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森谷俊之

LibRu代表取締役

個人・小規模事業者向けのマーケティング・ブランディングのコンサルタント/セールスコピーライター

経営者の3つの課題「お金がない、時間がない、人材がない」は、シンプルな仕組みで解決できます。集客から販売までを自動化して、ビジネスを成長させていくための仕組み構築を支援します。

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【失敗談つき】パソコン教室の開業(起業)で失敗する理由と対処法

  • パソコン教室は失敗しやすいって本当?
  • パソコン教室を開くために、必要なことってなんだろう?
  • パソコン教室を開くなら、自宅とフランチャイズどっちがいいの?

パソコン教室を開業したいけど、必要なスキルや資金額がわからなくて、とりあえずGoogleで「パソコン教室 開業」で検索してみたところ、失敗した経験者の話が多くて不安になってしまったという方も多いのではないでしょうか。

しかし、パソコン教室の開業に失敗している人には理由があります。

実際に、パソコン教室の開業に失敗している人が多くいる一方、成功して生計を立てている人も一定数いるのです。

この記事では、パソコン教室を開業して失敗してしまう4つの理由と、それぞれの対処法を詳しく解説しています。

失敗する理由を知っていれば事前に対策ができるので、パソコン教室を開業するハードルも下がるのではないでしょうか。

また、パソコン教室を開業するにあたって気になる必要なお金や資格、自分に合った経営形態なども紹介していますのでぜひ参考にしてくださいね。

目次

【失敗談】パソコン教室の開業(起業)に失敗した実例を紹介

まずは、パソコン教室の開業に失敗した方の実例を紹介します。

先人の失敗談は、これから起業したい人にとって非常に参考になりますよ。

ぜひ、「失敗した理由は何なのか」「自分と共通する部分はないか」など考えながら読み進めてみてください。

失敗談①自社ビルでパソコン教室を開業した60代男性

今回紹介する失敗談は、今から30年以上前に、自社ビルを建設してパソコン教室を開業した60代男性のお話です。

開業した地域の住民をターゲットに、当時の最新設備を導入した上でパソコン教室を開きましたが、現代よりも宣伝方法が少なく知人の口コミも広がらずに、結果的に廃業する形になりました。

「30年以上前の話が参考になるのか?」と思わた方もいるかもしれませんが、失敗した理由や成功するために必要なポイントをお話しされていますので、参考にしてくださいね。

  • 60代男性パソコン教室経営者の話:開業・起業に失敗した経緯
  • 60代男性パソコン教室経営者の話:開業・起業に失敗した理由は?
  • 60代男性パソコン教室経営者の話:次に活かせる失敗ポイントは?

60代男性パソコン教室経営者の話:開業・起業に失敗した経緯

30年以上前の話になりますが、相続で田舎(静岡県)の土地を引き継ぎ、その土地に自社ビル(2階建て100坪)を建設しました。不動産管理をおこないつつ、その一区画を利用しパソコン教室を開設したのがはじまりです。

パソコン教室は当時としては最新の設備(Ms-Windows3、Netware、カラープリンターなど)を取りそろえていたものの、地の利が悪い(駅より遠い)環境ということもあり生徒は集まりませんでした。生徒募集は新聞の折り込み広告を利用しましたが、効果はあまりなかったように感じます。

当然、借金もありましたが、店子(テナント)として入居していた美容室が繁盛しておりそこに買取され、運よく借金はなくなりました。

※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。

60代男性パソコン教室経営者の話:開業・起業に失敗した理由は?

当時、地方でコンピューター関連の講師をしていたので、田舎でも少しはパソコンなどに興味があるだろうと思い、読み書きパソコンとうたいましたが、全くの反響はありませんでした。時流を読めなかったのは残念に思います。

そして何より地の利が悪く、人が集まる場所ではなかったです。

また、資金面でも手持ちがまったくなかったため、当時は金利が非常に高かったですが銀行の借金に頼りました。

それと今とは違い、容易に広告が打てませんでした。知人とのコミュニケーションも無かったため、口コミもなかったです。周知方法が無いのが痛かったと今は思います。

※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。

60代男性パソコン教室経営者の話:次に活かせる失敗ポイントは?

