【失敗談】ピアノ教室の開業(起業)で失敗する理由と成功の鍵
- ピアノ教室を開業したいけど、何から始めればいいの?
- ピアノ教室開業に必要な資格ってなに?
- ピアノ教室を開業するのにかかるお金はどのくらい?
ピアノの先生になるのに特別必要な資格はなく、ピアノを弾くことができて教えることができれば誰でもピアノの先生になることができます。
しかし、ピアノ教室の開業で失敗してしまう人も多くいることが現実です。
こちらの記事では、ピアノ教室の開業を失敗してしまった人の失敗談や成功の鍵について紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
せっかく開業したのに失敗することのないように、失敗する理由や成功の鍵についてしっかり理解していきましょう。
【実例】ピアノ教室の開業(起業)に失敗した人の経験談
ここからは、ピアノ教室の開業に失敗した人の経験談について紹介していきます。
ピアノの先生になりたいと思っていざ開業しても、うまくいかずに失敗してしまう人も多くいますよ。
「なぜ失敗してしまったのか」を実体験を元に紹介していますので、失敗してしまった原因についてみていきましょう。
失敗した原因を知ることで、今後の開業に役立てることができるはずですよ。
失敗談①需要を見極められずピアノ教室の開業に失敗した40代女性
こちらで紹介するのは、ピアノ教室を開業した40代女性の失敗談です。
失敗した経緯や理由についてまとめています。
参考にしてみてくださいね。
ピアノ教室を開業した40代女性の話:開業・起業に失敗した経緯
子どものころからピアノ教室へ通っており、いつしかピアノの先生になることを目標にしていました。
音楽大学へも通い卒業後にピアノ教室を始めようといろいろ調べたところ、当時(15年前)では珍しいピアノの先生と習いたい生徒のマッチングサイトがあり登録しました。
すぐに生徒さんが見つかったので喜んでいたのですが、普通の音楽学校を卒業したというだけの私は、コンクールへの参加や受賞歴があるわけでも有名な先生に師事したわけでもなかったので、レッスン代を安く設定してしまったのです。
結局3年ほど続けましたがアルバイト代程度の収入程度にしかなりませんでした。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
ピアノ教室を開業した40代女性の話:開業・起業に失敗した理由は?
一番大きかったのはリサーチ不足だと思っています。ピアノ教室といえば、近所の子供たちが通ってくるイメージでしたが、実際は出張レッスンを希望される方が多かったです。
ただでさえレッスン代を安く設定してしまっている上に、移動時間のロスが多かったのは想定外でした。
そして生徒さんは幼稚園~小学生がメインでしたので、レッスン希望曜日、時間が平日の夕方に集中します。
生徒さん同士のお宅が近い場合はまとめてスケジュールできますが、それでも夕方なので1日2人が限界です。
同じ地域に連日出向くこともあり効率的なスケジューリングができませんでした。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
ピアノ教室を開業した40代女性の話:次の開業・起業で活かせるポイントは?
根本的に需要があるのかどうかということからになるかもしれません。
今は騒音問題もあってアコースティックピアノをお持ちのご家庭も少ないですし、趣味で習う程度のお子さんに向けてどの程度レベルアップさせるかなどの基準が非常に難しいと思いました。
電子ピアノとアコースティックピアノでは弾き方も音の鳴り方もまるで違います。
せっかく「ピアノを弾きたい!」と思う方がいるなら少しでも本格的な演奏に近づくようにと思ってしまうこちらのお節介も不要なのかもしれません。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
失敗談②開業前の分析が甘くピアノ教室開業が失敗した40代女性
次はターゲットや市場、地域の分析が不十分だったため、ピアノ教室の開業に失敗してしまった女性の例をみていきましょう。
自分が育った地域で開業をする場合、「暮らしていて何となく人や地域のことがわかるから」と開業前のリサーチを抜きがちです。
「よく知った地元でピアノ教室を始めたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ピアノ教室を開業した40代女性の話:開業・起業に失敗した経緯
幼いころからピアノを習っており、音楽大学も卒業していたので、家でピアノ教室を開こうと思い立ちました。
その当時はSNSなども一般的ではなく、宣伝するために看板を製作し、チラシを自分で近所の団地を中心に配り歩きました。
ですが、労力と時間がかかる割には生徒がなかなか集まりませんでした。
既存の生徒や周りの知人に紹介してもらい細々と教えていましたが、収入としてはすずめの涙で、これでは生活ができないと考え別の職に就きました。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
ピアノ教室を開業した40代女性の話:開業・起業に失敗した理由は?
