オンライン教材の作り方!今すぐ始める5ステップとコツ
オンライン講座を始めるにはオンライン教材を用意する必要があります。
しかし、専門業者に依頼するとそれなりに費用がかかってしまいます。
そのため、このような悩みを抱えている方が増えています。
- ITに詳しくない自分でも、オンライン教材を作ることはできないだろうか?
- わかりやすいオンライン教材の作り方が知りたい
- 受講者に喜ばれるオンライン教材とはどのようなものなの?
何も知らない状態でオンライン教材を作り出しても、本当に自分だけで完成させられるのか不安になるのは当たり前です。
この記事では、初心者でも「これなら自分でも作れる!」と思えるほど、分かりやすいオンライン教材の作り方と注意点を解説します。
オンライン教材とは?
最近はAIが内蔵されているものもあり、受講者ひとりひとりの理解度に合わせた教材の提示や、出題の選択を行うことが可能です。
これまで画一的であった学習の場を、個人に寄り添いきめ細かなフォローができるのが、オンライン教材の大きな強みですね。
オンライン教材が活用できるオンラインビジネスの始め方/ネットビジネスランキング/オンライン講座の作り方は、以下の記事でより詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
オンライン教材の種類
『オンライン教材=動画配信』をイメージする方が多いですが、オンライン教材には様々な種類があります。
オンライン教材の内容を、よりわかりやすく伝えるためには教材のタイプ選びが重要です。
オンライン教材を作る際には自分が開きたい講座にはどれが適しているのか、ターゲット層に合っているかを検討してください。
ここでは4つのオンライン教材の種類を詳しく紹介します。
教材タイプ①動画教材
動画教材とは、動画を活用したオンライン教材です。
動画教材のメリットは、教室で受講しているような再現性です。
なので料理教室やプレゼンの仕方など、動きや声を見て・聞いて学ぶオンラインビジネスに向いています。
最近では動画を見て学ぶことは一般的で、自社のアンケート調査でも、動画教材は電子書籍の次に購入されやすい教材という結果でした。
動画教材を作る際はテロップや効果音を入れるなど、見やすさを意識して編集するのがおすすめです。
わかりやすく、見やすい動画教材は受講者の学習満足度を高められますよ。
動画教材の作り方をこちらの記事で紹介しているので、動画作成を考えている方はぜひご覧ください。
教材タイプ②音声教材
音声教材は、音声のみが配信されるオンライン講座用の教材です。
例えば英会話のシャドーイングや最新のビジネストレンドを学ぶなど、「ラジオやポッドキャストで学ぶ」といったイメージがあるオンラインビジネスに向いています。
音声教材は音声のみなので画面を見る必要がなく、家事や育児、運転など他のことをしながら勉強したい新たなターゲット層の獲得が見込めますよ。
視覚障害のある方や聴覚優位の方にも、音声のみの教材は必要とされるでしょう。
音声教材は「教材の尺」がポイントです。
「15・45・90分の法則」といった集中力が続きやすい時間があるように、多くの人はだらだらと話をされると内容が入ってきません。
短すぎても教材として内容がないものとなってしまうので、10~15分で1講座とし、#1や第1回など続き物にするのがおすすめです。
ながら学習でも要点が伝わる音声教材は、忙しいターゲットから高い満足度を得られるでしょう。
教材タイプ③PDF教材
PDF教材とはPDFを用いた教材です。
PDF教材は教科書や参考書がWebで見れるようなイメージで、学習やノウハウの基礎を販売する際に役立ちます。
PDFはPDFを開くソフトを持っていれば、どのようなアプリケーションでも開けるので、WordやExcelでありがちな「閲覧できない可能性」という心配がありません。
Google ChromeやFirefoxはPDFを開くソフトのダウンロードをしなくても、ブラウザでPDFファイルを開くことができますよ。
また届いたデータは画面上で見るだけではなく、紙に印刷もできます。
実際に書くことを大切にしている方や、すぐに見れる資料として教材を印刷しておきたいといったニーズにも対応できますね。
教材タイプ④カウンセリング
オンライン教材におけるカウンセリングとは、オンラインでの面談やコンサルティングのことを指します。
オンライン講座を受けているだけでは、学び方への疑問やスキルアップに対する不安を受講者が払拭できません。
受講者とリアルタイムでおこなうカウンセリングでは、対面や個別面談のような細やかなケアが可能です。
カメラ機能を使いお互いの表情が見えると受講者も安心できますし、質問や心配事にもその場で返答がもらえるので、信頼を強くしてくれるでしょう。
なぜオンライン教材を今作るべきなのか?
