【実例】リラクゼーションサロンの開業(起業)で失敗する人の特徴と成功のコツ
- リラクゼーションサロンを開業するにはどんな準備が必要なの?
- 初期費用や運転資金はどれくらい準備したらいい?
- リラクゼーションサロンを長く続けられるコツが知りたい!
リラクゼーションサロンとは、体調不良や心の不安を抱えている方へ癒しを届けるサロンです。
この記事ではリラクゼーションサロンを開業しようと考えている方へ、失敗しない開業のコツを紹介します。
あなたのセラピストとしての技術を多くの人に知ってもらうためには、経営や宣伝などの知識を持つことが大切です。
知識として知っていれば乗り越えられるトラブルはたくさんあります。
開業前にしっかりと準備や対策をおこない、選ばれ続けるリラクゼーションサロンを作りましょう。
【ブログ体験談】リラクゼーションサロンの開業で失敗した実例を紹介
ここではリラクゼーションサロン開業の失敗談を紹介します。
準備不足や意欲低下などそれぞれに違う理由があり、そこから得られた教訓もさまざまです。
各サロンが失敗してしまった経緯や注意するべきポイントなど、サロンならではの失敗の事例をみていきましょう。
こちらの記事ではハンドマッサージ開業を成功させる秘訣について紹介しているので。あわせてお読みくださいね。
実例①事前準備が不十分でリラクゼーションサロン開業に失敗(男性・30代)
最初に紹介するのは、自分自身もマッサージを受けることが好きで腕にも自信があった30代男性です。
集客や経営についてほとんど知らないまま開業し、失敗してしまいました。
形や見た目を優先したり、仕事とプライベートの住み分けができなかったという失敗も重なり、経営を断念されたそうです。
彼に足りなかったものは何か、考えながら読んでみましょう。
30代男性がリラクゼーションサロンで開業で失敗した経緯
マッサージが好きで月の給料の1/3をマッサージに使っていたため、自分でもできるんではないかと思い開業しました。
開業当初は、マッサージの腕さえ良ければ口コミで評判が広がり、お客様が来店してくれて経営は安定するものだと思っていたのですが、ふたを開けてみるとそもそも人が入りません。
マッサージの腕には自信があったのですが、広告や客の呼び込みなど、展開する力がなかったのだと改めて知らされました。
加えて、自分のマイホームの一室をサロンとしていたことでプライベートと仕事をうまく切り替えられずクシャクシャになってしまったという経緯もあります。
こうした失敗点から、経営的に難しいと判断しサロン経営を断念しました。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
30代男性がリラクゼーションサロンで開業で失敗した理由
開業してしまえばなんとかなるだろうと思っていたので、事前準備のリサーチなどはおこないませんでした。
そのため情報が全くないままスタートしてしまったのが一番の原因だったと思います。
月々かかる固定費はマイホームでの開業だったため発生することはありませんでしたが、高級なベッドを購入したり環境を整えるためにリフォームをしたり、非常にお金がかかってしまいました。
インスタ映えだけを意識して不要な雑貨品なども購入しました。
失敗の大きな原因はサロン自体にお金をかけたものの、お客様を呼び込むための知識や情報がなかったので採算が取れなかったことだと思います。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
30代男性がリラクゼーションサロンをもう一度開業するとしたら活かしたい教訓
もう一度同じビジネスを始めることはありませんが、なんとかなるという中途半端な考えで始めるのは一番危険だと思います。
経営をしていくうえで固定費や管理費など、お店を維持するためのお金がどれほどかかるのかあらかじめ情報収集をしたり勉強したりして知っておくことが大事です。
これはリラクゼーションサロンに限ったことではなく、例えば腕の立つ料理人が働く美味しい飲食店でも同じで、口コミだけで評判が広がるレベルのお店にするには継続する力が必要だということです。
長く続けるためには不景気な時や儲からない時があっても困らない程度の資金力や、自分のマッサージを世間に広めるための、低コストで効率の良い集客方法を勉強しなければならないと思います。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