開業した地域にターゲットとなる子ども(幼稚園生〜小中学生)が少なかったことが、失敗の原因だと思います。
通ってくれたとしても、小学校の高学年となると塾に行く子が増えてピアノ教室をやめてしまうことが続きました。
新しい生徒を募集してもターゲットの母数が少ないので、なかなか集まらず、生徒は減る一方といった負のスパイラルに陥りました。
近所の子供の数まで読み切れなかったことが原因で失敗したと感じています。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
ピアノ教室を開業した40代女性の話:次の開業・起業で活かせるポイントは?
教室の近所にターゲットとなる子どもがいるかどうかの把握は必要だと感じています。
チラシ配布のほかに今はSNSが普及しているので、ピアノ教室の宣伝に上手く利用することが大切だと思います。
子育てが終わり自分の時間が持てるようになった大人のためのピアノ教室を開くのも一つの手だと思うので、子どもにとらわれず全世代に目を向けていくと良いかもしれません。
生徒さんの増減は激しいので先の予定まで立てていくことも大切です。
生徒さんの獲得が肝だと思うのでいろんな可能性を試すことが大事だと考えます。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
失敗談③ピアノ教室の開業延期が決断できず失敗した30代女性
開業前にはさまざまな準備をしており、開業延期を決めるには勇気がいりますよね。
仮に多少のリスクが考えられても、準備にかかった手間や労力を考えると、開業することを優先する方もいるでしょう。
ですが、開業延期を決断できなかったことで失敗してしまうケースがあります。
「正しい判断ができていなかった」と後悔している、30代女性(ピアノ教室)の体験談をみていきましょう。
ピアノ教室を開業した30代女性の話:開業・起業に失敗した経緯
ピアノ教室を開業するために、開業日を決め、数年前から準備していました。
開業日は感染症が流行る前に決めていました。
開業日に合わせて、いろんな方と打ち合わせや金銭面的に動いていましたが、決めていた開業日はコロナ禍の真っ只中。
それでも決めていた日に開業することを優先し、結果、やはりコロナの流行で上手く生徒を集めることができずに教室を閉めました。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
ピアノ教室を開業した30代女性の話:開業・起業に失敗した理由は?
「開業を見送る」という判断ができなかったことだと思います。
感染症の流行でどうなっていくのか分からないなか、「すでに打ち合わせ済みだから」「お金をかけてしまったから」と開業日を優先すべきではなかったと後悔しています。
数年前から準備していて、時間もお金もかけていたとしても、開業後のリスクを考えて決断すべきだったと思います。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
ピアノ教室を開業した30代女性の話:次の開業・起業で活かせるポイントは?