どこからでも体験や学習ができるオンライン教材は、新しい学びの形態としてひとつの地位を確立しました。
オンライン教材を今作るべき理由は、ズバリ「オンライン教材の販売は今後もさらなる発展が期待できる事業」だからです。
今から実績を積んでおけば、オンラインビジネスの新しい展開やニーズにもすばやく対応していけるでしょう。
ここではオンライン教材の販売が伸びるであろう理由を3つ解説します。
理由① eラーニング市場はこれから伸びる
オンライン教材の販売が伸びるであろう理由の1つめは、学習や研修をオンラインで行う機会が増えているからです。
特にeラーニングの市場は増加傾向にあります。
eラーニングはパソコンやタブレット、スマートフォンからインターネットを通じて教材を視聴する学習システムです。
かつてはビデオやDVDが主流だった動画教材ですが、eラーニングによってネット環境さえ整っていればどこにいても教材を閲覧できるようになりました。
eラーニングは、2021年度の個人向け市場規模が前年度より13.8%増えるなど、著しい成長を遂げています。(※1)
コロナ禍であったことがeラーニング市場の拡大につながりましたが、時間や場所を選ばない学習形態は事業者と学習者のどちらにもメリットが大きく、今後も需要は増加するでしょう。
また、法人向けの市場規模も拡大しています。
コロナ禍以前より、研修にかかる人件費や交通費などの負担軽減を目的にeラーニングの導入を始める企業が増えました。
受講状況や進捗確認といった事務作業もオンラインで管理できるため、コミュニケーションコストの削減の狙いもあるでしょう。
コロナ禍を経てさらに高まった需要は今後も維持されると予測できるので、法人向け個人向けどちらの市場もさらなる伸びが期待できます。
(※1)eラーニング市場に関する調査|矢野経済研究所
理由② オンライン教材を購入する心理的ハードルは低い
オンライン教材の販売が伸びるであろう理由の2つめは、オンライン学習が一般的となったからです。
自社によるアンケート調査で「自宅学習用のオンライン教材を購入した経験がある」と答えた人は全体の85%にのぼりました。
購入した教材は電子書籍がもっとも多く、次いで動画教材、PDF教材と続きます。
例えば電子書籍はスマートフォンやタブレットから何十冊も閲覧できる手軽さがあり、価格も安価なため購入しやすいのが特徴です。
購入されるのは「買い切り型」が多く、一度ダウンロードすればインターネット環境がなくても閲覧できるので、wi-fiやスマートフォンのデータ通信量を気にしなくて良いのも魅力ですね。
動画教材やPDF教材も手軽な値段で買えます。
加えて教室に通うというような「継続」に対するプレッシャーもないことから、オンライン教材で学ぶ心理的ハードルは低いでしょう。
このように、種類を問わず「オンライン教材を購入すること」は今や一般的であることが、今後もオンライン教材が売れる理由なのです。
理由③ オンライン教材は少額から高額まで幅広い
オンライン教材の販売が伸びるであろう理由の3つめは、幅広い価格設定ができるからです。
オンライン教材は、少額のものから利益率の高い高額なものまで幅広く取り扱えるので、教材を購入した人の傾向からおすすめ商品を紹介していくなど、ビジネスモデルを組み立てやすいです。
例えば自社のアンケート調査によると、「一番高額なオンライン教材」の料金は5,000円未満と答えた人が多く、気軽に購入する価格帯としてはこのあたりが売れ筋といえます。
あまりにも高額だとオンラインでは売れないのではないかという懸念もありますよね。
ですがアンケート調査では「100万円以上の教材を購入した」と答えた人もいますので、価格よりも価値の高い教材であれば高額でも買ってもらえるとわかります。
さらにオンライン教材は、対面販売とは違って「買わされた」という感情になりにくく、返品やクレームにつながりにくいです。
購入者が自分にとって必要かじっくり検討し、「この商品にはこれだけ支払う価値がある」と納得してから購入するといった流れから、オンライン教材は価値と価格のバランスが取りやすいでしょう。
このように価格設定の自由度が高いことも、オンライン教材を今作るべき理由です。
売れるオンライン教材の作り方を5ステップで解説
次は、オンライン教材の作り方を詳しく解説します。
わかりやすくするために、オンライン教材の作り方を5つのステップにまとめました。
段階を追うごとにオンライン教材の完成に近づくため、ステップ1から順を追って丁寧な作業で進めていきましょう。
