社会保険労務士は廃業率が高い?開業(起業)失敗の原因と成功のコツ
- 社会保険労務士は廃業しやすいって本当?
- 未経験でも社会保険労務士は開業できるの?
- 社労士の起業を成功させるにはどうすればいい?
社会保険労務士は人事や労務管理を専門に扱う職業です。
社会保険労務士の資格があると就職や転職に有利になるのはもちろん、独立すれば自分の努力した分だけ報酬に結び付くため、人気のある国家資格なのですよ。
頑張って取得した資格を無駄にしないためにも、社会保険労務士の起業についてしっかりと理解し準備することが大切ですよ。
この記事では、実際に社会保険労務士の開業で失敗した人の体験談を例に挙げて、社会保険労務士が開業に失敗する原因をまとめています。
さらに社会保険労務士として成功するコツと開業する時によくある質問も紹介しているので、社会保険労務士として独立する時の参考にしてくださいね。
【ブログ体験談】社会保険労務士の開業(起業)の失敗実例を紹介
社会保険労務士は年ごとに登録者数が増えている人気の国家資格です。
実際に2010年には21,527人だった社会保険労務士の登録者数が、年々増えて2020年には24,423人になっています。(※1)
ただし社会保険労務士は資格取得のための勉強時間が800時間~1000時間必要と言われており、2021年度の合格率は7.9%という狭き門の国家資格です。(※2)
さらに独立を目指して社会保険労務士の資格を取得しても、起業した方全員が成功をおさめているわけではありません。
社会保険労務士として起業しても、失敗したり廃業するケースは多々あります。
今回は実際に社会保険労務士の起業をした方のリアルな失敗談を紹介します。
開業に失敗した理由や失敗から学んだことも紹介しているので、起業する前に参考にしてくださいね。
(※1)全国社会保険労務士会連合会 社会保険労務士白書 P54 年度末登録者数の推移
(※2)厚生労働省 第53回社会保険労務士試験の合格者発表
体験談①女性ならではの後悔がある40代社会保険労務士
はじめに紹介するのは40代の女性社労士の体験談です。
社会保険労務士として独立したものの、深く考えずに事務所の名称を決めてしまったために失敗してしまった例です。
女性ならではの後悔ではありますが、独立して自分の事務所を持ちたいと考えている社会保険労務士の方にとって参考になる体験談となっていますよ。
40代女性社労士の実例:開業・起業に失敗した経緯
結婚してすぐに社会保険労務士として開業したのですが、そのとき結婚後の姓を使って事務所の名前をつけてしまったことが大きな失敗です。
その後離婚したため、屋号を変更したかったのですが、開業後に屋号を変更することはとてつもなくエネルギーを使います。
悩みに悩みましたが、結局は旧姓に戻さず、結婚後の姓をそのまま名乗ることにしました。
愛着のある名前でもなんでもないので今でも変えたいと思っています。
同じように屋号の付け方で失敗している女性の士業の方もいますので、もし名前をつけるならば氏名に関係ない屋号にするようおすすめします。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
40代女性社労士の実例:なぜ後悔しているのか?
離婚する可能性を考えなかったわけでもないのですが、その時は安易に名前をつけてしまいました。
女性は特に「ご主人と一緒にやられてるんですか?」と聞かれることも多いので、なんなら下の名前をつければ良かったと後悔しています。
離婚したことは顧客にも伝えましたし問題ないのですが、顧客と関係のない第三者に興味本位でいじられたくなかったので、屋号を変えるまでの決断はできず今でも後悔中です。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
40代女性社労士の実例:失敗から学んだこと
女性は結婚や離婚により名前が変わる可能性があります。
起業する際は、安易に名前をつけず、よくよく考えた上で屋号をつけるべきだと感じました。
地名や英文字など、自分の名前とは全く関係のない屋号にすれば離婚も関係ないですし、旧姓に戻す選択肢も自然かと思います。
結婚後のタイミングだったので冷静な判断が出来ていなかったのですが、事務所の名称をつける際は先を見据えてしっかりと決めることが大切だと実感しました。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
体験談②社会保険労務士の廃業から再起業で成功した30代男性
次に紹介するのは、一度は社会保険労務士の起業で失敗したものの、再び起業して成功した30代男性の体験談です。
最初の起業ではコネや人脈がないまま開業してしまい、顧客の獲得ができずに失敗しています。
2度目の起業では廃業の経験を活かして成功しているので、これから社労士として開業しようとしている方は学ぶ点が多いですよ。
30代男性社労士の実例:開業・起業に失敗した経緯
元々は一般企業で営業をやっていたのですが、なかなかのブラック企業でした。
そこで社労士という資格に興味を持ち、サラリーマンを続けながら2年半ほど社労士の勉強をしました。
無事に社労士資格を取得した後は、すぐに会社を辞めて事務所を作り独立したのです。
様々なソフトや設備を投資してなかなか立派な事務所でしたが、顧客の獲得に苦戦し、事務所賃料も払えなくなり1年で廃業となりました。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
30代男性社労士の実例:廃業の原因は?
