コピーライティングの基本と効果を高める6つのコツ
- コピーライティングってプロでなくても書けるの?
- うまいコピーを作りたいけれど、何からはじめたらいいか分からない
- コピーライティングがうまくなるコツはあるの?
コピーライティングと聞くと、センスのあるかっこいい文章を思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし「うまいコピー」というのは、必ずしも難しい言葉やセンスのある文章というわけではありません。
むしろ、簡単で誰が見ても分かりやすい文章であることが大切です。
実際、大手企業のキャッチコピーは誰が見てもわかる言葉で表現されていることがほとんどですよね。
この記事では、コピーライティングの作り方から効果を高めるコツまで解説しています。
「うまいコピー」を作れれば、商品やサービスのイメージアップや販売促進につなげられますよ。
心に刺さるキャッチコピーを作りたい方や自社の商品の売り上げを伸ばしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
コピーライティングとは?
コピーライティングとは、企業や提供する商品、サービスのブランディングに使われるような文章の技術全般を指します。
短い文章で商品のイメージを伝えたり、長い文章でストーリーを語りブランドを印象付けたり、読者の心を動かすことが目的です。
テレビCMでよく耳にするキャッチコピーや駅構内などに掲示されている広告文も、このコピーライティングの一つです。
コピーライティングにはイメージコピーとセールスコピーがあり、それぞれ役割が異なります。
例えばJR東海の「そうだ京都、行こう」は有名なイメージコピーですよね。
リズムもよく記憶に残るイメージコピーは反響を呼びやすく、企業商品のブランディングの一環でイメージを定着させる目的で使われることが多いです。
一方セールスコピーは、商品の販売促進につなげる目的で用いられます。
例えばセールスコピーは「キャンペーン実施中」「今なら半額!」など、販売促進につながる直接的な表現が使われるのが特徴です。
このようにイメージコピーとセールスコピーはそれぞれ文章を伝える目的に違いがあるため、目的によって使い分けましょう。
うまく販売促進につながる売れるキャッチコピーを書く方法について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
4ステップでできる基本的なコピーライティングの作成手順
いざコピーライティングを作ろうと思っても、何から始めればいいのかわからなかったり、いい表現が思いつかなかったりすると、なかなか書き進められませんよね。
コピーライティングでは、順序立てて文章に必要なものを揃えていくことが必要です。
コピーライティングは以下の4つのステップで作成すると、スムーズに書き進められますよ。
では、手順①から順番に見ていきましょう。
キャッチコピーの書き方について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
手順①何を伝えたいのか明確にする
コピーライティングにおいて重要なのは、何を伝えたいのかを明確にすることです。
伝えたいことを決めていないと、伝えたいことや売りたいサービスが多すぎて、読者は集中して文章を読むことができないのです。
読者は「このサービスについて知りたい」と思っていても、1つの文章の中にいくつもの情報があると「どれががいいの?」と混乱してしまう可能性があります。
そうなると読者は途中で読むのをやめてしまうため、購買行動を促すことができなくなるのです。
そのため、伝えたいことは1つに絞りましょう。
伝えたい情報を限定することで、より読者の心に刺さるコピーを作ることができますよ。
手順②誰に伝えたいのかターゲットを決める
伝えたいことが決まったら、誰に伝えたいのかを決めましょう。
競合相手のリサーチや、SNSなどで顧客のリアルな声を分析し、商品やサービスを利用するのは誰なのかを考えることが大切です。
ターゲットを明確にすると伝えたいことが絞られるので、より共感を得やすくなります。
さらにターゲットは、ペルソナにまで落とし込みましょう。
ペルソナとは、商品を利用しそうな架空の人物のことです。
ターゲットの年齢、家族構成、職業などを設定し、その1人に伝えるつもりで考えると、何を書くべきか具体的に見えてきますよ。
手順③ターゲットのニーズを分析する
