医療クリニックの患者を増やすには?事例から学ぶ集客方法と成功のポイント
- 医療クリニックを開業しても患者がくるのか不安
- 医療クリニックに集客のための施策は必要?
- 患者に選ばれ続ける医療クリニックとは?
少子高齢化による医療費の抑制が進められ、今後も医療を取り巻く環境は厳しい状態が続くことが予想されます。
2020年度には、赤字経営となっている病院・医療クリニックが60%を超えました。(※1)
病院や医療クリニックは集客のための施策を打たなくても患者さんがきてくれる、というのは過去の話と考えられますね。
つまり今の時代、患者さんはその医療クリニックを「選んで」通っているのです。
この記事ではwebを活用した集客方法や、集客に成功した医療クリニックの事例を紹介します。
集客方法を考えれば、患者さんに選ばれるにはどのような医療クリニックを目指すべきかが見えてきますよ。
(※1)独立行政法人福祉医療機構「2020年度(令和2年)病院・診療所の軽々状況(速報)」
事例から学ぶ医療クリニック・病院の集客(集患)方法!施策や成功要因を紹介
これからの開業医は、医療の知識だけではなく経営の知識も必要になります。
特に集客は重要ですが、患者さんにきてもらえる方法がわからないという方は多いでしょう。
患者さんが情報を元に医療クリニックを選ぶ時代になった今でも、コンスタントに新規患者を獲得し続け、集客に成功している医療クリニックはあります。
そこでまずは、集客に成功した医療クリニックの事例を紹介します。
- 事例①親切丁寧な対応で口コミからの集患に成功した皮膚科クリニック
- 事例②スタンプカードの導入で増患につながった眼科クリニック
- 事例③HPを作成しwebでの問い合わせもできるようにした泌尿器科・透析クリニック
事例①親切丁寧な対応で口コミからの集患に成功した皮膚科クリニック
医療クリニックの集客では、口コミは大事です。
「3時間以上待って、診療時間はたったの3分だった」「質問に適当に答えられてガッカリした」このような口コミがある医療クリニックに通いたい人はいないですよね。
反対に「じっくりと話を聞いてくれた」「優しく穏やかに接してもらえて安心できた」などのいい口コミが広まれば、その口コミを元に訪れてくれる患者さんが増えます。
よい口コミをきっかけに集客に成功した皮膚科クリニックの事例をみてみましょう。
30代女性医師の例:集客のためにどんな施策を行いましたか?
地域密着で、親切で丁寧な対応を心がけています。
待ち時間も多く、クレームもありますが、オンライン予約もあるので自分の順番が近くなると来る方も多くいます。
1日の患者様の人数制限もしているので朝から行列になっています。
医師は2人体制で待ち時間が少なくなるように心がけていますが内容によっては処置、診察時間も長くなってしまう場合もあるのですが、声がけしたりしています。
はじめに今何人待ちだと伝えたり、何曜日が比較的混んでないなど伝えるようにしています。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
30代女性医師の例:施策を行った結果はどうでしたか?
口コミで遠くから来る患者様も増えました。
どうしても午前の受付時間まで受付してしまうと午後の診察開始までに午前の診療が長引いてしまったりもあったので、人数制限をしました。
オンライン予約の人数制限もしたことによって、比較的待ち時間も少なくなりました。
朝の受付10分で人数が達してしまい受付終了になることも多いですが、待ち時間のクレームも減ったと思います。
近くにもたくさん皮膚科クリニックがありますし、混んでない皮膚科もありますが「混んでいても対応が良い方に来てる」とよく患者様が言ってくださいます。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
30代女性医師の例:集客が成功した要因は何だと思いますか?