ある程度の資金は絶対必要です。

また、今はSNS等である程度の周知ができると思われがちですが、SNS等での人気は一瞬です。

人気Youtuberでも毎日のように動画をあげていることからもわかるように、一発で人気が出たとしてもそれを継続するのは非常に難しいと思います。

ですから、人と人とのつながりを大切に、信頼を得ることが事業の基本だと思います。

コミュニケーション能力が最大の武器です。人に雇われるより、人を雇うことが出来ることも必須になるでしょう。

※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。

【対処法つき】パソコン教室の開業(起業)で失敗する理由とは?

失敗談を読んでパソコン教室の開業で失敗した理由や、成功するためのポイントは見つけられたでしょうか?

ここでは、パソコン教室を開業して失敗する4つの理由やその対処法を紹介しているので、
ぜひ参考にしてください。

それでは、1つずつ確認していきましょう。

開業失敗理由①継続的に集客できない

1つ目に紹介する理由は継続的に集客できないことです。

開業したばかりの頃や、無料体験イベントなどで一時的に顧客の注目をあつめて集客できても、継続的に集客できないと経営を続けることはできません。

また、顧客になってくれてもパソコン教室のように技術の習得が目的の場合、その目的を達成すれば、顧客はパソコン教室をやめてしまいます。

そのため、新規顧客を集客できるように、ビジネス戦略を立てて経営をしないと、顧客がいなくなり経営を続けることが難しくなってしまうのです。

このような理由から、パソコン教室を開業する際、その存在をどうやって知ってもらうのかがとても大事になってきます。

【対処法】ターゲットにあった集客方法を意識する

集客する際には、1つの集客方法だけに頼らず、ターゲット層に合った集客方法を組み合わせましょう。

集客方法には多くの種類があり、新聞折込などのチラシや直接ポストにチラシを投函するポスティング、TwitterやFacebookなどでのSNS集客があげられます。

高齢者層をターゲットにするなら、新聞折込などのチラシや直接ポストに投函するポスティングでの集客がおすすめです。

「新聞を読んでいる人なんて今どき少ないでしょ?」と思われたかもしれません。

ですが、公益財団法人が公表している「新聞通信調査会 第14回メディアに関する全国世論調査(2021年)」によると、全体的な新聞の購読率は年々減少していますが、60代以上の高齢者層は新聞を読むのが習慣になっており、約7割は新聞を購読しているというデータがあります。(※1)

ですので、高齢者層をターゲットにするなら新聞に折込チラシを挟めば、ターゲットの目に留まる頻度が増えとても効果的な集客方法だといえます。

では、10〜50代の若年層をターゲットとした場合はどうでしょうか?

これらの若い世代は、新聞やチラシよりも、SNSの利用率が高いためSNSを活用した集客がおすすめです。

ただし、総務省が公表している「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、Twitterの利用者層は10〜40代が多く、Facebookは30〜40代が多い、Instagramは男性よりも女性の方が多いなど、年代や性別で利用しているSNSが異なります。(※2)

そのためターゲットが利用しているSNSを見極めて集客活動をする必要があるのです。

集客したいターゲットに、しっかり自分のパソコン教室が認知してもらえるように、いろんな集客方法を組み合わせて、パソコン教室入会までの入り口を増やしましょう。

どのようにSNSを使い分ければ集客に効果的なのか、こちらの記事で詳しく解説しています。

※1 公益財団法人 新聞通信調査会 第14回メディアに関する全国世論調査(2021年)
※2 総務省情報通信政策所研究所 令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

2023年7月よりTwitterはX(エックス)へ名称を変更しています

【対処法】ブランディングで価値を高める

2つ目の対処法は、ブランディングを徹底してみるということです。

ブランディングをするためには、まず自社のパソコン教室が他社と差別化できる強みを洗い出してみましょう。

自社の強みを理解して、一貫した運営を行えば「〇〇といえば、〇〇パソコン教室!」などとイメージを定着させることができます。

また、講師のブランディングも集客する上で大事なポイントです。

講師のブランディングを成功させると「〇〇先生だから、このパソコン教室に通いたい」などと、顧客をファン化させることができます。

ファン化できれば、生徒が一旦目標を達成して教室をやめることになっても、また新しく身につけたいスキルや目標ができたときに、「〇〇先生なら分かりやすく教えてくれるかもしれない」と、もう一度パソコン教室の生徒になってくれる可能性もあります。

