しかし、有名な先生や講師のレッスンは、人数に限りがあり予約すら困難な状況です。
たとえ予約が取れても、決められた日時に現地に通えるなど条件が厳しいなどの理由で、受講できない人も多くいます。
それがオンラインなら、受け入れの人数に余裕がある上、わざわざ通う手間がなく自宅で気軽に受けられるのです。
そのため、オンラインレッスンはオンライン体験のなかでも人気となっています。
オンライン旅行も、簡単に行くことができない異国の地であれば、リアルの体験には叶わないと分かりながらも申し込んでみたい人は多いでしょう。
サハラ砂漠の満天の星空やアマゾンの奥地など、人生で一度は行ってみたい場所を気軽に体験できます。
こうしたオンラインだからこそ可能な体験を提供したり、これまでとは違う新しい価値観を創り出すことができるのがオンライン化の目的となります。
オンライン化とデジタル化の違いとは?
オンライン化とデジタル化は同義的に使われることが多いですが、厳密に言うと違いがあります。
デジタル化とは、手書きで作成されていた書類や伝票をコンピューターで処理が可能なデータ(デジタルデータ)にすることです。
具体的には、紙ベースの契約書を電子契約書に変更したり、直接記入していた伝票をエクセルを用いた伝票へと移行することなどが該当しますよ。
一方のオンライン化は、デジタル化されたデータをインターネット上で共有や交換ができるものです。
たとえば買い物をしてお金を支払うとき、今までは商品の価格をレジで手打ちして入金やお釣りの管理を行っていました。
これを、商品に付いているバーコードの読み取りに変えたのがデジタル化、さらにQRコード決済によって現金を直接支払わなくても支払いができるようにしたのがオンライン化です。
つまり、オンライン化の前提としてまずはデジタル化があり、デジタル化によって下地が整ってから始めてオンライン化へと進むことができます。
あなたのビジネスをオンライン化する5つのメリット
人と直接顔を合わせて仕事をしてきた方にとって、ビジネスのオンライン化は何となく味気なさを感じるものではないでしょうか。
それが、オンライン化の導入を躊躇する理由になっている場合もあるでしょう。
ですが、ビジネスをオンライン化することで受けられる恩恵は数多くあります。
それぞれについて詳しく解説していきます。
オンラインビジネスの始め方や、オンライン教室の始め方はこちらの記事を参考にしてください。
メリット①ビジネスチャンスの拡大
ビジネスのオンライン化は、今までは遠方だからという理由で開拓できなかった新規顧客の獲得につながります。
インターネット上で商談や契約を行うことができるので、地方はもちろん、海外にも事業を広げられます。
より多くの人に知ってもらえることで、ターゲットの母数が増えるのがメリットです。
メリット②生産性の向上
ビジネスをオンライン化すると、仕事に集中しやすいと感じたり、リラックスして仕事ができると感じたりする人が多くいます。
自分の好きな場所や時間に自由に仕事ができるからです。
実際に政府の調査(※1)でも、テレワークの導入が生産性の向上に繋がったと感じた企業は82.1%に達しています。
ただし、やみくもにテレワークを導入しても必ず生産性が向上するわけではありません。
企業がしっかりとテレワーク制度を構築する必要があります。
(※1)総務省「平成30年版情報白書」
メリット③コストの削減
これまでは、より多くの人と接してビジネスチャンスを掴むには、おのずと人が多い都市部にオフィスを構える必要がありました。
ですが、都市部のオフィスは賃料が高く、経営に大きな負担となります。
オンライン化によって全社員が毎日出勤する必要性がなくなると、広いオフィスを確保しなくてもよいですし、電気代や水道光熱費、交通費などのコストを削減できます。
また、チラシやパンフレットなどの紙も、オンライン化によって必要がなくなればその分コストを下げることができますよね。
メリット④知名度を問わない集客
テレビのコマーシャルを流すには莫大な資金が必要なので、大手企業以外は自社の商品をアピールすることはできませんが、インターネットの世界は違います。
検索で上位表示されるのは必ずしも大手企業とは限りません。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンが定める基準において、コンテンツの品質が高い評価を得られれば個人や中小企業のサイトであっても上位表示されるからです。
企業名が知られていなくても、「検索上位に表示されているから」といった理由で信頼をしてくれるユーザーは多くいますよ。
集客できるホームページを作るコツについては、こちらの記事を参考にしてください。
メリット⑤ターゲットへ情報をダイレクトに届けられる
自分の意思とは関係なく目に入るテレビコマーシャルや広告看板と違い、インターネット上の情報はユーザーが興味・関心を持って自ら検索しています。
間口が狭く、集客が売上にはつながらないと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、興味のない人にいくら情報を提示しても売上につながることはありません。
反対に、SEO対策やMEO対策を行って、情報を求めている人にダイレクトに届いたほうが商談の成功確率は高くなります。
また、SEO対策やMEO対策は企業側にもメリットがあり、自然とターゲットが絞られるため、効率的に商談を行うことができます。
MEO対策のやり方や、SEOに強いホームページを作るコツについてはこちらの記事を参考にしてください。
あなたのビジネスをオンライン化する4つのデメリット
ビジネスのオンライン化には、メリットだけではなくデメリットも存在します。
事前にデメリットを把握し、対策を講じておけば損失を最小限に抑えることができるでしょう。
それぞれについて詳しく解説します。
デメリット①競合が増える
オンライン化によって全国各地への営業が可能になるメリットは、言い換えれば全国各地の同業他社がライバルになるデメリットと表裏一体です。