実例②事前調査不足でリフレクソロジーサロン開業に失敗(女性・50代)
続いては、借入した開業資金の返済がうまくいかず廃業となった50代女性の実例です。
他店で経験を積み、万全の状態での開業と思われましたが、資金や経費に関する見通しや人との信頼関係の構築が甘く、失敗してしまいました。
起業するということは、シビアでなければいけない面がたくさんあると気づかせてくれる、良い事例です。
50代女性がリフレクソロジーサロン開業で失敗した経緯
私はリフレクソロジーの学校へ通い、その後サロンで3年間働き、固定客もかなりつきました。
子供の頃からずっと自分で起業したいと思っており、これだけ固定客がついたし、経験も積んだのでそろそろ独立しても良いだろうと判断し開業準備をはじめました。
そんな矢先、昔からの知人が空きテナントを紹介してくれることになり、すんなりと開業が叶います。
ですが、いざ開業してみるとお客様が少なく、売上より支出の方が大きくなり借金も膨らんでしまったため、周囲からの勧めもあり廃業しました。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
50代女性がリフレクソロジーサロン開業で失敗した理由
事前の調査不足が一番大きかったです。
当然ですが、店を構えるのには家賃や電気代など固定費がかかります。
一人での経営だったので、自宅の一室を利用するなど、経費があまりかからない方法で開業すればよかったと思っています。
また、後に知ったのですが、テナントを紹介してくれた昔からの知人は、家賃や光熱費を相場よりかなり高い価格で私から徴収していたそうです。
付き合いの長い知人だからとすっかり信用し、良い話だと飛びついてしまいました。
人を見る目が無かったのも、失敗の大きな原因です。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
50代女性がリフレクソロジーサロンをもう一度開業するとしたら活かしたい教訓
今、リフレクソロジーサロンを経営するのであれば、経費がなるべくかからないようにします。
具体的には自宅の一室をサロンにするのが一番かなと思います。
また、長く続くコロナ禍で、直接身体に触れる商売はかなり厳しいと思うので、今やるとしたら施術ではなく、自分でできる簡単なリフレクソロジー方法などの講座を開くかもしれません。
講座ですと、対面でなくてもオンラインでできます。
オンラインだとストアカなど、集客しやすいサイトがいくつもあるうえに全国各地から受講生を集められるので、実際の施術と並行しつつ、そういった仕組みを利用すると思います。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
実例③ロミロミサロン経営の意欲が乏しく開業失敗(女性・50代)
こちらの50代女性は、独自性がありターゲットもはっきりしたサロンを開業したにもかかわらず、経営意欲が失われてしまい廃業しました。
コロナ禍での対応が遅れたことが原因ですが、再開した場合の改善点を具体的に考えていらっしゃいます。
不測の事態で撤退を余儀なくされても、しっかりとした準備がされているサロンならばまた再開できる希望が持てる事例です。
50代女性がロミロミサロンを開業で失敗した経緯
ロミロミというハワイのマッサージで体も心も癒された経験から、自宅を利用してリラクゼーションサロンを始めたいと思い開業しました。
ハワイ島でロミロミの大師匠にマッサージを習ってきたので、その事をウリに宣伝をおこないました。
そうすれば口コミでお客様が来てくれると思ったからです。
サロンの近くに大きな病院もあり、私自身が看護師の資格と経験もあるので先ほどのウリとあわせてそういう経歴をうたえば、同じ看護師のお客様が来てくれる事を期待していました。
サロンにお金をかける事ができなかったのですが、古民家風の隠れ家サロンで1日に2組限定と希少価値も演出できていたと思います。
しかし、サロンを始めて顧客が1人、友人が何人か来てくれたころからコロナが流行り始め、収束の様子もないので廃業しました。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