社労士資格を取得してすぐに独立開業をしてしまい、いわゆるコネ無し金無しだったというのが1番大きな原因でした。
資格を取得すれば独立開業できるのは、社労士の大きなメリットではありますが、独立開業できることと開業して成功することは全然ちがいます。
また、周囲の事業主から「助成金申請をしてほしい!」という言葉も多くあったため、独立開業後の見込み顧客として考えていましたが、これには「格安もしくは無償で」という意味が含まれていました。
ビジネスにおける需要とは呼べないものを、ビジネス的な需要と勘違いした事も廃業した大きな要因です。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
30代男性社労士の実例:再起業で成功できたポイントは?
前回の反省を活かすべく、廃業後は社労士事務所に入社して実務を学び、お客様が本当に必要としている需要とは何なのかをしっかりと見つめ直しました。
さらに、いきなり開業するのではなく、しっかりと事前営業を行い見込み客を確保しました。
税理士や弁護士などとも繋がり、紹介というルートも確保してから立ち上げたのも成功につながったポイントです。
また、初期費用を抑えるべく、最初は最低限の設備で自宅開業をしたのも功を奏したかと思います。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
社会保険労務士はオワコンではない!「廃業率が高い」の真実とは?
社会保険労務士とネットで検索すると、「廃業率」や「オワコン」といったネガティブなキーワードが出てきますよね。
社会保険労務士は3年で7〜8割が廃業するなどと言われているので、社会保険労務士としての起業に不安になる方もいるでしょう。
しかし、実際に社会保険労務士の廃業率の高さを示す正確な調査やデータはありません。
中小企業庁のデータによると、2019年度の全産業の廃業率は3.4%である一方、社会保険労務士を含む学術研究、専門・技術サービス業の廃業率は3.7%となっています。(※3)
社会保険労務士だけのデータではありませんが、他の業種と大差ないことが分かりますね。
現在は、人材不足や働き方改革などで労働環境を見直す企業が増えています。なので、人事労務問題の専門家である社会保険労務士の需要は増えていくことが期待できますよ。
自ら営業して仕事を取ることができれば、社会保険労務士は決してオワコンではないのです。
社会保険労務士の独立開業で失敗する3つの原因
社会保険労務士の廃業率は他の業種と比べても特別に高いわけではないことが分かりましたね。
ですが、実際に社会保険労務士として独立開業してもうまく行かずに廃業してしまう人もいます。
ここからは、社会保険労務士が独立開業で失敗してしまう原因を3つ紹介します。
ひとつずつ詳しく説明していきますので、社会保険労務士として独立する時の参考にしてくださいね。
失敗原因①他士業や同業の方との関係性が構築できていない
先ほどの実例でも紹介しましたが、他士業や同業の方との関係性が構築できていないと独立開業しても失敗する可能性が高くなります。
社会保険労務士の起業を成功させるためには、いかに顧客を獲得していくかが重要だからです。
他の社会保険労務士や税理士、弁護士といった他士業の先生たちとの繋がりがあれば、仕事を回してもらえる可能性があります。
また、顧客から依頼された内容があなたの専門分野ではない場合に、その分野に詳しい社会保険労務士や他士業の先生を紹介できますよね。
他士業や同業の方との関係性をうまく構築し、顧客の獲得はもちろん、顧客のニーズに答えられるようにしておくことが社会保険労務士の起業で失敗しないための大切な要素なのですよ。
誰がどの分野に詳しいかなどの情報は、常にアンテナを張ってチェックしておきましょう。
失敗原因②顧客にあわせた柔軟な対応ができない
社会保険労務士への相談内容は顧客によって違います。
なので、顧客に合わせた柔軟な対応ができなければ、社会保険労務士として独立開業してもうまくいきません。