ステップ1:オンライン教材の内容を決める
オンライン教材を作る前に、準備としてまずはオンライン教材の内容を決めましょう。
オンライン教材の内容は、次の6つを柱に決めていくとスムーズですよ。
- 競合のリサーチ
- 独自のテーマ
- 学習の目的
- 受講者のゴール
- オンライン教材の種類
- 販売方法と価格
では、それぞれについて詳しく解説します。
競合する教材・商材をリサーチする
競合する教材・商材のリサーチでは、販売方法/価格/取り入れているサービス/Q&A/購入者の声など、細部まで分析しましょう。
競合との違いから、あなたが考えている教材だけにある強みや新たなターゲットを発見できるからです。
違い以外にも競合が成功している理由をリサーチして、あなたの教材に活かしましょう。
例えば教材の種類や集客の方法、流入経路、ホームページの作り方など、参考にすべき点は多くありますよ。
競合の分析を通して自社の強みを見つけ、教材の売り方や見せ方を作り上げましょう。
競合のリサーチはフレームワークを使って、状況を整理しながら進めるのがおすすめです。
以下の記事でSWOT分析/3C分析/PEST分析/4P分析について事例を交えながらわかりやすく解説しています。
競合のリサーチや自社分析に役立つ記事ですので、ぜひご覧ください。
強みを生かしたテーマを決める
オンライン教材は強みを生かしたテーマに絞ることが大事です。
「複数のテーマを扱った方がより多くの受講者が集まりやすい」と教材を作ると、教材の内容が薄くなるリスクがあります。
オンライン教材を購入する多くは、タダで簡単に手に入るような広く浅い知識は求めていません。
オンライン教材は、専門性が高い講座であることに価値があるのです。
例えば「英会話」といっても「日常英会話」と「ビジネス英会話」と分類でき、さらには「ITエンジニアの英会話」や「営業マンの英会話」などと細かくジャンルを分けられますよね。
ジャンルが細かくなると望む人も限られますが、勝算のあるニッチなジャンルならば、オンライン教材を作って試してみるべきでしょう。
ニッチなジャンルでは競合も少ないと考えられるので、高額でも売れる可能性がありますよ。
あなたのオンライン教材のジャンルを振り返り、「英会話」としている場合は価値が低いと判断されてしまう恐れがあるので改善をおすすめします。
競合に勝てるテーマを見つけたい方は、こちらの記事からSTP分析のやり方をぜひチェックしてください。
オンライン教材の目的を明確にする
オンライン教材の最終目的は、受講者の学習目的を達成することです。
ですので、自分の教材で達成できることを明確にし、その目的に向かって進んでいく設計をしましょう。
例えば英会話なら、「日常会話に困らないレベル」としてもよいのですね。
よりニッチな目標を掲げるなら「近所のママ友と夕飯や子育ての相談を英語でできるレベル」など、ターゲットに向けたメッセージを込めると興味を持ってもらえるでしょう。
オンライン教材は、受講者が学習目的を達成してはじめて評価されるものです。
いくら講師側が「これは優秀な教材だ」と売り込んでも、受講者の理解が乏しいものや、活用が難しいものであれば意味がありません。
自分の知識をひけらかすのではなく、受講者の求めるものを第一に考えてオンライン教材の目的を明確にする必要があります。
受講者のゴールを明確にする
受講者が得たい知識を得て自分の将来にどのように生かすのか、受講者の講座終了のゴールが何なのかも明確にする必要があります。
講師は受講者がそのゴールテープを切るために必要な知識と最善策を、教材に盛り込まなければなりません。
資格を取得するのがゴールなのか、取得した資格を元に転職を成功させるまでがゴールなのかによって、オンライン教材の内容も変わってきますよね。
ゴールを明確にしておけば「この教材をやりきったら転職できる」など受講者のモチベーションにもつながります。
資格試験の案内や転職先の情報などオンラインという特性を活かしてリアルタイムで発信すれば、期待に応えてくれる教材として認識してもらえるでしょう。
オンライン教材の種類を決める
「オンライン教材の種類」でお伝えした「動画」「音声」「PDF」「カウンセリング」から、講座の内容やターゲットにマッチするタイプを決めます。
オンライン教材では動画教材が学習の満足度が高い傾向にありますが、受講者の状況によっては音声教材やPDF教材を選んだ方が学習がしやすいケースもあるでしょう。
