
マジックショップ起業の実例から学ぶ!店舗開業が失敗する理由と成功の秘訣
- マジックショップを開業するときの方法は?
- マジックショップの経営がうまくいかない原因は何?
- マジックショップの起業を成功させる秘訣が知りたい!
観客が選んだトランプの数字を言い当てたり、コインがグラスの底を貫通したり、何も入っていない帽子の中からハトが飛び出してきたりと、マジックは観る人に驚きやワクワクを与えてくれますよね。
マジックの世界に魅了され、自分の店舗を持ってマジックグッズを販売したいと夢見る方もいるでしょう。
この記事では、実例をもとに、マジックショップの開業・起業が失敗する理由と、成功させるための秘訣をご紹介します。
この記事をお読みいただき、マジックショップの経営を軌道に乗せるヒントを得ましょう。
【実例】マジックショップの開業(起業)で失敗した例を紹介


マジックショップだけに限らず、開業・起業をする際は、事前の準備不足や市場リサーチの甘さなどが原因で、開業後すぐに失敗してしまうケースも多くあります。
ここでは実例として、マジックショップの開業で失敗した例をご紹介します。
開業に失敗した原因や、反省点が分かりますよ。
ぜひご覧になって、マジックショップ開業を成功させるヒントを見つけてみてください。
40代男性マジックショップオーナーの話:開業・起業に失敗した経緯
夜にマジックバーの経営をしていたので、昼間にマジックショップ(マジックグッズを販売する専門店)を経営してみたいと思っていました。
お世話になっていた先輩マジシャンに相談してみたところ、「共同経営で一緒にやってみないか?」と誘われたので、開業しました。
物件探しは私が担当し、商品の発注・仕入れは先輩マジシャンが担当。
お互い、マジックショップ以外の店舗経営などもしていたので、スタッフを一人雇ってマジックショップを開きました。
しかし、開業してみると、売り上げは伸びずに、大赤字。
なんとか、経営を継続していこうと考え、県外でマジックショップを営む同業者に相談してみました。
その結果、「このまま継続しても売り上げが伸びる見込みは無い」と判断して、結局、開店から約2か月で閉店することになりました。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
40代男性マジックショップオーナーの話:開業・起業に失敗した理由は?
売上がどの程度伸びるかもわからない状態でスタッフを雇い、人件費をかけてしまったのが間違いでした。
できる限り、人件費をかけない方法で始めるべきだったと思います。
また、マジックグッズはネット販売が主流となっていましたが、私自身も共同経営者だった先輩マジシャンもネットに関する知識が人並程度しかありませんでした。
そのため、ネット販売は後回しにしてしまい、店舗販売のみで販路を拡大できなかったことも失敗の原因です。
さらに頼りになる先輩マジシャンからの誘いだったので、共同経営に応じてしまいましたが、今振り返ると共同経営を選んだのも間違いでした。
どんなに信頼できる人であっても、意見の食い違いが出て、お互い不満が募ります。
利益も折半になるので、高い人件費をかけているのと変わらないような状態になってしまいました。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
40代男性マジックショップオーナーの話:次の起業に活かせる失敗ポイントは?
まずは、固定費としての人件費はかけずに一人での運営を基本とします。
人手が必要な場合は、その日だけ日雇いとしての募集を募るようにしたいと思います。
そして、店舗は持たずにネット販売をメインにします。
契約をするのであれば、商品を保管する倉庫のみですね。
もしくは、家賃の高い街中は避けて、郊外で家賃の安い店舗を借りて、倉庫メインのついでならば店舗販売をしても良いかもしれません。
共同経営のメリットは1つもないので、開店資金が足りない場合は、信用できるルートからの融資を受けて始めようと思います。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
マジックショップの開業・起業の方法は?選択肢は3つ


マジックショップの開業・起業を成功させるための鍵について解説する前に、まずはマジックショップの開業・起業の方法を確認しておきましょう。
マジックショップの開業・起業方法には、以下の3つがあります。
3つの選択肢は、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるので、自分にあった最適な開業・起業方法を十分吟味してみてくださいね。
方法①実店舗をもつ
1つ目の方法が、実店舗をもつことです。
実際の店舗を持つことで、商品を手に取ってもらい、対面での接客を通じてお客さまとの信頼関係を築くことができます。
実店舗なら、マジックのデモンストレーションも行えるので、お客さまの興味や購買意欲を高められる点がメリットですね。
ほかにも実店舗ならではのメリットとして、販売以外にもバーの併設や、ショーの開催などができる点が挙げられます。
ただし、実店舗を構えるには、物件取得費や内装費、設備や備品の購入費などある程度の開業資金が必要です。
開業後にも、家賃や光熱費・設備の維持費・人件費などの固定費がかかるため、綿密な計画と資金管理を行うことが求められますよ。
方法②ネットショップを開設する
手軽にマジックショップを始めたいという方は、ネットショップを開設する方法も検討しましょう。
さきほどもお伝えしたように、実店舗の場合には、開業後も費用が継続して発生します。
ですが、ネットショップの場合は、在庫や梱包資材などをストックする場所を確保できれば、実店舗ほどコストがかかりません。
また、ネットショップなら営業時間を気にすることなく全国に向けて販売できるので、常に商機に恵まれているというメリットもありますよ。
ただし、自分だけで運営する場合は、ネットショップ作成から商品発送の準備・発送・仕入れ・在庫管理まですべてひとりで行わなければならないため、オーバーワークにならないように注意が必要です。
ネットショップの開業・起業が失敗する理由や成功のコツを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。