社会保険労務士は基本はB to B、つまり法人を相手にすることが多いのですが、開業すればさまざまな相談が舞い込んできます。
最近需要が高まっている障害年金などはB to C、つまり個人を相手にすることになります。
開業したら、顧客が法人でも個人でも、柔軟に対応していく必要がありますよ。
また、社会保険労務士は日々知識のアップデートが必要な仕事です。
顧客の要望に答えようとすることは大切ですが、知識のない分野の相談にも「できます!」と言ってしまうと、うまく行かなかった場合、トラブルになるケースもあるので注意してくださいね。
失敗原因③人事労務管理の現実を把握していない
企業が社会保険労務士を雇う大きな理由の一つが人事労務管理です。
なので、人事労務管理の現実を把握せず、企業の今起きているリアルな問題点をきちんとヒアリングできない社会保険労務士では顧客のニーズに応えられません。
顧客のニーズに応えられなければ需要も減っていきますよね。
大企業でも中小企業でも、人を雇う限り人事労務問題が発生する可能性があります。
時代にあった規則に変えたり、新しい制度を導入する手助けができるよう、しっかりと人事労務管理の把握をすることが社会保険労務士として起業する人には求められるわけです。
顧客との円滑なコミュニケーションを築くために必要な傾聴スキルについてこちらの記事で詳しく紹介しているので、参考にしてください。
社会保険労務士の起業で成功する6つのコツ
頑張って勉強して社会保険労務士の資格を取ったのなら、独立して社会保険労務士として成功したいですよね。
社会保険労務士として起業を成功させるためには押さえておくべきポイントが6つあります。
開業前にやっておくといいこともあるので、ぜひ参考にしてください。
コツ①士業交流会や挨拶回りで人脈をつくる
社会保険労務士として起業するなら、広い人脈を持ちましょう。
同じ社会保険労務士や他の士業の先生たちと交流を持つことで、仕事を紹介してもらえたり、自分の専門外の依頼がきた場合に頼ることができます。
開業前から人脈を広げておけば、いざ開業してから「仕事がない!」といったリスクを減らせますよ。
繋がりがあまりないという方は、士業交流会に参加してみましょう。
士業交流会とは、社会保険労務士だけでなく、弁護士や税理士、会計士といった「士」業の人たちが交流する会です。
無料で参加できる会やドレスコードに決まりがなく気軽に参加できる会など、いろいろな士業交流会があるので、お近くの士業交流会を探してみてください。
また、挨拶回りをすることでも人脈は広げることができます。
挨拶回りは、同業者や他の士業の先生だけでなく、親族や知人にもすることで一番身近な相談者を獲得することにもつながりますよ。
こちらの記事で信頼構築スキルを紹介しているので、信頼関係の築き方を知りたい方は参考にしてくださいね。
コツ②専門分野を確立する
専門分野を確立することも社会保険労務士として成功するコツのひとつですよ。
総合的な対応ができる事務所を目指すのもいいのですが、起業し始めはターゲットを絞って専門分野を決めた方が顧客にアピールしやすくなります。
顧客の目線で考えても、「なんでもお任せ」が謳い文句の事務所よりも、専門分野がきちんとある事務所の方が信頼度が高く依頼しやすくなりますね。
専門性の高さをアピールすることで他の事務所と差別化できれば、顧客から選んでもらえるようになりますよ。
コツ③顧客のニーズを分析する
社会保険労務士として成功するためには、どんな仕事が多いのか、顧客のニーズを分析することが大切です。
顧客のニーズを把握すれば売り上げにつながるからです。
例えば、近年の日本は少子高齢化しているので、高齢者がいる家族にニーズのある「介護業界に特化した社会保険労務士」が増えています。
ひと口に介護問題といってもさまざまな問題があるので、現代日本においては大きなニーズがあり、売上につながる分野ですよ。
また、地域性によってもニーズは変わります。