ホームページでは特に宣伝もしていないのでほぼ口コミだと思います。
親切で丁寧な対応を心がけ、口コミでその患者様の家族や友人が来てくれるようになりました。
近くにも皮膚科クリニックも多くあるなかで、朝から行列ができているのはスタッフが親切で丁寧な対応を心がけているからだと思います。
美容皮膚科も力入れていますが、利益を優先していないのも伝わるらしく、よく患者様から褒められることが多いです。
価格も安いこと、物販も常に10%割引にしています。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
事例②スタンプカードの導入で増患につながった眼科クリニック
スタンプカードといえば、一般的にスーパーなどのお店を想像しますよね。
「医療クリニックにスタンプカード?」と、活用方法がイメージできない方も多いのではないでしょうか。
ですが、受診を嫌がる小さなお子さんにとってスタンプをためてもらえるご褒美は、積極的な受診を促すことに役立ちます。
スタンプカードの導入によって集客に成功した眼科クリニックの事例をみてみましょう。
30代女性眼科医の例:集客のためにどんな施策を行いましたか?
診察に行くたびにスタンプカードが貯まるようなシステムを作りました。
スタンプカード自体は15回行けば指定のコンタクトレンズがもらえ、回数ごとにコンタクト液、その他のグッズなどがもらえるというお得キャンペーンにしました。
スタンプの失効システムも取り入れ、数カ月間来ないとポイントがなくなってしまうので商品が欲しい人はよく来院してきます。
また、SNSで当院の商品を紹介してもらうとスタンプが貯まるようなシステムも導入しました。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
30代女性眼科医の例:施策を行った結果はどうでしたか?
導入をしてから数カ月間はまだ浸透していないのか、客足はそこまで増加はしなかったです。
ですが口コミのおかげか、徐々に来院されるお客様が増え、スタンプシステムもうまく回るようになりました。
スタンプのシステムのこともあり、継続して来院される方が非常に多いです。
ですが想定したよりも患者様が多くなってしまったことにより、商品自体が一部在庫不足に陥る事になりました。
発注のロット数などを増やす対策もしないといけなかったです。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
30代女性眼科医の例:集客が成功した要因は何だと思いますか?
お客様が増えた要因としては、スタンプカードシステムだと思います。
来院していただくごとにスタンプが貯まり、失効もあるのでスタンプ欲しさに来られる方も非常に多かったです。
スタンプが溜まった商品のコンタクトレンズやコンタクト液なども少しお値段が張るような商品も対象にしていたこともあり、そういったことも集客できたポイントかなと感じています。
SNSにより当クリニックも知らないお客様もターゲットにできたことも非常に大きいかと思います。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
事例③HPを作成しwebでの問い合わせもできるようにした泌尿器科・透析クリニック
医療クリニックへ問い合わせをするときに、直接来院するか電話での受付しかできないと、二の足を踏んでしまう人もいますね。
方法が他にもあれば、自分に合った方法を選んで問い合わせをしてくれる可能性は高くなります。
webの問い合わせから受診への流れを作り集客に成功した泌尿器科・透析クリニックの事例をみてみましょう。
30代女性医師の例:集客のためにどんな施策を行いましたか?
ホームページ制作を業者に依頼して、電話だけではなく、webページからも問い合わせを受け付けられるようにしました。
ホームページはお盆や年末年始などの休診お知らせ以外にも、コロナワクチン接種やインフルエンザワクチン接種の受付状況も随時掲載・更新していました。
また、ホームページ制作会社の担当者の方から「E-PARK」への掲載をおススメされて、無料期間のみ試しました。
無料期間終了後は、有料プランに移行せずにそのまま終了しました。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
30代女性医師の例:施策を行った結果はどうでしたか?
クリニックの電話問い合わせは変わらずでしたが、泌尿器科に関してはwebページからの問い合わせが増えました。
ただ、メールを返信するような形で問い合わせ対応を行っており、予約制を導入していないクリニックなので、問い合わせ後に来院に繋がったかどうかまでは追えませんでした。
web業者さんの資料によると「PV数は増えている」とのことでした。
また、透析で通院する患者さんに関しては問い合わせ自体も増えることはなく横ばいのままでした。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
30代女性医師の例:集客が成功した要因は何だと思いますか?