一度教室を離れた生徒にもまた選んでもらえるように、戦略立ててブランディングをおこないましょう。

詳しいブランディングの方法はこちらの記事で紹介していますので、参考にしていただき、ぜひパソコン教室と講師のブランディングを徹底してみてくださいね。

【対処法】信頼関係を構築する

顧客との信頼関係を構築することも集客するために重要な要素です。

そのためには、顧客がなにに困っているのか、パソコン教室に通ってどうなりたいのかをしっかり聞き出して、悩みや疑問を解決できるようにサポートしていきましょう。

顧客との信頼関係をしっかり築ければ、他のパソコン教室に流れてしまう可能性も低くなり、継続して教室に通ってくれるようになるはずです。

また、その顧客が口コミやSNSでパソコン教室を広めてくれることもあります。

知人からおすすめされたお店に「ちょっと行ってみようかな」と思った経験はありませんか?

このように、自社で宣伝するよりも顧客の口コミには強い宣伝力があり、特に地域密着型の経営をするのならなおのこと効果的でしょう。

信頼関係の構築が重要なことは分かっていただけたと思いますが、それを実現させるためには、ラポールスキルを磨くことをおすすめします。

ラポールスキルとは、お互いの心を通じ合わせて信頼関係を築くためのスキルのことです。

ビジネスにおいてもラポールスキルをうまく活用することで、相手の本心を引き出すことができたり、目標に向かって相手を誘導することもできます。

ラポールスキルを磨けば、信頼関係の構築に大いに役立ちますのでぜひ注力してみてくださいね。

新規生徒を集客することも大事ですが、まずはラポールスキルなどを活用して、既存生徒を大事にすることを心がけましょう。

そうすれば、信頼関係を構築でき、結果的に集客につながるはずですよ。

ラポールスキルについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

開業失敗理由②低価格なレッスン料で差別化を図ろうとしている

パソコン教室の開業で失敗する理由の1つに、低価格なレッスン料で差別化を図ろうとしていることがあります。

「競合や相場よりも低価格だったら集客できるだろう」などの安易な考えで価格を決定してしまうと、パソコン教室の利益も小さくなり運営を続けることが難しくなります。

また「レッスン料が安いから通ってみよう」という考えでパソコン教室に来てくれた顧客は、増税などでレッスン料が値上げされると、離れていってしまうでしょう。

以上のことから、低価格なレッスン料で差別化することはおすすめできません。

差別化を図るべきは、レッスンの内容とそれで得られるベネフィットです。

ここではレッスンの料金以外で他社と差別化するための対処法を3つ紹介していきますね。

【対処法】相場を知り適切な価格設定をする

地域によってそれぞれ相場は違うため、まずは自分がパソコン教室を運営する地域の相場を知って、適切な価格設定をしてみましょう。

地域の相場よりあまりにも安すぎるレッスン料だと、顧客に「本当に大丈夫かな」「怪しいな」と思われてしまうので、注意が必要ですよ。

そして、価格設定は地域差だけで設定するものではありません。

学べる内容が、趣味のためのパソコンの使い方なのか、ビジネスに必要なパソコンスキルの習得なのか、プログラミングなどのより専門的なスキルなのかによって価格設定も変わってきます。

また、最近ではオンラインのみの授業や、家庭訪問型のマンツーマンで運営しているところも多いですよね。

学べる内容や運営形態によって価格の相場は変わってくるので、よく調べてからレッスン料を決定しましょう。

【対処法】得られる未来を明確に伝える

差別化するために、得られる未来を明確に伝えましょう。

パソコン教室に通うことで、どんなベネフィットが得られるのかを顧客に分かりやすく伝え、共感してもらうことが大切です。

ベネフィットとは、簡単にいうと「得られるうれしい未来」のことです。

例えば、高齢者には「パソコン教室に通えば、パソコンの操作方法が覚えられて孫とメッセージのやり取りができるようになりますよ」と楽しい孫とのコミュニケーションを連想させます。

