運営者プロフィール

森谷俊之

LibRu代表取締役

個人・小規模事業者向けのマーケティング・ブランディングのコンサルタント/セールスコピーライター

経営者の3つの課題「お金がない、時間がない、人材がない」は、シンプルな仕組みで解決できます。集客から販売までを自動化して、ビジネスを成長させていくための仕組み構築を支援します。

記事カテゴリー

人気記事

ハンドメイド起業の失敗談!開業を成功に導くカギ

  • ハンドメイド販売を始めたけど、思うように売れない
  • 価格設定や在庫管理、何から手をつければいいの?
  • お客さまのニーズをとらえるには、どうしたらいいんだろう?

ハンドメイド販売を始めるとき、多くの人が「好きなことを仕事にしたい」と夢を描きますよね。

しかし、実際には思ったように売れなかったり、改善点がわからなかったりと、理想と現実のギャップに悩む方もたくさんいます。

ハンドメイド開業・起業がうまくいかない原因は、作品のクオリティだけではありません。

ターゲット設定や価格のつけ方、在庫管理といった見落としやすい部分に問題が潜んでいます。

この記事では、先輩作家のリアルな失敗談をもとに、ハンドメイド開業・起業を成功させるための具体的なポイントをわかりやすく解説します。

この記事を読めば、ファンに長く愛される作家として、安定したビジネスの第一歩を踏み出すことができますよ。

目次

【体験談】ハンドメイド開業・起業に失敗した人の事例

「好き」を仕事にするハンドメイドでの開業・起業ですが、その道は必ずしも平坦ではありません。

「あのときこうしていれば・・・」という失敗体験から学べることは、これからハンドメイドビジネスを始める方にとって貴重なヒントになります。

ここでは、実際にハンドメイドの開業・起業でつまずいたリアルな体験談を紹介します。

失敗事例①甘い考えでハンドメイド起業をしてしまった20代女性

小学校で6年間勤めた後、「自分で稼いでみたい!」という気持ちから、何でもいいので自分に出来そうなものを片っ端から試してみました。

そのなかでハンドメイドならできそうだと思い、フリーマーケットやネットショップで作品を販売し始めました。

しかし、作品は少し調べただけで作ったもので、自信を持てるものではありませんでした

その結果、ショップをみてくれるお客さんも少なく、モチベーションが続かず更新が滞るようになりました。

最終的に、商品は1つも売れず、ハンドメイド起業は失敗に終わってしまいました。

※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。

失敗事例②輸入パーツの管理不足で大打撃を受けた30代男性

腕時計の設計・製造を行う事業を個人で開業しました。

海外から輸入する精密パーツを、横着して輸入した状態のまま高い位置のスチールラックに積み上げて保管していたところ、震度5の地震でパーツの大半が棚から落下してしまいました。

パーツは傷ついて使えなくなり、損害額は100万円以上にものぼりました。

さらに、同じパーツを再度海外から輸入するのに時間がかかり、納品が遅れてしまいました。

その結果、顧客の信頼を失い、業績にも大きな影響が出てしまいました

※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。

失敗事例③価格と市場ニーズのギャップに苦戦した40代女性

趣味で作った傘が周囲から好評を得て、実際に買い注文が入ったことが本格的な販売を始めたきっかけです。

ネットショップをオープンするため、クラウドファウンディングで資金を調達し、きちんとした形で商品を展開しようと取り組みました。

しかし、完成した傘は高品質である一方で価格が高額になってしまい、一般的な安価な傘と比べて購入のハードルが高く、思うように売れませんでした。

傘の販売店のプロからは「チャレンジ精神は素晴らしい」と評価されたものの、「日常的に使うものやプレゼント用は、手が届きやすい価格帯でなければ選ばれにくい」と指摘され、価格設定と市場ニーズのギャップを痛感する結果となりました。

※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。

ハンドメイドの開業・起業で失敗しやすい人の特徴

  • 自己満足で終わってしまう
  • 在庫や売上の管理が苦手
  • いいものを作れば売れると考えている

ハンドメイドでの開業・起業で失敗しやすい人は、市場やお客さまのニーズを考慮せず、自分の好きなことだけで作品を作ってしまいがちです。

「これなら私にもできる」「ただ好きだから」という理由だけでは、ビジネスとしての成功は難しいでしょう。

また、「品質さえ良ければ自然に売れるはず」と過信し、価格設定/集客/宣伝といった販売戦略をおろそかにすることも典型的な失敗パターンですね。

ハンドメイドでの開業・起業を成功させるためには、作品のクオリティを高めることはもちろん、お客さまに価値を届け、ビジネスとして継続させていくための「売る力」と「売れ続ける力」が不可欠です。