泌尿器科にはよく「性病にかかったかもしれないので検査してほしいのですが、いくらくらいかかりますか?」といった男性が訪れることが多いです。
そのため、特に若い人の場合だと電話よりもホームページから問い合わせる方が気持ち的に楽だったからだと思います。
また、透析患者さんについては急になる病気ではなく、元々透析で通院している人が新しくクリニックを探していたり、他院からの紹介で訪れる場合がほとんどのため、結果につながらなかったのだと思います。
※上記は自社の独自アンケート調査をもとに作成したものです。
なぜ患者が集まらない?医療クリニックの集客がうまくいかない3つの理由
医療クリニックを開業したものの、思うように患者さんにきてもらえないという場合、主に3つの理由があげられますよ。
集客方法を実践するまえに、まずは集客できない理由を探ることが必要です。
それぞれについて、詳しく紹介します。
理由①クリニックの認知度が低い
開業して間もない場合は、認知度が低く集客につながりにくいです。
また、「自宅から近い」「通いやすい」といった理由を最優先にして医療クリニックを受診する人が多いため、居住地域や駅から近いなどの立地も重要になります。
医療クリニックの経営では、地域との関わりを無視することはできません。
先生や看護師さんなど働くスタッフの人となりがみえる医療クリニックは、自然と周囲に住む住民への認知が広がっていきます。
理由②クリニック独自の強みがない
現代は、インターネットなどで集めた情報を元に、自分に合った医療クリニックを探す人が増えています。
なかには自宅から遠く離れた医療クリニックに、わざわざ通う人もいますよね。
患者さんから選んでもらえる医療クリニックは、独自の強みを持ち、しっかりとアピールができています。
診療科目によっては異性よりも同性のドクターに診てもらいたいという患者さんは多いですよね。
子どもを連れての受診が前提の人もいます。
このような患者さんには「男性医師常駐(女性医師常駐)」や「子連れで診療中はスタッフがお子さんのお世話をさせていただきます」などのアピールが効きます。
他の医療クリニックとの違いを知ってもらうことができれば「遠くても通いたい」と、集客につながりますよ。
理由③いい口コミが少ない
インターネットが発展する以前から、医療クリニックや病院の口コミは集客に関係していましたが、それはあくまでも身近な人の少数の口コミを耳にする程度でしたよね。
しかし、今はインターネットによってより多くの口コミを目にすることができます。
2~3人が「あの医療クリニックは対応がよかったよ」と言うよりも、20~30人の口コミの方が信頼性が高まります。
それゆえに、いい口コミが多い医療クリニックに患者さんが偏りがちになり、いい口コミが少ないと不安になって候補から外されてしまうケースも増えているのです。
医療クリニックにおすすめの集客方法6選
医療は医療側が「選ぶ」時代から、「選ばれる」時代へと変わってきています。
その傾向はこの先もどんどん進んでいくことでしょう。
そのため、開業しても黙って待っているだけでは患者さんを集められません。
医療クリニックの認知度を上げて独自の強みをアピールし、いい口コミを増やすことが必要ですが、どのような方法があるのかわからない方もいますよね。
医療クリニックの集客方法には次の6つの方法があります。
それぞれを詳しくみてみましょう。
- 方法①ホームページやブログを活用する
- 方法②SNSを活用する
- 方法③ポータルサイトに登録する
- 方法④Googleビジネスプロフィールを活用する
- 方法⑤チラシをポスティングする
- 方法⑥街頭広告や看板を設置する
方法①ホームページやブログを活用する
ホームページやブログは、SNSと同じweb媒体として括られますが、その役割や特徴は違いますよ。
SNSはその手軽さが魅力ですが、情報の信頼性という面ではホームページより劣ります。
ホームページやブログは多くの情報を記載し、患者さんの欲しい情報が掲載されているため存在自体が患者さんに安心感を与えますよ。
