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森谷俊之

LibRu代表取締役

個人・小規模事業者向けのマーケティング・ブランディングのコンサルタント/セールスコピーライター

経営者の3つの課題「お金がない、時間がない、人材がない」は、シンプルな仕組みで解決できます。集客から販売までを自動化して、ビジネスを成長させていくための仕組み構築を支援します。

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【初心者向け】商品企画の進め方をわかりやすく解説

  • 商品企画って聞いたことあるけど、具体的にどんなこと?
  • 世の中のニーズに合った商品を作りたい!
  • いきなり商品企画を任されて困っている・・・

一人でも多くのお客さまへ商品を届けるために、商品企画に力を入れようと考えている人もいるでしょう。

自社やあなたの商品のファンやリピーターになってもらうためには、商品企画に力を入れることが大切ですよね。

ただ「商品企画」を任されても、何をすればいいのかと、具体的な進め方に悩む方もいるでしょう。

そこで、この記事では商品開発のプロセスを簡単に解説しています。

商品企画を成功させ、自社やあなたのファンやリピーターを増やす商品をつくっていきましょう。

目次

商品企画とは?

商品企画とは、市場や消費者のニーズに合った商品イメージを具体的にしていく作業のことです。

商品企画には、まったく新しいものを作り出す場合と、既存の商品を改良する場合があります。

どちらにおいても業務は多岐にわたり、コンセプトの立ち上げから開発、販売戦略などにも携わるのが特徴です。

そのため商品企画の担当者には、コミュニケーション能力や常にビジネス目線で考えられる思考力などが求められますよ。

商品企画とは、市場の動向やトレンド、ニーズから商品を生み出し、その商品が売れるような仕掛けを作っていくプロセスのことなので、プロデューサーのような立場といえるでしょう。

より詳しく商品企画に求められるスキルや、商品開発との違いについて解説します。

商品企画に求められるスキル

商品企画とは、新しい商品を世の中へ送り出す仕事のため、アイデアを生み出す創造力が求められます。

市場分析や、過去の経験、単なる思いつきからでも企画が生み出せるよう、常に考えを整理する習慣を心がけましょう。

そしてその考えを、顧客や一緒に開発する社員などに伝え、共感してもらわなければなりません。

必要な情報を得るだけでなく、自分の考えを正確に伝えるためにも、コミュニケーション能力とあわせ、周囲に企画を魅力的に伝えるプレゼン能力をみがいていくことが大切ですね。

また、徹底的なリサーチは商品企画の成功への鍵となります。

ですから、リサーチ力や分析力も商品企画を成功させるために求められるスキルです。

収集した情報からニーズを分析し、さらにその先にあるこれから必要とされるトレンドを先読みすることにまで目を向けられる力を身につけましょう。

「商品企画」と「商品開発」の違い

商品企画は商品のイメージを作り上げていくのに対し、商品開発は企画された商品のイメージを形にする作業です。

商品づくりにおいて混同されがちではありますが、企画と開発というプロセスの違いであることを理解しておきましょう。

良い商品を世の中へ送り出すには、企画、開発のどちらのプロセスも大切です。

複数の社員がそれぞれ企画や開発に携わる場合は、相互理解を深め協力していくことも商品企画を進めるうえでのポイントになります。

【初心者向け】商品企画の進め方を5ステップで解説!