これまでは「近隣地域」や「同郷のよしみ」などで獲得できていた仕事が、「もっと安い業者があったから」と切り替えられる可能性があります。
そのため、Webマーケティングに詳しい社員がいない状態でオンライン化に進んでしまうと、適切な対応や対策が講じられず、失敗する原因になるでしょう。
デメリット②商談で感情が伝わりにくい
オンラインのやりとりはテキストが中心となるため、相手や自分の人となりが伝わりにくくなります。
対面での商談では「商品は普通だけど、Aさんだから契約します」のように人間性が成約につながるケースもありますが、オンラインでは難しくなります。
ビデオ通話の利用では表情や仕草などが分かるので、テキストのみよりも感情は伝わります。
しかし見えているのは画面に映っている部分だけなので、実際に同じ場所で顔を合わせているリアルには及びません。
デメリット③セキュリティシステムの見直しが必要
契約や商品に関する情報などをオンライン上でやりとりするため、不正アクセスやハッキングの防止などセキュリティを万全にする必要があり、システムを整えるための費用がかかります。
また、同時に社員に対する機密保持の概念を認識させる必要もあるでしょう。
いくらオンライン上のセキュリティが完璧でも、社員が社内秘を簡単に口を滑らせてしまえば元も子もありません。
WordPressでやるべきセキュリティ対策については、こちらの記事を参考にしてください。
デメリット④返報性が期待できない
手間や時間をかけると、相手は無意識にそれに応えようとしてくれます。
これを返報性といい、お客様から好かれる営業担当者は多く実践している技です。
たとえば、商談先が遠方だった場合、相手は「わざわざ遠くから来てくれたから、話をちゃんと聞かなきゃ」と思い契約につながりやすくなりますよね。
しかし、オンライン上でのやりとりには足を運ぶ手間がないので、返報性によって商談のチャンスを得たり受注を獲得することは期待できません。
返報性についての詳しい内容は、こちらの記事を参考にしてください。
【成功事例】オンライン化が成功した企業
オンライン化が必須と理解はしながらも、失敗に対する不安が先立ち、上手く進められない会社も多いのではないでしょうか。
そのような場合はオンライン化が成功した例を参考に、自社や自分のビジネスにどう活かせるかを検討するのがおすすめです。
ここでは、オンライン化の成功例を2つみていきましょう。
カルビー株式会社『Calbee New Workstyle』
カルビーでは2014年より在宅勤務制度が開始されていました。
その結果、社員の通勤時間の削減や契約書の電子捺印化、WEB会議システムの活用などのメリットが顕在化しました。
また、勤務者対象のアンケートで働き方に対する社員の意識の変化が認められたことから、さらなるオンライン化の推進として『Calbee New Workstyle』を2020年7月から適用しています。
これによりオフィス勤務者は原則在宅勤務になり、出勤は直接の意思疎通が必要な場合などに限られ、出社率は30%前後が目安となりました。
加えてフルフレックスの導入や単身赴任の解除など、オフィス勤務者は時間や場所に縛られない自由な働き方が行えるようになりました。
Airbnb『オンライン体験』
Airbnbは旅行者と現地で空いている家や部屋を繋げるプラットフォームとして始まりました。日本でも民泊が大きな話題となりましたよね。
ホテルよりも安く、なおかつ現地のような生活ができる新しい宿泊方法として一気に世界に広まりました。
現在は、世界中の様々な体験を自宅で行えるオンライン体験のプラットフォームも確立しており人気を得ています。
イタリアシチリアの農家さんが教える昔ながらの手作りパスタや、日本の伝統文化の一つである折り紙を教える講座など、これまでは現地に行かなければ味わえなかった観光のメインを、自宅で手頃な金額で体験できます。
Airbnb『オンライン体験』は、オンライン化で新しい価値観の提供に成功している事例です。
今後も成長が見込める!オンライン化に向いているビジネス
- カウンセリングやコンサルティング
- 講座やレッスン
人と直接会うことが目的ではなく、そこで何を得られるか、学べるかが主となるビジネスはオンライン化に向いています。
カウンセリングやコンサルティングは、対話ができれば悩みを聞いてもらったり、アドバイスを受けられますよね。
また、講座やレッスンの場合もテキスト以外に音声や動画を活用することで、目の前で受講しているのと変わらない状況を作れます。
オンライン化に向いているカウンセリング/料理教室/家庭教師の始め方についてはこちらの記事を参考にしてください。
オンライン化に不向きなビジネス
- 対面による施術が必要なビジネス
- 飲食業
人と人が実際に対面しないと成り立たないビジネスは、オンライン化には不向きです。
整体やマッサージ、エステなどは直接人に触れるのが原則となるため、オンライン化は難しいでしょう。
飲食業の場合も、店舗にて料理の提供を受ける必要があるので基本的には不向きとなりますが、ミールキットを通販で販売して送るといった工夫次第でオンライン化も可能です。
まとめ
ビジネスをオンライン化するメリット・デメリットをご紹介しました。
最後にこの記事をまとめます。
- ビジネスのオンライン化とは、働き方の改善と新しい価値を見い出すこと
- デジタル化で下地を整えた次のステップがオンライン化
- オンライン化によってビジネスチャンスが拡大や生産性の向上、コスト削減が期待できる
- 競合が増えるためWebマーケティングに明るい人材の確保や、セキュリティシステムの見直しが必要
インターネット市場は商品の売買だけではなく、今やオンラインならではの体験が人気となっており、今後も新しいビジネスモデルが誕生するでしょう。
また、就職希望者も、これからはオンライン化している企業を中心にエントリーするケースが増えると予想されるため、人材確保にはオンライン化が必須です。
オンラインビジネスを検討している方は、こちらの記事も参考にしてください。