たとえば、自宅近くにある内科クリニックを探して、インターネットで検索をしたとしましょう。
上記のようにAクリニックはSNSでの発信はあっても、ホームページがありませんでした。
一方のBクリニックはSNSとホームページがありました。
ホームページにはクリニックの診療方針や診療時間、医師の経歴、症例などが詳しく掲載されています。
さらにブログでは、「風邪かな?と思ったときにするとよい3つのこと」など、日常生活に生かせそうな情報が書かれていました。
さて、あなたはどちらの医療クリニックを受診したいと思うでしょうか。
多くの方が信頼性や安心感から、Bクリニックを選びますよね。
SNSとホームページは同じと思わず、ホームページを開設するようにしましょう。
なお、医療クリニックのホームページやブログを開設するときは、「医療広告ガイドライン」(※2)や「薬機法」(※3)などの法規を守った表現をしてください。
違反すると中止命令や行政処分が下ることがあるので注意しましょう。
(※2)厚生労働省「医療広告ガイドライン」
(※3)厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の概要」
方法②SNSを活用する
医療クリニックの集客にSNSを利用するのは、ホームページやブログの開設と並んで今や常識です。
SNSはホームページやブログに比べて拡散力が高く、リアルタイムの情報を流すときに使いやすいツールですよね。
一方で、誤った情報や悪い口コミ(書き込み)が瞬く間に広がっていく側面があるため、安易な発信は避けましょう。
また、すべてのSNSを運営しようとすると、時間も労力も膨大にかかってしまいます。
患者さんの年齢層や診療科などによって、メインで使うSNSを決めるのがおすすめです。
ここでは、SNSの3つの活用例を紹介します。
【活用例】LINE(ライン)×内科
LINEは、日本国内においてSNSで最も利用者が多いツールになります。
利用している年齢層も幅広く、男女の偏りもないのが特徴のため、年齢性別を問わず受診機会が多い内科との親和性が高いです。
LINEは家族や友人など親しい人とのコミュニケーションツールというイメージを持っている方が多いですが、医療クリニックのアカウントを開設することもできますよ。
情報の発信ができるだけではなく、LINEのメイン機能のチャットを利用して、患者さんと個別にコミュニケーションをとることも可能です。
丁寧なやり取りやLINEの使いやすさから、リピーターを増やすチャンスが生まれます。
【活用例】Twitter(ツイッター)×小児科
Twitterは10~20代の若い世代が中心の利用層となっていますが、30代は60%弱、40代も50%弱の人が利用しています。
20~40代は子育て世代ですよね。
そのため、情報の拡散が早いTwitterでは、子どもの間で流行している感染症の情報を提供するような使い方がおすすめですよ。
予防接種の空き情報や子どもに多い病気の予防、対処法などの発信にも向いています。
子どものお世話をしているお母さんやお父さんは、膨大な情報のなかから必要な情報だけを抜き取る時間がないので、Twitterのような140文字の短文に必要な情報が詰まっているツールが選ばれやすくなります。
また、日ごろからTwitterで医師や看護師、スタッフの人柄や院内の雰囲気などを発信していれば親近感や信頼感を持ってもらえますよ。
特に小児科医はクリニックのアカウントよりも個人のアカウントで、個人として発信をした方が好感を持ってもらいやすくなります。
2023年7月よりTwitterはX(エックス)へ名称を変更しています
【活用例】Instagram(インスタグラム)×美容皮膚科
Instagramのメインユーザーは20~30代の女性のため、美容皮膚科のターゲット層と重なり、相性がよいSNSとなります。
ビフォーアフターの写真を掲載したり、写真の配置や構図などでセンスのよさを視覚に訴えることができれば、美意識の高い患者さんに届きやすくなりますね。