商品企画は、商品のイメージを作り上げていく仕事です。

イメージを作り上げていくには、どんな商品が求められていて、どうしたら注目を集めることができるかを調べ、はっきりとした形にしていく必要があります。

ここからは、実際の商品企画の進め方を5つのステップで見ていきましょう。

ステップ①消費者のニーズを徹底的にリサーチする

商品企画のはじめのステップは、どんな市場にどんなニーズがあるかを徹底的に調べることです。

先ほどお伝えしたように、商品企画とはニーズに合った商品のイメージを作り上げる作業ですので、ニーズの把握は商品企画で丁寧に行うことが大切です。

アンケートなどを用いて現在の市場やトレンドなど、消費者の動向を把握したり、ライバル企業をリサーチしたりしましょう。

市場調査をする際、「Company(自社)」「Customer(顧客・市場)」「Competitor(競合)」の3つを分析する「3C分析」がおすすめですよ。

市場調査によって、顧客やライバル企業の動向、自社の商品の現状などを把握し、消費者の求めていることの洗い出しをおこないましょう。

3C分析については、こちらの記事に詳しくまとめているので参考にしてください。

ステップ②いろんなアイデアを出す

消費者のニーズがリサーチできたら、次はそれをもとにいろいろなアイデアを組み合わせ、商品の輪郭をつくっていく作業です。

感覚的に「アイデア」と「企画」は同じような印象ですが、実際は違います。

できるだけ多くの「アイデア」をつのり、それを足し算したり引き算したりしながら「企画」は進んでいくのです。

たとえば、動画のチャンネル企画を考える場合、最近人気のジャンルをリサーチしてその結果が「料理」「ゲーム」「ファッション」だったとしましょう。

その中から「料理」と「ゲーム」を組み合わせてみると、「ゲームキャラクターをモチーフにしたお菓子作りの動画」という一つの企画が生まれます。

このようにアイデアを出し、商品化に向けて具体的なイメージをつくり、企画を進めていくというわけですね。

「アイデア」は単なる思いつきや過去の経験、リサーチによる注目度の高い事柄など、さまざまな切り口から意見を集めることが大切です。

アイデアがひらめくように、日々いろいろな事柄にアンテナを張り、常に考えを整理しておくことを心がけるとよいでしょう。

ステップ③ターゲットとなる市場を選定する

綿密なリサーチと、商品の輪郭が定まってきたら、次は誰にその商品を買ってもらいたいのかターゲットを決めていきます。

自社の立ち位置を明確にし、どんな人にどんな商品を提供するかを具体的に考えるために、フレームワークを活用するのがおすすめです。

ここからは、商品企画におすすめのフレームワークを紹介していきますね。

【おすすめフレームワーク】5W2H

商品企画におすすめのフレームワークの1つ目は、5W2Hです。

5W2Hとは、情報を論理的に分類・整理するためのフレームワークで、下記のそれぞれの要素の頭文字とその数を取ってこのように呼ばれています。

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(だれが・だれを)
  • What(なにを)
  • Why(なぜ)
  • How(どのように)
  • How much(どのくらい)

使い方の例として、飲食店の新メニュー企画に当てはめて情報を整理してみましょう。

When(いつ)9月に
Where(どこで)周辺に学校の多い立地にある3号店で
Who(だれが・だれを)10~20代の学生をターゲットに
What(何を)SNS映えするクレープを
Why(なぜ)学生をターゲットに集客を見込むため
How(どのように)3号店の店長が開発
How much(どのくらい)開発・宣伝などトータルで5万円の予算

このようにフレームワークによって商品企画を整理することは、複数の社員との企画の共有や、課題や改善点を明確にするために役立ちます。

5W2Hを活用し、広範囲な情報を的確にまとめることで、より具体的にターゲットの絞り込みをおこないましょう。

【おすすめフレームワーク】STP分析

商品企画におすすめのフレームワークの2つ目は、STP分析です。

STP分析とは、「Segmentation(市場細分化)」「Targeting(ターゲットの絞り込み)」「Positioning(立ち位置の把握)」の3つの要素の頭文字からなる市場の全体像やターゲットの市場を明確にする手法です。

STP分析をおこなうことで、市場での自社のポジショニングを明確にし、実行すべきマーケティング施策を導きだします。

STP分析については、こちらの記事に詳しくまとめていますので、あわせてご覧になってくださいね。

ステップ④コンセプトを設計する

市場やターゲットを絞り込めたら、商品の基本的な概念であるコンセプトを決定しましょう。

コンセプトを決定するためには、その商品を手にすることで得られるベネフィットを考えることが大切です。

ベネフィットとは、その商品を購入した際に得られる利益を指します。

たとえば、子ども用の工作はさみを開発するときのコンセプトを決定する場合、「小さなお子様でも安全に使用できる安心感」というコンセプトを設定することで、そのはさみを選ぶ保護者に「安心感」というベネフィットを訴えることができるのです。

このようにコンセプトの設定は、商品の特徴を決定づけるだけでなく、消費者の感情の部分に訴えるよう心がけるとよいですね。

また、コンセプトシートの作成もおすすめです。

コンセプトシートとは、「だれに」「なにを」「どのように」という3つの要素をにまとめることで、企画全体の価値観や考え方をまとめることのできるシートです。

コンセプトをしっかりと設計することで、開発や販促に一貫性が生まれ、商品がより魅力的にターゲットとする市場や消費者にとどけられますよ。

ステップ⑤マーケティング戦略を立案する

コンセプトが固まったら、いよいよどんな商品をどのように売り出していくか具体的に戦略を立てていきます。

マーケティング戦略を構築していくうえで、基本ともなる考え方が4P分析です。

4P分析とは、「Product(商品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販売促進)」の4つの頭文字からなり、自社の商品をこの4つの視点から分析し、それをもとに販売戦略につなげます。