50代女性がロミロミサロン開業で失敗した理由
大きな原因はコロナに対しての対策をすぐに取らなかったことです。
すぐに落ち着くものだと思い、室内の気温を保ったまま換気する設備や、消毒や検温の設備などの導入はしませんでした。
コロナの治療薬もまだ開発されていない頃だったため、施術者の安全も確保しなくてはならず、宣伝活動も消極的だったと思います。
他のサロンがどういった対策をとっているのか、情報収集も積極的ではなかったです。
1番の原因は結局のところ、経営を続けていくという意欲が足りなかった事だったと思います。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
50代女性がロミロミサロンをもう一度開業するとしたら活かしたい教訓
予約から支払いまでできるアプリかホームページは必須です。
そのほか、ホットペッパービューティーは利用した方がいいと思います。
施術面ではセルフでできるエステ機器を導入し対面する時間を短くしたり、お客様に対応できるスペースを広めに設けると良いと思います。
室内の空気を暖かいまま綺麗にしてくれる空気清浄機を設置し、感染リスクの少ない快適な環境を整えるのも大事です。
病院から勤務帰りの看護師さんには、シャワールームかお風呂を利用してもらえるように配慮すると定期的に利用していただけるサロンになるのではないかと思います。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
実例④アロマサロンの共同経営で失敗(女性・50代)
共同経営で失敗し、相手とわだかまりも残ってしまったという50代女性の体験談です。
開業前の準備がその後の経営に大きな影響を及ぼすことに気づかず、勢いだけで開業し、失敗してしまいました。
共同経営を視野に入れている人は、お互いの意見が分かれたときにどうやって決めるかを話し合っておくと良いですね。
また共同経営に限らず、事業計画を立てしっかり準備をすることが大事です。
50代女性がアロマサロン開業で失敗した経緯
アロマスクールに通い、その後自宅サロンという形で細々とやっていたが、同じスクールで知り合った友人に誘われてマンションの一室を借り、アロマサロンとアロマスクールを開業する。
実際に開業してみると、方向性の違いや勤務時間、経費の分け方などが露見した。
話し合いの結果、別々に開業する方が良いのではないかという結論に至り、借りていたマンションの賃貸契約を解約し、現在はアロマスクールはおこなわず依頼があった方への施術のみ行うことにしている。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
50代女性がアロマサロン開業で失敗した理由
開業前から開業までの時間が短すぎて、友人との打ち合わせ等での話し合いができておらず、勢いで開業してしまった。
それぞれ計画を立てて、それを実行していく努力と覚悟が必要であると思う。
経費の負担の仕方、サロンのコンセプト、場所など細かいことが大雑把になってしまい、実際かかった経費を請求しづらくなったり、あいまいに終わらせてしまってお互いの心にわだかまりが出来てしまった。
自分自身の開業・起業への考えが甘かったのが一番の原因だと考える。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
50代女性がアロマサロンをもう一度開業するとしたら活かしたい教訓
大前提に、技術力を上げて安心して任せてもらえるよう、自分自身の価値を高めることが必要。
勢いも多少は必要ではあるが、美容系に力を入れるのか、健康重視なのか、ターゲットは若い女性なのかなど、どのようなサロンにするのかコンセプトをはっきりと定める。
特に、誰かと共同で開業する場合、このコンセプトのすり合わせが一番大事。
その上でLINE、インスタグラム、Facebookなどターゲットに合わせたSNSの活用は必要だと感じる。
その他、口コミによる集客にも力を入れたい。
例えば、開業する地域の同業他社のリサーチを積極的に行い、友人、知人に開業したことを伝えてモニターとして体験してもらい、口コミを書いてもらえれば集客の強い味方になると思う。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
