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森谷俊之

LibRu代表取締役

個人・小規模事業者向けのマーケティング・ブランディングのコンサルタント/セールスコピーライター

経営者の3つの課題「お金がない、時間がない、人材がない」は、シンプルな仕組みで解決できます。集客から販売までを自動化して、ビジネスを成長させていくための仕組み構築を支援します。

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ベネフィットとメリットの違いとは?書き方を例文で解説してみた

  • いまさら聞けないけど、ベネフィットとメリットの違いって何?
  • 商品のアピールポイントを伝えるにはどう言えばいい?
  • ベネフィットとメリットを効果的に使い分けたい!

商品のキャッチコピーは、商品のメリットだけを伝えるだけでなく、商品を購入することで得られるベネフィットを伝えることにより、お客様の心に訴えることができます。

この記事では、具体的な例文をもとに、ベネフィットの種類や使い方を説明していきます。

ベネフィット・メリットの言葉の違いを理解し、使い分けることで、あなたの売りたい商品がより魅力的にお客様に伝わりますよ。

今まで何となく付けていた商品のキャッチコピーや、売り出し商品の紹介文も、ベネフィットを効果的に利用し、お客様に響く一言へとランクアップさせましょう。

目次

ベネフィットとメリットの違いとは?

ベネフィットとメリットは似ているようで、異なる意味を持っています。

まずベネフィットとは、お客様が商品やサービスを購入することで得られる恩恵という意味です。

一方、メリットは商品やサービスの特徴、長所、利点など優れている点のことを指します。

メリットという言葉は、いろいろな場面で長所という意味で広く用いられ、馴染みのある言葉ですよね。

しかし、マーケティングにおいては、メリットよりベネフィットをお客様に提示する事で、お客様の心を動かし、購入につなげることが重要となります。

ここから、ベネフィットとメリットそれぞれの違いを具体的に見ていきましょう。

ベネフィットの意味

ベネフィットとは、お客様が商品やサービスを購入することで得られるプラスの効果という意味があります。

たとえば、新しくマグカップを購入したお客様のひと言から、ベネフィットを考えてみましょう。

  • 落ち着いたグリーンのカラーで「癒される」からこれにしよう。
  • 持ち手の部分が大きくデザインされ、「持ちやすくて安全」そうだしいいね。

「いやされる」「持ちやすく安全」など、その商品を手にしたことで「何が変わるのか」「何を期待してどう感じたりるのか」を表す部分がベネフィットになります。

人は、商品やサービス自体が欲しいのではなく、その先の未来や利益が欲しいものです。

なので、マーケティングでは、お客様の心を動かすベネフィットの使い方がとても重要ですよ。

ベネフィットは商品を買う目的になる部分であると理解しましょう。

メリットの意味

メリットは、商品やサービスの機能の特長、長所、利点を表し、お客様が商品を購入するための条件にあたる部分になります。

こんどは先ほどのマグカップのメリットについてみてみましょう。

  • 落ち着いた「グリーンのカラー」でいやされるからこれにしよう。
  • 「持ち手の部分が大きく」デザインされ、持ちやすくて安全そうだしいいね。

「グリーン」「持ち手が大きい」という特徴がメリットの部分になります。

また、「グリーン→いやされる」「持ち手が大きい→安全」と、メリットの先にベネフィットが生まれるのです。

前述したように、お客様は商品やサービス自体が欲しいのではなく、その先の未来や利益が欲しいため、商品の強みであるメリットの理解はとても重要になります。

メリットはベネフィットを伝えるための基礎の部分と考えられますね。

マーケティングにおけるベネフィットの重要性とは?

商品を購入する目的となるベネフィットは、お客様の購買意欲を高める効果があり、マーケティングにおいては重要となります。

「このマグカップのカラーはグリーンです」より、「このマグカップのカラーは癒し効果のあると言われるグリーンです」のほうが、なんだかグリーンのマグカップが欲しくなりませんか。

このように、グリーンのマグカップを選んだ先の癒し効果を期待させるひと言で、お客様の購買意欲をかき立てます。

さらに、今はまだマグカップは欲しくないという潜在顧客でも、癒し効果というベネフィットが響くことで、今すぐ商品を求める顕在顧客へとステップアップすることも期待できますよ。

ベネフィットを効果的に伝えることは、商品やサービスが売れる仕組みづくりに重要な役割を果たすのです。

潜在顧客や顕在顧客については、こちらの記事に詳しくまとめていますので、参考にしてくださいね。

【例文つき】ベネフィットの書き方を3つの種類別に分かりやすく解説

マーケティング理論家のデイヴィッド・アーカー氏は、ベネフィットを「機能的ベネフィット」「情緒的ベネフィット」「自己表現(自己実現)ベネフィット」の3つに分類しました。