今回のピアノ教室開業は失敗してしまいましたが、集客は0ではありませんでした。
そんなに多くはありませんが、繋がった生徒さんもいるので、縁を大切に広げていければと思います。
次に開業するときは、周りの環境や状況をリサーチして「今、開業すべきなのか」を見極めたいです。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
【廃業の理由】ピアノ教室の開業で失敗する4つの原因
「私は有名な音大出身でないから生徒が集まらない」「コンクールの実績がないから差別化できない」など、ピアノ教室の開業が失敗する原因を勘違いしていませんか。
ここでは、ピアノ教室の開業で失敗する4つの原因について解説しています。
それでは、ひとつずつみていきましょう。
原因①地域のニーズとのミスマッチ
一つ目の原因は、地域のニーズとのミスマッチです。
例えば、高齢者が多い町で子供向けの教室を開いても生徒は集まりませんよね。
高齢者が多い地域ではボケ防止のために脳トレを交えたレッスンにしてみたり、子供が多い地域では発表会やイベントごとを多くしてみたりといった工夫が必要です。
その地域に合わせたピアノ教室を開業しなければ、人は集まってきません。
そのため、まずはピアノ教室を開業する地域のことをよく知ることが大切です。
その地域のことを知ったうえで、地域のニーズに合ったレッスン内容を行う必要がありますよ。
原因②教室のコンセプトとターゲットが不明確
どこのピアノ教室に通おうかなと迷っている人がいたとしても、ピアノ教室のコンセプトやターゲットが不明確だと、「ここのピアノ教室に通いたい!」と思ってもらうことが難しくなります。
- 趣味として習いたい
- 音大受験を目指すために通いたい
- コンクールに入賞したい
- 小さい頃からピアノを習わせたい
- 可愛い衣装を着て発表会に出てみたい
上記のように、ピアノ教室に通う理由は人それぞれ違いますよね。
そのため、教室のコンセプトを明確にしてターゲットを絞ることで、「有名な音大を卒業している先生から学びたい」「小さくても基礎からじっくり教えてくれる」など生徒側も選択しやすくなります。
ピアノ教室を開業するには、教室のコンセプトとターゲットを明確にして、双方のニーズをすり合わせることが大切です。
原因③相場より安いレッスン料
相場より安いレッスン料に設定してしまうと、利益がでないだけではなく生徒の質も落ちてしまいます。
個人でやっているピアノ教室では、生徒のレベルや年齢によって多少料金は変わりますが、月謝の相場はだいたい5,000〜7,000円となっています。
それよりも大幅に安いレッスン料を設定した場合、月謝が安いと口コミで広まりやすいので、地域で人気が出やすい傾向にあるでしょう。
そのため、新規生徒を集めやすく、発表会を開催しやすいといったメリットがあります。
しかし、「レッスン料が安いから」という理由でピアノ教室を選んでいる人は、ピアノの優先順位が低い人が多いです。
無断欠勤をしたり連絡もなく遅刻したりと、生徒とのトラブルやクレームが起きやすいといったデメリットも考えられます。
レッスンに対して相応の金額に設定し、相場より大幅に安いレッスン料にすることは避けた方がいいでしょう。
原因④ターゲットに沿った集客ができていない
ニーズやターゲットが不明確で効果的な集客ができていないことも、ピアノ教室の開業に失敗してしまう一つの原因です。
ピアノ教室に通いたいと思っている人は、まずどんな教室があるのかSNSやブログ、ホームページやチラシなどで情報を収集すると考えられますね。
そこで目に留まるように、教室の特徴やレッスンの料金などの教室に関する情報をわかりやすく提供することが大切になります。
たとえば、子供向けの教室を開業したい場合には、ターゲットは子供ではなくその親御さんになりますよね。
そのため、まずは親御さんに興味を持ってもらう必要があります。
ですので、子供の習い事について悩んでいるターゲットに向けて「お子さまがいらっしゃるご家庭へ」や「お子さんの習い事をお探しの方へ」などのキーワードを盛り込み、「ピアノを習わせるのもいいな。ここのピアノ教室はどんな所なんだろう?」と問い合わせにつなげましょう。
このようにどんな生徒にきてほしいかを明確にして、それに沿った集客をすることがピアノ教室開業の成功への近道です。
失敗しない!ピアノ教室開業を成功に導く6つの鍵