実例⑤自分の強みを打ち出せずマッサージサロンの開業に失敗(女性・40代)
次は、自分の強みを見付けられず廃業した40代女性の実例です。
リラクゼーションサロンを開業するにあたり、セミナーやスクールへ通って準備している方もいますよね。
しかし技術的なことを学ぶスクールに通っている場合、教えてもらえるのは開業のノウハウではありません。
「技術が高まったから開業してみよう!」と考えると、マーケティングやマネジメントなどの知識で開業失敗となるリスクが高まるので注意しましょう。
詳しく失敗例を紹介していきますね。
40代女性が個人マッサージサロン開業で失敗した経緯
通っていたマッサージサロンのオーナーがスクールを開くことになり声をかけていただきました。
丁度、仕事を辞めたばかりだったので深く考えることなくスクールに通いました。
スクール自体はとても勉強になったので無駄だとは思っていません。
しかし、技術のみで食べていけるほど甘くなかったです。
たくさんのお店の中で埋もれてしまわないよう、いかに自分の色をお客様に打ち出すかが大切ですが、あくまでマッサージを教えてくれるスクールであって、ビジネススクールではありません。
なので技術の習得こそしましたが、経営や集客に関する知識がなかったので、サロン経営を軌道に乗せることができずお店を畳みました。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
40代女性が個人マッサージサロン開業で失敗した理由
マッサージの技術は、スクールに通っていたので向上したのですが、経営やSNSでの広告のやり方などは全く学ぶ機会がありませんでした。
それにもかかわらず、すべて素人の考えで開業しようとしたことが失敗の原因の一つだと思います。
同業他社の研究をして、いいところを取り入れ、それから自分の色を見つけていくべきだと思いました。
結局のところ、自分がどんな店にしたいのか明確なビジョンを頭に描いていなかったので、他の店と同じになってしまい埋もれてしまったのだと思います。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
40代女性が個人マッサージサロンをもう一度開業するとしたら活かしたい教訓
まず自分が苦手な分野は、得意な方に任せます。
もちろん自分でも経営をきちんと学んでから開業しますが、コンサルタントに依頼するという手段も選択肢として考えていた方がいいかもしれません。
また、ほかのお店との違いをアピールすることや唯一無二のセラピストとしてファンを増やすのも大事です。
たくさんあるお店に行って施術を受けてみると、自分の強みや色を見つけられることもあると思うので、そこから深く掘り下げていくことができるのではないかと思います。
例えば、同性だと厳しい意見が多いので、できるならば男女兼用サロンにするなどです。
集客面でいうと、予約フォームは24時間受付が可能なものをつくったり、SNSやホームページで毎日同じ時間に発信して、お店が稼働していることをみせたりするのも効果的だと思います。
またアナログな方法ですが、サロンがある地域でチラシを配ったり、ポスティングしたりもしたいです。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
リラクゼーションサロン開業で失敗する人の5つの特徴
実例からもわかるように、開業失敗する原因はひとつではありません。
ここでは、リラクゼーションサロンの開業に失敗する特徴を5つ紹介します。
開業前に確認、準備しておきたいポイントでもあるので、しっかりとチェックしておきましょう。
特徴①開業資金が少ない
開業資金が少ないと、必要な準備をしっかりとおこなうことができません。
なぜなら、購入の段階で値上げされていたり、あとから必要になる設備もあるからです。
例えば近年では空調設備の強化や換気機能、ベッド台数の変更などが考えられますね。
「開業しよう」と考えていたときには不要なものでも、時代の変化や流行によって必要になるケースは多いのです。
特にリラクゼーションサロンの場合は設備がないと開業できないので、経費を削減するとなると宣伝広告費や改装費、人件費となってしまいます。