例えばターゲットによっては視覚、聴覚に問題があると想定しなければならない場合もありますし、動画を用いなければ理解しがたい内容もありますよね。
メインの授業を「動画」で、副読本を「PDF」で、修了後の進路相談は「カウンセリング」でと、ひとつの教材の中で使いわけることもあります。
どのタイプがあなたの教えたい内容を伝えやすいのか、ターゲットに響くかを考え、有効なものを選びましょう。
販売方法と販売価格を決める
最後にオンライン教材の販売方法と販売価格を設定します。
自社アンケート調査によると、オンライン教材の購入で最も一般的な方式は「買い切り型」です。
ここで最も重要なことは、どの方式を使ったとしても販売価格によって利益率が変わるということです。
買い切り型の場合、粗利率を何パーセントに設定すれば1回の商品購入でいくらの利益が出るのか明確ですね。
一方サブスクリプション型の場合、ユーザーの解約率や継続期間によってユーザー1人あたりの商品購入額(以下、LTV)が変化します。
そのため、サブスクの利益計算は買い切り型の計算式とは異なります。
このように、商品の販売を考える段階で、どんな支払い方式にするのか、商品の最終価格をいくらに設定するのかが重要なポイントになります。
ステップ2:構成を考える
オンライン教材の内容を決めたら、次はオンライン教材の構成を考えます。
オンライン教材の構成を考えるときは、最終目標をゴールに置き、そこから枝葉のように小さな目標を作っていきましょう。
その小さな目標を達成するために必要な学習内容を書き出していくと構成が作れます。
構成の内容は学習の回数を重ねるごとに、オンライン教材の難易度が上がっていくといった工夫も重要です。
目標達成は受講者が「やりとげた」という成功体験を積み重ねられます。
段階を踏むことでレベルアップを実感し「もっと学びたい」という意欲がかきたてられるでしょう。
このように構成を明確化・細分化することは、受講者がオンライン講座を受講する目的や目標を認識しやすくなり、オンライン教材に対する信頼感や満足度につながります。
オンライン教材の構成には紹介した内容の他に、タイトルや概要の作成も含まれます。
オンライン教材のタイトルのつけ方や、概要のまとめ方を詳しくみていきましょう。
オンライン教材にタイトルをつける
オンライン教材にタイトルをつけると、どのような授業・講義をしているのかすぐにわかりますよね。
オンライン講座を受けようか迷っている方にとって、教材のタイトルは受講を決める大きな判断材料になります。
最も伝えたいことを含めながら、簡潔にわかりやすいタイトルをつけましょう。
競合の多い教材を扱う場合は、よりニッチなタイトルで勝負するのもひとつの案です。
例えば「近所のママ友と夕飯や子育ての相談を英語でできるレベル」が目標の英会話講座なら、「今日の夕飯何にする?ジェシカのおしゃべり英会話」といったように場面を想像できるタイトルだと、ターゲットの心をつかめます。
タイトル作りに苦戦したら、短い文章でターゲットの心に刺さるキャッチコピーの作り方を紹介していますのでこちらの記事からヒントを得てください。
概要をまとめる
概要とは大まかな流れのことを言い、受講生にとっては教材のガイドラインとなります。
あなたのオンライン教材で学ぶことで、受講者がどのようなステップを踏んでいき、どのようなスキルを得られるのかを、わかりやすくまとめましょう。
そのためには、オンライン教材による学習の順序や範囲を示すことが必要です。
初回から最終回までの流れや大まかな内容を受講者が把握すれば、「いつくらいに、どのくらいのレベルになっているか、どれだけのスキルを身につけられるか」を自ら想像できるでしょう。
見通しもなく、いつ終わるのかわからない学習は達成感を感じられません。
ゴールが見えていないと途中で放棄したくなってしまう可能性もあります。
最後まで学習を続けてもらうためには、概要や大まかなスケジュールを提示し、どの地点からでもゴールが見えるように設計すると「取り組みやすい教材」と感じてもらえますよ。
ステップ3:オンライン教材を作成する
ここまでの下準備がしっかりとできたら、オンライン教材を実際に作成してみましょう。
オンライン教材を作る時は1回の本番で完結するという考え方ではなく、リハーサルを繰り返して本番に臨む、という姿勢になります。
それでは具体的な方法を解説していきますね。
台本を用意する