マーケティングや販売戦略の理解や計画が不十分だと、ハンドメイドの開業・起業は失敗しやすくなります。

こちらの記事では「ニーズ」と「ウォンツ」の違いについて解説していますので、マーケティングを知るための一歩としてご覧ください。

ハンドメイド開業・起業で成功するための5つの鍵

ハンドメイドでの開業・起業で、多くの人が見落としがちなのが「ビジネスとしての視点」です。

自分の好きな作品を作るだけでは、売上や継続的な活動につながりにくいのが現実です。

しかし、これからお伝えするポイントをしっかりと押さえれば、ハンドメイドでの開業・起業の成功にぐっと近づくことができますよ。

一つひとつを丁寧に見直し、具体的な行動に落とし込むことで、夢を着実にかたちにしていきましょう。

成功の鍵①「誰に売るか」を明確にする

ハンドメイド販売の最大の魅力は、作り手の想いやこだわりが商品に宿ることです。

しかし、それを「誰に届けるか」がはっきりしていないと、せっかくのこだわりや想いも相手に響かず、ただの商品として流れてしまいます。

ハンドメイド作品を販売する際は、まず「誰に向けて売るのか」というターゲット設定をしっかりと行いましょう。

たとえば「30代のナチュラル志向な主婦」や「個性派ファッションを好む高校生」といった具体像を描くと、SNSでの発信や商品ページの説明も自然とその人に届きやすい内容になりますよ。

実際の失敗例でも、「自分が好きだから、きっと誰かも気に入ってくれるはず」と考え、需要をリサーチせずに商品を販売してしまったケースがありましたね。

年齢/性別/趣味嗜好/ライフスタイルなどを具体的に想定し、自分の作品を本当に必要としてくれる人を明確にすることが、ハンドメイド販売を成功させる第一歩です。

こちらの記事では、ターゲットよりもさらに具体的に設定した顧客像、いわゆる「ペルソナ」について詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

成功の鍵②「売れるジャンル」を見極める

ハンドメイドの開業・起業では、どんなジャンルで勝負するかがビジネスの成功を左右する大きなポイントです。

需要が少ないジャンルや、競合がひしめく分野にリサーチ不足のまま飛び込むと、どんなに素敵な作品でも埋もれてしまいます。

だからこそ、「今、どんなジャンルが求められているのか?」を客観的にリサーチしましょう。

SNSやハンドメイドマーケットの動向をチェックしたり、成功している他店舗の売れ筋や強みを分析したりすると、市場のニーズがつかめますよ。

たとえば、アクセサリーは人気ジャンルですが競合も多いため、「天然石×誕生石」や「推し活向けカラー展開」といったニッチな切り口で差別化するのも一つの戦略です。

ただし、ニッチすぎるとターゲットの絶対数が少なく、価格帯と需要のバランスが合わない場合があるので注意しましょう。

売れるジャンルを戦略的に見極め、自分の作品が本当に必要とされる市場を把握すると、安定した収益を目指す道筋がぐっと明確になりますよ。

売れる商品の作り方が知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

成功の鍵③「作品の見せ方」にこだわる

ハンドメイド販売では、作品の魅力が伝わらなければ購入につながりません。

特にネット販売では、購入者は実物を手に取れないため、写真や説明文で作品の質感や世界観をしっかり伝える必要があります。

写真は背景や光、構図にこだわり、説明文にはサイズや素材だけでなく、「どんなシーンで使えるか」「どんな気持ちになれるか」といったストーリー性を加えましょう。

成功している他店舗の展示方法や強みを参考に、自分の作品の魅せ方を学ぶことも大切です。

また、SNSやショップ全体で写真・説明文・ブランドイメージの統一感を意識すると、作品は「ただの商品」ではなく「選ばれるブランド」として認識され、ファンを増やすことにつながります。