子ども向けのプログラミング講座なら、「プログラミングを学べば、ロボットを動かせるようになったり、ゲームを作れるようになりますよ」など子どもがワクワクするような未来を連想させます。

このように、パソコン教室に通うことで得られるベネフィットを伝えるのです。

そして「自社のパソコン教室では、レッスン完了後のサポートも徹底しています」など、他のパソコン教室との違いもプラスして伝えられるとより差別化することができますよね。

これらのことを意識して、得られる未来を分かりやすくターゲットに伝える工夫をしてみてくださいね。

【対処法】専門性の高いレッスンを用意する

最後に紹介する対処法は、より専門性の高いレッスンを用意することです。

デジタル化が進んでいる現代では、パソコンの基本的な使い方に慣れている人は多いです。

そのためプログラミングや、ウェブデザイン、動画編集などの専門的なレッスンを用意して他社との差別化を図りましょう。

また、専門性が高いほどレッスン料の単価を上げやすいのもメリットの1つです。

単価の高いレッスンで集客できれば、パソコン教室の運営も安定するでしょう。

ただし、あまりにも高度な技術のレッスンはニッチすぎてそもそも需要が少なく、ビジネスとして成立しない可能性があるので注意してくださいね。

ニッチすぎず、広すぎない専門的なレッスンを用意して運営しましょう。

開業失敗理由③市場のニーズや流行を反映できていない

3つ目の失敗する理由として、市場のニーズや流行を反映できていないことが考えられます。

基本的なパソコンの操作方法などは、インターネットで検索すればかんたんに見つけられる時代になっています。

そのため、基本的な操作方法や、比較的かんたんなofficeの使い方などのレッスンだけでは運営を続けることは難しいでしょう。

「株式会社ベネッセーホールディングスの小学生の習い事調査」によると、近年、小中学校でプログラミングの授業が必修となったこともあってか小学生がしてみたい習い事ランキングで、1位に動画制作、2位にプログラミングがランクインしています。(※3)

このように現代では、プログラミングや動画編集などの専門的なレッスンのニーズが高まっている傾向があるようです。

市場のニーズや流行を反映して、顧客にとって魅力的なレッスンを用意しましょう。

※3 株式会社ベネッセホールディングス 小学生の習い事調査

【対処法】市町村が開催するパソコン講座を参考にする

市町村が開催するパソコン講座を参考にすると、市場のニーズや流行が分かります。

市町村のパソコン講座では、就職活動をおこなっている方に向けた講座や、スキルアップしたい方向けに講座を開いていることが多いです。

現場で必要とされているスキルや市場のニーズが反映されている可能性が高いため、募集要項はチェックしておきましょう。

特に何期も続けて実施されている講座は、需要が高いと判断できますよね。

レッスン講座の内容を決める際に参考にしてみてくださいね。

【対処法】地域分析をする

地域分析でその土地のニーズを見極めることが大事です。

地域分析とは、その地域の特徴や経済構造、人口構成などから事業をおこなう周辺の調査をすることを言います。

なぜ地域分析が必要なのかというと、たとえば子供が多い地域なのか、高齢者が多い地域なのかなどのさまざまな指標から正確な需要を割り出せるからです。

しかし、高齢者が多い地域だからと言って、スマートフォンの使い方講座をメインに据えるのは間違いです。

「総務省 令和3年通信利用動向調査」によると、全体のスマートフォン普及率は74.3%となっており、60代は79.3%、70代でも53.1%と高い普及率であることが分かります。(※4)