動画教材や音声教材は行き当たりばったりで話しても、受講者に伝えたいことの半分も伝えられません。
オンライン教材を作成する際には必ず台本を用意しましょう。
台本を作り伝えたいことを文章に書き起こせば、自分の考えを客観的に見られるので、話す内容もまとまります。
特に大事なこともはっきりするので、メリハリをつけて話せますよ。
台本を作る際は言葉に言い間違いや思い込みの知識がないかなど、しっかりと確認しましょう。
教える側の知識が曖昧だと、受講者もレッスンを続けていくのが不安になってしまいますよね。
もし、あとから間違いに気づいたときは、すぐに訂正と謝罪をするなど真摯な対応が必要です。
編集や添削をする
できあがったオンライン教材は必ず添削を行いましょう。
できればひとりの確認ではなく、複数の人に確認をしてもらうと安心です。
台本をもとに複数人で添削や編集をすれば、間違いが起きにくく、教材のクオリティを上げていけるからです。
例えば自分では落ち着いてゆっくりと話しているつもりでも、録画したものを聞いてみたら早口だったり、滑舌が悪く聞き取りにくい場合があります。
話すスピードは普段の7〜8割程度に抑えるように意識をすると、相手が聞き取りやすくなると言われていますよ。
自分では意識していないクセが出ていたり、つい緊張してどんどん早口になってしまうこともあるので、編集や添削をして教材を仕上げていきましょう。
編集や添削はリハーサルとは、別の日に行うのがおすすめです。
日を改めることで、前には気づけなかった改善点が見つかるケースが多いからです。
オンライン教材の編集や添削は念入りに行い、受講者の学習意欲を削ぐことのないよう作り上げましょう。
ステップ4:オンライン教材をテスト販売する
オンライン教材ができあがったら、テスト販売をおこないましょう。
本格的に販売する前に、購入できる期間や対象者を限定、広告への反応や購入に至るまでの経路や決済方法をリサーチし問題点を改善します。
テスト販売で購入してくれた人には、内容に関するフィードバックをお願いしましょう。
受講者からの意見には教材を飛躍的に改良するヒントがたくさんありますので、より親切でわかりやすい教材へと改善できます。
教える側からの一方的な教材より、教えられる側の声を反映させた教材の方が、今後の受講生の理解や共感を得やすく、トラブルやクレームの軽減にもつながるでしょう。
では、テスト販売を通して集めた情報をどのように使うのかを解説します。
決済方法を決める
オンライン教材はネットでの販売になるので、当人同士が現金でやり取りすることはありません。
主な決済方法としては、クレジットカードが利用者も多く、ネット販売の決済には必須です。
しかし、あなたが設定したターゲット層によってはクレジットカードがあまり普及していない場合もあります。
テスト販売を通じて、キャリア決済やコンビニ決済といった別の方法も導入する必要性をリサーチしてください。
他にもpaypalやStripeなど登録手数料、月額使用料がかからず気軽に利用できる決済サービスがあります。
ただ、paypalやStripeでの支払いは上限があり、高額な教材を販売する場合には決済できない可能性があるので注意してください。
あなたのサイトのシステムで利用できるか、セキュリティ対策やサポート体制は万全かなども考慮しながら、ターゲット層とあなたの教材に合う決済方法と代行会社を選びましょう。
購入者の声を集める
購入者の声は、購入を検討している人の背中を自然に押してくれるだけでなく、教材の質を向上させるためのヒントや利用者との信頼関係の構築に役立ちます。
テスト販売で集まった生の声は、どんな添削よりも参考になりますよね。
利用者視点の不満は、教材をより良く進化させられる無償の提案となります。
購入者の声を反映して改善を繰り返すことで、よりターゲットが求める教材へとブラッシュアップできるでしょう。
いただいた購入者の声は良い意見も悪い意見も掲載し、どちらにも丁寧な対応をするとよいですね。
自分の意見が大事にされると純粋にうれしいものです。
誠意ある返答があれば「またここで購入したい」「良い案があったら伝えたい」というエンゲージメントにもつながりますよ。
教材に関するフィードバックをくれた購入者には、割引などの特典をつけると声が集まりやすくなるので、何らかのサービスを検討するのもおすすめです。
ステップ5:オンライン教材を売る仕組みを作る
教材ができあがっても、それを売る仕組みができていなければ、必要としている人に届きません。