ターゲットを決めたら、次はターゲットのニーズを分析をしましょう。
競合の商品を分析したり、直接顧客にアンケートをとったり、ターゲットに近い人のSNSの書き込みから悩みをリサーチしたりしてニーズを分析してください。
人は自分の興味のあることにしか目が留まりません。
ターゲットを決めても、商品やサービスを使う理由がなければ、いくら良い文章をつくっても見てもらえないのです。
ニーズを分析するときには、ただターゲットが求めているものを探るだけでなく、「なぜそれを求めているのか」にまで踏み込んで分析しましょう。
例えばターゲットをフルタイムで働く兼業主婦とした場合、「便利な調理家電を求めている」ではニーズが大きすぎるため伝えるべきことが明確に伝わらない可能性があります。
ですので「家に帰って調理する時間がないので、時短できる調理家電を求めている」というようにどういった理由でどんな調理家電が欲しいのか掘り下げてリサーチすることが大切です。
ターゲットが求めるものに、どんな機能があればうれしいのかがわかるため、必要な情報が整理され、イメージを伝えやすくなりますよね。
ここに自社の商品の強みをあてはめれば、他の商品との差別化を図ることもできますよ。
こちらの記事では、自社の立ち位置を分析する3C分析の方法について解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
手順④誰が読んでもわかる言葉で書く
実際に書く段階では、誰にでも分かるような簡単な言葉で表現しましょう。
コピーライティングの基本は、小学生でもわかるようなシンプルな文章であることです。
専門用語や小難しい言葉を使うと、見た目はかっこよく見えますが、伝えたいことが頭に入りにくく、万人受けしません。
いかに簡単な言葉で分かりやすく表現できるかを考えると、伝えたい商品の魅力が頭に入りやすく、結果的に商品のイメージアップにもつながりますよ。
すぐできる!コピーライティングの効果を高める6つのコツ
コピーライティングの目的は、企業や商品のブランディング、商品を購入するという行動につなげることです。
ですが、ただ手順通りに型にはめて書くだけでは思っているような効果は期待できないでしょう。
なぜなら、イメージの定着や行動につなげるためには、読み手が共感できる要素も必要だからです。
ここでは読み手の感情を動かし、効果を高めるためのコピーライティングのコツを6つ、紹介していきます。
では詳しく見ていきましょう。
コツ①続きが読みたくなるように書く
読者に1つの記事すべての文章を読んでもらうことは容易ではありません。
特にインターネットの記事は、冒頭で自分が欲しい情報がないと判断すれば、そこで読むのをやめてしまいます。
そのため、「それならちょっと続きも見てみようかな」と思わせるように書くことが大切ですよ。
例えば、「○○にお困りではないですか?」など、読者の共感を得るような言葉を冒頭に持ってくることで、自分事として捉えてもらいやすく、興味を引きやすくなりますよ。
記事のタイトルやキャッチコピーで、読み手の悩み事が解決できることを伝えたり、「知りたい」「欲しい」という欲を駆り立てたり、先を読み進めてもらえる工夫をしましょう。
このような、キャッチコピーで興味を引いた後に、その後の本文を読んでもらうための文章のことをリードコピーといいます。
こちらの記事で詳しくお伝えしていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
コツ②リズム感を意識しシンプルに書く
リズム感のある文章は、耳なじみが良く記憶にも残りやすいため、意識して取り入れるとよいでしょう。
オノマトペと呼ばれる擬音語や擬態語も耳障りがよく、表現の幅が広がりますよ。
考えなくてもスッと頭に入ってくるような文章は、心にも刺さりやすいといえます。
その上、自然とリズムに乗せて口ずさめると、記憶にも残りやすくなるのでおすすめですよ。
また、一文一義でシンプルな文章になるよう心掛けましょう。
例えば、「今日はたくさん体を動かして疲れているから、きっと夜はよく眠れるだろう」よりも、「今日はたくさん体を動かした。夜はぐっすり眠れるだろう。」と文を区切るとシンプルな文章になります。
「ぐっすり寝れる」というように擬態語で表現するのも、イメージしやすい上、リズムも良くなりますよね。
このように句読点やオノマトペを活用すると、シンプルでリズム感のあるコピーに仕上がりますよ。
コツ③メリットよりもベネフィットを書く