必要がないものは削るべきですが、宣伝広告費を削って集客ができなかったり、改装費を削って設備の使い勝手が悪かったり、人件費を削ってお店がまわらず営業ができなかったりというリスクも考えられます。
ですから予算を計算する際はリスクや社会の変化に備えた、余裕のある予算額を考えましょう。
また、開業資金のほかに当面の運転資金の準備もしておくと安心ですよ。
前もって宣伝していても、開店してしばらくはなかなか集客が安定しないものです。
賃貸料や光熱費、人件費、広告費などの毎月必要な固定費を算出し、最低でも6ヶ月分は用意しておきましょう。
初期費用に関してはこのあとのFAQで詳しく解説していますので、そちらもぜひご覧くださいね。
特徴②コンセプトやターゲットが決まっていない
「あれもこれもできるから、いろんな人に来てほしい」「お客様をえり好みしているようでターゲットはしぼれない」とターゲットやコンセプトがあいまいなまま、開業してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、それではあなたのリラクゼーションサロンの良さが誰にも伝わりません。
例えば「疲れが取れるフェイシャルケア」と言われるより「血行を良くし、マイナス5歳の印象をあたえるフェイシャルエステ」と言われた方が伝わりやすいですよね。
ぼんやりとしたコンセプトより、はっきりとした強みを掲げることで、選ばれるリラクゼーションサロンになりますよ。
特徴③集客の仕組みができていない
「開業したらチラシ配りすれば人は来るだろう」「友だちに声をかけておいたし当面の間は予約が入るはず」など、集客について対策をせずに開業するのはやめましょう。
集客の仕組みを作ることは、開業準備の最初にするべきです。
開業してしまうと毎日の施術や顧客とのやりとりに追われて、集客に時間を割くことができない可能性があるからです。
ターゲットの年齢層や拡散力を考慮し、SNSやチラシ、口コミなど複数の方法を選ぶとよいでしょう。
事例の男性のように、ひとつの集客に頼りすぎると、うまくいかなかったときのカバーができませんし、サロンの存在を知ってもどんなところかわからないと、なかなか飛び込めないものです。
開業後はSNSやホームページの更新が簡単にできるように整えておくことも大事ですね。
特徴④売上目標や来客数が決まっていない
売上目標や来客数が決まっていないと「まぁこんなものか」「来週は予約が入るかも」など、危機感が持てず対策が後手に回ってしまいます。
そのうち来客がないのが当たり前となってしまい、できるはずの対策をなにもしないまま廃業となってしまうでしょう。
目標が決まっていれば、達成できていないと不安になりますし、「なんとかしなくては」という意識も芽生えます。
ですので、固定費を支払うにはどれだけの売上が必要か、1ヵ月に何人来店してくれるとよいのかを考え、目標としましょう。
例えば一週間に10人の来客を見込んでいたのに7人の来客しかなかった場合でも、対策をすることで次の週には目標を上回る来店があり、先週の足りなかった売り上げをカバーできる可能性があります。
このように、目標に向けての対策や努力したことを記録し、どれだけの効果があったかを把握することで、今後の集客の方法もはっきりとしてきますよ。
特徴⑤お客さんのニーズを満たしてない
独りよがりなサービスは、顧客の足を遠のかせる原因となります。
例えばダイエット目的でサロンに通っているのにお茶菓子を勧められ、手をつけなかったにもかかわらず「お土産にどうぞ」と渡されると、ありがたいような迷惑なような複雑な気持ちになりませんか。
それよりも、代謝をあげる効果のあるお茶やカロリーが少ないお菓子を「試食してみてね」と出される方が喜ばれそうですよね。
あなたのサロンのコンセプトと、どのような人がどのような目的で来るのかを考えれば、顧客が満足するサービスを提供できるでしょう。
常に顧客からの目線でニーズを敏感に察知し、メニューやサービスを見直し改良していくと、より魅力的なサロンになりますよ。
リラクゼーションサロン開業で成功する6つのコツ
ここではリラクゼーションサロン開業を成功させるためのコツを6つ紹介します。
失敗しないよう気をつけることと、成功するために行動することは、似ているようで違います。