テスト販売で得た購入者の反応や意見を分析し、あなたの教材がターゲットに届くようにプロモーションをおこないましょう。
広告やSNSを使いターゲットに向けて情報を拡散する、口コミサイトを利用して認知度を上げる、というのもひとつの手段です。
どこでも見かけていつでも良い評判の教材として認識されれば「勉強するならこの教材にしよう」と思ってもらえますよ。
また、売れ続けるためには販売したあとも教材を育てていく必要があります。
いま作り上げた教材が、5年後10年後も売れる商品であるためにはどうすればよいのか、考えてまいりましょう。
教材を改良・改善する
本格的な販売が始まっても、そこで終わりではありません。
常識や情報は時代によって変わり続けていますから、売りっぱなしにしているとあっという間に廃れてしまう可能性もあります。
このような事態を避けるためには、リリースしたあとも改良や改善などのメンテナンスとバージョンアップを定期的におこなうことが大事です。
紙媒体の教材は、商品が受講者の手もとに渡ってしまうため売ったあとの修正は難しいですが、デジタルならば簡単にできますよね。
改良と改善を続けていくことで長く愛されるロングセラー教材となり、多くの人から「この教材なら間違いない」と信頼してもらえます。
せっかく作り上げた教材なのですから、大切に磨き上げて育てていきましょう。
品質を低下させず、常に新しい情報で勉強できるのが、売れ続ける教材の条件です。
【注意】オンライン教材作りで気をつけるべき5つのポイント
あなたが時間をかけて一生懸命作った大切な教材を守るために、気をつけなければならないポイントが5つあります。
万が一の事態や攻撃に備えたり、誠実な対応をするのは、あなたと教材を守るために必要な危機管理です。
いまから紹介する5つの注意点を押さえておけば、大きなリスクを回避できるでしょう。
では、ひとつずつ詳しく解説します。
注意点①バックアップを定期的に行う
あなたの資産となる商品は、しっかりとバックアップを取らなければなりません。
オンラインは便利な反面、ウイルスやスパムといった脅威に常にさらされているからです。
もし教材が破壊され、受講者が利用できなくなってしまったら、教材だけではなく受講者からの信頼も失ってしまいます。
一度失った信頼を取り戻すのは難しいことですよね。
大規模災害や人為的なミスなど、損失の原因はウイルスやスパムだけとは限りません。
セキュリティの強化はもちろんですが、媒体の種類を変え2重3重にバックアップがあると安心です。
また、バックアップは定期的におこなう必要があります。
オンライン上では最新の情報に更新されているのに、バックアップが古いままでは何を守っているのかわからなくなってしまいますよね。
大切な資産を守るために、想定できる限りの対策を施すことが肝心です。
注意点②2次流通を事前に防ぐ
2次流通とは、使用済み・未使用商品が中古品として市場に出回ることです。
使おうと思って購入したがいらなくなったので必要な人に安く譲る、という形でおこなわれています。
しかし現在では、正規購入よりも高値で取引され業者が利益を得たり、定価の半額以下で大量に出回るなどのトラブルとなるケースも多いです。
未使用なのに安い値段で売られていると、正規の値段で買ってもらえなくなるおそれがありますね。
例えば5,000円の商品でも「新品未使用で3,000円で売ってた」となると、「本来なら3,000円で買えるのか・・・」とお客様が「価値よりも価格が高い」と判断する恐れがあります。
ですので、転売禁止と明記し、転売はしないという約束で販売をするなどの対策をおこなってください。
もしフリマサイトなどで自分の商品を見つけたら出品停止の依頼をするなど、早急な対応が必要です。
転売禁止としたにもかかわらず違反行為を見つけた場合は、転売訴訟に詳しい弁護士に依頼するなど、しっかりとした対応をおこないましょう。
注意点③参考教材の著作権に注意する
あなたが信頼している教科書を使って自分の教材を作る場合は、その教科書の著作権に注意してください。
自分がお金を得るために、他の人の商品を勝手に使うのはいけませんよね。
ですので、参考にした書籍や引用したデータなど、あらゆるものの著作権を調べ、使用許可を取りましょう。
著作権の侵害は10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金と定められています。