ピアノ教室の開業では、軸のぶれないコンセプトや地域のニーズのリサーチが大事ということがわかりましたね。
次はこのような失敗に対する改善策となる、ピアノ教室の開業を成功させるポイントについてみていきましょう。ぜひ今後の開業に役立ててくださいね。
成功の鍵①戦略を立てて事業計画を練る
客単価や黒字に転換する時期など細やかな戦略を立てることが、ピアノ教室開業の成功の鍵となります。
まずは、どれくらいの資金を使って何人くらいの生徒を見込んでいるのか、どのようなピアノ教室をやりたいのかといった事業の内容を明確にしていきましょう。
自分がどのようなピアノ教室をやりたいか決めることで、どういった生徒を集めればいいかがわかります。
売上目標を決めたら、その金額に近づくための今後の戦略を立てることができます。
そのためには、まず自分の頭の中にあるイメージを書き出して整理しましょう。
整理してイメージを視覚化できると客観的な視点が持てるため、利益を得るためにどれくらいの資金が必要になるのかといった具体的な戦略を立てられるようになりますよ。
また、資金調達で融資を希望する場合には、事業計画書が必要になるため、資金繰りについてもしっかり見積もることが大切です。
成功の鍵②ピアノ教室のコンセプトを分かりやすく提示する
「教室理念」と「指導方針」を決めて、ピアノ教室のコンセプトをわかりやすく提示します。
教室理念とはたとえば以下のようなもので、教室によってさまざまです。
- 生徒一人ひとりに寄り添い個性を伸ばします
- コンクールに入賞できるよう指導します
- とにかく楽しめる教室にします
教室理念を掲げて指導方針を決めることで、ピアノを習いたいと思っている人は自分に合うピアノ教室なのかがわかりやすくなります。
自分の教室の強みを意識してコンセプトをわかりやすく提示できれば、他のピアノ教室との差別化を図れますね。
ピアノ教室のコンセプトをキャチコピーに反映させるのも、生徒へ想いを伝える方法です。
ピアノ教室のキャッチコピー作りについて、こちらの記事をぜひ参考にしてください。
成功の鍵③誰に教えたいのかターゲットを明確にする
ピアノ教室を開業する際に、誰に教えたいのかターゲットを明確にしましょう。
たとえば、音高や音大に入るための受験対策としてる人向けなのか、習い事としての子供向けなのか、趣味として学びたい大人向けなのかなど、教えたいターゲットによって掲げる教室理念も変わってきます。
そのため、自分がどんな人に教えたいのかターゲットを明確にすることがピアノ教室開業の成功への鍵になります。
成功の鍵④ブランディングで差別化をはかる
ターゲットからの問い合わせを増やすために講師の実績や得意科目などの強みを前面に出して、差別化を図りましょう。
「ここは他の教室とは違うことが学べそう」
「この教室に通ってこんなことを習いたい」
など他のピアノ教室では学べないようなことをアピールしてブランディングで差別化を図ります。
ターゲットを明確にし、誰にどんな価値を提供するかをブランディングして差別化することで「あの先生に習いたいからここのピアノ教室に通いたい」と思ってもらうことができます。
よって、レッスン料を妥協することなく他のピアノ教室との価格競争も回避できるでしょう。
ブランディングについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてくださいね。
成功の鍵⑤ホームページでニーズを把握して集客する
ホームページを作り、どんな人が興味をもって訪問してくれているのかを分析することで地域のニーズがわかります。
ピアノを習いたいと考えている人に限らず、最近では何かを検討する際に、まずインターネットで情報収集してから実際の行動に移す人が多い傾向にあります。
そのため、ホームページのアクセスを分析すれば、ピアノ教室を探している人が、どんなキーワードで検索しているのか、何を知りたいか、何を求めているかを把握できるのです。
ホームページではターゲットが知りたいことを記載することを心がけ、教室理念やレッスンの内容などさらに詳しい教室の情報を発信しましょう。
多くの人は「ピアノ教室+地域名」で検索するのでしっかり地域名もキーワードとして盛り込んでおくのも重要です。
個人事業主がホームページを持つべき理由や作成手順についてこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてくださいね。
成功の鍵⑥ビジネスということを忘れない