美容院やエステサロンが多い地域なら、美容業界の問題に詳しい社会保険労務士は重宝されますね。
どんな需要があるのか分析することが社会保険労務士としての成功のコツですよ。
コツ④行政協力で不安定な収入をカバーする
社会保険労務士として開業してすぐは、顧客の獲得ができずに収入が安定しないケースも多いでしょう。
そんな時は、行政協力で不安定な収入をカバーして事務所運営の基盤を整えるのもひとつの手ですよ。
行政協力とは、各都道府県の社会保険労務士会が役所などの相談会に会員を派遣する地域サービスのことで、独立している社会保険労務士のみ参加できます。
各都道府県の社会保険労務士会からの依頼に応募して参加するため、自ら営業する必要はありません。
行政協力は、実務に役立つ知識や経験を学びながら報酬がもらえることに加え、人脈も築けます。
開業した社会保険労務士会にとってメリットが多いのですね。
ただし報酬をもらうために行政協力に力を入れすぎて、営業に割く時間がなくなったり、顧客からの電話に出られなかったりといったことがないように注意してください。
行政協力はあくまでスキルや経験を積む場所という意識で参加しましょう。
コツ⑤ホームページやSNSを活用して集客する
インターネットやスマホの普及により、今や情報を検索して事前に調べるのが一般的です。
なので、ホームページやSNSを活用すれば効果的な集客ができますよ。
たとえば、ホームページなら専門性の高いコンテンツを充実させることでホームページの質が上がり、顧客からの信頼度アップに繋がります。
顧客の方から検索してアクセスしてくれるので、新規の顧客獲得に役立ちますよ。
集客に繋がるホームページの作り方については、こちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてくださいね。
さらに、FacebookやTwitter、InstagramといったSNSは多くの人が使っている拡散力の高いツールです。
無料で手軽に始められるのがメリットですね。
SNSを使った情報発信で認知度をあげたり、見込み顧客とのコミュニケーションツールとして活用することもできますよ。
特にFacebookは実名登録で他のSNSよりもユーザーの年齢層が高いのでビジネス利用に向いています。
ホームページとSNSを連携させれば、両方からの集客が見込めるのでおすすめですよ。
SNS集客のコツは、こちらの記事で詳しく紹介しているのでご覧ください。
2023年7月よりTwitterはX(エックス)へ名称を変更しています
コツ⑥初期投資を最小限に抑える
社会保険労務士の起業をするなら、初期投資は最小限に抑えましょう。
意気込んで開業にお金をかけすぎると、資金繰りが悪化した際に廃業のリスクが高くなってしまうからです。
新事務所だからといって最新の機器を揃える必要はありません。
また、自宅開業なら事務所を借りる賃貸料を節約できますよ。
業務の拡大は経営を軌道にのせてからでも十分間に合います。
まずは初期投資を抑えて廃業のリスクを減らすことが大切ですよ。
開業の不安を解決!社労士の開業準備でよくある質問6選
開業を成功させるコツが分かっても、まだ気になることや不安なことはありますよね。
社会保険労務士の起業前にこれらの疑問は解消しておきましょう。
ここでは社会保険労務士が開業する時によくある質問をまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
未経験でも社会保険労務士の開業は可能?
社会保険労務士は実務経験のない未経験者でも開業できます。
社会保険労務士になるためには、以下の条件があります。
①「社会保険労務士としての資格を取得している」ことに加えて、②「2年以上の労働社会保険諸法令に関する実務経験」、または②「事務指定講習の履修」のどちらかが必要なのですね。
社会保険労務士の資格を取り、「事務指定講習の履修」をすることで実務経験がなくても社会保険労務士として開業することができますよ。
社会保険労務士の開業に年齢制限はある?
