【実例から学ぶ】コンサルタントの開業(起業)で失敗する3つの理由
- コンサルタント開業で失敗する理由は?
- 成功するためには何をすればいいの?
- コンサルタント開業で成功したい!
これからコンサルタント開業をするなら絶対に失敗したくないですよね。ですが、成功させるための具体的に何をすればいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事ではコンサルタント開業に失敗する理由や、やってはいけないこと、成功するための対策を解説しています。
コンサルタント開業は、失敗する理由を理解して、失敗しないための対策をおこなうと成功させることができますよ。
ここではわかりやすいように、実際の失敗例からご紹介しているので、コンサルタント開業を考えている人や、コンサルタント開業を成功させるために何をすればいいか悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
【実体験】コンサルタント開業(起業)の失敗事例を紹介
コンサルタント開業を成功させるためには、なぜ失敗してしまうのか理解することが大事です。
ここでは、コンサルタント開業をして失敗してしまった事例をご紹介します。実際の失敗例を知ると、自身が起業する際の参考になりますよ。
失敗例①独自の分野でコンサルタント開業
ご紹介するのは、独自の分野でコンサルタント開業をした30代女性Aさんの失敗例です。
Aさんが開業に失敗した経緯や原因から今後配慮すべきことまで、詳しく紹介します。開業準備を進める参考にしましょう。
30代女性Aさんの失敗例:開業・起業に失敗した経緯
開業当初はイラストレーターに限定した活動をしていました。しかし、イラストオーダーのヒアリングをする中で、お客様の本音を伺う機会が多かったため「ヒーリングやコンサルに繋がるのでは?」と感じ、イラストと並行して始めたのが悩みやモヤモヤなどお話を聞くサービスです。
初めは面白そうだと思われたのか、モニターを募るとお申し込みが殺到しました。
そのコンサルの様子を公開すると、閲覧した方からお申し込みがあるなど、順調に思えましたが、回を重ねるにつれ、自分自身の傾聴するスキルの未熟さを実感し、一旦サービスを取りやめることにしました。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
30代女性Aさんの失敗例:開業・起業に失敗した原因
イラストのご希望を伺う過程で心を癒すという着眼点は良かったと思います。
ただ、お話を聞くうちに私自身がお客さまに伝えたいことが多くなりすぎて、傾聴に専念できていませんでした。そのため、お客様にとってはピンとこない事があったかもしれないと感じています。
というのも、お客さまの気づきや過去を許すということは本来ご本人のペースでなされることです。先回りしてお伝えするとショックが大きかったり、他人に色々言われたくないという反発で終わってしまったりということもあったと思います。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
30代女性Aさんの失敗例:開業・起業で配慮すべきこと
同じコンサルに応募されたお客様でも、新しい視点が欲しいのか、寄り添って話を聞いてほしいのか目的が違うとわかったので、初めによく話を伺ってから、お一人おひとり丁寧にコンサルの方向性を決めるのが良いと思います。
また、傾聴するトレーニングなど、段階を追って寄り添うスキルを学び、お客さまの心の負荷が大きくなりすぎないよう注意しながら進めることも大事だと感じました。
これからサービスを再開して自分自身のファンを増やせれば、またコンサルしてほしいというご要望もあると思いますので、その際は以上のことに注意しながらやり直したいと思います。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
コンサルタントの開業(起業)で失敗する3つの理由
コンサルタントの開業で失敗するのには理由があります。ここでは、失敗してしまう3つの理由を解説します。
なぜ失敗するのか、その理由を知ることで失敗を避け、コンサルタントとしての開業を成功させましょう。
理由①市場ニーズのリサーチ不足
市場ニーズの事前リサーチが十分できていない状態で起業すると、集客面で失敗する可能性があります。
事前に、どのようなジャンルや市場でコンサルティングすれば需要があるのか調べることが大事です。需要がないのに起業しても買ってもらえなければ、ビジネスとして成立しないからです。
ジャンルや市場が決まった後も、ライバルや自分の強み、資金や集客方法などリサーチするべきことはたくさんあります。
たとえば、集客はホームページを使うとコストをかけずにおこなうことができます。
集客できるホームページを作ると、訪問してくれたお客さまを分析することでさらに求められているニーズを把握できますよ。
コンサル起業を成功させるためには、自身のコンサルティングを受けたいと思う人がいるのかどうかや、自分の強みや集客方法などをしっかりとリサーチしましょう。