ピアノ教室を開業するうえで、採算が取れないと意味がないので経営者目線を忘れないようにしましょう。
教育なのにお金儲けをするのは気が引けてしまうと考え、利益を上げることを考えずにボランティア同然で教えている人が多くいます。
「経営者」として「利益追求」をしなければピアノ教室開業を成功させることはできません。
自分の持っている音楽の知識やピアノを演奏する技術、ピアノを教える技術は、自分の「時間」を提供することになります。
「プロフェッショナル」としてふさわしい対価をいただくことで自分の成長にもなり、生徒の満足度にも繋がるので教室へのファンも増えていくでしょう。
個人で開業する場合はピアノに関する技術だけでなく、経営者視点できちんと利益の出る教室運営も忘れないでくださいね。
ピアノ教室を開業するまでの具体的な流れ
ここからは、ピアノ教室を開業するまでの具体的な流れについて紹介しています。
友人やお子さんにピアノを教えたことがあったとしても、経営者として教室を開業するとなるとやらなければいけないことはたくさんあります。
なにから始めたらいいかわからない方は、参考にしてみてくださいね。
手順①開業する場所を決める
ピアノの教室開業にあたって、まずは開業する場所を決めます。
一般的には自宅で開業するか、テナントを借りて開業するかのどちらかになるでしょう。
どこで開業するかによって、開業資金や運営方法などが大きく変わってきます。
なので、自分がどんなピアノ教室をやりたいかを明確にして、ターゲットから適切な立地を選ぶことが大切になります。
手順②レッスンする物件を決める
ピアノ教室を自宅で行うのか、それともマンションなどを借りてするのか、もしくは出張レッスンにするのかなど、レッスンする場所によっても開業するための準備の仕方が変わってきます。
自宅で開業する場合には初期費用がかからないといったメリットはあります。
しかし防音設備がない場合は工事が必要になったり、自宅の住所を知られてしまったりと防犯上のリスクがありますよ。
マンションなどのテナントを借りて開業する場合は、ターゲットが集まる場所を選べたりプライベートと仕事を分けられるといったところがメリットです。
その反面、敷金や礼金など物件を借りるための開業資金や教室の維持費などの運転資金、交通費などの経費がかかってしまいます。
また、生徒さんの自宅に出張してレッスンをするといった方法もあります。
出張レッスンはあまり知られてないのが現状ですが、生徒がお子さんの場合には自宅に出張すれば両親とコミュニケーションを取れるため信頼関係も深まりますね。
出張先の地域の傾向なども知ることができます。
デメリットは移動時間のロスがあることですが、さまざまな事情でピアノ教室に通えない方もいるので現代における新しい働き方ともいえますね。
手順③開業届けを出す
開業届とは、「個人事業」を開業したことを税務署に届ける書類のことです。
経費で節税できたり小規模企業共済への加入、屋号で口座を開設できたりとたくさんのメリットがありますので、開業届けは忘れずに出しましょう。
税務署の窓口に行って書き方を教えてもらうのが1番簡単な方法ですが、こちらでも簡単に説明しますね。
- 国税庁のホームページで申請書をダウンロード
- 届出の区分を「開業」に〇をつける
- 開業した日付を記載
- 事業内容を具体的に記載
申請書に開業に必要な情報を記載して提出するだけなので、とくに難しいことはありません。
申請書の記載が終わったら、税務署の窓口に直接提出するか、もしくは郵送で提出します。
他にもe-Taxを利用し、インターネット上で書類を提出するといった方法もあります。
マイナンバーカードのIC情報を読み取れるスマートフォンや本人確認書類の添付が必要となるので、前もって準備しておきましょう。
手順④開業のための資金や設備を用意する
ピアノ教室開業に向けてどのくらいの資金が必要なのか把握して、初期費用にかかる予算を計算しておきましょう。
ピアノ教室開業に必要な備品は「ピアノ」「楽譜」「メトロノーム」「月謝袋」「椅子」などが挙げられます。
自宅に防音設備を作りグランドピアノを置いた場合には、開業資金としての相場は300〜500万ほど必要になります。
すでに自宅にピアノがあり防音設備も完備されていて練習ができる環境がある場合には初期費用はかなり抑えられるでしょう。
しかし、開業に必要な資金を全て自分で用意するのはなかなか大変なことですよね。