ここからは、この3つのベネフィットを踏まえ、具体的な例文を交えて解説していきます。

3つのベネフィットを使い分けて、あなたの商品の魅力をアピールしましょう。

種類①機能的ベネフィット

機能的ベネフィットは、商品やサービスの機能面を伝えるベネフィットで、機能によってもたらされる利益やプラスの効果を訴えることができます。

商品購入に対するバードルを下げたいときに訴求すると効果的なベネフィットです。

「便利」「早い」「安い」「簡単」「おいしい」などがこれにあたり、メリットと同じような意味合いで使用されることも多い言葉ですね。

直接的な特長を表す機能的ベネフィットは、商品やサービスに興味を持ってもらうためのきっかけ作りとして効果を発揮します。

しかし、機能面だけを述べてもお客様の心に響きにくい場合もあるため、キャッチーで分かりやすく良さを伝える必要があります。

具体的な例文で、機能的ベネフィットの使い方を考えていきましょう。

例:商品やサービスに興味関心を抱いてもらうベネフィット

「新技術で割れない?!ワイングラス」

お客様の興味やきっかけ作りとして、短くインパクトのある特長を示すことを意識した一文です。

ガラス製品の中でもひときわ割れやすいイメージのワイングラスが、「割れない」と書かれていたら、そのグラスや技術に興味を抱きますよね。

ですが、形あるものは必ず壊れる時が来るため、「割れない!」ではなく「割れない?!」と少し含みを持たせた表現にしてあります。

分かりやすくポイントを伝えることを大切にしたい反面、誇大広告や誤解を招く表現には注意が必要ですね。

例:損をしたくないという顧客心理に訴えるベネフィット

「県内最安値に挑戦中!レギュラーガソリン1リッターあたり150円」

「安さ」だけを伝えるのではなく、「他店より安い可能性」を伝えることで、お得に買い物がしたいというお客様の心理に訴える一文です。

定期的に購入が必要な商品やサービスは、誰もが「損をしたくない」「できるだけ安く買いたい!」と考えますよね。

このように、特徴がベネフィットにもなる商品を発信したいときに向いている表現でしょう。

しかし、こちらも先ほどの例と同じように、「県内最安値」でというわけではありません。

「挑戦中」と表現を追加することで、「継続的に努力している」ということを伝えつつ、誤解を招く表現は避けることがポイントです。

種類②情緒的ベネフィット

情緒的ベネフィットは、商品やサービスによって得られる、プラスの感情や感覚に注目したベネフィットです。

「楽しい」「安心感」「高級感」「充実感」「幸福感」などがこれにあたり、ブランディングや購買意欲を高める効果も期待できます。

感情的な価値を強調する情緒的ベネフィットでは、商品やサービスのイメージを形成していく上で重要な役割を果たします。

また、情緒的ベネフィットは心理的側面に強くアピールできるため、思わず目を引くようなキャッチコピーなどがとても効果的です。

ここからは、情緒的ベネフィットを具体的な例文をもとに考えていきましょう。

例:顧客に安心感を与えるベネフィット

「小学校の先生の99%が生徒に使わせたいと回答!しっかりかけるかき方えんぴつ」

子どもに持たせたり誰かにプレゼントで渡したりする場合、安心して渡せる、間違いのない商品を選びたいですよね。

小学校の先生が言うのならば、とりあえずこれを選べば安心だ、これなら学校に持っていても良さそうだ、とお客様に安心感を抱いてもらうことを意識した一文です

他にも、具体的な数字や著名な人の名前など、「多くの人がこれを選んでいます」という効果や実績が確実であることを示すベネフィットを提示すれば、安心感を与えることができるでしょう。

例:顧客に優越感を感じさせるベネフィット

「こちらの商品をご購入いただいたあなただけの特別なご案内です。有効成分を凝縮したワンランク上のサプリメントを限定価格でご紹介!」

購入者限定でワンランク上の商品を紹介することで、お客様に特別感や優越感を感じてもらう一文です。

特別感を演出することで「私は選ばれた人間なんだ」という優越感を感じてもらえますよね。

それだけでなく、「私を選んでくれる」という信頼感も同時に得ることができ、お客様との良好な関係を構築できるという側面もあります。

お客様を特別扱いするベネフィットで訴求する目的は、リピーターの獲得やよりランクの高い商品購入につなげることです。

そのため、情緒的ベネフィットでお客様の心理に的確に訴えるスキルも重要になりますよ。

種類③自己表現(自己実現)ベネフィット

自己表現(自己実現)ベネフィットは、商品やサービスの利用によって実現できる自分の姿に注目したベネフィットです。

「自分らしくいれる」「自分に自信が持てる」「充実した生活が送れる」といった、アイデンティティを形成することで得る満足感に訴えるベネフィットで、情緒的ベネフィットの一つとも言われています。