読み手の心に刺さるよう商品やサービスの魅力を伝えるためには、「何ができるのか」ということよりも「手に入れられる未来」を訴えることが重要です。
メリットではなくベネフィットを書くことで、より説得力のある文章になりますよ。
メリットは提供するサービスそのもの、ベネフィットはメリットを利用したうえで得られる顧客の満足度や価値のことを指します。
分かりやすく肌のハリに効果のある化粧品を例を挙げて、メリットとベネフィットを解説しましょう。
- メリット:肌のハリを促す成分がある
- ベネフィット:化粧水Aを使いはじめてから、若返ったね!と褒められることが増えた
ベネフィットの方が、商品を使ったことで得られる顧客の体験が書かれているので説得力があり、化粧品Aのイメージアップにもつながりますよね。
このようにメリットを書くよりも、ベネフィットを伝えた方が商品を使ったときのことを想像してもらえるので説得力も増し、その後の購買行動にもつながりやすくなりますよ。
コツ④読み手目線で書く
商品のイメージを受け取るのは読み手です。
読み手目線で書くことは、より伝わる文章を書くために一番重視すべき点ともいえるでしょう。
しかし商品のイメージアップを図ろうとしすぎて、伝えたいことを一方的に押し付けた文章を書いてしまうことがあります。
これでは読み手の「知りたい」「困りごとを解決したい」といった感情が置いてけぼりになってしまい、うまくイメージを伝えることができません。
ニーズを把握した上で文章を作成すると、読み手を説得したり納得させたりするのにどんな言葉を使えばいいのか分かるので、読み手目線での文章が書けますよ。
また、一旦書いた文章を、翌日に見返すのも客観的な視点を持てるのでおすすめです。
読み手に自分事と捉えてもらえるよう、読み手の目線に立って文章を作ることが大切ですよ。
コツ⑤型に当てはめて考える
「何から書けばいいか分からない」といった方は、まず型に当てはめて考えてみましょう。
ターゲットの絞り込みや何を伝えたいのかを考えるのには新PASONAの法則やQUESTの法則といった、ライティングの型を活用してみるのも効果的ですよ。
どちらも、読んだ人の購買意欲を搔き立てる効果のあるライティングの型です。
それぞれについて簡単に解説していきます。
新PASONAの法則は、下記の頭文字から取った言葉で、文章をこの単語の並び順で作成することによって効果を高められる文章の型のことです。
- Problem:悩みの明確化
- Affinity:親近感
- Solution:解決策
- Offer:商品・サービスを提示
- Narrow down:絞り込み
- Action:行動
QUESTの法則も、新PASONAの法則と同じように、言葉の頭文字をとった文章構成の型です。
- Quality:興味付け
- Understand:理解・共感
- Education:教育
- Stimulation:刺激
- Trandition:行動
購買行動につながる文章を書くためには、読者に自分事として捉えてもらい、興味を持ってもらわなければなりません。
この2つの法則は購買行動を促すことが最終的な目的ですが、ターゲットを絞り、そのターゲットの悩みを明確にし共感することが前提です。
うまく文章が書けないと悩む人は、このような型にあてはめて考えてみましょう。
文章の構成だけでなく、ターゲットの絞り込みや1番に伝えたいことは何なのかもおのずと見えてくるので、販売促進につながるコピーが書けるようになりますよ。
コツ⑥心理学を取り入れる
心理学を取り入れることは、読み手の行動を促すためにとても効果的です。
コピーライティングでは人の心を理解し、文章で語りかける必要があります。
積極的に心理学を学び、取り入れることで読者の心に残る文がかけたり、望むような行動につながったりしますよ。
例えば、コピーライティングに生かせる心理学の1つとして、スノップ効果という心理効果があります。
誰も持っていないものに希少性を感じ、欲しくなるというものです。
これをコピーライティングに取り入れるとすれば、「入手困難」や「限定商品」という言葉で表現できます。
「ここだけでしか買えない!」と思わせることで、商品が読者に与える価値も上がるので、購買行動にもつながりますね。
ただし、心理学に頼りすぎるのはよくありません。
コピーライティングで最も大切なのは、心に響く文章を書くことであり、心理学で不安をあおり人の心を操ることではありません。