理由②肩書だけで仕事の内容がみえない
「経営コンサルタント」という肩書だけで活動しても、仕事の内容がみえないので仕事を依頼されることは少ないでしょう。
コンサルタントとして起業をする際は、お客さまの経営や事業においてどんなことができるのか、自身の得意分野をわかりやすく提示することが大事です。
例えば「経営のコンサルタント」よりも「大手コンサル会社でトップクラスの成績を残した人事専門の経営コンサルタント」などのように、これまでの実績や成績をつけ加えましょう。すると、実力や自身の得意分野がよく伝わります。
また、わかりやすく提示するためには、誰でもわかる言葉で伝えることが大事です。専門用語が多用されていると「難しくてよくわからない」という印象を与えてしまい、お客様からの信頼は得られません。
事業内容を伝えるときは、肩書だけでなく、自身ができる仕事内容を顧客目線であらわすことを意識しましょう。そうすることで、はじめて信頼を得られ、ビジネスとして成り立つのです。
肩書を作るときは、キャッチコピーの作り方が参考になります。
こちらの記事でキャッチコピー作りについて、詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてください。
理由③相場よりも安いコンサルタント料
利益が出ないような安いコンサルタント料を設定することも、失敗する原因となります。
はじめて起業する際には、できるだけたくさん集客することが目的になってしまい、コンサルタント料を安くしてしまうことがよくあります。
ですが、せっかくコンサルタントとして起業をしても、採算がとれなければビジネスとして成り立ちません。
コンサルタント開業をするにあたってどれぐらいの費用がかかるのか、きちんと適切な利益が継続的に得られるのかをしっかり考慮して、相場に合ったコンサルティング料を設定しましょう。
【注意】コンサルタントの開業でやってはいけない3つのこと
コンサルタント開業の失敗例と失敗する理由をお伝えしました。
ここからは、コンサルタントの開業でやってはいけない3つのことと、その対策を詳しく解説します。
コンサルタントの開業を成功させるための方法をしっかりと理解しましょう。
①借金に依存する
コンサルタント業の開業に限らず、起業する際に大きな借金をしてしまうと、せっかくの売上を返済にまわす必要があります。
そのため、利益が確保できず事業がうまくいかなくなることが多いのです。
では、どうすれば借金に依存することなく起業することができるのでしょうか。ここでは、起業する際に借金で失敗しないための対策を解説します。
【対策①】コンサルタント開業資金の相場を調べる
まずは、コンサルタント開業資金の相場を調べましょう。
個人事業主として自宅で開業する場合は、在庫や設備に投資する必要がないので初期投資は少額で済みます。
かかる費用は、サービスを知ってもらうための広告費やホームページの作成費くらいなので、30〜50万円程度見込んでおけば十分でしょう。
独立して事務所を構える場合は、物件を借りるための敷金や礼金、机や電話などの設備費用が必要となるので、100万円程度が相場です。株式会社を設立するとなると、30万円程度の設立費用が上乗せされます。
自身がどういった形態で開業するか決定したら、なるべく少額の資金で事業をはじめるようにしましょう。
【対策②】起業コンサルタントの年収を調べる
独立して起業したコンサルタントの年収を調べることも大事です。実際に開業している人の平均的な収入を知り、開業資金の目安を考えましょう。
起業コンサルタントの月収は80~150万円程度、年収でいうと約1,200万円が平均となっています。コンサルタントとして成功すると、2,000万円以上の年収も夢ではありません。
こう聞くと、開業資金を借金で賄ってもすぐに返済できるのでは、と思いますよね。
しかし開業してすぐうまくいくとは限りません。紹介した金額もあくまで平均値です。
借金が絶対ダメというわけではありませんが、事業を軌道にのせるまでは、必要最低限の資金で地道に活動し、借金に依存することは避けましょう。
②安定収入を作らず、いきなり起業してしまう
起業するにあたって一番の心配事は、金銭的なリスクを背負ってしまうことではないでしょうか。
というのも、コンサルタントとして開業して必ず成功するという保証はありません。
ですから、事前に開業してかかる費用と利益率のシミュレーションや、生活できるだけの収入を確保しておく必要があります。
ここでは、安定収入を絶やすことなく起業するための対策を解説していきますね。
【対策①】PL(損益計算書)のシミュレーションをする
コンサルタント業は、ただやみくもに進めて成功することは難しいため、事業計画を立てしっかりと準備することが大事です。
そこで、PLを使って売上や利益についてシミュレーションすると、毎月いくらの売上を立てる必要があるのか把握できます。
PLとは、一定期間の会社の経営成績をあらわした決算書のひとつです。どれだけの費用を使ってどれだけの収益があり、どれほどの利益があるのかを読み取ることができます。