そのため「高齢者だからスマホやパソコンの使い方を知りたいだろう」というような思い込みは失敗の原因になるのです。

市場のニーズを知るためには、思い込みではなく地域分析や信頼できる機関のデータに基づいて分析する癖をつけましょう。

パソコン教室を運営する地域での、スマホやパソコンに対するニーズはどんなものがあるのか、しっかり調査を行ってデータを元に運営方法を決定してくださいね。

※4 総務省 令和3年通信利用動向調査

開業失敗理由④初期費用の計算が甘い

最後に紹介する理由は、初期費用の計算が甘いことです。

主な初期費用としては、パソコン・パソコン周辺機器・ソフトウェア・教材・電気代・工事代などが必要になります。

自宅で開業する場合は20〜100万程度は必要です。

もし、生徒にパソコンを持参してもらうのなら、パソコン代を削ることもできます。

テナントを契約して開業するなら、テナント代・敷金・礼金・物件保証金・不動産仲介手数料などもかかってくるので、最低でも300万円以上は用意したほうがいいでしょう。

フランチャイズに加盟するなら、物件契約費用・フランチャイズ加盟金・契約金・保証金などがかかるため、500万円程度は必要になります。

このように、経営形態で必要な初期費用は大きく変わります。

「だいたいこのくらいあれば大丈夫だろう」と、正確な費用の計算をしないまま開業に踏み切ってしまうと、後々赤字が続いて廃業してしまうなんてことになりかねません。

しっかり初期費用を計算し、自分に合った経営形態を選んで開業しましょう。

また、初期費用以外にも計算しておくべき費用があるので、紹介しますね。

【対処法】ランニングコストを計算する

パソコン教室の開業直後に失敗しないためにも、ランニングコストをしっかり計算しましょう。

開業直後は、生徒も集まらずマイナス収支になることが予測できます。

生徒数が0の状態でも、パソコンのメンテナンス代や家賃、通信費、広告費などはかかりますし、パソコンをレンタルしている場合は、1台あたり月額約5,000円のレンタル料も必要です。

また、フランチャイズに加盟した場合だと、ロイヤリティをフランチャイズ本部に支払わなければいけません。

しばらく生徒が集まらなくても資金繰りに困らないように、初期費用にプラスして、約6カ月分のランニングコストも用意しておくと安心ですね。

【対処法】融資や助成金ありきで計算しない

費用を計算する上で、融資や助成金をあてにしてはいけません。

なぜなら、融資や助成金は審査に時間がかかるうえ、必ず受けられるものではないからです。

融資とは、事業をおこなうために日本政策金融金庫や商工中金など公的の金融機関や、民間の銀行や信用金庫などからお金を借りることです。

まれに無利子で借りられるパターンもありますが、お金を借りるわけですから、基本的に返済する義務があります。

一方、助成金は国や自治体から受けられる資金援助のことで、基本的に返済の義務がありません。

助成金の給付条件を満たしており、審査が通れば援助を受けることができます。

しかし、融資も助成金も援助を受けるまでに2〜3カ月程度の時間がかかるため、融資や助成金ありきで必要な費用の計算をしてしまうと、途中で費用が足りなくなり廃業に追い込まれる恐れもあるのです。

融資を受けていた場合、返済義務だけが残ってしまう可能性もあります。

もちろん、活用できる融資や助成金は使うべきですが、必要な費用を計算するときには、融資や助成金は受けられないものとして計算するのが安全でしょう。

パソコン教室を開くには?パソコン教室起業でよくある質問5選

ここまで読んでいただいて、パソコン教室の開業で失敗しないための知識や、考え方は分かっていただけたのではないでしょうか。

ここでは、パソコン教室を開くにあたって「資格は必要なのか」「自宅でも開業できるのか」「いくらあれば開業できるのか」などの、多くの人が疑問に思う内容を5つまとめました。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

質問「パソコン教室を起業するのに必要な資格は?」

おすすめの資格を3つ紹介しますね。

  • パソコン検定・・・パソコンや周辺機器などの総合的な知識・技術を証明できる
  • MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)・・・社会的にも広く知られており、オフィス製品の利用スキルを証明できる
  • MCT(Microsoft認定トレーナー)・・・Microsoft製品の技術に関するスキルと、指導力を証明できる

パソコン教室を起業するのに必要な資格はありませんが、これらの資格はどれもパソコンの基本的なスキルになるので、初心者向けの講座などを開く際にはぜひ取得しておくといいでしょう。