方法③実店舗・ネットショップの両方を運営する
実店舗とネットショップのメリットを最大限に活かすなら、実店舗とネットショップの両方を運営するのがいいでしょう。
お客さんの中には、ネットショップで商品を検討してから、最終的に実店舗で商品を確かめてから購入する方もいます。
逆に、実店舗で商品を手に取ったり、マジックのデモンストレーションを見たりして、後日ネットショップで購入する方もいるでしょう。
実店舗とネットショップ双方のメリットを活かすことによって、近隣からも遠方からもお客さんが集まりやすく、集客力があがるのがメリットです。
その反面、両方を同時に運営するため、時間や労力、そしてコストがかかってしまうのがデメリットです。
失敗のリスクも最小限に抑えるためにも、最初は小さく始めるのがおすすめですよ。
マジックショップの開業・起業で成功する3つの鍵


マジックショップを成功させるためには、ただ商品を揃えるだけでは不十分です。
経営を軌道に乗せ、長く愛されるマジックショップにするためには、戦略的な取り組みを行うことが大切です。
ここでは、マジックショップの開業・起業で成功するためのポイントをご紹介します。
マジックショップだけに限らず、店舗経営や集客のために大切なことが書かれていますので、ぜひご一読ください。
ポイント①人を雇う場合は労働分配率を適正に保つ
マジックショップをどのくらいの規模で運営していくかにもよりますが、もしも人を雇う場合は、労働分配率を適切に保つよう、人員の確保や給与の設定を行うようにしましょう。
「労働分配率」とは、「企業(もしくは店舗)の分配可能な売上総利益の中で人件費がどれだけの割合を占めるか」という指標で、「人件費÷売上総利益」で算出できます。
労働分配率が高いと、人件費が経営を圧迫するようになり、利益の確保が難しくなってきます。
マジックショップの開業失敗のリスクを最小限に抑えるなら、まずは自分ひとりで運営する方法を考えるといいでしょう。
開業当初はひとりで始め、売上や業務量に応じて、適正な労働分配率で人を雇うことが、マジックショップ開業を成功に導く鍵ですよ。
ポイント②SNSや動画サイトを活用する
2つ目のポイントは、マジックショップで取り扱う商品をSNSや動画サイトで紹介し、集客につなげることです。
「百聞は一見に如かず」と古くから言われていますよね。
特に、マジックグッズのように言葉だけではなかなか伝わりづらい商品の場合、実際に商品を使用してどんなマジックができるのかを見せることが大切です。
マジックのパフォーマンスを動画で見せることで、商品の魅力が効果的に伝わりますよ。
SNSでは、ショート動画をアップできる機能がついたものもあるので活用するといいでしょう。
SNSや動画サイトを通して、商品の静止画や言葉だけでは伝えられない「ワクワク」や「驚き」をしっかりと表現すれば、より多くの集客につながっていきますよ。
SNSの運用に関しては、こちらの記事にまとめたので、ぜひ参考にしてください。


ポイント③顔が見えるようにしておく
3つ目のポイントは、SNSやブログ、ホームページなどで積極的に情報を発信し、何をやっているお店なのかをわかるようにしておくことです。
情報が少なく何をやっているのか分からないと「お店の顔が見えない」ために、お客さんは不安になりがちです。
お店の全体像をどれだけ多くのお客さまに伝えられるかどうかが、集客においては重要です。
マジックグッズを取り扱うお店であることはもちろん、店内の様子や雰囲気を伝えるための情報発信を行うことが大切です。
お店の名前で検索する人もいるので、SNSやブログ・ホームページを持ち、情報発信することによって、実店舗の集客につなげていきましょう。