作品の見せ方は、単に見た目を整えるだけではなく、購入者に作品の魅力や作り手の想いを伝え、お客さまとの信頼を築くための大切な手段です。

ご自身のこだわりや想いがしっかりと伝わるよう、見せ方にも心を込めてみましょう。

こちらの記事では、思わず買いたくなるキャッチコピーの作り方をまとめていますので、併せてチェックしてみてください。

成功の鍵④「価格のつけ方」を戦略的に行う

ハンドメイド作品の価格設定は、ビジネスの結果に大きく影響する重要な戦略です。

安すぎると利益が出ず継続が難しくなり、高すぎるとターゲット層に敬遠されてしまいます。

そのため、作り手の都合だけでなく、「ターゲットがその商品ジャンルにいくらまでなら出せるのか」という顧客視点を徹底的にリサーチして価格設定することが不可欠です。

材料費や制作時間のほかに、競合の価格や作品独自の価値を考慮して設定すると効果的ですよ。

たとえば、「一点もの」「天然素材を使用している」「作家ならではの世界観」といった特徴を打ち出すことで、価格に納得感を持たせやすくなるでしょう。

高価格帯で販売する場合は、丁寧な梱包やブランドストーリーを加えることで、価格以上の価値を感じてもらえますよ。

価格は単なる数字ではなく、作品の魅力を伝える「メッセージ」です。

適切に設定することで、ファンを生み、継続的な売上につなげていきましょう。

そもそもの価格の決め方を知りたいという方は、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧になってみてください。

成功の鍵⑤「継続できる仕組み」を作る

ハンドメイド開業・起業で最も重要なのは、単発の売上ではなく「継続的に活動できる仕組み」を作ることです。

継続的な活動が出来なければ、顧客との信頼関係を築くことも、安定した売上を確保することも難しくなるからです。

具体的には、定期的な制作スケジュールを立てて作業ペースを安定させたり、販売チャネルを複数持ってリスクを分散させたりするといいでしょう。

在庫管理や資材調達を効率化したり、天災などのリスクに備えることも、継続のための重要な仕組み作りです。

情熱だけに頼らず、仕組みの力でハンドメイド開業・起業を安定して長く続けることが、成功への大きなカギです。

ハンドメイドが全く売れない!?集客で意識すべきポイント

  • ターゲット層を明確にし、自分の作品に合った集客方法を選ぶ
  • 統一感のある世界観で情報発信し、ブランディングを行う
  • ユーザーの声やニーズに耳を傾け、作品作りに活かす

どれだけ心を込めて素敵な作品を作っても、届けたい相手に存在を知ってもらえなければ売上にはつながりません。

ターゲット層を意識した集客を行い、統一感のある発信で作品や作家の世界観を伝えることで、ファンとの信頼関係が深まり、継続的に選ばれるきっかけになります。

さらに、お客さまの声を次の作品に反映させることで、リピーターが増え、活動の幅も広がっていくでしょう。

集客とは、作品と「作品を本当に必要としている人」をつなぐための大切な架け橋です。

効果的に集客できれば、作品の魅力が正しく伝わり、新しい出会いが生まれます。

そうして積み重なる一つ一つのつながりが、ハンドメイド起業を軌道に乗せ、作家活動を長く豊かに続けていくための力強い土台となるのです。

こちらの記事では、さまざまなハンドメイド作家の成功事例とともに、効果的な集客方法を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

【注意】ハンドメイド開業・起業でやってはいけないこと

ハンドメイド起業で最も避けるべきことが、他人の著作権を侵害する行為です。

特に注意したいのが、キャラクターやブランドロゴがプリントされた生地を使った作品の販売です。

多くの場合、生地の規約で商用利用が禁止されており、違反すると著作権や商標権の侵害にあたる可能性があります。

また、手芸本やキットに掲載されているデザインを、許可なくそのまま販売することも同様です。

作品の販売前に「掲載作品の販売を禁じます」といった記載がないか必ず確認しましょう。

これらの行為は、法的トラブルに発展し賠償問題になるリスクがあるだけでなく、作家としての信用を一瞬で失う原因となります。

常にオリジナル作品を心がけ、他者の権利を尊重する姿勢こそが、作家として長く活動していくための基本です。

まとめ

ここまで、ハンドメイド開業・起業の失敗談や、成功に導くための鍵について紹介しました。

最後にハンドメイド起業で成功するための重要なポイントを振り返ってみましょう。

  • 作品を誰に届けたいかを明確にすると、ターゲットに響く商品や発信ができる
  • 写真や言葉で世界観が伝わるように作品の見せ方を工夫する
  • 顧客視点を忘れず、戦略的な価格設定を行う
  • 在庫やリスクを管理し、無理なく継続できる仕組みを作ることが大切
  • トラブルを避けるための「著作権」への正しい理解を持つ

先輩たちの失敗談から学ぶことで、同じ落とし穴に陥らないよう導いてくれる、貴重な道しるべにもなります。

まずは「お客さまならどう思うだろう?」という視点を自分の活動に取り入れてみましょう。

その小さな積み重ねが、ハンドメイド起業を成功へと導く大きな力になりますよ。

目次