そんなときは助成金を上手に活用しましょう。
使いやすいものをいくつか紹介しますね。
助成金①小規模事業者持続化補助金
まず紹介するのが、小規模事業者持続化補助金です。
事業の持続をサポートするための制度になります。
従業員が20人以下の小規模事業者が対象で個人事業主でも補助対象になり、最大50万円まで補助してもらえますよ。
助成金②日本政策金融公庫
次に紹介するのが、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫を前身とする政策金融機関です。
希望融資額の1/10以上の自己資金が必要といった自己資金要件を提示していますが、国内ではもっとも信用力の高い金融機関になります。
開業する際、自己資金では心もとないときに、このような支援があることを覚えておくと、いざというとき安心ですね。
手順⑤レッスン料の設定
どのような生徒を対象にレッスンをするかにもよりますが、子供に指導する場合の月謝の相場は5000〜7000円程度です。
大手のピアノ教室の場合の月謝の相場は8000円前後なので、その金額を上限としてレッスン料を設定しましょう。
また、大人に指導する場合には7000〜9000円ぐらいが相場になります。
というのも個人教室の場合、子供のレッスン時間は30〜45分、大人のレッスンだと45〜60分と長さも変わってくるので大人のレッスン料を少し高めに設定することを心がけましょう。
手順⑥集客方法を考える
効果的な集客をするには、ターゲットによってどのような集客の手段をとるのかベストなのか考えましょう。
まず、たくさんの人に知ってもらうためにはSNSで宣伝するのが一番です。
そしてSNSからホームページへ誘導し、コンセプトや教室の雰囲気、レッスン料金などのより詳しい情報を伝えられると効率的に集客できます。
インターネットを使って集客するのはとても便利ですが、ピアノ教室にきてもらいたいターゲットによっては、別の方法をとった方が効果的なこともあるのです。
たとえば、SNS一つとっても利用している年齢層はそれぞれ違います。
SNSはインスタグラムやフェイスブックなどがありますが、ターゲット層が利用しているSNSで発信できなければ、集客効果は期待できません。
また、シニア向けのピアノ教室をやりたいと思っている場合にはSNSではなくチラシやポスター、地域の看板などの方法での集客が向いているといえます。
このようにターゲットによって、どの集客方法が効果的なのか分析し改善を続けていくことも大事です。
こちらの記事ではピアノ教室や音楽教室の集客を詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
手順⑦教室のルールを決める
ピアノ教室を開業する前に、生徒さんとのトラブルを防ぐためにも自分の教室のルールを決めておくことをおすすめします。
たとえば以下のようなルールをあらかじめ提示しておくことによって、さまざまなトラブルを未然に防げます。
- 年間のレッスン回数やレッスン料金
- レッスンを休んだ場合の振り替えはしない
- 月謝を2ヶ月滞納した場合には退会してもらう
- 月謝は手渡しのみ
- 遅刻によるレッスンの延長はできない
最初からあまり細かく決めてしまうよりは、まずはおおまかに決めておいて、ピアノ教室を実際に開業してから柔軟に書き足していく形が良いですね。
手順⑧レッスン料の決済システムを決める
ピアノ教室のレッスン料は、いまでも月謝袋に現金を入れて手渡しするのが主流です。
現金を手渡しでおこなうのには、「手数料がかからない」「事前の振込手続きや入金確認の必要がない」「直接手渡しすることでお互いに自覚を持てる」などのたくさんのメリットがあります。
ですが、「記録が残らない」「盗難や紛失のリスクがある」「レッスン時間を消費してしまう」などのデメリットもあります。
現代はキャッシュレス化してきているので、生徒さんの希望に合わせて振込や引き落とし、電子マネーやバーコード決済での支払いに対応できる体制を検討しましょう。
個人経営の不安を解消!ピアノ教室を開業でよくある6つの疑問
ピアノ教室を開業しようといろいろ準備をしても、ちゃんとやっていけるか不安はありますよね。
ここではピアノ教室の開業でよくある6つの疑問について解説しています。
他の人がどんな疑問を持っているのかを知ることでピアノ教室開業の不安を解消していきましょう。
Q&A①音楽教室の開業で求められるスキルや資格は?
