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森谷俊之

LibRu代表取締役

個人・小規模事業者向けのマーケティング・ブランディングのコンサルタント/セールスコピーライター

経営者の3つの課題「お金がない、時間がない、人材がない」は、シンプルな仕組みで解決できます。集客から販売までを自動化して、ビジネスを成長させていくための仕組み構築を支援します。

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マーケティング用語USPとは?使い方や見つけ方を解説

  • USPとは?
  • USPを見つける方法は?
  • USPを見つけるコツはある?

ビジネスの成功のためには、より多くの人に自社の商品やサービスの良さを周知させて、アピールする必要があります。

似たような商品・サービスを扱っている競合がいるなかから、お客さまに見つけてもらうのが難しいからです。

USPを活用することで自社の商品やサービスが選ばれる確率は上がりますよ。

ここでは、USPの詳しい意味や使い方が分からず悩む方に向けて、USPとは何か、見つけ方や考え方を紹介していきます。

競合との差別化が図れ、お客さまから選ばれるビジネスになるUSPの作り方も説明するので参考にしてください。

目次

USP(Unique Selling Proposition)とは?定義や使い方をわかりやすく解説

USPとは、自社の商品やサービスの持つ独自の売りや強みのことです。

顧客に対して提供できる価値であり、他にはない自社だけが提供できる価値を言います。

USPを明確にすることで、どこの商品を購入するか迷うお客さまにも「これを選んだ方が自分にとって利益がある」と感じてもらえ、購入してもらえる可能性が高くなりますよ。

ここではUSPの定義や使い方を詳しくみていきましょう。

USPの3つの定義

  • 広告で消費者に対して提案をする
  • 競合が提唱していない・提唱したくてもできない提案をする
  • 消費者の心を動かす力を持つ提案をする

USPを作る際には、この3つの定義を満たす必要があります。

USPは、アメリカのロッサー・リーブスが半世紀以上前に提唱したものです。

マーケティングに重要な考え方として今でも必要とされていますよ。

USPでは、広告は単に商品の宣伝手段とはせずに、お客さまに自社が提供できる価値を提案する場所と位置付けます

競合他社に真似されることのない、自社だけという独自性を訴えていくことも大事です。

お客様が強く心を動かされるような魅力的な提案は、お客さまの行動を促したり記憶に残してもらえます。

キャッチコピーやコンセプトとの違い

USPとキャッチコピーやコンセプトを同じように捉えている人もいますが、全く違います。

USPは、お客さまの目線に立って自社の商品やサービスの強みをアピールし、売上につなげることが目的です。

キャッチコピーは、お客さまの興味関心を惹くことが目的ですが、必ずしも独自の強みがアピールされている訳ではありません

会社の内容やメリットなどを入れずに、印象に残るフレーズだけを使っているキャッチコピーもあります。

コンセプトは、企業目線で自社の経営の軸となっている事業構想のことです。

USPはコンセプトのメリットをお客様目線で伝えるものなので、コンセプトを基に定義に沿って作っていきます。

ですが、キャッチコピーではインパクトや共感が得られるフレーズでお客さまを引き付けることが大事なので、USPのように決まった定義はなく自由につくれますよ。

キャッチコピーについてはこちらの記事で、書き方のコツなども紹介しています。

USPの使い方

USPは新規事業を始めるときや商品開発、自社の情報発信のためのオウンドメディアの設計、既存製品の見直しなどに活用されます。

USPを使うことで、自社や自社商品・サービスのブランディングや認知拡大につながるので、新しいことを始めるときに有効です。

商品開発についても競合他社との差別化が図れ、お客さまに選ばれる商品作りが期待できます。

さらにUSPの活用で商品やサービスの魅力を伝えられるので、過度な売り込みをしなくて済み、セールスリソースの削減にもつながりますよ。

このようにビジネスにさまざまな影響を与えるUSPの活用は重要です。

集客に必要なブランディングや認知度を上げる方法を、こちらにまとめているので参考にしてください。

【基本】USPの見つけ方4ステップ

  1. 自社の商品やサービスの特徴からウリを考える
  2. ターゲットを明確にしニーズを分析する
  3. 競合他社の商品やサービスの分析をする
  4. 見つかったUSPを言語化する