起業の疑問を解決!マジックショップ開業でよくある質問5選


マジックショップの開業・起業を考えている方は、さまざまな疑問や不安を抱いていますよね。
開業資金や開業の際に必要なもの、開業に失敗する原因など解決すべき課題は多岐に渡ります。
ここでは、マジックショップの開業・起業を検討する際によく聞かれる質問を5つピックアップしました。
マジックショップ開業・起業の疑問や不安をクリアにして、マジックショップ開業への一歩を踏み出しましょう。
- マジックショップの開業で失敗する人の特徴は?
- 実店舗?ネットショップ?マジックショップ開業でおすすめの方法は?
- マジックショップの開業で必要な資格は?
- マジックショップの運営は一人でも可能?
- マジックショップ開業で必要な開業資金の目安は?
マジックショップの開業で失敗する人の特徴は?
- 無計画な人
- 意志薄弱な人
- 地道な努力が面倒な人
- 数字が苦手な人
開業の目的や理想とするところが明確で、それらを実現させたいという、強い意志と高い計画性を持たなければ、マジックショップの経営は失敗します。
開業にあたっては入念な市場調査が必要であり、集客のためには効果的な宣伝や広告が欠かせません。
たとえうまく行かないことがあったとしても「どの部分がうまくいかないのか」「なぜうまくいかないのか」について粘り強い追究が必要です。
これらのことを面倒がらずに、地道な努力を注ぐことができる人こそが、マジックショップで成功するのです。
また、開業資金のやりくりや、開業後の売上や経費などのお金の管理ができない人や、数字を追って変化を読み取ることのできない人も、マジックショップの開業で失敗するでしょう。
実店舗?ネットショップ?マジックショップ開業でおすすめの方法は?
- 実店舗をもつ
- ネットショップを開設する
- 実店舗・ネットショップの両方を運営する
マジックショップの開業は上記の3つの方法がありますが、手軽に始めるなら「ネットショップを開設する」のがおすすめです。
起業の基本は、まずは「小さく始めること」です。
ネットショップで小さく始めて、軌道に乗ったら、徐々に規模を拡大していくといいでしょう。
開業方法の種類や内容については、「マジックショップの開業・起業の方法は?選択肢は3つ」の項目で詳しく紹介しています。
マジックショップの開業で必要な資格は?
- 防火管理者
- 食品衛生責任者
マジックショップを開業するために特別な資格は必要ありません。
役立つ資格を挙げるとすれば、上記の資格が挙げられるでしょう。
防火管理者は、テナント出店をしたり、収容人数が30人を超えるような大きな店舗を構えたりなど、人が集まりやすく、防火の必要性がある店舗を構えた際に必要となる資格です。
マジックショップだけではなく、マジックバーも運営したい場合には、衛生管理のために必要な「食品衛生責任者」の資格が必要ですよ。
上記に限らず、マジックショップを開業する際には、いくつかの手続きや届出が必要となります。
個人事業主として開業する場合の「開業届」や、中古のマジック用品を取り扱う場合には「古物商許可」が必要となりますので、覚えておきましょう。
マジックショップの運営は一人でも可能?
マジックショップはひとりでも運営できます。
開業のハードルが低いネットショップから始めると良いでしょう。
「小さく始める」ことが成功のコツです。
まずは一人で経営してみて、ノウハウを積み重ねてから、徐々に規模を大きくしていくことをおすすめします。
マジックショップ開業で必要な開業資金の目安は?
- 物件取得費: 家賃30万/月×6ヶ月分=180万円
- 内装費: 300万円
- 設備や消耗品: 120万円
- 広告宣伝費: 10~50万円
店舗の規模によっても変わりますが、マジックショップの実店舗を持つ場合は、600万円台くらい必要です。
ホームページやサイト作りを外注したり、マジックグッズの在庫をトランクルームなど別の場所で保管する際には別途費用がかかるので、開業にあたり何が必要なのかを考えて、資金を準備しましょう。
まとめ
ここまでマジックショップの開業で失敗する理由や、成功への鍵についてご紹介していきました。
この記事でご説明した内容をもう一度振り返ってみましょう。
- マジックショップの開業・起業方法は、「実店舗をもつ/ネットショップを開設する/実店舗・ネットショップの両方を運営する」の3つ
- マジックショップの開業で成功するためには、まずは小さく初めて、売上や業務が増えてきたら労働分配率を適正に保った上で人を雇うのがおすすめ
- SNSや動画サイトを活用して商品を紹介したり、ホームページやブログなどでどんなお店かが分かるようにしておくことも大切
- マジックショップの開業に必須の資格はないが、規模や業態により手続きや届出が必要なケースがある
単に「マジックが好きだから」という理由では、マジックショップの経営はうまくいきません。
毎日が試行錯誤の連続で、地道な改善と努力の積み重ねを通じて、初めてマジックショップの成功を勝ち取ることができます。
マジックショップを開業する前に、ぜひこの記事を参考に、しっかりと準備をしましょう。