価値観や、アイデンティティの部分に訴求するため、ステータスが高いと思われるような、高額な商品やサービスの販売にも自己表現ベネフィットは効果的です。

では、具体的な文を例に自己表現ベネフィットについて考えていきましょう。

例:自分らしさを感じられるベネフィット

「約400パターンのデザインから、あなたらしさを表現できる!カスタムスニーカー」

自己表現ベネフィットでは、個性やスタイルに焦点を当てることを得意とします。

この例文でも、選択できるアイテムや個性的なデザインを持つことで、スニーカーという、誰もが一足は持っていそうなアイテムでも自分らしく表現できるということが伝わりますね。

また、「持っている人が少ない」から「他人と被らない」。

だから「個性が表現できる優越感」というような心理に訴えることで、高価な商品であっても購入につなげられます。

販売数が少なく限定的なものも、自己表現ベネフィットによって購買意欲を促すこともできるため、高価な商品やサービスの販売でよく用いられている手法ですよ。

例:自分に自信が持てるようになるベネフィット

「一か月続けただけでマイナス5歳肌も夢じゃない!オールインワン化粧水」

一か月後、理想の肌に近づけるという未来を示し、なりたい自分を実現させたい気持ちに訴えた一文です。

自分に自信を持つということは、自分の能力や価値を確信することです。

自己表現ベネフィットでは、自分にしかない価値を確信させるために、お客様の価値観に合う商品をすすめることが必要になります。

そのため、持っていること、使っている事自体がステータスとなるようなブランド力のある商品に対して効果を発揮するのです。

その商品を使用している自分が好きだという気持ちになれば、商品自体が自分の価値観となり、リピート購入も期待できます。

お客様の悩みから心に響くベネフィットを選びましょう。

訴求力アップ!ベネフィットを効果的に伝えるためのコツ

ベネフィットが具体的に理解できたところで、効果的に伝えるためのポイントを紹介します。

  • 商品の機能面よりも、顧客の情緒面をくみ取り訴求する
  • お客様が本当に欲しいものを、お客様の視点で考える
  • ストーリー性を持たせ訴求力をアップさせる

ベネフィットの中でも、感情に訴える情緒的ベネフィットをうまく活用できれば、お客様の心を動かすことができるでしょう。

しかし、売り手が考えるニーズとお客様のニーズにズレがある場合、いくらベネフィットを並べてもお客様の心には刺さらず購入にはつながりません。

そのため、まずお客様が本当に欲しいものや、何に困っているかなどをお客様の目線に立って考えることが大切ですよ。

想定していないニーズを知るには、実際に商品を購入したお客様に効果や感想を積極的に聞かせてもらうのが良いでしょう。

また、ストーリーテリングを活用し、ストーリー性を持たせるのもベネフィットをイメージしやすく、共感も得やすくなるため効果的ですよ。

このように、お客さまへの理解を深め、感情的ベネフィットや自己実現ベネフィットで商品やサービスの魅力をわかりやすく伝えましょう。

ストーリーテリングについては、こちらの記事で詳しく解説しておりますので、参考にしてみてくださいね。

一緒に覚えておきたい類義語「プロフィット」と「バリュー」

「プロフィット」とは、金銭的な利益のことを指し、売り上げや利益などの数値的な成果を意味します。

一方「バリュー」は、企業がお客様に提供する利益や価値という意味があります。

この2つの言葉は、ベネフィットと似た意味の言葉でビジネスの場でよく使われる言葉です。

ベネフィットは「お客様が商品やサービスを購入して得られる利益」、プロフィットは「商品を販売して企業がお客様から得られる価値」、バリューは「企業がお客様に提供する利益」と、ビジネスではそれぞれの役割や意味の違いを理解しておきましょう。

まとめ

今回は、ベネフィットとメリットの違いについて解説し、ベネフィットを使った書き方を具体的な例文を交えて説明しました。

最後にこの記事の内容を簡単にまとめます。

  • ベネフィットとは、お客様が商品やサービスを購入した先にあるプラスの効果、メリットは商品やサービスの特徴や利点のこと
  • 商品やサービスを売るためにはメリットよりもベネフィットを伝える
  • ベネフィットは「機能的ベネフィット」「感情的ベネフィット」「自己表現ベネフィット」に分類される
  • 情緒的ベネフィットや自己表現ベネフィットは、お客様の心を動かし、購買意欲を促すことができる
  • ベネフィットを伝えるためには、お客様が商品やサービスに求めるものを理解する
  • フィードバックを集め、商品やサービスの改善を日々おこなうことで、お客様が本当に欲しいものを分析し、効果的なベネフィットへとつなげる

ベネフィットは、商品の購入から利用、そしてその最終地点となる顧客満足度と深い関係があると言われています。

ニーズに合ったベネフィットを打ち出すことで、購買意欲が上がるだけでなく、お客様も気持ちよく商品が手に入ることで満足感となり、リピート買いや新しいお客様の獲得へとつながるでしょう。

この記事を参考に、お客様の心に響くベネフィットを意識してみてくださいね。

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