シミュレーションの結果、利益率が低いと想定されるサービスや、それにともなう余分な支出などがわかれば、利益をあげるための準備ができます。
PLを使って、どれだけの収益が見込めるのか、どうすれば安定した利益を得られるのかシミュレーションして具体的な事業計画を立てましょう。
【対策②】他に収入の柱を作っておく
コンサルタントとして起業する際は、他に収入の柱を作っておくと安心です。
サラリーマンであれば、会社は辞めずに副業から始めると、収入がなくなるリスクを回避できますね。
というのも起業してから軌道にのるまでには、時間がかかります。
また、フリーランスになって、自分を追い込まなければできない程度のモチベーションでは、起業して成功することは難しいのです。
副業から始め、売上がある程度見込めるようになってから会社をやめるといった慎重な行動を心がけましょう。
他に収入の柱があることで、焦ることなく着々と開業準備を進められますよ。
【対策③】廃業の基準を設けておく
コンサルタント業を始める際は、開業前に廃業の基準を設けておくことも大事です。
開業前に、撤退条件を決めておけばズルズル続けて大きな失敗になることを避けられるからです。
また、廃業の基準があると、それを下回らないようにする努力にもつながりますよね。
もし設定した基準に達することができなかったとしても、安定した収入があり大きな失敗になる前であれば、迷うことなく撤退できます。
さらに、失敗の経験を生かせば、その後ほかのビジネスで成功することも期待できます。
新規事業が成功する確率は低く、成功している実業家でも過去には新規事業への挑戦と失敗を繰り返しているものです。
失敗から学べることはたくさんあり、失敗の原因を分析することが、ほかのビジネスで成功することへの近道となるのです。
大きな失敗を避け、経験を生かしてほかのビジネスで成功するためにも廃業の基準をしっかりと設けておきましょう。
③自分の能力を過信してしまう
自分の能力を過信していると、どうしても事業を成長させる努力を怠ってしまいます。
「自分は成果を上げることができるのだから、自然と顧客はついてくるだろう」と、何も行動を起こさないでいると集客にはつながらず、結果的に成功から遠ざかってしまうのです。
コンサルタント開業をする際は、自分の能力を過信せず、以下のような対策を実行しましょう。
【対策①】フレームワークを活用し分析する
フレームワークとは、ビジネスをおこなう上での枠組みのことです。
フレームワークを使えば、参入する市場の状況や競合の情報をわかりやすく図式化してくれるので、それらに沿って効率的に効果的な分析ができます。
コンサルタント開業においても、フレームワーク分析をおこなうことで市場環境やビジネスを成功させるための指針が見えてきます。
経歴が優秀なだけでは仕事をとることはできません。フレームワークを活用して、自分や事業の強みを分析し、成功するための事業計画をしっかりと立てましょう。
こちらの記事ではフレームワーク分析のひとつであるSWOT分析について詳しく解説しているので、参考にしてみてくださいね。
【対策②】コンサルタントの仕事内容を再確認する
コンサルタントの仕事内容は、お客さまの問題を解決するだけではありません。
なぜなら集客し、顧客を獲得しないことには、コンサルティングはできないからです。
どうすれば効果的に集客できるのか理解して、実行することもコンサルタントの仕事なのです。
より多くのお客さまからの依頼を受けるためには、営業やホームページの更新、SNSの運用などやるべきことがたくさんあります。
そして、これらは事業を成功させるためにとても大事な作業です。
その上で、業務に対する知識も向上させていく必要があります。
コンサルタント開業で成功するために、コンサルタント業以外の仕事内容もきちんと確認しておきましょう。
【対策③】成功モデルを探す
起業する際は、「誰も考えられない自分だけが思いついた事業だ!」と思うこともあるでしょう。しかし、リサーチしてみると類似の事業がすでに存在していることがよくあります。
また、自分だけの独創的なアイデアだから成功するというわけでもありません。
むしろ、アイデアに固執したり、自分だけのアイデアだと過信して失敗するケースは多いのです。
自分が展開したいコンサルタント事業が固まったら、成功モデルや失敗事例を探してみてください。
実際に成功や失敗した事例からは学ぶことがたくさんありますよね。謙虚な気持ちで他の事例を参考にすれば、自身の事業を成功に導くことができますよ。
まとめ
最後に、コンサルタントの開業で失敗しないための対策をまとめます。
- 開業資金の相場を調べ、なるべく少額の資金で事業をはじめる
- PLのシミュレーションをして、しっかりと事業計画を立てる
- 他に収入の柱を確保しておく
- 大きな失敗を避けるために廃業の基準を設けておく
- フレームワークを活用して市場の状況や競合の情報を分析する
ほかにも市場ニーズのリサーチ不足や肩書だけの提示、相場よりも安いコンサルタント料が失敗の原因となっています。
この記事で紹介した失敗事例を参考に、事前に市場を分析したり事業計画を綿密に立てたり、対策をしっかりおこないコンサルタント開業を成功させましょう。