顧客に安心感を与えるために資格を取得するのはおすすめです。

「資格保有者が指導するパソコン教室」などと権威性をアピールして、他社と差別化するためにも効果的ですよ。

また、専門性の高い講座を開く場合は、ウェブデザイン技能検定や、ウェブクリエイター能力認定試験アドビ認定エキスパートなどの資格もあわせて取得するのもおすすめです。

資格を取得することで自分自身のレベルアップや自信にも繋がりますし、前述したように権威性をアピールできるなどのメリットもありますので、ぜひ検討してみてくださいね。

質問「パソコン教室の開業は自宅でもできる?」

結論からいうと、パソコン教室の開業は自宅でもできます。

自宅での開業をすれば、テナントを借りる費用もかかりませんし、家賃の1部を経費として計上できたりと、費用面で大きなメリットがあります。

どの程度の生徒数を募集するのかにもよりますが、自宅での開業は部屋の広さが十分に確保できず、手狭になってしまうこともあるでしょう。

ですが、費用を抑えられる点は大きな魅力ですので、はじめの一歩として自宅での開業はおすすめです。

質問「パソコン教室の開業に必要な費用の目安は?」

パソコン教室の開業に必要な費用は約20〜500万円程度です。

パソコン教室を自宅で運営するのか、テナントを借りるのか、フランチャイズに加盟するのかなど、経営の仕方によって大きく変動します。

比較的少ない費用で始められるのは、テナント代や、フランチャイズの加盟料などがかからない自宅での開業です。

一方、フランチャイズに加盟しての運営は、どのフランチャイズに加盟するかによっても変わりますが、ロイヤリティなどの必要になるため比較的、費用がかかる傾向にあります。

初期費用やランニングコストなどの費用をしっかり計算して運営を始めましょう。

質問「パソコン教室の開業で活用できる助成金制度は?」

パソコン教室を開業するにあたって多額の費用が必要であることが分かりましたよね。

活用できる助成金制度を使って、費用の負担を軽減していきましょう。

ここでは、パソコン教室の開業に使えそうな助成金制度を3つ紹介しますね。

  • 小規模事業者持続化補助金・・・従業員数が20人以下の小規模事業者を対象にした制度で、補助金額は最大50万円
  • キャリアアップ助成金・・・非正規雇用の従業員を、自社でキャリアアップさせるときに申請する助成金
  • 高年齢者等共同就業機会創出助成金・・・45歳以上の3人以上が法人で設立し、雇用保険に加入する人が出た際に支給される助成金

なお、助成金の受給には、一定の条件を満たす必要があります。

自治体によって内容や金額が異なりますので、お住いの地域で確認してみてください。

質問「フランチャイズ?個人経営?パソコン教室の開業でおすすめなのは?」

パソコン教室を開業するなら、個人経営がおすすめです。

個人経営は、開業準備などの面倒な作業をすべて自分で行わなければなりませんが、授業内容や開催日時を自分で決められたり、初期費用やランニングコストを抑えられるメリットがあります。

自分で試行錯誤しながらでも、利益率の高いパソコン教室の運営を目指すのなら、個人経営で開業するほうがいいでしょう。

反対に、フランチャイズでは、費用は高くなりますが開業準備のサポートが受けられたり、授業内容も決まっているので自分で考える手間がなくなります。

ただしその分、利益率は低くなるため、無駄な挑戦をせずある程度の売上で満足できるならフランチャイズでの開業を検討してみましょう。

個人経営とフランチャイズのそれぞれのメリット・デメリットを比較して、ご自身の目的に合った経営形態を選んでみてくださいね。

まとめ

最後に、パソコン教室を開業するための大事なポイントをまとめます。

  • 安定した集客を得るためには、顧客との信頼関係を構築することが大切
  • 価格設定の際は、地域の相場を調査してレッスン料金に反映させる
  • データに基づいて、顧客のニーズや流行を分析する
  • 初期費用やランニングコストなどの費用の計算は綿密におこなう
  • パソコン教室の開業は、フランチャイズより利益率の高い個人経営がおすすめ

この記事を参考に、パソコン教室の開業を進めていただければ、失敗要因をできる限り減らして利益を出せるパソコン教室の運営ができるようになりますよ。

ぜひ、パソコン教室の開業にチャレンジしてみてくださいね。

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