それだけでなく、あなたの教材もあなたへの信頼もすべて失ってしまうことになりますので、間違いのないようしっかりと確認することが必要です。
注意点④口コミ・評判を大切にする
オンライン教材は、オンラインという特性からネット販売となるため、口コミや評判が生まれやすく拡散も早いです。
よい口コミをしてもらえるように顧客満足度を高める対策が必須ですが、この対策は悪い口コミが増えない対策にもなります。
相手の顔が見えない分、ネットでの書き込みは辛らつなこともありますね。
厳しい評価に対して感情的な対応をしたり無視したりすると、あなた自身の評価にも傷がついてしまうでしょう。
荒れた口コミ欄を見て「ここで教材を買おう!」と思う人はあまりいませんよね。
どのような評価にも耳をかたむけ真摯に対応する姿勢はあなたへの信頼が増し、顧客満足度にもつながります。
しかし、明らかな暴言や誹謗中傷に対しては毅然とした態度をとらなくてはなりません。
あなたのビジネスに損害を与えたり妨害をしてくるような書き込みは、ブロックや非公開だけでなく通報、訴訟などの対応もできるよう体制を整えておきましょう。
注意点⑤テスト販売から始める
自分以外の人の目で添削してもらい、間違いがないか矛盾がないかと念入りに見直ししても、完璧だと思えるには時間がかかります。
明らかな間違いや矛盾、不足がないなど一定のクオリティーに達したらテスト販売を始め、そこから改良して完成を目指しましょう。
テスト販売もせず、膨大な時間をかけやっと教材を作り上げたと思ったら、新しいタイプの教材が出回り始めて自分の教材は時代遅れになってしまった、なんてことになったら元も子もありませんよね。
売り出さなければビジネスとして成立しないのですから、失敗を恐れず飛び込みましょう。
最初から完璧なものはありません。
テスト販売で購入者から意見をもらい、それを参考に改良を重ねていけば、教わる側の視点も取り入れたより完成度の高い教材に成長させることができますよ。
まずは販売してみて、肌で感じることが大事です。
ジャンル別オンライン教材の作り方のコツ
オンライン教材で扱うジャンルはさまざまです。
勉強の仕方やターゲットが違うため、まったく同じ作り方では対応できません。
ここではそれぞれのジャンルにあった作り方のコツをお伝えしてまいります。
- 語学学習用のオンライン教材の場合
- 受験勉強用のオンライン教材の場合
- 幼児教育・家庭教師のオンライン教材の場合
- 資格取得用のオンライン教材の場合
- プログラミング・デザイナー向けオンライン教材の場合
- 起業・開業・独立向けのオンライン教材の場合
語学、受験、家庭学習、資格取得など、あなたが販売したい教材に向いている作り方を知ってくださいね。
語学学習用のオンライン教材の場合
語学学習はSNSでの流行により「エンタメ×語学学習」という形がトレンドとなっています。
見慣れた映画や海外のテレビ番組に字幕をつけて、言い回しや意味を解説しながら実践的な会話力を身につける、といったものが多いでしょう。
楽しみながら学習できるのは魅力的ですよね。
また、海外の情報やトレンドを教材から知ることができたら語学以外の興味もわき、モチベーションも高まるでしょう。
語学学習はオンラインだけでなく対面授業も人気があり、どちらも競争と変化が激しい市場です。
ですので、参入するときは市場分析とあなたの教材のポジショニングをしっかりと見極め、ブランディングをしてから臨みましょう。
受験勉強用のオンライン教材の場合
受験といえば、国語・数学・理科・社会・英語と5教科必要ですが、欲張らず1教科にしぼった専門特化型の教材を作るのがコツです。
「もっと知りたい」「この教科を極めたい」「この教材の内容をマスターすれば、どんな問題にも対応できる」とターゲットの心を捉えられます。
また、一般の受験と違う特定の学校のための教材も需要があります。
例えば音楽大学や芸術大学への受験は、5教科以外の必要な知識や常識、不文律などがあり、受験も画一的ではありません。
このような、在学中の学校や予備校では教えてもらえない分野への受験は参考書も少なく、詳しい情報を求めている人が多いでしょう。
あなたが得意とする分野で、自身の経験と最新の情報を合わせた教材は、受験の攻略本として重宝されるはずです。
幼児教育・家庭教師のオンライン教材の場合
幼児教育や家庭教師のオンライン教材は、購入を決めるのが受講者本人ではなく保護者です。
いくら子どもが「やってみたい!」と思っても保護者が気に入らなかったら購入してもらえません。