そのためコピーライティングにおいては、心理学を適切に取り入れて文章を作成することで効果を高めることができるでしょう。
スノッブ効果をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
コピーライティングスキルを高めるなら「うまいコピー」の真似をしよう
何事も上達するためには、まず真似してみることが一番の近道ですよね。
コピーライティングのスキルを高めるなら、大手の広告文にどんな要素が含まれているのか分析してみることがおすすめです。
また、自分が興味をひかれたコピーがあれば、なぜ興味を惹かれたのかを分析し、自分のコピーに取り入れてみるのもよいでしょう。
大手企業のコピーの実例を挙げていますので、伝え方や表現方法を参考にしてみてください。
ニトリのイメージコピー「お、ねだん以上。」
ニトリのCMにも使われる有名なイメージコピーですね。
一目見ただけで、値段以上のいい品が売られているというイメージがわきます。
そこに「お、ねだん以上」という少しビックリしたような表現を加えることで、ワクワク感もプラスされていますね。
CMではリズム感も重視されており、より頭に残りやすいよう工夫もされています。
コスパのいい物を求める顧客をターゲットにした、印象に残りやすいイメージコピーですね。
カルピスのイメージコピー「カラダにピース。CALPIS」
カルピスのテレビCMで使われている、有名なイメージコピーです。
「平和」や「かけら」といった意味を持つ「ピース」という言葉を用いて、「乳酸菌を補うことができるカルピスで体を健康にしていきましょう」という特徴をわかりやすく表現しています。
また「カラダにピース」と「カルピス」という語呂が似ている表現を用いることでリズムもよく、印象に残りやすくなっています。
健康への意識が高まった現代に、ピッタリのコピーですね。
リクルートのイメージコピー「まだ、ここにない、出会い。」
大手求人サイトである、リクルートのイメージコピーです。
人によって就職、転職を考える理由はさまざまありますが、「今の状況を変えたい」という願いは同じです。
そんな思いをポジティブに、求職を「出会い」という優しい言葉で表現し、読者に語りかけていますね。
イメージを押し付けるのではなく、優しく寄り添うことを意識して書かれたイメージコピーです。
コピーライティングの基本がわかる1冊を紹介
コピーライティング初心者でも基礎から学べる1冊として、「最強のコピーライティングバイブル」を紹介します。
コピーライティングに関する著書の中では伝説といわれてる「ザ・コピーライティング」「伝説のコピーライティング実践バイブル」「ザ・マーケティング【基本編】【実践編】」のエッセンスをまとめた教科書とも言える1冊です。
著者は横田伊佐男さん、監修は神田昌典さんとマーケティングに精通するお二方によって、戦略の立て方からコピーライティングのテクニック、効果測定までを網羅し、現代でも通用するようわかりやすく解説されています。
ただ1冊にまとめられているだけでなく100社以上の実例を日本の有名企業に置き換えてそのコピーの何が優れているのか分かりやすく紹介されているため、コピーライティング初心者にもおすすめですよ。
ぜひ一度手に取り、ご自身の仕事にもコピーライティングのノウハウを取り入れてみてください。
コピーライティングが学べるおすすめの本をこちらの記事でも紹介しています。
ご自身のスタイルに合った本を見つける参考にしてくださいね。
まとめ
今回はコピーライティングの基本から、効果を高めるコツを紹介してきました。
最後に基本やコツを振り返ってみましょう。
- 読者に続きを読み進めてもらえるような文章を書く
- リズム感を意識して、頭に残りやすいよう表現を工夫する
- 読み手目線での文章を心がけ、「読み手にどう伝わっているか」を意識する
- メリットではなくベネフィットを伝えて、説得力のある文章を心掛ける
- 型に当てはめたり、心理学を取り入れることで、読者に行動を促す文章が書けるように
コピーライティングは今や、会社や商品のイメージアップになくてはならない存在となっています。
基本をしっかりと押さえ、コツをうまく取り入れると、初心者でも「良いコピー」を作ることができますよ。
読み手に刺さる文章で、会社のイメージアップや商品の売り上げ向上につなげましょう。
こちらの記事では、キャッチコピーの基本的な書き方やコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。