マーケティング戦略によって、商品を広く認知してもらうためのプランの作成を大切にしましょう。

4P分析についての具体的な解説は、こちらの記事にまとめておきますね。

マーケティングを成功させる商品企画の3つのポイント

マーケティングを成功させるポイントは、消費者の立場からニーズに合った企画を一貫して進め、他社にないオリジナル性を大切にすることです。

ここからは、マーケティング成功のポイントを3つに分けてまとめていきます。

ポイントを押さえた戦略で、市場でのポジションを獲得し、販売拡大へとつなげていきましょう。

ポイント①消費者の立場に立って考える

マーケティングを成功させるためには、消費者の立場で商品を見ることを心がけましょう。

「こんな商品が世の中にあれば絶対人々の役に立つのに!」という熱意はもちろん必要ですが、これはあくまで企画側からの一方的な思い入れにすぎません。

実際のユーザーである消費者の目線を第一に考え、悩みに寄り添ったマーケティングが重要です。

消費者の目線を知るには、アンケートが効果的です。

「アンケート」と一言に言っても、質問票へ回答するものや、直接意見を聞くことのできるインタビューや座談会など、目的に応じたさまざまな形式を選択することができます。

アンケートや座談会を通じて消費者の詳しいニーズや不満、悩みを聞くことで、いろいろな人の意見や行動を数字で裏付けし、商品企画の重要な意思決定に役立てましょう。

消費者のニーズがあってこそ共感が生まれ、企画する側の熱意もユーザーの心にとどけることができますよ。

ユーザー目線でのマーケティングについて、詳しくはこちらの記事で解説しているので参考にしてくださいね。

ポイント②全体像を把握する

企画から販売まで一貫性を持つことが、マーケティングを成功させる秘訣となります。

一貫性を持つことで、販売までの行動がスピーディーになり、競合から出遅れることなく販売へこぎつけることができるからです。

また、トラブルが発生しても軸が定まっていることで素早い対応ができます

たとえば、商品化まであと1歩となったところで、他社がよく似た商品を発売してしまったとします。

そんな時、企画に一貫性があれば、「他社の商品はうちの商品とコンセプトが違うので、この路線であたらしく企画を練りなおそう!」というように、問題を解決できる地点まで最短で立ち戻ることができるのです。

全体像をとらえ一貫性を持つと、競合からの出遅れを防いだり、トラブルの際の損失を最小限に抑えたりすることができます。

マイナスなことでも、結果的に新しいアイデアを思いつくきっかけを得られることもありますよ。

ポイント③独自性をプラスする

マーケティングを成功させるためには、自社ならではの独自性を企画に盛り込みましょう。

たとえ需要の高い商品を販売したとしても、特長がなく競合とよく似た商品では消費者からすれば「どっちでもいい」という判断になり、値段が安い方へと流れていきます。

それでは自社の利益につながりませんよね。

たとえば、白いTシャツを販売する場合の取り組みを比較してみましょう。

A社は白一色の無地であるのに対し、B社では有名ブランドとコラボし、知名度の高いブランドロゴを胸の部分にワンポイント入れました。

そうすることで、A社と差別化を図り、より魅力的なTシャツを生み出すことができますね。

市場で売れるものは、どの企業も売りたいので消費者からすれば似たような商品がたくさんある印象になりがちです。

「どっちでもいい」ではなく「これがいい」と言ってもらえるような独自性を企画に盛り込むことを心がけましょう。

マーケティングで独自性はUSPと呼ばれ、そのUSPについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

今回は、商品企画の概要から企画の手順について解説していきました。

最後にこの記事の内容をまとめます。

  • 商品企画とは、市場や消費者が必要としている事柄に合った新しいイメージを生み出し、具体的にしていくこと
  • 商品企画を行うためには、今何が求められているのか、これから何が必要かを洗いだす
  • ニーズに合ったさまざまなアイデアを組み合わせながら企画の軸となるコンセプトを決定する
  • ぶれないコンセプトが設計できたら、他社にない独自性を持たせたマーケティング戦略を立案する
  • 商品企画をおこなう上では、自分の意図を正確に伝えるためのプレゼン力と、高いコミュニケーション能力が必要

売れるためのきちんとしたプロセスを経て完成されたあなたの商品は、より魅力的になって多くの人の手元に届くでしょう。

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