コツを押さえた準備をすれば、開業の成功をいち早く実現できますよ。
コツ①開業資金に合わせた店作りをする
開業のための設備は、必要最低限のもので始めましょう。
ベッドやオイル、タオルなど、営業に不可欠なもの、店舗の確保、水道や電気がなければ引き込み工事をしなければなりません。
室内の改装費もかかります。
自分の夢が叶うと思うと、ついつい理想どおりのサロンに近づけたくなりますが、冷静さを失わず「本当に投資する価値があるものか」と問いかけながら判断してみましょう。
設備投資額を抑えることで、その分を広告宣伝費にお金をかけたり、当面の運転資金に充てたりもできます。
安定した売上が得られるようになってからでも間に合う設備は後回しにしたり、店舗は賃貸ではなく自宅を改装して初期費用を抑えたりといった工夫も大切です。
いくら設備が豪華でも、サロンを認知してもらわなければ人は集まりません。
それよりも、清潔感や居心地の良さを重視し、運転資金を多く確保して集客の効果が出始めるまで続けることが成功するコツのひとつですよ。
コツ②コンセプトやターゲットを決める
自分の強みやサービスをどのような人に届けたいかを考え、ターゲットを決めましょう。
年齢、性別、家族構成、悩みなどを細かく設定することで、サロンのコンセプトもはっきりと見えてきますよ。
例えばあなたのサービスが「骨盤矯正」で、届けたい相手が「産後の体の疲れやゆがみを治したい女性」であれば、ターゲットは20代以上の女性、夫と子どもの3人家族、育児のワンオペレーションで疲れているという人が設定できます。
そこから「子どもの心配をせず、安心してリラックスできる」というコンセプトを導きだし、それを軸に、子連れOK、託児もできる、短時間で低料金、当日予約やキャンセルOKなど、ターゲット目線のサービスを取り入れた方針を決められます。
開業前にコンセプトやターゲットを決めておくことで、店舗の規模を想定しやすくなり雇用などの準備もしっかりできますね。
受けられるサービスもターゲット目線でわかりやすく伝えられるので、集客もしやすく顧客の信頼を得ることができますよ。
ただ、できることとできないことの線引きははっきりしておきましょう。
ターゲットが喜びそうなサービスをすべて取り入れてしまうと、収拾がつかなくなったりターゲットの客層が変わってしまったりするので、あなたの理想や経営理念を失うことのないように運営してくださいね。
コツ③サロンを経営していく上での数字をしっかり管理する
経営していく上での数字の管理とは、毎月かかる家賃や光熱費、通信費などの固定費と消耗品代といった支出、それから利用客の数や売上による収入を把握することです。
数字としてみることで、経営が良いほうへ向かっているかそうでないかが一目瞭然ですよね。
自分だけの個人事業だからと気を抜かず、売上や集客の目標を掲げれば、仕事への取り組み方も変わってきますよ。
毎月の支出を補うためにはどれだけ収入が必要か、そのためには何人の利用者を呼び込めばよいのかなど、何をしなければいけないかがはっきりとわかります。
そしてそのためにおこなった営業活動や努力によって、どのくらいの効果があったかなども経営上の数字として記録していきましょう。
この数字の管理によって収支バランスをとり、売上だけでなく利益も拡大していくのが経営の基本です。
数字を把握し管理することで、今後の方針も決めやすくなり経営を成功させられるでしょう。
コツ④料金設定を安くしすぎない
料金はあなたのサービスの対価です。
価格が低いと大勢の人がきてくれるかもしれませんが、本当に必要としている人には届かない可能性があります。
そのうち他にもっと安いサロンができたら、全員がそちらのお店に行ってしまうでしょう。
あなたのサービスではなく、価格に魅力を感じさせてはいけません。
施術するときにかかる費用を算出し、さらにあなたの労働や技術に対する金額もしっかり設定しましょう。
適正な価格と思えないと「なにか相当なデメリットがあるのではないか」という疑いを持たれる可能性もあります。
「自宅ケア用品を勧められる」「会員登録しないと安くならない」「予約時間の半分はカウンセリングという名目のおしゃべりで潰される」など、疑いを持ってしまうと怖くて予約できないですよね。
また大手とは違い個人店の場合、一日に施術できる人数は限られます。