InstagramはTwitterほどの拡散力はないものの、所属や趣味などの横のつながりが強いSNSです。
実際に施術を受けた患者さんに自院のアカウントをアピールしてもらえれば、同じように肌に悩みを抱えている人への認知拡大につながりやすくなりますよ。
Instagramを使った効果的な集客方法については、こちらの記事に詳しく掲載しています。
方法③ポータルサイトに登録する
- マイクリニック
- カルー
- ホスピタ
- EPARKクリニック・病院
インターネット上の膨大な情報から医療クリニックを選ぶとなると、手間や時間がかかって大変ですよね。
そこで多くの人が利用しているのがポータルサイトです。
ポータルサイトでは地域や駅、診療科目などから条件に合った医療クリニックを探すことができますよ。
ポータルサイトに登録しておけば、条件を入力した患者さんの目に留まりやすくなり、認知拡大や集客につながります。
ただし、医療クリニック検索に特化したポータルサイトは多数あり、Google検索などで上位に表示されるポータルサイトを選ぶことが大切です。
ポータルサイトには、競合する医療クリニックも登録されています。
なので他の医療クリニックとの違いがなければ患者さんから選ばれません。
自院のアピールポイントをしっかりと押さえ、わかりやすい情報を伝えるようにしましょう。
方法④Googleビジネスプロフィールを活用する
Googleビジネスプロフィールとは、以前までGoogleマイビジネスと呼ばれていたサービスです。
Googleと名がつく通り、Googleが無料で提供しています。
Googleビジネスプロフィールにオーナー登録をして、医療クリニックの診療内容や時間などの情報を更新するようにしましょう。
医療クリニックを検索するときは、「内科+地域名」「耳鼻科+地域名」のように、かかりたい診療科目と住んでいる地域を検索する人が多いですよね。
これは、できるだけ自宅から近い医療クリニックに通いたいと思う人が多いからです。
Googleビジネスプロフィールに登録してある医療クリニックは、Google検索よりも上に表示されるため、患者さんの目に留まりやすくなりますよ。
ホームページやブログ、SNSと紐づけして、流入を増やす仕組みを作ることも大切です。
また、Googleアカウントを持っていれば、誰でも口コミを投稿することもできます。
自院のGoogleビジネスプロフィールに悪い口コミをみつけたときは、真摯に対応をして評価をあげるように心がけましょう。
方法⑤チラシをポスティングする
web集客が主流になりつつある今でも、チラシによる集客の効果が0になったわけではありません。
チラシは医療クリニックの周辺の住民に対して配られるものなので、「近くに医療クリニックがある」ことを認知してもらえます。
また、多くの世代がインターネットを利用する時代となりましたが、高齢者では天気予報をみたり、家族や親類との連絡手段としての利用に留まるケースも多いです。
このような世代にはチラシのような紙媒体による集客効果はまだまだ健在と考えられますね。
チラシには診療科目や時間、アクセスなどの基本情報を始め、医師や院内の様子が伝わりやすい写真を掲載すると、実際に自分が通ったときのイメージを持ってもらいやすくなりますよ。
方法⑥街頭広告や看板を設置する
街頭広告や看板は、チラシと同様に昔からある宣伝方法の一つですよね。
駅などの人通りや多い場所に設置しておけば、毎日たくさんの人にみてもらうことができます。
また、繰り返し目にすることで記憶にも残りやすくなり、体調が悪くなったときなどに「そういえばこの近くに内科があったはず」と思い出してもらえますよ。
より多くの人の記憶に留まるには、目でみたときに情報が伝わりやすい文字やデザインにする必要があります。
特にクリニックの名前や診療内容、診療時間はしっかりと明記しましょう。
医療クリニックの患者を増やすためのポイント3つ