社会保険労務士の開業には年齢制限はありません。
社会保険労務士の受験資格には学歴/実務経験/他試験の合格の3つの分類のうちいずれかを満たせば、何歳になっても社会保険労務士になることができます。(※4)
実際に2020年の試験の合格者は40代が41.3%と最も多いのですが、60代以上も13.5%の合格者がいます。(※1)
社会保険労務士は長く続けられる職業なので、幅広い年齢層の方が活躍していますよ。
(※4)社会保険労務士試験オフィシャルサイト 受験資格について
(※1)全国社会保険労務士会連合会 社会保険労務士白書 P59 合格者の年齢別構成
自宅でも社会保険労務士の開業は可能?
自宅を社会保険労務士の事務所として開業することは可能です。
ただし、自宅と言っても一軒家ではなく、分譲マンションや賃貸マンションで開業する場合は注意が必要です。
マンションで開業する場合は、住居以外として使用できるのか管理規約を確認しておきましょう。
また、事務所の場所は社会保険労務士会で公開されたり、名刺やホームページに記載されます。
自宅開業の場合は自宅の住所が多くの人に知られてしまうデメリットもあるので、よく考えた上で決めましょう。
社会保険労務士の開業資金の目安は?
社会保険労務士の開業資金として最低限必要な金額は「20万円前後」です。
まず社会保険労務士として開業するには、「社会保険労務士の開業登録」をする必要があります。
それにプラスして都道府県の社会保険労務士会の会費等がかかりますね。
東京都を例に必要資金の内訳をみてみましょう。
登録関連 | 会費等(東京都の場合) | ||
---|---|---|---|
登録免許税 | 30,000円(収入印紙) | 入会金 | 50,000円 |
登録手数料 | 30,000円 | 年会費 | 96,000円 |
また、2年の実務経験なしで社会保険労務士になる場合は、事務指定講習の費用77,000円が別途で必要です。
このほか事務所を借りる場合やデスクやPCなどの事務用品を準備する場合には、別途費用がかかりますので、開業資金は余裕を持って準備しておきましょう。
社労士の起業1年目の平均年収は?
起業1年目となると、年収100万円以下というケースも珍しくありません。
ただ、厚生労働省による賃金構造基本統計調査によると社会保険労務士全体の平均年収は1,029万円で、民間企業に勤務している給与所得者の平均の433万円より、かなり高くなっています。(※5)
もちろん社会保険労務士としての勤続年数や、開業している場所が都市部なのか地方なのかなどによって年収は異なりますが、独立起業が軌道にのれば大きな収入も期待できます。
1年目は、高い報酬を目指すよりも顧客との信頼関係を築き、将来の安定性につなげていくことが大切ですよ。
(※5)厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
社労士の開業はダブルライセンスだと成功しやすい?
社会保険労務士のほかに資格を所有していると業務の幅が広がり、顧客からの信頼度もあがるので、起業も成功しやすくなります。
複数の資格を持っていると、それだけ知識の幅が広がるので、いろいろな面から顧客へアドバイスすることができますね。
また、業務範囲も拡大するので、専業の社会保険労務士との差別化にもなりますよ。
特に社会保険労務士におすすめなのは、業務を相互補完できる行政書士とのダブルライセンスです。
行政書士は資格取得に条件がない国家資格なのでおすすめですよ。
行政書士について知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
まとめ
最後にこの記事の内容をまとめます。
- 社会保険労務士は顧客ニーズと現代の労務問題を分析すればオワコンではない
- 同業者やほかの士業の先生とのつながりを作ることで仕事を回してもらえる
- 専門分野を持つことでほかの社会保険労務士と差別化しやすくなり、顧客獲得にもつながる
- 成功するためにはSNSやホームページで宣伝して集客する
- 行政協力は報酬をもらいながら経験が積めるが、本業がおろそかにならないように注意する
社会保険労務士として成功するためには、顧客獲得のための営業に加え、顧客のニーズや労務問題など、日々の勉強が欠かせません。
働き方改革などによる労務環境の変化で、社会保険労務士の需要は今後も増えていくことが期待できますので、この記事を参考に社会保険労務士の起業を成功させてくださいね。