音楽教室を開業するのに特別な資格は必要ありません。
しかし、ピアノ講師は一人で複数人の生徒を受け持つことになりますので、生徒それぞれの個性を理解し、一人一人にあった指導が求められます。
そのため、指導力だけでなく生徒の希望や目指す方向性をヒアリングする際のコミュニケーション能力や傾聴スキルも不可欠です。
集客においてはホームページの作成やSNSの運用など、ウェブのスキルも必要になるでしょう。
こちらの記事では、傾聴スキルについてわかりやすく解説していますので参考にしてみてくださいね。
Q&A②ピアノ講師として独立・開業するのにかかる費用はいくら?
ピアノ講師として独立し開業するのにかかる費用は、教室の規模や始めるときの環境によって大きく変わってきます。
一般的な相場だと300〜500万円ほどにもなると言われています。
ですが、既に自宅にピアノがあり防音設備も整っていてピアノを練習できる環境がすでにある場合には、初期費用はほとんどかかりません。
しかし、一から準備を始める場合にはどんなピアノを用意するかによってもだいぶ変わってくるでしょう。
グランドピアノはコンパクトタイプでも100万円ほどしてしまいますし、防音工事も100万円ほどかかることを想定しておいた方がよさそうですね。
Q&A③ピアノ教室を個人で経営するなら自宅がいいって本当?
ピアノ教室を自宅でする一番のメリットは初期費用をおさえることができ、自由にレッスンを行えることです。
物件を借りるとなるとピアノやその他備品の準備をしたり、防音工事も必要になります。
物件をピアノ教室として借りるのでテナント料がかかるうえ、光熱費なども発生してしまいますよね。
ピアノ教室を始めたいと考えている方の多くは、すでに防音室があったりと自宅でピアノ教室を行える環境が整っている場合も多いので、自宅で行える環境が整っている人には自宅での開業がオススメです。
最近では出張レッスンやオンラインレッスンなどもあるので、コストを考えると自宅で開業したほうがよいと考えられるでしょう。
教室を構えるのが難しい方は、オンラインレッスンで開業する方法もあります。
オンラインレッスンについて、こちらの記事もあわせてチェックしてください。
Q&A④個人事業主が利用できる助成金はあるの?
いざピアノ教室を開業しようと思っても、開業資金にかかるお金をすべて自分で調達するのはなかなか大変なものですよね。
個人事業主が利用できる助成金があるので、ぜひ活用を検討しましょう。
こちらの見出しで紹介していますので参考にしてみてください。
開業資金の助けになるので、補助金や助成金をうまく活用してくださいね。
Q&A⑤ピアノ教室で起業するとき開業届けは必要?職業欄はどう書く?
ピアノ教室を開業した場合には、開業届を提出しましょう。
事業を開始してから1ヶ月以内に提出することが推奨されています。
また、経費で節税できたり小規模企業共済への加入、屋号付き口座を開設することができたりとたくさんのメリットがありますので、忘れずに提出してくださいね。
開業届けの職業欄にはそのまま「ピアノ講師」と記載してもいいですが、「音楽家」と書いておくと、演奏活動などピアノ講師以外の活動で収入を得るときにかかった費用を経費で落とせるケースがありますよ。
開業届けについてはこちらで詳しく説明していますので、そちらを参考にしてみてくださいね。
Q&A⑥ピアノ教室経営の収入はいくら?
平均年収は350万円前後と言われています。
自分でピアノ教室を開業する場合には、レッスン料は自由に決められますし集客を頑張れば生徒数を増やすことも可能になりますが、レッスンをできる生徒数にも限りがありますよね。
ピアノ教室経営の収入は、生徒数や教室の規模によって変わると考えておきましょう。
まとめ
こちらの記事では、ピアノ教室開業で失敗する理由や成功の鍵について紹介しました。
最後にピアノ教室開業における成功のポイントについて簡単にまとめます。
- 地域のニーズを把握することでミスマッチを防ぐ
- 教室理念と指導方針について明確にしてターゲットを絞る
- 相場より安いレッスン料にはしない
- 経営者として利益追求をし、ビジネスだということを忘れない
ピアノ教室を開業することは簡単ではありませんが、これからピアノ教室の開業を考えている方は、ここで紹介した失敗談や失敗した理由、成功するための鍵についてのポイントを参考にしてみてくださいね。