集客のための施策を行ったことで認知度が上がり、新患として医療クリニックを訪れる人が増えてきたら、次に考えるべきはリピーターになってもらうことです。
一度は来院してもらえても、二度目がなければ永遠に新患を増やしていかなければなりません。
いわゆる「かかりつけ医」になれれば、体調に不安が生じたときに真っ先に「あの医療クリニックにいこう」となりますよね。
「かかりつけ医」として通ってもらうためには、以下の3つのポイントを意識することが大切です。
それぞれを詳しくみてみましょう。
ポイント①ほかのクリニックとの差別化を図る
飲食店であれば、メニューや外観などで他店との差別化を図るのは比較的容易といえますが、医療クリニックでは同じようにはいきませんよね。
「耳鼻科に行こうと思ったけれど、雰囲気がよさそうだから内科にした」とはなりません。
そのため、医療クリニックにおける他院との差別化はやや難しいと悩む方も多いのではないでしょうか。
ここでは医療クリニックの差別化ポイントを3つあげたので、ぜひ参考にしてください。
医療クリニックの差別化ポイント例:同性の医師がいる
女性の患者さんに多いのが「同じ女性(の医師)に診てもらいたい」という意見です。
女性ならではの悩みを共有してもらいやすいことや、男性医師に診られることに拒否感がある人もいます。
これとは反対に、男性が男性医師に診てもらいたいというケースもあるでしょう。
なのでレディース・メンズデーがあることや、同性の医師を指名できる制度の導入は医療クリニックの強みとなりますよ。
医療クリニックの差別化ポイント例:受付時間や診療時間が長い
会社勤めをしている方などは、受付時間や診療時間が長い医療クリニックを選ぶ傾向にあります。
他の医療クリニックが休日に設定している土日や祝日に診療を行えば、土日祝しか自由時間がない人は通いやすくなりますよ。
また、会社帰りにクリニックへ寄る方は「早く家に帰りたい」「診療時間ギリギリに着けるけど無駄足になるのは嫌だな」と考える傾向があります。
なので診療時間が長いことを強みとする際は、予約制度との組合せてウリを強化しましょう。
診療・受付時間の長さとターゲットのニーズを掛け合わせると、独自性のある強みにできるのです。
医療クリニックの差別化ポイント例:最新機器を導入している
治療に関しては、最新機器の導入がアピールのポイントになりますよ。
これまでは治療不可だったものが、新しい技術によって可能となるケースはありますよね。
他の医療クリニックでは断られたという患者さんが、最新機器の導入を知って自院に来てくれるケースもあります。
最新機器を導入した際は既存の患者さんへも提案をして、口コミや実績を作ることをおすすめします。
最新機器の導入と施術の実績があれば信頼度が高まり、集客で差別化を図れるポイントになりますよ。
ポイント②ターゲットが来院しやすい環境を整える
評判や口コミなどを元に、自宅から遠く離れた場所でも通ってくれる患者さんはいます。
選ばれる理由は、「ここでしか得られないホスピタリティ」が得られるためです。
ターゲットが来院しやすい環境を整えると、リピーターになってもらえる確率を高められますよ。
ここでは、次の3つのケースについて紹介しましょう。
子ども×キッズスペース
小さなお子さんを持つ親御さんは、子どもや親御さんが過ごしやすい医療クリニックを求めています。
子どもはすぐに飽きてしまうのでキッズスペースがあると、診療までの待ち時間も困らずにいられますよね。
絵本が充実していれば子どもも楽しんで待ち時間を過ごせます。
また、授乳室やおむつ替えができる、子ども用のトイレがあるなども、親御さんにとって嬉しいポイントです。
これはターゲットが子どもになる小児科だけではなく、親御さんがかかる可能性のある科でも同様ですよ。
親御さんが子連れで医療クリニックにいくと、「周囲に迷惑をかけるのでは」と心配になります。
キッズスペースや絵本があれば、こうした不安を軽減できますね。
高齢者×バリアフリー
高齢者は足腰が弱っていることが多いので、手すりやスロープがあると歩きやすくなります。