USPを見つける際は、はじめに自社の商品やサービスの特徴をすべて出し、共通するものや一番大切にするべきもののなかから自社のウリ・強みを考えます

次に対象とするターゲットを決めニーズの分析を行いましょう。

自社のウリとターゲットのニーズが合うことが前提です。

そして競合他社の商品やサービスの分析をして、自社がウリとすることがすでに提唱されていないかも確認しましょう。

最後にすべての結果から分かったUSPを言語化するのが、USPの見つけ方の4つのステップです。

USP作りで大切な考え方!魅力的なUSPを見つけるための3つのコツ

USP作りでは、お客さまにどれだけ魅力を感じてもらえるかが大切です。

一つにこだわらず、いくつかのウリを組み合わせると力強さが増します。複数のUSPを持つことによって魅力が伝えやすいときもありますよ。

また、「他にはない」といったオリジナリティーを伝えることも大事です。

ここからは、魅力的なUSPを見つけるための3つのコツを詳しく紹介します。

コツ①強みを掛け合わせる

USPを見つける作業は自社のウリを見つけるところから始めますが、必ずしもひとつの観点に絞る必要はありません。

たとえば、品質の良さ/コスパの良さなど、どちらかひとつをウリにしている企業はたくさんいるので、お客さまの関心を惹くのは難しいです。

ですが「品質の良さ」×「コストパフォーマンス」のように掛け合わせることで、訴求効果の高いUSPが作れます

たとえば、ニトリの「お、ねだん以上。」は価格がリーズナブルなことと、値段の割に品質が良いということを組み合わせています。

短いフレーズのなかでお得感が表現されていてお客さまの購買意欲もくすぐられますね。

「他社にも同じような強みがある」と悩んでいるなら、自社の強みやお客さまが評価しているウリを分析し、かけあわせてUSPを見つけましょう。

コツ②USPに一貫性を持たせる

USPはひとつだけに限られたものではなく、いくつかのUSPを持つ企業も存在します。

ですが、USPに一貫性がないとお客さまに何がウリなのか伝わらなくなりますよ。

今では世界のブランドとなっているユニクロを例に上げると、基本のUSPは「LlifeWear(あらゆる人の生活をより豊かにするための服)」です。

ユニクロは時代によってフリース/UT/ヒートテックと、USPが移っていきますが、どれもLlifeWearであることに変わりはありません

このようにUSPに一貫性を持たせることで、お客さまにブレない企業のウリを理解してもらえます

コツ③競合他社が真似できないものにする

魅力的なUSPを作るためには、他にはない自社だけのウリを打ち出すことが大切です。

どんなに良いUSPができたとしても、競合他社に簡単に真似されるようでは定義に反し、USPとは呼べません。

競合他社や自社をしっかり分析して、独自性のある強みを探すことが魅力を引き出すコツです。

商品の種類や情報量が多いほど、どれを買えばいいのか迷うお客さまにとっては、USPが商品選びの決め手になる可能性が高いですよ。

ですが自社を選んでもらいたいからといって、他社を批判するような言葉にならないように、自社のウリだけを強調することを心がけましょう。

USPを見つける際に役立つフレームワーク3つ

USPを見つけるための分析に使うときは上記の順番で進めるのがポイントですよ。

まずは、自社の視点から商品・サービスの強みを見つけられる4P分析から行いましょう。

次に顧客目線の3C分析でお客さまがどんなものに価値を感じるか、何をメリットと考えるのかを調べます。

そして、さまざまな分析結果をまとめて戦略を立てることにつなげるSWOT分析を行いましょう。

頭で考えるよりもフレームワークを使った分析をする方が、USPが明確になります。

【成功事例】USPを活かして顧客の心を掴んだ企業5選

USPを活かして知名度を上げたり、集客に成功した企業の事例を紹介します。

自社の商品やサービスの特徴や、価格や付加価値などをしっかり見ていくと、USPにできる要素がたくさん見つかりますよ。

お客様目線に立って考えるUSPとしては、顧客満足度につながる要素は特に浸透しやすいです。

ここからは、お客さまの心を掴むことに成功した有名企業の5つの事例を見ていきましょう。

成功事例①ドミノピザ

注文後30分以内にお届けできなければお代はいただきません!

ドミノピザの宣伝文句では、食べ物なのに味については触れられず、早さだけが強調されています。

デリバリーのピザは、早く届くほど熱々の美味しさがそのまま楽しめますよね。

「早さ」を打ち出すことで美味しさにつなげたUSPになっています。

成功事例②ダイソン

吸引力が変わらないただひとつの掃除機

ダイソンは「性能」や「デザイン」をUSPとして打ち出して独自の地位を確立しました。

この文章には、使い続けても吸引力が変わらないのは自社の掃除機だけ、という気持ちが込められています。

長く使っている掃除機の吸引力低下に不満を持つ人の心に刺さるフレーズですよね。

「ただひとつの」と言われると、性能の良さや特別感も感じます。

成功事例③M&M’S

お口でとろけて、手にとけない

M&M’Sのチョコレートは、口に入れたら溶けるけど手でつかんでも溶けたりしないことで、世界中で大ヒットしました。

今でもほかのメーカーのチョコなら、「溶けて手や服が汚れる」「夏は食べられない」と、食べるのをあきらめることもあります。

その当時の「チョコは溶けるもの」という概念を覆した他にはないUSPです。

成功事例④QBハウス

カット所要時間10分価格1,000円

QBハウスは「安さ」「速さ」に特化したヘアカットだけの専門店で、それがQBハウスのUSPでもあります。

本来のヘアサロンでは、カットするとシャンプーやブローなどもセットになっていて、費用も時間もかかりますよね。「カットだけでいいのに」という声も耳にします。

時間やお金をかけたくない・かけられないという人にとって、QBハウスの安さと速さはまさに理想通りです。

成功事例⑤Amazon

地球上で最大級の品ぞろえ

これはアマゾンのスローガンですが、「買えないものはあるの?」と思われるほど実際にアマゾンの品揃えは豊富です。

アマゾンでは「低価格」「品揃え」「迅速な配送サービス」などの提供で、お客さまの満足度を高めています。

お客さまのニーズに徹底して対応する企業の姿勢こそが、アマゾンのUSPです。

まとめ

この記事ではUSPとは何か、見つけ方や作るコツなどについて紹介しました。

最後に簡単にまとめます。

  • USPとは自社の商品・サービスのウリで他にはない価値のこと
  • USPの定義は、広告で消費者に提案する/自社独自のものを提案する/消費者の心を動かす提案をする
  • 新規事業や商品開発、オウンドメディアの設計、既存製品の見直しなどにUSPを使う
  • USPを使うと認知拡大や他社との差別化が図れる
  • USPは複数のウリをかけ合わせて作る
  • USPを見つけるにはフレームワークが役立つ

USPの活用でお客さまの心を掴んだ企業の成功事例も紹介しました。

自社の強みをしっかり把握してお客さまの心に響くUSPを作れば、ビジネスを成功へ導けるでしょう。

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