たくさんの人数を施術し売上が伸びても利益がでないのでは、働く意味がありませんよね。
必要以上に高額にするのはいけませんが、かかる費用や人件費を考慮し、適正な金額設定をしましょう。
コツ⑤集客の導線になる宣伝を工夫する
集客のコツはSNSでの拡散と、ホームページへの誘導です。
SNSは基本無料で利用できますが、有料で広告出稿することも可能です。
低価格から出稿できますし、拡散性が上がりますよ。
SNSやチラシで興味を持ってくれた見込み客がホームページから予約や問い合わせをしてくれるよう、導線をしっかりと作っておきましょう。
たとえ口コミでの拡散だとしても、スマートフォンですぐに検索できる時代です。
どんなことでも簡単に調べることができるため、信頼してもらえるホームページの存在は欠かせません。
どの宣伝広告にもホームページのリンクを貼ったりアドレスを記入するなど、問い合わせ先を明記することも工夫のひとつです。
電話やメールでお問い合わせいただくよりも、SNSやホームページで写真や動画を見てもらったほうが簡単に伝わることも多いですよね。
ですからこの導線がはっきりしていないと、せっかく興味を持ってくれた人がいても予約方法や空き状況、どのような施術なのかといった知りたい情報が得られず不安を感じてしまい、あなたのサロンが選ばれないおそれがあります。
また、パソコンが苦手な見込み客もいるので、電話番号も忘れずにそえましょう。
語呂の良い番号なら覚えてもらいやすそうですね。
コツ⑥開業前にしっかり事前準備をする
開業前の準備が整っていれば、成功するイメージや道筋がつかみやすく、失敗を予測し回避することもできます。
情報を集め、集客の方法を考え、経験や知識のない部分は勉強して身につけましょう。
資金はどれくらい準備できるか、初期投資したあとどれだけの運転資金を確保できるかが大事ですので、インスタ映えを意識した家具やこだわりの内装などの不必要な出費は控えた方が無難です。
そして最悪の場合に備えて引き際の指標を決めておくことも、計画のひとつとして考えておきましょう。
実例で紹介した方も「経験も知識もないまま事業を立ち上げてうまくいくわけがない」と振り返っていましたね。
事業計画を細かく練り、しっかりと事前準備をすれば、より成功へと近づけますよ。
リラクゼーションサロン開業に関するFAQ7選
ここではリラクゼーションサロンの開業でよくある質問をまとめました。
開業するために必要な資格や資金の目安、年収の相場など、リラクゼーションサロンの開業を考えているなら知っておきたいことばかりです。
7つの質問を詳しくみていきましょう。
①未経験でもリラクゼーションサロンを開業できる?
リラクゼーションサロンは実務経験は必要なく、届出さえすれば誰でも開業できます。
資格を取ったらすぐに開業、という方もいらっしゃいますよ。
しかし、未経験ということは接客や経営のノウハウもない、つまり事前準備が何もできていない状態です。
未経験で開業を目指すなら成功する6つのコツを使って、開業前の準備を念入りにおこないましょう。
②リラクゼーションサロンを開業するのに資格は必要?
リラクゼーションサロンは治療などの医療行為ではないので、自己流のマッサージでも開業できます。
ただし、治療を目的としたマッサージ、はり・きゅうを使う、眉毛をカットする、まつげにパーマをかけたりエクステンションをつける、顔の毛を剃るといった行為は国家資格を持つ人でなければおこなうことはできませんし、保健所への届出が必要なものもありますので、注意が必要です。
また、無資格の人がおこなうマッサージを信頼してくれるのは、家族や知り合いなどの身内に限られるでしょう。
職業として携わるのであれば、自分の実績や権威性の証明になる資格を取得しておくとよいですね。
例えば以下のようなリラクゼーションサロンでよくあるメニューに関しては、民間の資格や講座がたくさんあるので、自分の求めるスキルに合った講座を選ぶとよいでしょう。
- リンパマッサージ
- ヘッドマッサージ
- リフレクソロジー
- ロミロミ
- アロマテラピー
- フェイシャルトリートメント
このほかに国家資格である、「あん摩マッサージ指圧師」というものがありますが、国が定める養成施設で3年以上学び、国家試験に合格しなければなりません。
③リラクゼーションサロン開業に必要な初期費用はどれくらい?