診療室と待合室の段差をなくし、自動ドアの設置もよいでしょう。
車椅子や杖をついている方は、バリアフリー対応だと安心して来院することができます。
その他に、ホームページやチラシなどを通じて写真で院内の様子を紹介し、「高齢者の方にも過ごしやすい空間作りを心がけています」とアピールするのもおすすめですね。
外国人×外国語対応
周辺に外国の方が多く住んでいる地域だけではなく、外国人観光客が多くやってくる地域では、突然の体調不良などで外国の方が医療クリニックを訪れることは珍しくありません。
なので英語や韓国語、中国語などの他国語が話せるスタッフが常駐していることは、患者さんを増やすためのポイントになります。
なお、外国の方の診察・治療では、考え方の違いなどから支払いトラブルが起こる可能性があります。
院内やホームページなどに、他国語で日本の医療制度や診療の流れなどをしっかりと説明しておくことも大切ですよ。
ポイント③来院率をあげる
来院率とは、初診を予約して実際に医療クリニックで受診した人や、再診で何度も通う人の数を合わせたものになります。
来院率が低い医療クリニックは、何らかの理由で二度目以降はないということになりますね。
継続してきてもらえないのは「医師や治療内容などが合わない」といった理由の他に、「予約がとりにくい」「支払いが面倒」など、治療内容とは直接関係がないケースもあります。
このような理由で来院率が下がってしまうのはもったいないですよね。
ここでは、来院率を上げるための施策を3つ紹介します。
それぞれを詳しくみてみましょう。
施策①:オンラインの予約システムを導入する
パソコンやスマホなどからオンラインで予約ができれば、患者さんは24時間いつでも好きな時間に予約できますね。
また、診療の混雑状況をお知らせすることで、待合室で長時間待機も回避できます。
オンラインの予約システムは医療クリニック側にもメリットがありますよ。
電話で予約の変更やキャンセルの受付をする必要がなくなり、その分他の業務に集中できます。
オンラインから予約がスムーズにでき、待ち時間が軽減されるだけで、患者さんの満足度は高くなりますよ。
施策②:キャッシュレス決済を導入する
現金のみ取り扱いの医療クリニックでは、急な診察のためにわざわざ患者さんがお金を下ろすなどの手間をかけることになりますよね。
キャッシュレス決済なら現金を用意する必要はありませんし、支払い方法の幅があることで、患者さんが都合に合わせて選ぶこともできます。
お金のやりとりがないキャッシュレスは支払い時間を短縮することができ、非接触なので感染症の予防にも役立ちますよ。
施策③:口コミ投稿用のQRコードを目につく場所に設置する
医療クリニックを訪れる患者さんは困りごとや不安を抱えて来院しています。
誰だって心身に不調があるときは、気分が落ちこみ、ネガティブな思考になりがちですよね。
そのため、相手の立場に立った親切丁寧な対応が求められるのは当たり前といえるでしょう。
医師や看護師、スタッフに優しく対応してもらって嬉しくない患者さんはいません。
患者さんがいい口コミを広めてくれれば来院率を上げられますよ。
患者さんが気軽に口コミを投稿できるように院内やチラシ、ホームページなどに口コミ投稿用のQRコードを設置しておきましょう。
まとめ
医療クリニックの集客方法や成功事例を紹介しました。
最後にこの記事をまとめます。
- ホームページやGoogleビジネスプロフィールなどを活用して医療クリニックの認知度を上げる
- ターゲットに合ったSNSを選ぶ
- チラシや街頭広告などのアナログの方法も併用
- 自院の強みを知り、他との差別化を図る
- ターゲットが来院しやすい環境を整える
- いい口コミを増やして積極的に利用する
今や医療はサービス業の一つといえ、集客を行うのは必須ということがわかりましたよね。
とは言え、患者さんが何よりも求めているのは、困りごとや悩みと真摯に向き合ってくれる誠実な医師や看護師です。
患者「様」のような過剰な対応は必要ありませんが、温かい心のこもった対応は心がけるべきでしょう。