ですので、この分野の教材は、子どもだけでなく保護者にとっても魅力的であることが必要です。
例えば、親が目を光らせなくても子どもが自発的に教材で勉強を続ける、というような仕組みがあるとよいですね。
「せっかく買ったのにやらない」というストレスや「勉強させなくちゃ」という負担を軽くできるので、注目してもらえるでしょう。
幼児教育や家庭教師など子どものための教材は、受講者の評判がいいものに人気が集まりやすいため、子育てのコミュニティチャットなどで口コミを広められるとよいですね。
広告や宣伝をうつときも、そのような場所を利用すると効果的ですよ。
資格取得用のオンライン教材の場合
「資格取得」といえば、参考書を購入して勉強をするのがあたりまえでした。
現在はそれぞれの資格に特化したオンライン教材が増え、資格取得後の働き口の斡旋までしてくれるところもありますね。
あなたの教材ではどこまでサポートできるのかを明確にし、他の教材との差別化をすることが大事です。
受講者が安心して資格取得に専念できるよう、体制を整えましょう。
また、参考書だけの勉強ではできない体験も、オンライン教材では可能です。
教材に沿った授業を受けられたり、実技がある場合は注意点を解説した動画を見られるなど、テキストだけでは理解しづらい内容もわかりやすく伝えることができますよね。
プログラミング・デザイナー向けオンライン教材の場合
プログラミングやwebデザインを学ぶ教材に求められるものは、基本的な知識の習得だけでなく学んだことを応用した実践的な問題や反転学習です。
実技をこなすほど腕が磨かれ経験値があがりますし、間違いなく学べているかの確認にもなりますので、受講後は即戦力として働けるという自信にもつながります。
また、プログラミング教材に興味を持つ人は、転職に対しても興味を持っている人が多いでしょう。
ですので、希望者には受講後の転職案内や面接対策、ビジネスマナー講座などのサービスがあると、目標の達成がしやすい教材と思ってもらえます。
チャットや面談で質問、相談に答えるなどのコミュニケーションを図れば、受講生の満足度も高められます。
起業・開業・独立向けのオンライン教材の場合
起業や開業、独立に向けたオンライン教材は、内容に合わせたセミナーと開業後のコンサルティングで、しっかりとサポートしていくことが大事です。
起業するまでの大まかな流れ、必要なスキルや対応力、起業後の運営維持など学ぶべきことがたくさんあるのが、この教材の特徴です。
ですので、起業へのプロセスを段階ごとに丁寧に進め、廃業に追い込まれない土台作りができる教材を作りましょう。
また、この教材のゴールは「開業」ではありません。
店を開き、利益を出し、経営が軌道に乗って初めて教材としてのゴールを迎えられます。
開業してみないとわからないこともありますし、新たな悩みや問題点が出てくることもありますのでコンサルティングをおこない、よきパートナーとして歩んでいけるよう設計しましょう。
初心者も知っておきたいオンライン講座の作り方
オンライン教材はオンライン講座の場があることで、初めて生かすことができますよね。
しかし、オンライン講座を作るなんて、オンライン教材以上に難しいように感じてしまう方が多いのではないでしょうか。
初心者がオンライン講座を作るには、コツやポイントを知ることが必要です。
詳しい内容はこちらの記事でご紹介しているので、あわせてご覧ください。
まとめ
この記事では、オンライン教材の作り方を紹介しました。
最後にこの記事の要点をまとめます。
- オンライン教材には動画教材/音声教材/PDF教材/カウンセリングの4種類がある
- オンライン教材は受講者がわかりやすく、興味を失わない内容にすることが大切
- オンライン教材を作る際はリサーチと分析をおこう
- ターゲットや目標を決めるとオンライン教材の方向性が定まる
- 自分の得意分野を活かし、専門的な観点で教材を作る
- リスク回避をするために危機管理を徹底し、できる限りの自己防衛をする
- 口コミや評判を大事にし、受講者ファーストの教材を作る
スキルや情報の押し付けではなく、受講者が目標を達成するための道筋を作れるようなオンライン教材の作成を心がけましょう。
【アンケート調査の概要】
■調査概要
調査元:仕組み化学習サイト「シクミ」による独自調査
調査人数:100名(男性54名女性46名)
調査対象:全国の20代~60代の男女
調査期間:2023年2月27日(月)〜2023年3月3日(金)
調査方法:インターネットリサーチ