どのような場所でどれくらいの規模のサロンを開くかにより、初期費用は変わります。
什器・備品代、広告宣伝費に加え、賃貸物件での開業となれば物件の取得にかかる費用も追加されます。
自宅でおこなうなら物件費は0円ですが、借りる場合は敷金・礼金なども必要です。
また、どちらの場合もサロンにあった最低限の内装や改築が必要ですので、その費用もかかりますね。
立地条件や店舗の規模によっても左右されますが、100万円〜300万円くらいを想定するとよいでしょう。
④開業に必要な資金の調達方法は?
まずは自己資金をしっかりと貯めておきましょう。
どうしても足りない分は銀行や日本政策金融公庫から借入することができます。
個人で開業する場合、銀行の審査は厳しくなりますので、借入のハードルは高くなります。
開業資金の30%ほどは自己資金として用意しましょう。
自己資金0円での開業はリスクが大きすぎるため、おすすめできません。
⑤開業するときの届出の出し方は?
開業したら税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書」と「青色申告承認申請書」を提出しましょう。
開業届は開業から1ヶ月以内、青色申告は2ヶ月以内が締め切りですので、期限を守って提出してください。
どちらも所轄の税務署への提出ですので、開業届の締め切りに合わせて青色申告も出しておきましょう。
手数料はかからず、税務署へ持参してもいいですし、郵送でも受け付けてもらえます。
書類にマイナンバーを記載した場合、申請者の本人確認書類の提示、または写しの添付が必要です。
詳しくは国税庁のホームページでみることができるので、詳しく知りたい方は国税庁の「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」をご覧ください。
ホームページから書類のダウンロードもできますよ。
⑥リラクゼーションサロンを経営すると収入、年収はどれくらい?
価格設定にもよりますが、売上の15%〜20%が収入の目安です。
ですので、1時間の施術代が6,000円だとしたら、時給換算で900円〜1,200円ほどになりますね。
月160時間働けば、14万円〜19万円が月収、170万〜200万が年収ということです。
固定費を削減したり、価格設定を高額にすれば収入は変わりますので、ご自分に合った価格設定をなさってくださいね。
また、物販も大きな収入源です。
回数券を発行したり、サロンで使うオイルやアロマの販売で得られた売上も、経費を除いた利益が収入となります。
⑦リラクゼーションサロンの廃業率ってどれくらい?
リラクゼーション業界は開業1年で約50%が廃業し、3年で90%が廃業するといわれている厳しい世界です。
開業1年以内に廃業してしまった人は、やはり事前準備ができていない人がほとんどでしょう。
さらに今は新型コロナの影響もあり、感染予防の観点から馴染みのない店舗に客足が伸びないのも原因のひとつといえます。
しかし他の資格を取得し業務形態がかわったため廃業したといった場合やスタッフが増えたので会社を設立し、個人事業は廃業したという場合もありますので、廃業率が失敗率というわけではないことを知っておいてくださいね。
まとめ
リラクゼーションサロンの開業で失敗する人の特徴と成功のコツをお伝えしました。
最後にこの記事の要点をまとめます。
- リラクゼーションサロン開業失敗の特徴はお金周りや集客に対する計画の詰めが甘いこと
- 方向性が決まっておらず、ウリ(強み)のないリラクゼーションサロンは失敗しやすい
- 開業後は経営に関わる数字を把握し、収支のバランスをとるのがコツ
- 顧客の利益を第一とし、ニーズを満たすサービスを提供することが大切
リラクゼーション業界は競争も激しく、何も対策をうたなければ大手フランチャイズの低価格料金に負けてしまいます。
開業準備をしっかりとして、10年後も継続しているサロンを作ってくださいね。